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イギリスのEU脱退は脅迫 Brexit(脱EU)をかけて国民投票をする理由


 EUにノーベル平和賞の波紋 ヤーグラン委員長は加盟を推進した元首相で「政治的な賞」という批判で書いたように、昨年のノーベル平和賞は最低だったと思います。

 しかし、このようなノーベル平和賞の政治的利用にも関わらず、EUの結束は緩むばかりで、理念に反して醜い国家間の争いがよく見えています。

 そして、今度はイギリスがやらかしそうです。
英国の賭け、“Brexit(脱EU)”の現実味 ユーロ救済で加速する統合強化の反作用
吉田 健一郎  2013年2月8日(金)

「脱EUを問う国民投票を実施する」――。

 そう演説で宣言したのは、これまで何度も脱EUが取り沙汰されたギリシャの首相ではない。欧州の大国、英国のキャメロン首相だ。 (中略)

 翌2012年に入るとキャメロン首相は英デイリー・テレグラフ紙に寄稿し、公式に国民投票実施の可能性について言及した。そして、冒頭の英国とEUの新たな関係を表明する演説へと繋がっていく。この演説の中で、キャメロン首相はEUの基本法であるリスボン条約の改正において、EUからの権限回復を盛り込むことを提案、その結果を踏まえて、次回議会会期中の2017年までに「イン・アウト」を直接問う国民投票を実施することを宣言した。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20130205/243294/?mlp&rt=nocnt

 これは単なる脅しであり、実際には"首相自身はEUからの離脱までは望んでいない"ようです。
 ドイツ政府高官は、そんなキャメロン首相の態度を「ブラックメール(脅迫状)」と批判した。それでも、キャメロン首相としてはこうした批判を覚悟の上で、リスボン条約の改正に伴って雇用法などに関する自国の権利をEUから取り戻す一方、英国の国益でもあるEUの単一の財・サービス市場にはとどまるという“一石二鳥”の効果を期待する。

 そして、「EUから権限を奪還した首相」という実績を国民にアピールすることで、劣勢を挽回し次の総選挙に勝利することを狙う。EUの離脱を問う国民投票はその後に実施する構えだ。EUから英国の一部権利を奪還することに成功すれば、EUから離脱する必要はないと国民を説得しやすく、最終的には国民投票でEU離脱は否決されるに違いない。そんな青写真を描いている。

 ところが、これは言うは易く行うは難しです。
まず、EUが英国の権限回復の主張を聞き入れるかどうかが分からない。

 例えば、フランスは英国に対して好意的とは言えず、ファビウス仏外相は「もし英国がEUを離脱するならば、我々はレッドカーペットを敷いて事業家を歓迎する」と述べた。(中略)

 ドイツはもう少し冷静だが、ヴェスターヴェレ外相は「ドイツは英国が…EUの一部としてとどまることを望む…我々は確かに異なっているが、(英国の)いいとこ取りは選択肢には無い」と述べている。(中略)各国は、英国にEUにとどまってほしいと思ってはいるものの、残留が絶対必要とまでには考えていない可能性があるだろう。

 さらに別の問題も。
 英国のEU離脱を巡る議論は、EUの求心力と遠心力が同時に高まっている現状を示しているといえるだろう。2つの相反する力の狭間で生まれる圧力は非常に不安定で、国家分裂にも繋がりうるものかもしれない。

 自国のEU離脱とは別に、英国ではスコットランドの英連合王国からの離脱の住民投票が2014年秋に実施される可能性が高まっている。現時点では独立反対派が多数ながら、英国のEU離脱の可能性がさらに高まった場合は、スコットランドが独立してEUに加盟、という話も出てきかねない。

 英国の分裂です。もちろんそんな展開、キャメロン首相は望んでいないでしょう。

 首相がさらさら離脱する気がないように、本来EUに留まることにも大きな魅力があるのです。
(なお、以下でメリットとされている「非関税障壁の撤廃」は、日本のTPP反対派はデメリットだとしています)
 ユーロ加盟の理由は各国まちまちであるが、本質的には「再び欧州で戦争を起こさない」という政治的意思が強い。それに加えて、為替リスクの低減や関税・非関税障壁の撤廃など経済利便性、EUとしての対外交渉力の強化といったメリットもある。

 英国もこうしたメリットを十分に受けており、財やサービスの単一市場に留まることの重要性に加えて、大陸への金融サービスの提供など、もはや英国は大陸とは不可分な関係にある。さらには、欧州で行われるデリバティブ取引などの決済機能が集積する、「欧州のクリアリング・ハウス」としてシティが得ているメリットも忘れるべきではないだろう。

 首相の人気取りという極めて不純な動機もあるようで、それがこういう危険なギャンブルに手を出してしまった大きな理由でしょうね。


 関連
  ■EUにノーベル平和賞の波紋 ヤーグラン委員長は加盟を推進した元首相で「政治的な賞」という批判
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