ローカライズ、ローカライズと私はしつこく書いていますけど、ライオンは現地に合わせた歯ブラシを開発して海外に進出しているようです。
具体的にはどこが違うのか?
とりあえず、最初に軽く触れられていたのは、デザインです。
「ガラパゴス化」という言葉はすでに定着しているといっていいだろう。世界の常識と異なり日本で独自の方向に進化した製品のことを指す。歯ブラシもまた然り。一歩海外に出ると、日本とは全く違ったトレンドが流れている。世界的な歯ブラシの代表ブランド、Colgate、Oral-Bなどのサイトをのぞいてみるといい。機能性に富んだスニーカーを思わせる、ハイテク感溢れる派手なデザインが並ぶ。
そして、機能に関わる大事な面。
以下には「ヘッド」とありますけど、要するに先端のブラシの部分、歯を磨く部分ですね。
特徴的なのが、ヘッドの大きさだ。(中略)最もよく売れるタイプの比較だが、日本ではヘッドの部分はコンパクトで長さが20ミリほど。海外ではレギュラーサイズが人気で約30ミリとなる。
ちなみに日本のレギュラーサイズは24ミリほど。レギュラーの基準からして違う。海外ではさらに大きなサイズも人気で、フルヘッドサイズは約35ミリだ。
海外ではながーいのです。
また、知りませんでしたけど、持ち方には種類があるそうです。
歯ブラシの持ち方は主に、ペンを持つように人差し指と中指で挟み親指を沿える「ペングリップ」と、太い棒を持つときのように手のひらで包むように持つ「パームグリップ」の2種類がある。
"海外ではパームグリップが9割"のため、"ハンドル部分にグリップ感が強調"されるそう。
日本は?と言うと、"ペングリップとパームグリップが混在、あるいは併用"なんだそうな。
実際に持ってみると、私はたぶん「パームグリップ」系。きっとペングリップの歯ブラシでも、同じ持ち方していたと思います。
また、シンガポールでは"毛束の並び方に段差、角度差があったり、円形だったりと、大胆に変形しているものが多い"そうです。日本でもガタガタしているのがありますけどね。
しかし、不思議だったのは海外では全般に"毛の柔らかさはあまり気にされていない"ということです。
毛の柔らかさにこだわるのは「ガラパゴス化」ですが、逆に言えば差別化できるということです。
ガラパゴス製品で重要なのはそれが日本人だけに受け入れられるものなのか、海外でも強みになるのか?という点です。
私は歯医者さんに「力が入り過ぎだから」と言われて、柔らかいものを使っています。
作者の渡部千春さんも"海外メーカーの外見が派手なヘッドの歯ブラシは繊細さに欠け、歯茎が「痛い」思いをしたことがある"と書いていました。
こういった点からすると毛の柔らかさは十二分に売りとなると思いますが、実際香港で成功したようです。
競合メーカーに追従するだけでは強みを発揮できない。そこで売りとなるのが、デンターシステマの特徴である先端が0.02ミリの超極細毛だ。
2007年に香港でパッケージデザインをリニューアルした際、毛先をアピールすべく「systema」という単語の「y」から最後の「a」に延びていくアーチを起用したロゴを作成。さらに毛先が弾力を持ってはねているような背景にした。
テレビCMなどのPR効果もあるが、リニューアル後にシェアが2%から12%にまで伸びたと言う。世界のトレンドとは違うかもしれないが、ローカル化しつつ、売りのポイントをしっかりと訴求することで成功したのだ。
私はガラパゴスなのは必ずしも悪いことじゃないとも以前書いたんですけど、こういうのは良いガラパゴス化製品です。
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