2013/4/21:
●アメリカにあるアマゾンロッカーってすごい!という記事
●本当にそんなにすごいサービス?日本のコンビニ受け取りは?
●弱点はあるとされるアマゾンロッカー…そのデメリットとは?
2018/08/27:
●コンビニ受け取りのデメリットがないアマゾンロッカーの魅力
2019/09/21:
●日本にアマゾンロッカー上陸…設置のコンビニは売上増狙う
2020/12/10:
●コンビニ受け取りも結構面倒くさい!アマゾンロッカーにチャンス?
●Amazon Hubロッカー、使ってみると便利すぎて拍子抜けするほど…
●ただし致命的な弱点 遅延しまくりのくせに保管期間は3日間と短い!
●アメリカにあるアマゾンロッカーってすごい!という記事
2013/4/21:アマゾンロッカーってのがアメリカではあるそうです。
IT用語辞典バイナリによると、Amazon Lockerとは、米国Amazon.comが開始した、私書箱のような専用のロッカーを利用して購入した商品を受け取ることができるサービス、および、同サービスで使用される格納スペースのこと。
Amazon Lockerを利用し、受け取り口としてロッカーを指定しておくと、配達完了後一定期間内の好きなタイミングで取りに行けます。なので、従来のような、配達員が来るまで自宅待機するといった不自由さがなくなるのがメリットです。
"「Amazon Locker」は小売店舗を駆逐するか"(WIRED.jp 2012年8月22日11時34分)では、これをすごいぞ!って感じで紹介していました。
オンラインで買った品物が届くのを家でじっと待っているなんてもう古い。アマゾンの「Amazon Locker」を使えば、24時間営業のコンビニや食料品店、ドラッグストアに用意された私書箱のような場所で、注文した品物を受け取ることができる。アマゾンから電子メールで「受け取りコード」が送られてくるので、ユーザーはそれをタッチスクリーンで入力し、荷物が入っているロッカーを開ける。品物は配達日から3日以内に引き取ればいい。(中略)
即日配達サーヴィスの開始と、このAmazon Lockerにより、アマゾンは顧客が実際の店舗へ足を運ぶ理由をまったくなくそうとしている。Wedbush Securities社のアナリスト、マイケル・パッチャーは「Marketplace」の記事で、アマゾンはこのサーヴィスによってベストバイのような実店舗を構える販売店チェーンをしのぐ可能性を持つと話している。ベストバイのような企業では、実店舗を構えるためのコストの約10%が販売品の価格に上乗せされるため、価格競争力で負けるからだ。
さらにパッチャー氏は、従来からの小売店舗にまだ残っている数少ない利点のひとつは、店を訪れて、購入した品物を持ってすぐに家に帰れることだが、(中略)アマゾンは普通の小売店が持っているセールスポイントをほぼすべて無力化することができるうえに、不動産の取得や管理にかかる諸経費の大半も負担せずにすむことになると指摘する。(中略)
サンフランシスコのベイエリアだけでも、セブンイレブンや、スーパーマーケットチェーンのSafeway、薬局チェーンのWalgreensの全店内にロッカーを設置したとすれば、アマゾンはウォルマートやベストバイやTargetの店舗数より、はるかに多くの配達先を手に入れることになる。
http://news.infoseek.co.jp/article/wired_8830
●本当にそんなにすごいサービス?日本のコンビニ受け取りは?
ウェブサービスの発達による従来型小売店の魅力の喪失ということは、最近の一貫した流れです。日本でもアメリカでもいっしょです。ここに異論はありません。
ただ、日本ではコンビニ受け取りという便利なサービスが発達しており、それが先にあるとアマゾンロッカーってそんなにすごい?と正直思います。たぶんアメリカにはそういうのがないから、衝撃だったんじゃないでしょうか?
最初のIT用語辞典バイナリでのアマゾンロッカーの説明には「日本国内での展開について未詳」としていました。ただ、それよりアメリカがコンビニ受け取りをできるようにしたら?と思っちゃいます。
●弱点はあるとされるアマゾンロッカー…そのデメリットとは?
私がアマゾンロッカーをすごくないと思う理由はまだあります。アマゾンロッカーには致命的な欠点があるのです。WIRED.jpでもこれを認めていました。
記事の作者が訪れたサンフランシスコのAmazon Lockerでは、さまざまなサイズのロッカーが44個あったものの、容積が28リットル、重量が4.5kg以上のものはAmazon Lockerでは対応できない…という弱点があったそうです。
また、ロッカーの個数自体に制限があるので、使えないときもありそうです。物理的な限界…という意味ではコンビニ受け取りでも同様じゃないかとは思いますけど、スペースの融通の効かなさではロッカーの方が上でしょう。大きいものが入らないだけでなく、小さいものが大きいロッカーを占領することで、さらに入りづらくなる…といったことも考えられます。
コンビニ受け取りの存在する日本では、アマゾンもやらないんじゃないかなぁ…。(2020/12/10追記:と書いていたものの、この後の方で書いているように、日本でもアマゾンロッカーをやり始めました)
●コンビニ受け取りのデメリットがないアマゾンロッカーの魅力
2018/08/27:当初の投稿からかなり経ちましたが、未だにアマゾンロッカーは日本では登場していません。しかし、宅配便を担うドライバー不足や再配達のコストが社会問題化しつつあるため、日本でもロッカー普及の可能性が見えてきたとする記事がありました。
(
米国で広まるAmazonロッカー、多様な受取り法は何をもたらすか | NewsInsight 山口健太 2017.02.09より)
記事では、集合住宅における宅配ボックス以外に、ヤマト運輸の「ロッカー受取り」や日本郵便の「はこぽす」などが、鉄道駅やスーパー、郵便局などに設置が進んでいることを挙げています。ということで、アマゾンロッカーは宅配ボックス的な立ち位置で見られている模様です。
(関連:
日本の宅配ボックス事情は中国より遅れている?屋外型で電子式の共用宅配ボックスが普及)
私が当初推していたコンビニ受け取りについては、コンビニ側の負担増や店員に個人情報を知られるなどリスクもあり、別の選択肢として良いんじゃないかとの見方。言われてみると、個人情報なんかは、確かに気にする人が多そうですね。アマゾン限定ではなく、宅配ボックス全体としての需要を考えるとありそうな感じです。
●日本にアマゾンロッカー上陸…設置のコンビニは売上増狙う
2019/09/21:日本でもついにアマゾンロッカー登場のようです。
ファミマ、「アマゾンロッカー」に託す3つの効果(2019/9/13 11:30 日本経済新聞 電子版)という記事がありました。
ファミリーマートはアマゾンジャパンと組み、宅配ロッカー「Amazon Hub ロッカー」の店舗への設置を始めるとのこと。アマゾンは再配達の軽減を狙い、一方のファミマは人手不足の解消、「ついで買い」による利用客の増加、狭い店舗スペースの余裕確保という3つの効果を「アマゾンロッカー」に託すとしていました。
一つ前の記事の説明と同じように、コンビニ受け取りは店員の負担が大きくなってきたため…ってのが理由みたいですね。新サービスで利用者がアマゾンから送付されたパスワードを使い、自分でロッカーから荷物を出せるようになれば、「店頭受取サービス」で生じていた店員の作業負荷を減らせるというわけです。
一方、「ついで買い」による利用客の増加は、本当にどれくらいの効果があるのかと思うところ。ただ、セブン&アイ・ホールディングス(HD)の米子会社セブン―イレブン・インクでは、売り上げ増加につながっているとされていました。コンビニはおにぎりや総菜など、ネット通販では購入しづらい商品が主力だとも指摘。アマゾンとは競合しないわけです。
最後の「狭い店舗スペースの余裕確保」はわかりづらくて最初考えてしまったのですけど、これは1つ目の人手不足の解消と似た方向性でした。多くの種類の商品を取り扱い、配送頻度の高いコンビニでは遊休スペースが少ない店舗も多いため、ロッカーの方が良いとのこと。ただ、どちらにせよ新たにロッカーを置くスペースがいるはずなので、結局スッキリしない説明だとは感じました。
●コンビニ受け取りも結構面倒くさい!アマゾンロッカーにチャンス?
2020/12/10:アマゾンロッカーのデメリットの関連では、
Amazonロッカーに意外な弱点、「商品が届かない」と利用者が途方に暮れる | 日経クロステック(xTECH)という記事が2019.12.20に出ていたみたいです。「ネットショッピングで私が遭遇した理不尽な出来事」ということで、作者・大森 敏行さんの体験談記事でした。
大森 敏行さんは私が当初推していたコンビニ受け取り派。コンビニ受け取りが選択できない商品の場合は、インターネットでの購入をあきらめ、実店舗で購入に切り替えるケースすらあるほどのファンです。しかし、コンビニ受け取りも実はかなり面倒だとも指摘。これはアマゾンロッカーに逆転の余地があるところかもしれません。
<まず、通知メールを印刷するか、メールに記されている長い数字をスマートフォンで撮影する。次にコンビニに行って、設置されているキオスク端末にこの数字を打ち込む。長い数字なので、打ち込みにはかなり気を遣う。
キオスク端末で出力されたレシートをレジに持って行くと、店員が荷物を探し出して渡してくれる。その際には、店員が受取証をプリンターで印刷して店のスタンプを押し、一部を切り取って渡してくれる。
この一連の作業に意外に時間がかかる。それがおっくうで、コンビニに荷物を受け取りに行くのが翌日や翌々日になってしまうこともあった。もっとも、コンビニはいつまでも荷物を預かってくれるわけではない。受取期間は商品到着のメールを受信した日を含む7日間。それまでに受け取りに行く必要がある>
●Amazon Hubロッカー、使ってみると便利すぎて拍子抜けするほど…
そんなコンビニ受け取り派の作者がある日、店の外に大きなロッカーを発見。ネットで調べると「Amazon Hub」というサービスに対応したロッカーのようでした。なるほど、こういう屋外配置なら、私がデメリットだと思っていた設置スペースの問題はかなり解消されそうですね。その代わり、コンビニのついで買い需要が弱くなりそうですけど…。
作者は早速使用。自宅近くのロッカーに荷物が届くと、メールでバーコードが送られてきました。そこでバーコードをスマートフォンのカメラで撮影して持っていき、ロッカーの中央にあるタッチパネルを押し、撮影したバーコードの画像をかざすと「カチャ」という音がして扉の1つが開きました。その中に、受け取る荷物が入っています。
「たったこれだけ?」というほど、あまりにあっけなく荷物が受け取れました。コンビニ受け取りのときにかかっていた面倒な手続きがすべて省略されています。ここまでは意外な弱点どころか、ものすごい便利という話。Amazon Hubロッカーは無敵で最高のように思える話でした。ただ、タイトルになっているように弱点は別にあります。
●ただし致命的な弱点 遅延しまくりのくせに保管期間は3日間と短い!
私は使用をためらう…と思ったのが、ロッカーでの保管期間は3日間とコンビニ受け取りよりも短いこと。少し何かあっただけで、3日はすぐに過ぎてしまいます。記事では、あまり強調されていませんでしたが、受け取りを忘れていたらあっという間に処分…となりそうです。
また、記者が経験したトラブルは、予定日に商品到着のメールが届かなかった…というケース。作者が配送状況を確認すると、「ロッカーの空きがないために、配達が遅延しています」と書かれていました。当初、アメリカの件でも出ていた物理的な問題ですね。また、遅延理由は自分で確かめないと、メールでは教えてくれないそうです。
結局、2回連続で配達されず。そのため、やむなく注文をキャンセルしたところ、配送状況の履歴に「受取拒否」と表示されてしまいました。もっと粘れば良かったのに…と思うかもしれませんが、出張の予定がありもう受け取れない…といったケースもあります。加えてここに先の「ロッカーでの保管期間は3日間」が効いてくるでしょう。かなり日程に余裕があるときではないと使いづらいと思いました。
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