2019/05/13:
●ごみ処理費用コストの内訳 可燃ごみでも電力売却代がある?
●不燃ごみも実はリサイクルしていた…金属として売却可能
●アルミ缶・スチール缶・ペットボトル・びんなど資源リサイクルで利益は?
●雑がみが意外に利益になっているという可能性も…
●自治体が儲かる増やしてほしいゴミというのはある?
●ごみ処理費用コストの内訳 可燃ごみでも電力売却代がある?
2019/05/13:自治体のごみ処理で気になっていたのが、アルミ缶などの資源リサイクルで利益は出ているのか?というところでした。どれくらいデータがわかるか不安だったものの、札幌市が
ごみ処理費用(平成28年度決算、平成29年度予算)/札幌市というページで、かなり詳しく開示しています。
ゴミ回収・処理、資源の売却などでは規模の大きさが効いてくると思われますので、札幌市は平均的ではなく、かなり良い自治体だと思われますので注意が必要。ただ、一つの参考にできそうです。
まず可燃ごみから。可燃ごみは利益がなく支出だけ…と思いきや、利益がありそうな感じ。電力売却代や蒸気供給料というのは、おそらく可燃ごみの焼却と対応するものじゃないですかね。
あと、最初入れていなかったものの、いろいろなごみから作られる固形化燃料は、札幌市の場合は可燃ごみ由来ではないかと想像します。これで計算してみましょう。
(固形化燃料は、資源物ごみ(枝・葉・草)由来分が大きそう。処理コストは相対的に低いんですけど、こっちは計算に入れていませんでした)
<可燃ごみ>(単位:千円)
(歳入)
・電力売却代・・・1,097,487
・蒸気供給料・・・20,885
・固形化燃料売却代・・・32,650
(歳出)
・ごみ収集費用・・・4,765,528
・ごみ処理費用・・・5,115,919
1,097,487+20,885-4,765,528-5,115,919=-8,730,425
単位は千円ですので、87.3億円の赤字ですかね。やっぱり全然利益は出ていないようです。ちなみにゴミ収集では248,593トンありましたので、1トンあたりのコストは35,119円となります。これも後で比較してみたいです。
●不燃ごみも実はリサイクルしていた…金属として売却可能
次に不燃ごみ。不燃ごみは完全に全部捨てるのかと思ったのですけど、どうやら分別して一部を金属として売却している感じ。ただ、これも焼け石に水でしょうが…。
あと、最初入れていなかったものの、ごみ処理費用では不燃ごみのトン数が激減。おそらく破砕ごみに入っているものと思われます。ここは推定で計算しました。
<不燃ごみ>(単位:千円)
(歳入)
・金属売却代・・・41,693
(歳出)
・ごみ収集費用・・・482,991
・ごみ処理費用・・・171,325
・破砕ごみの処理費用(推定)・・・354,785
41,693-482,991-171,325-354,785=-967,408で、-9.7億円。不燃ごみは可燃ごみよりはるかに少ないので赤字も少ないです。ただし、不燃ごみは16,915トンでしたので、1トンあたりですと-57,192円と大きくなりました。
●アルミ缶・スチール缶・ペットボトル・びんなど資源リサイクルで利益は?
さて、ここからが本命。資源ごみ関係なら利益が出ている可能性がわずかながらあるのでは?と、ちょっと期待します。ただ、残念ながらびん・缶・ペットはまとめての数字しか見つかりませんでした。これだと大雑把になっちゃいますね。
<資源物ごみ(びん・缶・ペット)>(単位:千円)
(歳入)
・(スチール缶)・・・41,367
・(アルミ缶)・・・371,820
・日本容器包装リサイクル協会拠出金・・・100,295 (びん・ペットボトル・プラスチック)
(歳出)
・ごみ収集費用・・・1,294,116
・ごみ処理費用・・・1,166,306
41,367+371,820+100,295-1,294,116-1,166,306=-1,946,940で、-19.5億円。残念ながら全くダメでした。話になりません。収集費用を抜いても-6.5億円でプラスになりません。全然ダメなんですね。33,857トンでしたので、1トンあたりでは、-19,282円。それでも他のゴミよりはだいぶマシでした。
…と書いていましたが、プラスチックごみも同じ日本容器包装リサイクル協会に販売していましたので、上記にはプラスチックごみの値も含まれていました。つまり、さらに悪化するというわけ。計算し直します。
<資源物ごみ(びん・缶・ペット・プラスチック)>(単位:千円)
(歳入)
・(スチール缶)・・・41,367
・(アルミ缶)・・・371,820
・日本容器包装リサイクル協会拠出金・・・100,295 (びん・ペットボトル・プラスチック)
(歳出)
・ごみ収集費用・・・1,294,116
・ごみ処理費用・・・1,166,306
・プラスチックごみ収集費用・・・783,926
・プラスチックごみ処理費用・・・376,686
41,367+371,820+100,295-1,294,116-1,166,306-783,926-376,686=-31.1億円。33,857トン+29,072トンで、1トンあたりでは、-49,382円。可燃ごみよりむしろ悪くなってしまいました。おそらくプラスチックごみが足を引っ張っていると思われるので、もう少し細かくみたいですけどね。
●雑がみが意外に利益になっているという可能性も…
最後は資源物ごみ(雑がみ)。これは別個になっているので、収支が見やすくなっています。一応、ここも期待できそうなところ。
<資源物ごみ(雑がみ)>(単位:千円)
(歳入)
(雑がみ)・・・282,985
(歳出)
・ごみ収集費用・・・408,626
・ごみ処理費用・・・596,834
282,985-408,626-596,834=-722,475で、-7.2億円。収集段階では23,224トンでしたので、1トンあたりでは、-31,109円。意外に全くよくありませんでした。
●自治体が儲かる増やしてほしいゴミというのはある?
ゴミ全体の損失の大きさを見ると、圧倒的に可燃ごみ。もともとの量が多いからでしょうね。
<ゴミの種類による収支の違い>
可燃ごみ -87.3億円
不燃ごみ -9.7億円
びん・缶・ペット・プラスチック -31.1億円
雑がみ -7.2億円
可燃ごみは量が多く財政の負担となっており、減らすにこしたことはないと思われますが、次に見るゴミ1トンあたりで見ると意外に悪くありません。一番良い雑がみと大きくは変わらない計算になってしまいました。
一方、一番悪いのは不燃ごみ。使いみちがあまりありませんからね。びん・缶・ペット・プラスチックも良くないという意外な結果になったものの、ここらへんはもっと細かくみたいところ。プラスチックゴミが足を引っ張っているんじゃないかと想像しています。
<ゴミ1トンあたりの収支の違い>
可燃ごみ -35,119円
不燃ごみ -57,192円
びん・缶・ペット・プラスチック -49,382円
雑がみ -31,109円
ここらへんは利益抜きで収集・処理コストのみの値も出ていたので、こちらも見てみましょうか。ただ、前述の理由で、不燃ごみの処理費用は私の推定値です。
<ゴミの種類による収集・処理費用の違い>
可燃ごみ 19,170+20,684=39,854円/トン
不燃ごみ 28,554+31,103(推定)=59,657円/トン
資源物ごみ(びん・缶・ペット)38,223+34,448=72,671円/トン
資源物ごみ(プラスチック)26,965+12,957=28,260円/トン
資源物ごみ(雑がみ)17,595+25,699=20,164円/トン
あれ?びん・缶・ペットボトルは、1トンあたりの収集コスト・処理コストともに、むしろ高いですね。他のゴミに混ぜるとなるとまた別の問題が発生すると思われますが、回収するコストとしては非常にかかるゴミなのかもしれません。
とりあえず、ゴミが増えて自治体が儲かるゴミというのは、全然なさそうな感じ。どのゴミも減らした方が良いというおもしろみのない結果になってしまいました。
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