全然流通していなくて、ほとんどの人が存在すら忘れている二千円札。普及しなかった理由は、ATMの対応が進まなかったことや、日本人の感覚に「2」のつく紙幣がなじまなかったことなど諸説出ていました。この二千円札の少なさは半端なく、昔の五百円紙幣より少ないとのこと。笑えるほど少ないです。
じゃあ、必要とされていない二千円札は廃止されないの?というと、財務省はそもそも便利で必要とされている…といったずれた回答でした。
2013/4/18:
●税金の無駄?二千円札、10年連続して製造ゼロで日銀には大量の在庫
●日本人の感覚に合わなかった説など…二千円札が流通しない理由は?
●もう一つの謎…日本で唯一なぜか沖縄県でだけ人気だった二千円札
2017/06/23:
●既に廃止済みで残っている五百円紙幣より少ない二千円札
●五百円紙幣の肖像は岩倉具視だが、他に未発行のものもあり
2019/09/11:
●紙幣刷新から漏れた二千円札…廃止はされないの?
(2020/07/20:二千円札が20周年だったらしいので、再投稿しています)
●税金の無駄?二千円札、10年連続して製造ゼロで日銀には大量の在庫
2013/4/18:引用していた記事の名前は"財務相に聞いた「二千円札」の今後"(2013.04.04 R25 呉琢磨)でした。しかし、実際には財務相に聞いていません。聞いているのは財務省の方です。誤字なんですね。
ただ、今の財務相は人気の麻生太郎さんです。誤字ったままいつまでも訂正していないのは、間違えてクリックしてもらうことを期待してわざとじゃ?と邪推してしまいます。(その後、記事はリンク切れ)
<日銀が公開した2013年度の日本銀行円発注計画で、二千円札の製造量が今年もゼロになることがわかった。これで04年度から10年連続で製造が見送られた形だ。
そもそも二千円札は、00年7月の九州・沖縄サミットをきっかけに発行されたが、一時的なブーム以降は普及が進まなかった。ピーク時に5億枚あった流通量も、現時点では1億枚強(紙幣全体の1%以下)に減少。日銀には大量の在庫が眠っており、新しく刷る理由がないというのが実情のようだ>http://r25.yahoo.co.jp/fushigi/rxr_detail/?id=20130404-00029048-r25&vos=nr25ln0000001
●日本人の感覚に合わなかった説など…二千円札が流通しない理由は?
不人気の理由には、自販機やATMの対応が進まなかったことや、日本人の感覚に「2」のつく紙幣がなじまなかったことなど諸説あるとのこと。
一方で、国として結果を分析するような動きは見られないといいます。財務省に聞いたという部分はこの後で、「国民の利用する銀行券の券種は、個々の購買活動を踏まえた選択次第であり、二千円札が利用されない原因を特定することは困難」とのこと。
他人ごとのような回答ですけど、「国民が悪い」といった感じにも受け取れる回答で、ちょっと感じ悪いですね。また、現時点では、特に普及を促すような計画もないとのことでした。
●もう一つの謎…日本で唯一なぜか沖縄県でだけ人気だった二千円札
おもしろいことに、そんな中、唯一沖縄県だけは人気だそうです。なんと、二千円札全体の4割以上が沖縄一県で流通しているとのこと。普通に自販機でも使われており、沖縄ではポピュラーな紙幣として出回っているようです。
記事では、券面に守礼門が描かれているというゆかりもあるせいかとしていたんですが、その関係なのか、沖縄の行政と経済界が一丸となって二千円札の流通促進を行い、県内のATMの9割を二千円札の入出金に対応させるなどのことを行っていました。
また、本土復帰前には20ドル札を含む米ドルを使っていたことから、県民が「2」の付く紙幣の利便性に慣れていたという説もあるそうです。これは前述の日本人の感覚に「2」のつく紙幣がなじまなかった説と対応する部分ですね。
この書き方だと、アメリカは普通に使われているってことでしょうか。ただ、日本だけ2のつく紙幣が不人気ということではなさそうで、
Wikipediaによれば、台湾のニュー台湾ドルでも、2000圓・200圓の紙幣及び20圓の硬貨が発行されてはいるが、日本の二千円紙幣同様あまり流通していないとのこと。
とりあえず、日本の二千円札はえらい無駄という感じになってしまいました。ちなみに二千円札が発行されたのは自民党の小渕恵三首相時代ですから、責任があるとすればここらへんでしょうね。
●既に廃止済みで残っている五百円紙幣より少ない二千円札
2017/06/23:
五百円紙幣 - Wikipediaを見ていると、"五百円紙幣の日本国内での潜在的市場残存数は2007年の時点で約2億2千万枚で、現行紙幣のD二千円券の流通数約1億5千万枚よりも多かった"という話があり、笑いました。
これは逆に言うと、旧五百円札が多すぎとも言えるかもしれません。私が調べたきっかけは、あるところでやっていた「五百円札持ってる?」というアンケートで、持っている人が多くて驚いたこと。忘れちゃいましたが、半数以上が持っているという回答だったような。
これだけ持っている人が多い、約2億2千万枚もあるというのは、五百円紙幣の価値が低いってことでしょうね。二千円券紙幣はこれより少ないのですが、かと言ってプレミアムがつくほど少ないわけでもありません。いっそのことプレミアムがつくほど少なかった方が役に立ってよかったでしょうか…。
●五百円紙幣の肖像は岩倉具視だが、他に未発行のものもあり
旧五百円札は岩倉具視さんのものがほとんどみたいです。B号券、その後出たC号券ともに岩倉具視さん。その前に普通ならA号五百円券があったわけですが、インフレ助長の可能性とGHQの肖像に対する指令で未発行となったそうです。
これはなんと「弥勒菩薩像」(仏教において、釈迦牟尼仏の次に現われる未来仏)という変わったものを選んでいました。政教分離の関係でダメだったんですかね? ただ、戦前の国家神道思想からは離れたものであり、危うさはあまり感じないチョイスです。
実はもう一つ、未発行紙幣があり、「弥勒菩薩像」より危なそうな肖像でした。い號五百圓劵という名前ですので、戦前か戦中に発行予定だったのでしょうか、武内宿禰(たけしうちのすくね/たけうちのすくね)を選んでいたのです。
武内宿禰は、『日本書紀』『古事記』に登場する人物。"景行・成務・仲哀・応神・仁徳の5代(第12代から第16代)の各天皇に仕えたという伝説上の忠臣"とWikipediaでは書いており、いかにもな人物です。
こちらの場合、発行されなかった理由は、"粗末なつくりだったため"とのこと。これも戦前っぽさを感じるエピソードでした。
●紙幣刷新から漏れた二千円札…廃止はされないの?
2019/09/11:そういえば紙幣刷新がありましたが、二千円札についての言及はなし。しかし、今の今まで二千円札の言及がなかったことに気づかなかったほど、存在感がありません。
また、紙幣刷新の発表がないから廃止されるか?と言うと、どうもそういうわけでもなさそう。「廃止する」という報道も見られません。関連して、
2000円札が発行17周年!「もう見ない」との声も廃止されない背景とは - IRORIO(イロリオ)(2017/7/19)という記事も見つけました。
<「もう廃止した方がいいのでは」という声もある中で、なぜ現在も使えるのか。
内閣府政府広報室の2016年度国政モニターにも、2000円札について「発想は良かったが、現実はほとんど流通していない。流通する見込みもない。存在を知らない国民も数多い迷惑な存在なら、発行・流通をやめてはどうか」という意見が届いている。
この意見に対し、財務省は「現在も約1億枚が流通しています」と回答。
同紙幣を流通させることは、小口決済手段の多様化・効率化を通じて、支払い等に使うお札の枚数を節約する効果もあるなど利便性の向上をもたらすものと認識しているとして、引き続き2000円札の円滑な流通に努めていきたいと答えた>
はっきりとした回答はしていないものの、とても役に立っているから廃止しないって説明ですかね。この二千円札に対する評価は、前半の方の財務省の回答と全然違うものになっています。二千円札を作ったのは自民党政権時代であり、二千円札の失敗を認めてしまうと問題だということで正直に言えず、忖度したのかもしれません。
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