●オリンピックは儲からない?五輪の経済効果への評価が議論に
2022/11/16追記:見直して再投稿。「オリンピックが儲からない」というのは、国・都市全体、一般の国民・市民にとっては儲からない…という話。その後の東京五輪の場合、招致やスポンサーで多額の賄賂が問題になっているため、一部の人がたんまり儲けているのは本当のようでした。
2013/4/2:オリンピックには巨大な経済効果があると言われています。こうしたとき言う「オリンピックの経済効果」は主にオリンピック開催による開催国の経済効果を指していますが、以下の<ロンドン五輪の経済効果予想越え>(テレビ東京)という記事がそうであるように、非開催国での経済効果を指す場合もあります。
<過去最多、38個のメダルを獲得した今回のオリンピック。多様な経済効果が現れています。
例えば、表彰式にむかうサッカー女子日本代表「なでしこジャパン」などが着ていた、オフィシャルスポーツウェア。製造するスポーツ用品メーカーの「ミズノ」の直営店、「エスポートミズノ(東京都千代田区)」では、レプリカ商品「ウォームアップシャツ」がほぼ完売状態です。加えて、日本選手が活躍した競技は特に売上が伸び、卓球用品全体で見ると昨年比約2割増加したといいます。そして、スポーツ用品全体では昨年同期比130%の売り上げを達成して、オリンピックスポーツ熱は継続すると見ています。
また飲食物を購入し自宅で観戦した人が、コンビニエンスストアの売り上げを押し上げました。ローソンでは、ファストフード類・おつまみ類・アルコール類等が開幕前に比べて約2割売り上げが増加し、全国の住宅地にある店舗では夕方5時から夜12時にかけての来客数が5%上昇したといいます。また今回は時差があり、深夜の観戦も多く、常盤薬品工業の眠気覚まし飲料「眠眠打破」は二桁で売り上げが伸びているといいます。
開催前にオリンピックの経済効果を約8,000億円と試算した電通総研では、バドミントンや卓球など、初めてメダルを獲得した競技が増えたことで日本人の観戦機会が増え、事前予想より大きな経済効果があったとみています>
http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/wbs/newsl/post_25281
上記のように、日本のロンドンオリンピック経済効果はなかなかのものだったようです。一方で多額の費用をかけて開催した肝心のイギリスでは、経済効果はイマイチだったとのこと。<五輪効果はどこへ?外資誘致に政府は躍起>(大竹 剛 2012年8月20日(月) 日経ビジネスオンライン)という記事が出ていました。
<五輪の経済効果については、評価が分かれる。英中央銀行は、五輪による第3 四半期のGDP(国内総生産)の押し上げ効果はわずか0.2%と予測。マービン・キング総裁は、「結局は、根本的な経済状況を変えるものではない」と言う。
経済効果は期待外れという声も相次いだ。開幕当初、英国メディアは客足が遠のいた「ウエストエンド」と呼ばれるロンドン中心部の商店やレストランの悲鳴を取り上げ、「ロンドンがゴーストタウンと化した」と騒ぎ立てた。
ウエストエンドが閑散とした背景には、様々な理由がある。観戦客の行動範囲が五輪会場のあるイーストエンドに偏ったことや、交通機関の大混乱を警戒して市民が都心に寄りつかなかったこと、ホテル代の高騰で一般観光客が大幅に減ったこと、多くの市民が混雑を避けるために海外に脱出したこと、などだ>
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20120816/235637/?mlt 一方、英国政府は「93億ポンドの五輪関連の支出に対して、今後4年間で130億ポンドの経済効果がある」として、効果があるとの主張。その効果の半数近い60億ポンドは海外からの直接投資を想定しており、「そのため、政府は海外投資家に対して英国の売り込みに必死だった」とのこでした。
ただし、政府はオリンピックを招致したという立場であり、「効果なし」とは政治的には言いづらいですからね。かなりの割引が必要で、疑ってかかった方が良いです。一応、政府の売り込み成功例の話もあるにはあります。以下のような話がそういった成功例でした。
<ロンドンに投資した成功企業の1つとして紹介されたのが、オーストラリアに本社があるショッピングモールの運営会社、ウエストフィールド・グループだ。同社は、五輪誘致が決まる前の2003年にイーストエンドへの投資を決断し、オリンピックパークに通じる歩道を取り囲むように欧州最大のモールを建設した。同社の英国・欧州担当の責任者、マイケル・ガットマン氏は、「五輪期間中の来客数は平時の2~3倍の600万人に達したと思われ、期待を上回った」と五輪効果を絶賛した。
英国は今後10年でエネルギーや交通などの基盤整備に2500億ポンドの投資が必要とされており、五輪を契機にその恩恵にあずかった企業もある。(中略)
GEは2006年以降、夏季・冬季4大会で総額10億ドルを超える受注を獲得。ロンドン五輪では175件のインフラ事業に関わった。会期中は同社の事業を紹介する展示場を作り、1000人以上の主要顧客を五輪観戦に招待して商談の推進に余念がなかった>
では、当時のイギリスの経済はどういった状況だったのか?と言うと、3四半期連続で景気が後退していたところ。記事の時点では、<英国にとって、投資先としての魅力維持は死活問題だが、五輪開催による有形無形の遺産が今後も威力を発揮し続けるのか、まだ見えない>というものでした。
(その後、ロンドンオリンピックに関する別記事を見つけましたので、
オリンピックの経済効果 ロンドン1.5兆円・東京100~150兆円で紹介しています。その他、
オリンピックの招致活動は負けるが勝ち?開催国はマイナスが多いなどもオリンピックの経済効果に関連する話です)
【本文中でリンクした投稿】
■
オリンピックの経済効果 ロンドン1.5兆円・東京100~150兆円 ■
オリンピックの招致活動は負けるが勝ち?開催国はマイナスが多い【関連投稿】
■
スポーツとナショナリズム ヒトラーの「ナチ・オリンピック」が最高傑作 ■
日本は人口が多いだけ?オリンピックメダル獲得数ランキング分析 金メダル獲得の五輪強化選手の末路 ■
文化・芸術・宗教・海外との比較についての投稿まとめ
Appendix
広告
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
|