<国民9割賛成の身元確認義務化含む銃規制法案、アメリカで否決>、<銃を恐れないクローン犬に銃乱射の犯人をかませる対策を開発>、<バット配布!銃対策でアメリカ迷走 一方、銃規制成功国がしたこと>など、アメリカの銃に関する話をまとめています。
●国民9割賛成の身元確認義務化含む銃規制法案、アメリカで否決
2013/4/19:私はもともとアメリカで銃規制の動きがあると聞いて「まさか」と思ったんですよね。で、実際、私の第一印象通りに規制はされなかったようで、<「ワシントンの恥ずべき日」銃規制否決で大統領>(2013年4月18日20時39分 読売新聞)というニュースが出ていました。
<【ワシントン=白川義和】米上院本会議は17日、銃購入者の犯罪歴など身元確認を義務づける銃規制強化法案を否決した。賛成54、反対46で可決に必要な60票に届かなかった。(中略)
オバマ政権は昨年12月に児童ら26人が死亡したコネティカット州の銃乱射事件を受け、身元確認の義務化や短時間で大量発射できる「攻撃用銃器」の製造・販売禁止を柱とする銃犯罪防止策をまとめていた>
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20130418-OYT1T00476.htm?from=main2 「身元確認の義務化」というのは、
銃規制派は左翼!とアメリカの銃推進派 購入の待機期間導入だけで死亡者は減少するで出てきた「身元調査システムの強化」のことでしょうかね。このときには、成功しているところがあると伝えられていたものです。この身元確認の義務化に限ったものでしょうけど、今回に関して言えば国民の圧倒的な支持があったようです。
もともと「ガン・ショー」と呼ばれる銃の展示販売会やインターネットを通じた個人間の銃売買では身元確認の必要がなく、銃犯罪の土壌になっていると指摘されていた。世論調査では90%が身元確認の義務化に賛成するということで、世論の支持も得られたようです。
ただ、これだけ支持が得られたものですら否決ってのはすごいですね。記事では、<与野党の有志議員が法案を作成したが、採決では与党の民主党議員からも反対票が出た>という書き方でしたので、たぶんほとんどが反対した野党の右派・共和党に与党の造反が加わり、否決に至ったのだと思われます。
<「攻撃用銃器」の禁止など、ほかの銃規制法案も否決され、銃擁護のロビー団体、全米ライフル協会(NRA)の影響力の強さが改めて浮き彫りになった。米紙ニューヨーク・タイムズによると、反対した民主党議員4人はアラスカ、アーカンソー、モンタナなど保守的で共和党が伝統的地盤とする州の選出だった。NRAは組織を総動員して、与野党の上院議員に電話やメール、書簡を大量に送る運動を展開し、大統領を非難する広告費を、17日だけで50万ドル使ったという。
大統領はホワイトハウスで同州の乱射事件の犠牲者遺族らと記者会見し、「ワシントンにとって恥ずべき日だ」と議会を非難した。大統領は反対票を投じた議員について「銃のロビー団体が多額の資金を使い、憲法で保障された銃所持の権利の反対者というレッテルを貼るのを恐れている」と批判し、「多くの共和党議員がその恐れを抱いている。民主党議員も同じだ」と身内にも矛先を向けた>
「法制化の実現には、さらに痛ましい事件を待たなければいけないのか」という声も挙がっているそうですが、たぶんアメリカの政治家の銃規制に対する姿勢はどれだけ人が亡くなろうと変わらないんじゃないかと思われます。ロビー団体・全米ライフル協会をどうにかしないとダメでしょうね。
●アホか?米の市が銃乱射事件対策で、ミニチュア野球バットを配布へ
2018/04/23:銃乱射事件が起きたとき、アメリカの推進派は「銃で武装していれば防げた」と主張します。ただ、アメリカの場合、銃が手軽に手に入りやすぎることが原因の銃犯罪が多く、「そこが一番の問題だろう」という反論があります。銃が手に入りづらい日本では、銃乱射事件は全然起きていませんよね。
ということで、「銃で武装していれば防げた」への批判は、「銃以外の別のもので対抗せよ」という意味ではありません。ところが、何を間違ったのか、銃犯罪の対抗策として、ミニチュア野球バットを配るという計画がアメリカで発表されてしまいました。
米ペンシルベニア州エリー市郊外の教育行政区当局は、米国の学校で多発する銃乱射事件を受け、管内の全教師500人へのミニチュアの「野球バット」配給などを盛り込んだ新たな安全対策をまとめたんだそうです。当局の責任者は、バットは銃撃犯に立ち向かう道具だと言い張っています。
●長さわずか40センチのミニチュア野球バット、普通の用途は「飾り」
これを伝えた
CNN.co.jp : 「ミニチュアバット」を全教員に支給、銃への対抗策 米(2018.04.14 Sat posted at 17:05)によると、ミニチュアバットはマジで小さいです。バットの長さは16インチ(約41センチ)しかありません。検索してみると、どうも記念ボールとセットで飾ることなどが目的のバットみたいですね。
銃撃犯に普通の野球バットを持って立ち向かえ!ってのも荒唐無稽なのですけど、さらに小さいおもちゃみたいなバットです。これ、本物のニュースなの?と疑いたくなっちゃう話。虚構新聞みたいなニュースですわ。ネットの反応では、太平洋戦争中の日本の竹槍のことを連想している方もいました。
予算の関係ですかね? バット支給にかかる経費は約1800ドル(約19万2600円)とのことでした。安いには安いです。でも、安いことが目的化して、目的を見失っています。意味がなければやはり無駄でしかありませんね。また、前述の通り、そもそも他の対策が必要だろうという話でもあります。
●銃を恐れないクローン犬に銃乱射の犯人をかませる対策を開発
2019/09/27:ミニチュアバットよりは役に立ちそうですが、別な意味で驚きの銃対策がまたしてもアメリカで登場。"銃乱射への新対策、クローン犬が子どもの命を守る"(TBS 2019年 22日15時59分)というニュースがありました。
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3785026.htm
銃乱射対策犬を訓練するジョシュア・モートンさんは、アメリカ海軍特殊部隊の元隊員。イラクで軍用犬を使って武装勢力を探す作戦などに従事していたという方です。そして、帰国後、戦場で使われるような銃が出回り、学校で乱射事件が相次ぐ現実に衝撃を受けたといいます。
で、すぐに犬を…となったわけではなく、2018年2月の出来事が直接的なきっかけ。フロリダ州の高校で17人が射殺された事件では、保安官が常駐していたものの現場に踏み込まなかったためだと言われていたためだそうです。アメリカの銃推進派は「銃で武装していれば防げた」と主張しますが、銃があっても防げないことがあるんですね。
このクローン犬は特別な訓練で銃を恐れないというわけではない模様。モートンさんによると、「犬は銃を恐れません。人間のように撃たれたら死ぬかもしれないとは考えないのです」とのこと。本当でしょうか。
なお、学校に配置する費用は、犬と調教師のペアでおよそ年間1300万円。とてつもなく高いです。ミニチュアバットでケチっているほどお金がないのに…と思ったのですけど、2020年1月には導入が決まっているところがすでにあるとのこと。アメリカは学校や自治体による貧富の格差も大きいため、お金持ち学校なのかもしれません。
●バット配布!銃対策でアメリカ迷走 一方、銃規制成功国がしたこと
2020/09/25:この流れでアメリカのへんてこ銃対策の記事を紹介しようと思ったのですけど、真面目な銃対策の記事が目に付きましたので、そちらを。
銃犯罪を減らすにはどうしたらいい?…成果を上げたアメリカ以外の銃規制 | Business Insider Japan(Dec. 04, 2019,)という記事です。アメリカとはかなり異なる方向性の国が多いようでした。
<オーストラリア:銃を政府が買い取った>
・大規模な買い取りプログラムにより、60万丁を超える自動式および半自動式銃とポンプアクション式散弾銃が買い取られ、破棄された。数億ドルにのぼる費用は、一時的な増税により補われた。実施後の数年間で、銃による死者は半減した。
<イギリス:多面的なアプローチ>
・イギリス議会は民間人の拳銃所持を禁止する法律を成立。半自動式銃とポンプアクション式銃器の所持も全国的に禁止され、散弾銃の所有者には、銃器の登録が義務づけられた。また、2億ドル規模の買い取りプログラムでは、政府が国民から16万2000丁の銃と700トンの弾薬を買い取った。結果、人口が合わせて5600万人のイングランドとウェールズでは、銃による死者数が年間50~60人ほどにとどまっている。それに対して、人口およそ6倍のアメリカでは、銃に関連する殺人はその160倍にものぼっている。
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