「やる気ないなら帰れ」と言ったら本当に帰った…みたいなネタもありますが、「休憩とれ」と言ったら本当に新人が休憩とりやがった!と怒っている方がいました。日本の建前文化の悪いところが見えているのですが、それ以外にもブラック企業的な問題点が見えるエピソードでした。
2017/09/09:
●社交辞令を本気で受け取る非常識な新人?休憩とれ…は建前だった!
●日本人のめんどくさい建前がブラック企業問題を悪化させる
●休憩時間を取らせないのは違法 電話番も仕事時間とみなされる
2018/09/17:
●上司「後で見ておいてくれ」→「すぐに資料を見て行動しろ」の意味…など
●社交辞令を本気で受け取る非常識な新人?休憩とれ…は建前だった!
2017/09/09:発言小町の話なのでそもそも実話かどうか怪しいのですが、2017年9月1日、建築関係の仕事に就く30代の人物が、「社交辞令を本気で受け取る非常識な新人」という投稿をしていました。「ここまでの一般常識までは面倒を見きれません」として、以下のようなことを書いていたそうです。
(昼休憩が12~13時の1時間の会社で、新人が社外での業務のため帰社したのが12時40分ごろに)
係長「おうお疲れ!今戻ったんだろ?13時40分までどっかで休んでていいぞ」
新人「いやいやそんな悪いですよ」
係長「昼休みは当然の権利なんだからいいから休んどけ」
新人「ありがとうございます!」
(実際に休憩した新人を呼び出して)
投稿者「字面通り受けとんな!係長が13時までに飯食えなんて立場上言えるわけないだろ?」
投稿者「皆1時から仕事してるんだから一人だけ休んでたらまずいのわかるだろ!ましてや新人なのに!あとで謝っとけ!」
(
彼は「非常識な新人」なのか? 「社交辞令」をめぐり激怒した上司の言い分 J-CAST ニュース | ライフ・美容 | 2017年09月07日より)
●日本人のめんどくさい建前がブラック企業問題を悪化させる
釣りくさいのですが、もちろん非常識なのは新人ではなく、掲示板に投稿した人(最初、投稿者=係長だと誤解していたので訂正しています)の方でしょう。反応でも非難が多く、「行為は立派なパワハラ。訴えられますよ」というものもありました。こういっためんどくさい建前文化が、日本社会のブラック化をより推進しているかもしれません。
掲示板では、「そういうのって仕事をやりにくくしませんか?上司の言うことを、一つ一つ裏読みしないといけないですね」というのもありました。これはいわゆる「忖度」を求めているとも言えそうです。
「忖度」が問題なのは、上司の命令なく部下が自主的に動くことで、上司の責任が曖昧になるというのがひとつ。問題が起きなければそのまま終わるのですが、問題が起きた際、部下に全部責任がなすりつけられる可能性があります。上司が指示せずともうまく動けば上司の手柄、失敗すれば部下の責任といった具合です。これもブラックですよね。
あと、さらにブラックだなと思うのが、少数ながら以下のような共感する意見が出ていたこと。「今の若い子なんてそんなもんです」や「わたしの職場にもそういう子が入ってきました。いちいち1個1個言わないといけないんです」といったものです。これも発言小町なので本気かどうかわかりませんけどね。
●休憩時間を取らせないのは違法 電話番も仕事時間とみなされる
それから、社外での業務の扱いがややこしいものの、休憩時間を取らせないことは、基本的には法律違反でしょう。違法であれば、当然これもブラック企業的な要素になってきます。
労働基準法34条1項において、使用者は、労働者に対して、労働時間が6時間を超え8時間以内の場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与える義務を負っています。
ここでいう休憩時間とは、一般に、労働時間の途中に置かれた、労働者が権利として労働から離れることを保障された時間であると、昭22.9.13発基17号で定義されています。したがって、休みの時間も、電話連絡があった場合等に備えて、交代で部屋に待機している時間帯すら、休憩時間とはみなされないとのことでした。
(
Q7.休憩時間についてはどのような法規制がありますか。|労働政策研究・研修機構(JILPT)より)
この例を見ると、社外での業務で多少隙間時間などがあったとしても、休憩時間とはみなされない可能性がありそうです。
●上司「後で見ておいてくれ」→「すぐに資料を見て行動しろ」の意味…など
2018/09/17:上司のセリフは言葉ヅラの意味とは異なるメッセージを伝えようとしている場合が多いので、うっかり真に受けて失敗しないように上司用語リテラシーを身につけておこう!という記事がありました。
ジョーク記事かもしれませんけど、そうじゃなければ、趣旨としては部下の方が忖度せよ!というものになっていて、やはり悪い視点。ただ、理不尽さのわかる例が多くなっていました。
上司「後で見ておいてくれ」 → 「すぐに資料を見て行動しろ」の意味
上司「悪いようにはしないから」 → 「とにかくオレの言うことを聞け」の意味
上司「キミのためを思って言うんだが」 → 「オレにとばっちりが来たら困るじゃないか!」の意味
上司「これは聞き流してくれていいんだが」「ちょっと雑談していいかな」 → 「今からとても大事な話をするぞ」の意味
上司「何かあったら言ってくれ」 → 「この話はこれ以上しないでくれ」の意味
(
正しく聞き分けないと職場で失敗! 建前で言う上司用語のホンネとは 週プレNews 2014年11月28日 06時00分より)
部下の報告がわかりづらいものだったら上司は怒るんですけど、その上司はわかりやすい言い方をせずに忖度を求めるというひどいことになっていることが多いです。誤解が起きないように明確に意思疎通するというのは仕事全般に必要なこと。なのに、それがまるでできていないのは「仕事ができない人」だと言えるでしょう。
他でも書いているのですけど、「自分で考えろ」などといった感じで管理職がまるで「管理」をやらないことがあるなど、日本は経営者や上司に優しすぎます。で、その甘々な評価基準で無能経営者や無能上司がのさばっているわけですから、経済にも悪影響を及ぼしているでしょう。改めていかねばいけません。
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