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スティーブ・ジョブズらカリスマ社長はなぜ悪い?デメリットが多数ある


2013/3/18:
●バブルが終わり、アップルが普通の会社になるのはいいこと
●イノベーションなしで低価格帯という普通の会社の戦略
●一足先に「普通の会社」となったアップルのライバル企業の現在は?
●カリスマ社長はなぜ悪いのか?デメリットが多数ある


●バブルが終わり、アップルが普通の会社になるのはいいこと

2013/3/18:読み終わる寸前まではおもしろいと思わなかったんですけど、最後の話がおもしろかった「普通の会社」化するアップルの行方 それは王国の落日か優良企業への道か 海部 美知  2013年2月21日(木)という記事。

 まずは記事ではアップルの「普通の会社」化の話をしていました。私はだいぶ気が早ぎたようで、2012/10/25にアップルは終わった スティーブ・ジョブズが亡くなり、普通の会社になってしまったアップルというのを出してしまいましたが、海部美知さんは以下のような前向きな書き方をしています。

<俯瞰的に見れば、現在のアップルの状況はそれほど悪いわけではない。ただ、これまでのような、実質商売の状況に「人気」でさらに評価が膨れ上がった「アップル・バブル」の状態はそろそろ終わりという気配が見えてきた。
 バブルが終わり、アップルは否応なしに「普通の会社」になる道を歩み出したのだ>


●イノベーションなしで低価格帯という普通の会社の戦略

 スティーブ・ジョブズさんの去ったアップルは、「イノベーションがない」との批判が定番。ただ、これは「ないものねだり」ではないかとしていました。

<日本でもアメリカでも、メディアが最近のアップルを批判する際に、「イノベーションがなくなった」「画期的な新製品が出ない」ということを問題にする。しかし、私にはどうも、それは「ないものねだり」に聞こえる>
<いかにアップルが強力であっても、時代の流れに合わなければうまくいかない。ジョブズ在任中も、失敗した製品やサービスはいくらでもある。そして、ただでさえ現在は、パソコン/ウェブ/モバイルの世界で、大型新製品を世に出す地下のマグマの圧力が低下している停滞期に当たる>

 ただ、私はその前に書いていた以下が気になりました。

<スマートフォンのハードウェアでは、韓国のサムスン電子が大健闘して欧州や米国の高価格帯でもどんどんシェアを伸ばしている。高価格端末で販売が一巡してしまったので、これ以上シェアを伸ばすには低価格帯での戦いが避けられなくなる。そうした低価格端末や新興国市場は、サムスンにとってはホーム、アップルにとってはアウェーの戦いになる>

 「低価格帯での戦い」に入り込んだ時点でもうアップルは普通の会社です。そして、低価格で勝負しなくちゃいけないというのはそれだけ魅力がない、「イノベーションがない」からでしょう。結局、高い収益性とイノベーションは不可分なのだと思われます。


●一足先に「普通の会社」となったアップルのライバル企業の現在は?

 その他、配当の実施という「普通の会社化」の話もありました。

<経営面では、配当の実施が「普通の会社化」の1つの象徴だ。アップルは、1997年ジョブズ復帰以来、株主に配当していなかったが、2013年3月に配当を実施する予定である。
 株価が急落したために、大株主はその代わりに、豊富すぎる現金を配当として株主に還元するよう要求している>

 実は同じ道をたどった企業があります。「アップルと同時代のライバルであり盟友でもある」と表現されていたマイクロソフトです。ビル・ゲイツさんがCEOを辞任したのが2000年、その後2003年に初めて株主への配当を実施しています。

 マイクロソフトはモバイル化に向けて努力したものの、ヒット製品には恵まれませんした。落ち目なイメージがあります。しかし、普通の会社化が悪くないというのは、このマイクロソフトの例でわかります。今でも健在などころか、しっかりと牙城を持っており、依然として大きな成功企業の一つとして残り続けているためです。

<一方、得意とする企業向けソフトでは地盤を守り、この分野でのクラウド化を着実に進めている>
<マイクロソフトは、普通の会社になったのだ。一時のように、シリコンバレーのギークたちが、マイクロソフトを「宿敵、暗黒の大王」のように扱うことはなくなった(中略)。今のマイクロソフトは、時代の流れを自分で作ることはもうできないかもしれないが、流れに合わせてきちんと置くべきところに石を置いていっているように見える>


●カリスマ社長はなぜ悪いのか?デメリットが多数ある

 私がおもしろいと思ったのはこの後。確かに、ジョブズさんは 「カリスマ経営者」であったが、カリスマ経営はメディアでもてはやされる一方で、マイナス面もあり、またカリスマだけが有効なリーダーシップ・スタイルではないといった私的です。

 2012年11月に米ハーバード・ビジネス・レビュー誌のサイトに掲載された「カリスマのダークサイド」と題する英ロンドン大学教授のブログ記事では、カリスマのマイナス面として以下の4つを挙げていたそうです。

1.カリスマは判断力を薄める
2.カリスマは中毒的である
3.カリスマは狂気を隠蔽する
4.カリスマは集団ナルシシズムの温床となる

 この記事は、主に政治家について書いたもの。ただ、経営者でも同じことが言えそうです。そして、上記の通りならカリスマ経営から普通の会社への移行は困難な道であることもわかります。

 "カリスマは判断力を薄める"ため、カリスマ経営でカリスマが去った後の会社には、優れた判断をできる人は誰も残されていないと言えるためです。


【本文中でリンクした投稿】
  ■アップルは終わった スティーブ・ジョブズが亡くなり、普通の会社になってしまったアップル

【関連投稿】
  ■アップルVS日本の特許訴訟 イーパーセル、Googleに勝利
  ■スティーブ・ジョブズ絶賛のキヤノンのNAVIやiPadのネタ元のゴーのタブレットはなぜ売れなかった?
  ■アップルiPad miniはスティーブ・ジョブズの遺言無視?「決して作らない」と言った7インチタブレット
  ■ネット・コンピュータ・ハイテクについての投稿まとめ

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