イギリス風のジョークと受け止めればいいんですかね?
2013年04月15日19時13分 朝日新聞
サッチャー氏死去祝う歌?ヒット 経済改革へ反感根強く
【ロンドン=伊東和貴】8日に亡くなった英国のマーガレット・サッチャー元首相の死去を「祝う」として、サッチャー氏嫌いの国民がフェイスブックで「魔女の死」を歌った曲の購入を呼びかけた。すると先週の全英チャートで2位に急上昇。物議を醸している。
サッチャー氏は国有企業の民営化などで英経済を再生させたが、多くの労働者が失業した。サッチャー氏に反発する市民らが今回、1939年の映画「オズの魔法使い」の挿入歌として知られる「ディンドン! ザ・ウィッチ・イズ・デッド(魔女は死んだ)」の購入を呼びかけるキャンペーンを繰り広げたところ、インターネットなどを通じて5万7千枚分以上を売り上げた。
(中略)一方、ロンドン都心のトラファルガー広場では13日、約3千人が「魔女は死んだ!」などと叫んでサッチャー氏の死に気勢を上げ、警官への暴行容疑などで16人が逮捕された。17日のサッチャー氏の葬儀では、騒乱やテロを警戒する報道も出ている。
http://www.asahi.com/international/update/0415/TKY201304150294.html しかし、私はやはり理解を示すことができません。
民度という言葉は使いたくありませんけど、他に思いつかないので書きます。これは極めて民度が低い行為でしょう。
ただ、思い出してみれば、ここは明確な理由もなく大規模な暴動を起こして大騒ぎになった国でした。
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手厚い社会保障制度・生活保護の問題点 経済格差は縮まらず固定化する ■
手厚い社会保障制度・生活保護の問題点 不満と暴動は止まらない 政治的に対立した人からも非難の声が出ています。やはりこれは胸くそ悪い行為です。
ジョン・ライドン「サッチャーの死を祝う連中はさすがに下衆だ」
2013.04.12 18:09 ニフティミュージック
セックス・ピストルズ、PILのジョン・ライドンが、サッチャーの死を祝う世間の風潮に「さすがに下衆だ」とコメントしている。
「俺は間違いなく彼女の人生の中では敵だったが、彼女の死後も敵であろうとは思っていない。確かに俺たちの人生の大部分をサッチャー政権時代が占めており、それに目一杯抵抗することがピストルズの役目であり挑戦だった。自分たちでもそれなりに精一杯やったと思うよ」「それでも(このパーティ風潮は)正直どうかと思っている。確かにあの女の政策は最悪だったし、若い頃の俺はムカついてたし、誰もがあの酷い時代を生き延びようと必死だった。でも、だからって彼女の墓の上でダンスでも踊るのかって言ったら、そうはしないさ。俺はそんな人間じゃあ無いからな」
4月17日(水)にとり行われるサッチャー元首相葬儀の中継は、「ほかのことで忙しいから観る気は無いけど」と皮肉っぽく付け足したものの、世間で盛り上がっているこの空気に釘を刺した。
http://nmn.nifty.com/cs/catalog/nmn_topics/catalog_130412093020_1.htm また、BCCラジオ騒動でも、今回のやり方に非難を浴びせています。
サッチャーの死と「魔女は死んだ」をめぐる英BBCラジオの決断!(大貫 康雄) | News Log
2013年4月15日
この曲が「BBCラジオ1」の日曜の歌番組で視聴者の希望曲の上位になり、通常であれば国葬(17日・水)の直前の日曜日(14日・日)に“全曲”流されるはずだった。しかし、「BBCラジオ1」は、この曲を“5秒間だけ”流すことを決定し、発表した。(中略)
歌番組といえども公表した決まりを変更して、多くの視聴者が希望する曲を放送しないわけにはいかない。
他方、たとえ批判者が多い死者であっても公共放送として死者を嘲笑する番組を放送する訳に行かない。
そこでBBCが決めたのが、“歌の冒頭5秒間だけ流す”というサッチャー氏支持者・批判者双方に配慮した決定だった。
BBCの今回の決定に現代イギリスの“放送の公正性”“報道・表現の自由”という二つの原則の関係、“メディアの説明責任”そして“責任の取り方”また、それに対するイギリス国民の考え方が見えてくる。
(1)「BBCラジオ1」の責任者は以下のようにのべている。
「(国葬の直前の日曜日という時点で)
この歌の放送を希望するとは余りにも失礼である。これは政治的な理由でなく、亡くなったばかりの人に対する個人攻撃である。故人をこれから埋葬しようという遺族の悲しみを考慮せずにはいられない」という(個人攻撃ではなく、政治的な理由があれば良いという発想が日本とは異なる。日本のメディアは政治的というより個人攻撃をする例が多い)。
一方で、「かといって放送希望を全く無視すると“言論検閲では”とか、“言論の自由”の問題になる。こうした原則、ジャーナリスティックな状況の下で、この曲を全曲ではなく5秒間だけ流すことにした」と。
BBC自体も声明で、「
死者を嘲笑する曲を放送させようという動きは嫌悪感をもよおすが、その曲を全部禁止するのが正しいとは信じない」とラジオ1の判断を支持し、「この曲の放送直前には何故、5秒間だけ放送するのか改めてニュース番組の中で報道する」と。(中略)
BBCをはじめ、イギリスのメディアによると、与党保守党下院の文化・メディア・スポーツ委員会委員長は今回のBBCの決定を「賢い妥協だ」と支持し「政治的な意図で歌番組がハイジャックされ、そぐわない曲を流すのを許すのが正しいとは思わない。そんなことをしていれば大変な結果になっていただろう」「ただ一方で、その曲を多くの人たちが希望し聴くことになるのを無視することもできなかった(のは当然だ)」と述べている。
http://news-log.jp/archives/7800 ただし、反対意見もあったようです。
ロブ・ウィルソン保守党下院議員は、「あの曲は全部流すべきだった」、として、「サッチャー氏は東ヨーロッパの何百万人もの人々が自由の身となるのを助け、世界中の自由の象徴となった人だ。その氏が自分の国に検閲が起きたと知ったらぞっとしたであろう」と。
そのうえで「BBCは確かに難しい判断を迫られたが、古臭いイギリス流の誤魔化しだった」とからかっている。
BBCラジオ6の音楽番組司会の歌手・ジャーヴィス・コッカーは、「サッチャー氏は、そんな論争など気にもしなかっただろう。何しろ彼女は闘争を戦い抜いて成長した首相だ……」などと言っている。
また中には、「いずれにしても次の日曜の番組はBBCの新たな検閲の歴史となるのだ」と断言するディスク・ジョッキーも出るなど、イギリス国内の言論は多岐を極めるが、報道の自由を尊重し、検閲(自主規制も含め)に対しては厳しく監視しているのが日本と大いに異なる。
低レベルで俗な反対意見という感じではなかったですね。
ところで、朝日新聞では全英音楽チャート2位との記載でしたが、別記事では1位の記載がありました。
英音楽チャート1位に「悪い魔女は死んだ」、サッチャー氏死去で
2013年04月11日 19:18 AFPBB
4月11日 AFP】「鐘を鳴らせ!悪い魔女は死んだ(Ding Dong! The witch is dead)」――。米映画『オズの魔法使い(The Wizard of Oz)』のこの挿入歌が、マーガレット・サッチャー(Margaret Thatcher)元英首相の死去後、英音楽ダウンロードチャートのトップに躍り出た。
(中略)9日、英国内における米アマゾン(Amazon)の音楽配信サービスで突如、ダウンロード数1位に上がった。
ジャズ歌手エラ・フィッツジェラルド(Ella Fitzgerald)によるカバー・バージョンも、アマゾンで4位につけたほか、米アップルの音楽配信サービス「iTunes」では英国内のボーカル曲部門の販売数トップになった。
http://www.afpbb.com/article/entertainment/music/2938190/10560029 ブログタイトルはこちらのチャート1位を採用しました。
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