2013/4/8:
世界3位小売テスコ日本で失敗撤退 イオンは僅か1円で買収に成功
テスコジャパンが誰も買いたがらないほど魅力がなかった理由とは?
イオンが取得した株式は50%であり、テスコはまだ持っている
2018/08/30:
日本でウォルマート・テスコ・カルフールが通用しない理由とは?
●世界3位小売テスコ日本で失敗撤退 イオンは僅か1円で買収に成功
2013/4/8:2012年6月の記事ですけど、イオンがテスコを買収したことについて書かれた
イオンがテスコ日本法人をわずか1円で取得できた理由 2012年6月27日 週刊ダイヤモンド編集部 という記事について。。イオンでは最近だと、ピーコック買収というニュースもありました。イオングループ快進撃です。
イオンは英小売り大手テスコの日本法人テスコジャパンの株式50%を取得します。今回、業界関係者を驚かせたのは、1円という譲渡価格でした。
テスコは03年7月に旧シートゥーネットワークを買収することで日本に進出。その後も中小スーパーを買収しており、日本への投資額は約300億円に上っています。そのため、一時、売却交渉額は200億~300億円ともささやかれていた…のが、蓋を開けてみると1円なのですから、驚くしかありません。
加えて、テスコはテスコジャパンの立て直し費用として約50億円の“お土産”をつける上、テスコジャパンが抱える債務も負担。合計で二百数十億円をテスコが負うことになり、イオンの投資コストはほとんどないというちょっと考えられない好条件となっています。
●テスコジャパンが誰も買いたがらないほど魅力がなかった理由とは?
なぜこんな条件になったのか不思議ですけど、テスコが買収した旧シートゥーネットワークのお店の立地や店舗サイズがバラバラすぎて、買ってもらえる相手がいなかったためという説明。イオンしか買ってくれる相手がおらず、競争がなかったため、テスコとしては、どんなに悪い条件でも売るしかなかったということのようでした。
テスコの前身である旧シートゥーネットワークは、商品の安さが売りのディスカウントストア。出店コストを優先したため、立地や店舗サイズは100平方メートル以下から800平方メートル前後までバラバラである。だが、テスコが売却交渉で最優先したのは、全店舗の引き受けと約1900人に上る従業員の雇用の維持だった。
結局、店舗を一括で引き受けられるのは、多様な業態を抱えるイオンぐらいしかなかった。
一方、イオンにとって、テスコジャパンへの出資の最大の狙いは首都圏における出店用地の確保である。11年度からの3カ年の中期経営計画において、大都市を重点エリアと位置付け、小型店舗を積極出店している。特に東京23区、横浜市、川崎市で展開するミニスーパーの「まいばすけっと」は、今期で150店増の400店とする予定で、来期以降も年間200店ペースの出店を計画している。それ故、「テスコジャパンの買収は時間を買うという点でメリットがある」(イオン関係者)。
●イオンが取得した株式は50%であり、テスコはまだ持っている
今は社名を変えたようですが、傘下のつるかめランドなどはまだ名称変更していないみたいですね。たぶん、これから少しずつ変えていくんでしょう。
イオンエブリ株式会社は、関東近県を中心に食品スーパーマーケットを展開しているイオングループの企業である。2013年2月までは英国テスコの日本法人として「テスコジャパン株式会社」を名乗っていた。現在もテスコとの資本関係は残っているが、最終的にはテスコが日本から完全撤退し、イオンの完全子会社になる予定。
1989年7月 - シートゥーネットワーク株式会社に商号変更。
1994年 - 加工食品卸売り専業から、小売り業にも進出し「つるかめランド」を展開。
2000年3月10日 - 東証2部に上場。
2001年3月1日 - 東証1部に指定替え。
2003年3月 - イギリスのテスコが、株式公開買付けによる買収を発表。
2003年10月17日 - テスコ傘下となり、東証1部上場廃止。
2004年8月16日 - 埼玉県・千葉県を中心に25店舗展開していたスーパーチェーンのフレックを買。
2007年9月18日 - テスコジャパン株式会社に商号変更。
(中略)
2011年8月31日 - 本家の英テスコが日本からの撤退を表明。
2012年6月18日 - イオンが当社の株式の50%を1円で取得する予定であることを発表。
2013年1月1日 - イオンが当社の50%の株式を取得。イオンの持分法適用会社となる。
2013年3月1日 - イオンエブリ株式会社に商号変更。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%82%A8%E3%83%96%E3%83%AA
50%の株式を取得なんですね。全部を1円ってことはないようです。じゃあ、テスコもそこで少し稼げるのかも。テスコ・つるかめに関しては世界3位小売の日本進出ということで注目していたんですけど、とりあえず、デフレ下の経営は勝手が違っていて難しかったようです。
●日本でウォルマート・テスコ・カルフールが通用しない理由とは?
2018/08/30:イオンエブリは、つるかめランドなどをマックスバリュといったイオン系の各社を中心に譲渡。2014年3月31日に最後まで存続していた直営の5店舗を閉鎖・営業譲渡してイオンエブリとしての営業を終了しています。テスコもこれで日本完全撤退になったということでしょう。
今回追記したのは新しい話ではないのですけど、イギリスのテスコだけでなく、フランスのカルフール、アメリカのウォルマートといった小売の「世界ビッグ3」がなぜ日本で苦戦するかを書いた
スーパー「世界ビッグ3」はなぜ日本で勝てないのか (石井 淳蔵) | プレジデントオンライン( 2012.3.22 流通科学大学学長 石井 淳蔵 PRESIDENT 2012年3月19日号 )という記事について。
世界2位のフランスのカルフールも、記事の7年前(2005年)に撤退。世界1位のアメリカのウォルマートは、西友を完全子会社にするという少し違う手法で来たものの、2018年になって撤退するのではないかと報じられていました。
このように欧米の大物小売が苦戦する理由は、文化的な障壁があるためではないかと記事では見ています。記事の無料で読める部分において、文化的な障壁として最も重要とされていたのが、食文化。鮮度の高い食材(生鮮3品と言われる鮮魚、肉、野菜・果物)を食べ、しかも、生鮮食品が多様で、なおかつ季節性もあるため難しいとのこと。
この考え方でいうと、西友を使ったウォルマートは一番可能性があったんですけどね。
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