出身地(北海道)の企業だからということじゃないですけど、興味を持っている企業の一つニトリ。
日経新聞で連載が始まったので、読まなきゃ読まなきゃと思っていました。
良かったのは連載2回めのこちら。
似鳥昭雄社長の大企業対策としては、何があるでしょう?
一つは教育だそうです。
もともと"社員教育にも熱心で、上場企業の4~5倍の費用を充て"いるそうですけど、大企業対策という観点では以下のような感じ。
(引用者注:以前と違って)残業を大幅に減らすのも社員に自己育成の時間を与えて、ストアコンパリゾン(自店と競合店との比較調査)や語学などの勉強をしてもらうように仕向けるためです。「自由にさせたら勉強しない」という声もありましたが、自己育成をしない人間はおいてきぼりをくうでしょう。
何度か書いていますけど、日本の社会人は欧米と比べて圧倒的に勉強しないそうです。残業はしないけど自分で勉強……というのは欧米スタイルとも言えそうです。
日経新聞がタイトルとして取り上げていたのは評価制度です。
かつては5段階だったのです。すると75%程度の人は3になります。するとそれで満足してしまいます。しかも4に近い3だと勘違いして。本当は2に近い3ですが。
それでは社員の総合力は上がりません。
人は真ん中よりできると思い込みやすいんですね。そういうことを示す実験がいくつかあります。
そこで評価制度を見直したのですが、4段階評価だと2以下の人がやる気をなくし、全体の士気に関わります。そこで私の発案で6段階にしたのです。その結果、4よりも3の評価の社員が増えました。
するとみんなびっくりして。「4と思ったら、3だと。会社の評価がおかしい」と文句をつける社員もいました。社員は評価に敏感になりましたね。みんな中の上が好きなんです。
私は評価制度よりこっちの方が興味深かったです。
それから現場への配置転換である配転教育です。ニトリは本部に5年いたら役員でも一度は現場担当をさせるという決まりがあるのです。やはり小売業はお客様の声をじかに聞いていないと、感覚がずれてきます。最近は本部の事情で8年になったり、10年になったり本部在籍期間が延びている社員もいますが、大企業病を克服するためには、配転を早めていかないとだめですね。
あとは社長なき後……という話。これは大事だと思います。
私がニトリからいなくなっても競争力を維持できるか、今のうちに準備する必要があります。米ウォルマート・ストアーズは創業者の死後もさらに成長しています。世界どこでも同じスローガンです。創業者の志を後継者につなげ、社風になったのでしょう。これには時間がかかります。経営者の評価はその死後の50~100年後に決まるものだと思っています。
ウォルマートの話が出てきましたけど、
Forbes世界長者番付2013年版億万長者 ウォルマート、女性富豪世界一などを見ると関係者がズラリ並んでいました。創業者時代で終わりじゃないんです。
その一方、
スティーブ・ジョブズらカリスマの罪 アップルが普通の会社になるのはいいことという話にあるとおり、創業者がいなくなるとダメになる企業は多いです。
かつての家電の王者コジマが落ちぶれ、他が上がってきたのは創業者の存命の有無なんてことも言われていました。
しかし、一貫した方針が決まっていれば、社長の指示がないときでもこうするだろうということがわかるようになります。これはとても大事なことだと思います。
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