2013/3/21:
●アメリカ人なら有頂天…デンマーク人は褒められることを拒否?
●最高の自分を目指しなさい…に猛反発 最高にはなりたくない
●他人より優れていると考えないデンマークの国民性の理由は?
●日常への満足と向上心は両立できない?極端すぎるデンマーク人
●デンマーク人の他人を気遣う心を作ったジャンテロウにも罪がある?
●アメリカ人なら有頂天…デンマーク人は褒められることを拒否?
2013/3/21:
デンマークの幸福度は嘘?デンマーク人は幸せではなく~しているの続き。デンマーク人ってのは面倒くさいところがあるなぁと思ってしまった点についての話です。
デンマーク人は本当に幸せなのか?住んで初めてわかった「幸福感」の違い('2013年2月28日 大本 綾 ダイヤモンド・オンライン)で、作者の大本綾さんは、通常の会話で日本なら友達を褒めることはよくあることでしょう…としていました。ただ、どうですかね。私はすぐ人を褒めるんですけど、むしろそういうことをしない人は多いと感じます。
今回問題なのは、褒めたときの反応の方ですね。日本人は褒められると謙遜したり照れたりしつつも、気分が良くなっていることがわかります。作者がいたというアメリカならもっと喜びます。アメリカに留学していたときは、とても嬉しそうにどうして上手くいったのか話してくれたといいます。
ただ、デンマークでは違うんですね。デンマークの人と話していて、作者が初めて妙な違和感に気づいたのは、彼らを褒めたときでした。ある人に「素晴らしいリーダーシップだったね!」と声をかけたところ、そんなに嬉しそうな顔もせずに「ありがとう」、の一言だけで会話が終わってしまったそうです。
このときはまだ小さな違和感程度。ただ、たまたまかと思っていたら、別の人とも同じようなことが起きました。それはまるで、褒めたら会話が途切れてしまうような不思議な感覚でだったといいます。一度本当に褒めているのかどうか疑われているのかと思い、「本当よ!」と強調したものの、その思いがなかなか通じなかったそうです。
●最高の自分を目指しなさい…に猛反発 最高にはなりたくない
褒めるというのとは別のケースでも、デンマークの国民性的なものが見られます。それは、クリエイティブリーダーシップの授業で「最高の自分を目指しなさい」と講師が言ったときでした。
この言葉が出た途端に、多くのデンマーク人が挙手。例えば、「最高という言葉は、勝者と敗者を作ってしまうので問題ではないかと思う」といった指摘が出ました。あとで別のデンマーク人に聞いてみると、「ベストという言葉は好きじゃない。ストレスだもの。十分という言葉が好き。最高にはなりたくない」としていたおうです。
日本では、「最高」という言葉は日常的によく使う言葉だと、作者の大本綾さんは言っていました。これは私も同意。最高、最高言いすぎて問題が生じている気もしますが、とりあえず、デンマークのようなネガティブな反応は出てきません。かなり変わっているように見えます。
●他人より優れていると考えないデンマークの国民性の理由は?
このデンマーク人の過敏な反応は、"Jante Law(ジャンテロウ)"という考え方のせいだと、ノルウェー人の友人が教えてくれました。北欧の人、特にデンマーク人はこれを気にしているんだとのことです。
ジャンテロウとは、1933年にデンマークのライターのアクセル・サンダモセさんが考えたコンセプト。全部ではないものの、デンマーク人なら誰もが一つや二つは覚えているとされていました。ただ、いつ覚えたのかはわからないほど浸透したもの。デンマーク人にとってもジャンテロウの平等に価値をおくのは国民性だとされていました。
1. 自らを特別であると思うな
2. 私たちと同等の地位であると思うな
3. 私たちより賢いと思うな
4. 私たちよりも優れていると思い上がるな
5. 私たちよりも多くを知っていると思うな
6. 私たちよりも自らを重要であると思うな
7. 何かが得意であると思うな
8. 私たちを笑うな
9. 私たちの誰かがお前を気にかけていると思うな
10. 私たちに何かを教えることができると思うな
11. 私たちがお前について知らないことがあると思うな
●日常への満足と向上心は両立できない?極端すぎるデンマーク人
ジャンテロウは慢心を諌めるためには、良いものでしょう。人は思い上がりやすいものですからね。なので、これ自体は悪いものではない…と言いたいところですが、やはりちょっと極端すぎるように正直見えてしまいますね。
前回の
デンマークの幸福度は嘘?デンマーク人は幸せではなく~しているで私は、野心的であることと満足を得ることは両立できると考えていると書きました。しかし、彼らはそうは考えられないんでしょう。
自分が人よりも優れていると証明しなければいけない就職活動についてはどうか?と、作者はメンタルクリニックの管理課長に尋ねてみました。すると、やはり自らの優位性は語らないとのこと。成功体験すら語らないといいます。就活なんかどの国の人も嫌でしょうが、デンマーク人はこういう変わった理由で就活が嫌いだそうです。
ただ、うまく考え方を整理できていないのかな?と感じたものですね。謙虚であっても冷静に見て得意・不得意なものがあるくらいはわかるはずです。その事実を認めることは決して悪いことではないと思います。
●デンマーク人の他人を気遣う心を作ったジャンテロウにも罪がある?
ジャンテロウの「自らを特別であると思うな」「何かが得意であると思うな」はより高みを目指すための言葉、あるいはおごり高ぶって他人をバカにしないための言葉として使えば、悪いものではないでしょう。
ただ、就活での話のように、得意分野を見つけない・伸ばさない…などとなるとまるで違う話になります。これでは、なんだか頑張らないための言い訳みたいです。逆に成長の妨げになりそう…ジャンテロウの良いところをうまく活かせていないように見えます。
作者の大本綾さんの場合は、まず、ジャンテロウはデンマーク人の他人を気遣う心、落ち着いたエレガントな振る舞いを保つことにある程度貢献していると評価。一方で、ジャンテロウはデンマーク人が大きな夢を描いて、周りに伝えるときの行動の足枷になっていることが多いのではないかと感じたそうです。
何事も諦めて不満を持たない…というのはそれはそれで幸せの感じ方としては正しいのかなという気がしますが、やっぱり極端だなぁと思ってしまいました。
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