2018/06/29:
●日本郵船系の日本貨物航空が虚偽記載、運航停止が長期化
2018/09/13:
●日本企業の不正、今度はクボタの改ざんが内部通報で発覚
2018/12/07:
●社内調査開始後も不正を続けていた三菱電機子会社
2019/08/19:
●元石川島播磨重工業のIHIも…航空機エンジンの75%で検査不正
2021/02/17:
●有名企業納入の曙ブレーキ工業、検査データ改ざんなど大量不正 【NEW】
●日本郵船系の日本貨物航空が虚偽記載、運航停止が長期化
2018/06/29:
日本企業に不正の伝統 神戸製鋼データ改ざん・東洋ゴム免震ゴム・東レ・旭硝子・日本ガイシ・宇部興産などが長くなったので別のページにひとつ。また少しずつ増やしていこうと思います。
最初は、日本郵船の子会社である日本貨物航空(NCA)について。日本貨物航空では2017年1月と2018年3月、鳥との衝突などで機体が損傷していたことが5月に判明。この損傷規模が大きいため国交省は航空事故と認定し、5月22日から立ち入り検査に入っていました。
この事故と直接関係あるとは書いていないものの、国交省の立ち入り検査の過程で、翼に注入する潤滑油の量を、実際よりも少なく記載していたことが判明。他の機体でも同様の問題がある可能性があるとして、6月16日以降の全便の運航を一時見合わせると発表しました。
(
運航停止 事実と異なる整備記録判明 毎日新聞2018年6月16日 15時52分(最終更新 6月16日 15時52分)より)
全便の運航停止であり、他の企業の虚偽記載と異なり大きな打撃です。しかも、この全便の運航停止が長期化。2週間経った6月29日時点でも再開の見通しは立っていません。日本貨物航空は「1機目の運航復帰に数週間かかる状況」としており、9月末まで本格的な営業再開はできないとの見方も広がっているとのことでした。
(
日本貨物航空 休止2週間 全機の再開、上期は困難か 郵船業績に波風 2018/6/29 17:17 日本経済新聞より)
●日本企業の不正、今度はクボタの改ざんが内部通報で発覚
2018/09/13:クボタは、鉄鋼メーカー向けに出荷している鋼板などの生産設備の部品で検査の品質データを改ざんする不正があったと発表しました。この部品の納入先99社のうち85社に不正のあった部品を出荷したことが確認されているとのことで、ほとんどの納入先で不正が行われていたようです。
問題だったのは、部品の硬さや合金の配合比率などで顧客と取り決めた品質基準を満たしていなかったこと。検査成績書に実際とは異なる虚偽のデータを記載するなどしていました。これはいわゆる「改ざん」にあたりますね。
(
東京新聞:クボタ、検査データを改ざん 鋼板生産設備の部品で、社長陳謝:経済(TOKYO Web) 2018年9月12日 19時51分より)
別記事によると、問題があったのは、製鉄所などで金属の塊に圧力を加えて板などにする設備に用いる、「圧延用ロール」と呼ばれる消耗部品。17年度の売上高は約44億円で、国内シェアは約35%と、かなりの部分を占めています。国内だけでなく、海外にも販売していたようです。
「圧延用ロール」は、鉄やニッケルなどの合金ですが、公的な規格はないとのこと。そのため、硬さや配合の割合は取引先と相談して決めていたみたいですね。しかし、そこで決められた配合比率が守られていなかったというのが、今回の話。検査成績書に添付する金属組織の顕微鏡写真を別のものにしていたケースについても、765本あったといいます。
(
消耗部品検査数値改ざん 13年以降、85社納入 毎日新聞2018年9月12日 21時50分(最終更新 9月12日 21時56分)より)
●社内調査開始後も不正を続けていた三菱電機子会社
2018/12/07:企業不正が多すぎてあまり大きく報じられなくなってきましたね。ただ、もちろん良いことではなく、普通に悪いこと。あと、企業不正があまりに多いものだから、どの企業が既出かわからなくなってきました。他の三菱グループではあったもののの、たぶん今回の三菱電機は初だと思われます。
千葉県松戸市にある三菱電機の子会社のトーカンは、2000年以降に出荷した産業用ゴム部品の7%強にあたる783万個で、品質データの偽装や検査の省略といった不正があり、硬さなどの仕様を実際よりもよく見せていました。不正があった部品は、鉄道車両や電力関連設備といった産業機器用のクッションやカバー、家電やパソコンに使う電子機器用の放熱絶縁ゴム、エスカレーター用の手すりやローラーなどだそうです。
法令違反はないそうですが、その理由は部品が特注品で公的規格の対象ではないというもの。検査データの改ざんや出荷先に約束したものより緩い基準を適用したなどの問題がありました。記録がある00年時点ですでに不正があり、いつ始まったかは不明。また、深刻であり、問題があるというのは、社内調査に着手した後も不正が続いていたということ。改善は難しいかもしれません。
●元石川島播磨重工業のIHIも…航空機エンジンの75%で検査不正
2019/08/19:最近忘れていた企業不正の話、IHIの話を読んで思い出しました。内容的には、
日本企業に不正の伝統 神戸製鋼データ改ざん・東洋ゴム免震ゴム・東レ・旭硝子・日本ガイシ・宇部興産などに近いんですが、向こうは長いのでこっちに追記。
航空機エンジンの検査不正が発覚したIHI。旧社名は石川島播磨重工業株式会社で、一般人では知らない人も多いかもしれませんけど、日本を代表する企業の一つ。戦前も戦後も軍艦を作るなど、軍事的にも重要な企業です。
さて、不正の話。IHIはまず、2019年3月に過去2年分の13台の不正があることを公表。4月になってこれがさらに増えて、過去10年で国内航空会社向けに整備したエンジンの75%にあたる34台で不正が見つかったと発表したとのこと。
国交省は、不正があった国内向けエンジンの安全性に問題はないと確認する一方で、背景に納期を優先して安全を軽視する意識があったと判断。航空法に基づいて、エンジンの回収や再発防止などを求める業務改善命令が出る事態になっていました。
(
IHI整備の航空機エンジン、75%で不正 過去10年:朝日新聞デジタル 2019年4月9日21時11分より)
●有名企業納入の曙ブレーキ工業、検査データ改ざんなど大量不正
2021/02/17:たぶん書いていない間にもいろいろあったんだと思いますが、久しぶりに検査不正関連のニュースが目についたので追記。<曙ブレーキ工業 検査データ改ざん 不正は11万件 20年前から | NHKニュース>(2021年2月16日 19時29分)という記事で、タイトルからだけでも不正の伝統があったことがわかります。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210216/k10012870531000.html
<国内すべての工場を調査したところ、山形県、福島県、さいたま市、岡山県の4つの工場で製造したブレーキ部品の検査で▼耐久性などに関する数値を改ざんしたり、▼過去のデータを流用して検査をしたようにみせかけたりするなどの不正が11万4271件にのぼっていたということです>
いずれも製品の性能に問題はないとしていますが、上記のように不正は膨大。また、不正はおよそ20年前から行われ、なかでも取引先の自動車メーカーと取り決めた基準に適合していなかったという事例は4931件にのぼったということで、嘘をついて売っていたわけですから、「性能に問題はない」では本来済まない話でしょう。
なお、曙ブレーキ工業は、国内だけでなく欧米や中国、東南アジアにも拠点をもち、グループ全体で6700人の従業員をもつ自動車部品メーカーの大手。特に「ディスクブレーキパッド」という、ブレーキの主要部品は、おととしの時点で国内のシェアが36%とトップクラスだそうです。トヨタ自動車など国内の大手自動車メーカーのほか、海外メーカーのGMなどとも取り引きがあるという本来なら自慢したくなるような企業でした。
【本文中でリンクした投稿】
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