ことわざ・慣用表現の話をまとめ。<おもしろいことわざ 本当にある「一度あることは二度ある」ということわざ>、<いい加減?「二度あることは三度ある」と矛盾することわざがある>などをまとめています。
2022/11/10追記:
●「蝶」を使ったことわざ・慣用表現が思いつかない…意外に少ない? 【NEW】
●おもしろいことわざ 本当にある「一度あることは二度ある」ということわざ
2019/05/11:以前、ことわざじゃなくて故事成語だったと思うのですけど、それを理由にある事象に対して「矛盾しているんじゃないですか」と文句をつけている人がいました。この例のように、ことわざなどは、まるで揺らぎない真実であるかのように言われることがあります。
ただし、ことわざみたいなものは、単なる言い伝えであり、事実とは限りません。仮に昔から言われているなら正しいのであれば、迷信もすべて正しいという妙なことに。ちゃんと調べないとわからないのです。そりゃそうだろうという話なのですけど、たまにマジで区別がつかない人がいらっしゃるんです。
また、そもそもことわざ同士で矛盾するものや、いい加減なことわざといったものも結構あります。今回、マジでそんなことわざあるのか?と驚いたのが、「一度あることは二度ある」ということわざでした。
故事・ことわざ辞典オンラインによると、意味は大体想像がつくように、「一度起きたことは、後でまた同じようなことが起こりやすいので注意せよ」だそうです。
これ単独ではそれほどおもしろくないのですけど、皆さん知っているように有名な「二度あることは三度ある」ということわざもあるので妙なことに。故事・ことわざ辞典オンラインでは、連続して「一度あることは二度ある 二度あることは三度ある」とも言うとのこと。
「一度あることは二度ある」も「二度あることは三度ある」も「注意しなさい」という注意喚起が目的なので、その意味では一応おかしくないのですけど、1回起きただけで何度でも起きてしまうとなると、何もかもが何度も起きるという妙なことになってしまいます。
●いい加減?「二度あることは三度ある」と矛盾することわざがある
矛盾するという話をしたので、「二度あることは三度ある」と矛盾するような意味のことわざがあるという話もしてみることに…。同じ「~度目」という言い方をしていて類似性がわかりやすいのが、「三度目の正直」という言い方でしょう。現在でもよく使われる表現です。
意味は、
コトバンクによると、「占いや勝負で、一度や二度は当てにならないが、三度目は確実であるということ。転じて、物事は三度目には期待どおりの結果になるということ」。二度あることは三度あるにならずに、三度目でうまくいくだろうという根拠のない希望的観測です。
もう少しわかりづらい反対のことわざが「柳の下の泥鰌(どじょう)」「柳の下の泥鰌はいない」「柳の下に何時も泥鰌は居ない」といったもの。一度柳の下でどじょうが取れたからといってまた取れるわけじゃないので、一度物事がうまくいったからといってまたうまくいくとは限らないよということわざ。なので、「一度あることは二度ある」の反対のことわざと言った方がより良いでしょうね。
●「柳の下の泥鰌はいない」など矛盾することわざは使い分けが必要
ことわざはプラスに持っていくためのものですので、以下のように場面場面において使い分けるのが良さそうな感じ。使う場面を間違えると、誤った道を突き進んでしまうことになりかねません。
・失敗など注意すべき悪いことがあったとき
「一度あることは二度ある」「二度あることは三度ある」
・幸運なことなど良いことがあったとき
「柳の下の泥鰌」「柳の下の泥鰌はいない」「柳の下に何時も泥鰌は居ない」
・チャレンジして失敗したが諦めたくないとき
「三度目の正直」
ただ、「三度目の正直」はどうしても根拠のない希望的観測であるがために、失敗したときのリスクが大きいところで正当化するために使うケースではオススメできません。結果として「三度目の正直」となったケースで使うくらいに留めておいた方が無難。前述の通り、ことわざって根拠あるもんじゃないですからね。
●「蝶」を使ったことわざ・慣用表現が思いつかない…意外に少ない?
2022/11/10追記:「蝶」(ちょうちょ)に関することわざ・慣用表現は何があるだろう?と検索。すると、意外にあまりないのか、私が見たことわざサイトではたったふたつしか出てきませんでした。ひとつは「胡蝶の夢」(こちょうのゆめ)であり、中国の漢文由来。もうひとつは「蝶よ花よ」です。
・胡蝶の夢
夢と現実とがはっきりと区別できないこと。また、人生のはかないことのたとえ。
・蝶よ花よ
子供を非常にかわいがり大切にするたとえ。
コトバンクを見ていて初めて知ったのですが、「蝶よ花よ」は「蝶や花や」とも言うそう。「蝶や花や」の場合は「はなやぎ栄えるさま」という意味でも使われるそうです。この場合は13世紀頃に用例がありました。「蝶よ花よ」も江戸時代の浄瑠璃に例があり、これらは日本独特の表現ではないかと想像します。
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