2022/10/22追記:
●感染しても症状を発症する場合は少ないが注意する必要がある理由 【NEW】
●労咳と結核と肺病は同じなの?自分で気づくのが難しい厄介な病気
2022/09/26:
結核 - Wikipediaによると、結核とは、マイコバクテリウム属の細菌、主に結核菌により引き起こされる感染症。結核菌は1882年にロベルト・コッホによって発見されています。日本では、明治初期まで肺結核は労咳(癆痎、ろうがい)と呼ばれていました。また最近まで、「肺病」とも言われていたといいます。
「肺病」と呼ばれていたように、現在でも多くの人が罹患する病気で好発部位は肺です。ただし、実際には全身の臓器・器官に感染する病気であり、顕著な症状を呈している部位名の前後に「結核」を付け加えるなどした呼び方により細分化。肺であれば肺結核といった感じで、肺外結核などというものもあるそうです。
肺結核|国立国際医療研究センター病院によると、結核菌は、ふつうの細菌のように手の指や土の中、水回りなど、どこにでもいるものではありません。通常は、感染したヒトの体内でのみ分裂・増殖し、発病したヒトが咳をしたときに出てくる"しぶき"の中の菌が空気中を漂い、それを大量に深く吸い込んだ人にのみ伝播する病気だといいます。
結核の代表的な症状としては、咳、痰、血痰、胸痛などの呼吸器関連症状と、発熱、冷汗、だるさ、やせなどの全身症状。ただ、一般的な肺炎やインフルエンザなどの呼吸器感染症とは異なり、ゆっくりと進行し、初期の症状が軽いため、自分ではなかなか気づかず、残念ながら診断時にはかなり進行していることがあるそうです。
このため、気づくのは難しいでしょうが、「2週間以上続く咳は結核を疑うサイン」とのこと。「あまり気にならなくても、咳が続く場合は必ず医療機関を受診してください」ともあります。詳しくは今後追記しますが、「結核は過去の病気」という考えは間違いで、今でもかなり多い病気であるため、注意が必要そうでした。
●結核は過去の病気ではない!世界一死者が多い感染症で日本も…
2022/10/03追記:前回ちらっと書いた「結核は過去の病気ではない」の話。まず、ウィキペディアによると、世界保健機関 (WHO) が、結核は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の次に死者の多い感染症だと発表しているという話がありました。新型コロナウイルスを一時的なものとみなした場合、実質的には世界一死者の多い感染症と言えそうです。
2020年には1000万人の患者が発症し150万人が死亡したと推定。結核による死者の95%以上は低中所得国であり、それらの国々では15-44歳女性のトップ5死因に入っているそうです。ここらへんはイメージ通り、先進国ではない国で多いという話。日本ではやはり「結核は過去の病気」のようにも思えます。
ところが、国立国際医療研究センター病院によると、日本は欧米の先進諸国と比べた場合ははるかに患者数が多い「中まん延国」。外国人の結核発病者も多いため外国人のせい…と思うかもしれませんが、日本人の患者の方が多いですし、移民が多いはずの欧米が「低まん延国」ですからね。やはり日本は少なくないようです。
<有効な治療薬が開発され、ほとんどの場合「薬で治る病気」になり、さらに、早期発見・隔離、厳格な服薬支援、接触者の健診などの総合的な結核対策が効果を上げ、患者数は激減しました。
現在の新規発病者数は約2.2万人/年、つまり60年前の30分の1となり、一般の医療従事者の間ではまれな病気になりました。それでも、「低まん延国」といわれる欧米の先進諸国と比べると患者数は3-5倍も高く、まだまだ日本は「中まん延国」です。
現在、日本の結核患者の約半数が高齢者ですが、都市部では20-30歳代の比較的若い世代の発病が目立ち、新しい都市文化を象徴するインターネットカフェ、ゲームセンター、カラオケ、サウナなどといった不特定多数が集まる場所での感染事例は絶えることがありません>
<海外からの患者の流入を防ぐことは困難で、実際に国内での外国人の結核発病者の割合は増加しており、20歳代では実に約4分の1の患者が外国籍となっています>
(
肺結核|国立国際医療研究センター病院より)
●今でも世界人口の3分の1が結核菌に感染…ってデマじゃないの?
2022/10/09追記:上記の話を読んでわかるように、「結核は過去の病気ではない」と言えそうです。ただ、ここまで書いてきたこと以上に驚き、「結核は過去の病気ではない」とわかりやすそうなのが、ウィキペディアであった「世界人口の3分の1が結核菌に感染しており、毎秒の単位で感染患者が発生している」という話です。
この出典は、
FactSheet - Tuberculosis(世界保健機関 (2015年3月). 2022年8月31日閲覧)となっていました。ただ、「世界人口の3分の1が結核菌に感染」というのは、にわかは信じられません。で、ウィキペディアの間違いではないか?と思って検索かけて出てきたのが前述の国立国際医療研究センター病院のサイトだったんですよ。
ところが、こちらのページを見てみても、やはり同じような記述があります。<海外に目を向けると、結核は、世界人口の約3分の1が感染し、毎年1,000万人近い人々が発病する、まさに現代の病であり、エイズ・マラリアと並ぶ「世界の3大感染症」の1つに挙げられています>」と書かれていました。
「世界人口の3分の1が結核菌に感染」で「1000万人の患者が発症」の済むのか?と不思議に思ったのですが、ここらへんの説明は残念ながら見当たらず。全員が発症するわけではないことや、生涯のうちで感染する確率なので大きく見えてしまう…といった理由でしょうかね。説明は可能そうですが、びっくりします。
なお、国立国際医療研究センター病院によると、1950年以前の日本では、国民の二人に一人は潜在的に結核に感染しているという、今の世界全体より高い感染率でした。当時の患者数は年間60万人以上、死亡者数も年間10万人超で、日本人の死因のトップだったとのこと。やはり感染率から見ると、患者数などは少なめに見えます。
●感染しても症状を発症する場合は少ないが注意する必要がある理由
2022/10/22追記:ウィキペディアからもう少し結核の話を。結核の感染原因はやはり飛沫です。結核菌を含む飛沫核の吸入による空気感染で、結核患者からの咳、くしゃみ、唾液より感染するといいます。「空気感染が多く肺などの呼吸器官においての発症が目立つ」とあるので、肺の発病が多いのもこのせいみたいですね。
また、前回、私が疑問として書いた「世界人口の3分の1が結核菌に感染」しているわりに発症者が少なく見える問題に関連する話が登場。少なく見える理由として推測で「全員が発症するわけではない」と書いたように、症状を発症する場合は少ないそうです。一方で、発病して治療しなかった場合、死亡率は高いことも強調されていました。
<感染者の大半は症状を発症する場合は少なく、無症候性、潜伏感染が一般的である。但し、潜伏感染の約10分の1が最終的に症状を発症し、治療を行わない場合、発病者の約半分が死亡する。結核菌がこのように最も病原力の強い細菌の一つである原因は、
1.感染力が強く肺から肺へ空気感染する。
2.免疫細胞のマクロファージ内で繁殖できる。
3.現存するBCGワクチンは地域によって効果がとても低い。
などによる>
【関連投稿】
■
濃い・黒い…採血の血液の色、病気や貧血や喫煙と関係あるの? ■
記憶喪失は本当にあるのか?現実ではありえない?医師による説明 ■
血液型あるあるはデマだけど、O型の死亡率が2倍以上は本当? ■
尿の匂いがいつもと違う、排尿にかかる時間どこから異常?など ■
大戸斉・福島県立医大教授ら、新しい種類の血液型KANNOを発見? ■
医療・病気・身体についての投稿まとめ
Appendix
広告
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
|