肉・乳製品の飽和脂肪酸(動物性脂肪)、少なくても健康に悪影響 脳卒中・心筋梗塞を検索していて、いっしょに見つけた記事。
前回のものによれば、心筋梗塞(心臓病の一種)に限って言えば、飽和脂肪酸(動物性脂肪)が多ければ多いほど起こりやすいという話でした。
ただ、研究によっては心臓病に関しても、飽和脂肪酸(動物性脂肪)を避けて不飽和脂肪酸(植物性脂肪)を取った方が良いとは言えない……むしろ逆効果というものがあるようです。
動物性脂肪より植物性の方が危険? 変更で死亡リスク上昇 40年前の豪研究を再解析
2013年2月12日 12時6分 更新 メディカルトリビューン
飽和脂肪酸を多く含む動物性脂肪を、多価不飽和脂肪酸の豊富な植物性脂肪に切り替えることで、心臓病になるリスクが低くなる―。世界的な“常識”とされ、多くの国で食事指針の基本的な考え方になっているが、これを覆す研究結果が報告された。米国立アルコール乱用・依存症研究所のChristpher E. Ramsden氏らが、オーストラリアで約40年前に行われた研究を再解析した結果、動物性脂肪から植物性脂肪(リノール酸)に切り替えたグループで、心臓病になるリスクが上昇したことが分かったという。詳細は、2月5日発行の英医学誌「BMJ」(2013; 346: e8707)に掲載されている。
http://kenko100.jp/news/13/02/12/01 最近の研究である前回の
肉・乳製品の飽和脂肪酸(動物性脂肪)、少なくても健康に悪影響 脳卒中・心筋梗塞で出てきた国立がん研究センターの方がいいかなと思ったんですけど、こちらも医学誌に載ったばかりという新しいものですね。まだまだこれらの話は研究途上と思った方が良いかもしれません。
今まで"動物性脂肪から植物性脂肪へ切り替えることは、世界的な推奨事項の基本とされてきた"ようですが、もともと
"植物性脂肪に多く含まれるω(オメガ)6系不飽和脂肪酸の一つ、リノール酸の効果については英国と米国で見解に違いがあり、リノール酸が心臓病や死亡のリスクを低下させるかどうかに関する最新の臨床試験データも報告されていない"
という曖昧なものだったようです。
何といういい加減な……。
今回の研究は過去のデータを見て、こういう根拠のない指導に基づいた"動物性脂肪から植物性脂肪(リノール酸)に切り替えるグループ(介入群、221人)と、何もしないグループ(対照群、237人)"に分けて、分析したというものです。
介入群の5年後の死亡リスクは対照群の1.62倍、循環器の病気全体による死亡が1.70倍、心臓病による死亡が1.74倍と、いずれも介入群でリスクが上昇していた。
さらに、Ramsden氏らが2010年に行った別の解析データと統合したところ、リノール酸への切り替えによる死亡リスクは、統計学的な差は認められなかったものの、いずれも上昇傾向にあったという。
"統計学的な差は認められなかった"ってのはあんまり変わらんってことですかね?それとも最近だからまだ結果が出ていないってことでしょうか?
先程の介入群・対照群で分けて分析したデータの方は古いもので、"1966~73年にオーストラリアで行われた研究のデータ"です。
なお、リノール酸は以下のように必須脂肪酸でもあります。
しかし、前半で指摘のあった心臓病などの危険性を高めるおそれがあり、Wikipediaでは他に"過度の摂取はアレルギーを悪化させたり、大腸癌などのリスクを高める"ことが指摘されていました。
相変わらずややこしいですけど、世の中の多くは正義と悪みたいに白黒単純に区別できるものじゃないのです。
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