●絢爛豪華の「爛」、実は「くさる」「ただれる」という意味だった…
2022/01/12:「絢爛豪華」(けんらんごうか)というのは、普通良い意味で使われます。例えば、
四字熟語を知る辞典は「ぜいたくで、きらびやかであること。きらきら輝いてはでなこと」といった意味が説明されていました。ただ、このうちの「爛」(らん)を調べてびっくり。「ただれる」「くさる」などという意味があるようです。
これは、「爛」という字が使われている商品を見て、絢爛豪華の「爛」だよな?と思って、念のために…と、調べたときに知りました。「くさる」というのは、絢爛豪華のイメージと違って、意外すぎますね。「腐って豪華」と言われても、「うわぁ、きらきら輝いて豪華だな~」などとは思わないでしょう。意味がわかりません。
コトバンクで「爛」(らん)の意味を見てみると、精選版 日本国語大辞典では、「ひかりかがやくさま」という良い意味のみの掲載。これなら理解できるところですが、デジタル大辞泉では、「ただれる。くさる。やわらかくなってくずれる」という意味との併記。やはり腐る系の言葉としても使われるようです。ちなみに私が調べたきっかけの「爛」という字が使われている商品、実は食べ物系でした。食べ物系で「くさる」はヤバいんですけど、たぶん名付けた人も全然知らなかったんだと思います。
●「爛」だけじゃなく「絢爛」の「絢」の方にも悪い意味はあるの?
では、「絢爛」(けんらん)については、どのような説明がなされているでしょうか。不思議なことに、「絢爛」となると、
デジタル大辞泉でも良い意味のみ。「華やかで美しいさま」「文章などが華麗な印象を与えるさま」といった説明になっていました。
調べていなかった「絢爛」(けんらん)の「絢」(けん)の方についても、
コトバンクを見てみましょう。これによると、「色糸をめぐらした模様。また、きらびやかで美しい」という良い意味。「爛」と似た感じの意味で、ふたつ合わせて「華やかで美しいさま」となるようです。
ということで、もともと「爛」には「ひかりかがやくさま」という意味があるので、「絢」と合わせた「絢爛」が「華やかで美しいさま」という意味を持つというのはわかります。似た意味を重ねるのはよくある熟語ですね。ただ、「爛」単独の場合、同時に「ただれる。くさる。やわらかくなってくずれる」という意味を持つのは、結局謎。解決しません。
●くさる「爛」が使われる熟語の例は、腐爛・爛熟・糜爛など…
ところで、先ほど出た「爛」の解説では、「ただれる。くさる。やわらかくなってくずれる」という意味の方で使われる熟語として、「爛熟/糜爛・腐爛」が例示されていました。ついでに、これらについてもそれぞれ意味を見てみました。以下のように、当然、腐る関係の意味ばかりになっています。
爛熟(らんじゅく)……果実がくずれそうなまでに熟しきっていること。物事が発達しきって、衰えの兆しさえ含んでいる状態になること。
糜爛(びらん)……ただれくずれること。皮膚や粘膜の上層の細胞がはがれ落ち、内層が露出している状態になること。
腐爛(ふらん)……腐って、形がくずれること。腐乱とも書く。
なお、「ただれる」は「炎症などのために皮膚や肉がやぶれくずれる」といった意味の他、「物事にふけり、それにおぼれる。抑制がなく乱れる」といった意味があります。ここから美しさに繋がっていく感じもわからなくもないのですが、実際のところどういった経緯でこうなったのか興味あるところです。
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