テントウムシや害虫の話をまとめ。<テントウムシダマシはテントウムシとは違う…実は嘘だった?>、<専門家ですらやらかしていた「テントウムシダマシのデマ拡散」>などをまとめています。
2022/09/23追記:
●テントウムシっぽい配色のカメムシ系の虫が大量発生!君の名は? 【NEW】
●小学校の頃見た図鑑では害虫テントウムシも同じ仲間だった…
2021/09/27:ネットで検索していると、作物を食べる害虫タイプのテントウムシがテントウムシダマシと呼ばれていて、「テントウムシとは異なる」と説明されていて驚き。私が小学校のとき見ていた図鑑では、テントウムシの中で益虫と草食性の害虫で分けていたのですが、最近は分類が変わったのかな?と思いました。
(ネットの記載の実例)
<テントウムシではありません。テントウムシダマシです。テントウムシにそっくりな姿をしていますが、畑の作物にとっては害虫です。命名した人、すごいよね>
<テントウムシとちがって、テントウムシダマシの姿はやたら背中の星の数が多いこと。体の色も、テントウムシはきれいなオレンジ色をしているけれど、ダマシはくすんだレンガ色っぽい>
<テントウムシは、アブラムシなどを捕食する肉食系なので、作物を守ってくれる存在で、やっぱり今でも好感が持てる虫なのよね。だけど、テントウムシダマシは葉っぱを食べつくしてしまう草食系>
●テントウムシダマシはテントウムシとは違う…実は嘘だった?
研究が進んで子供の頃と分類が変わるというのは、実を言うと、それほど珍しくない話。テントウムシもそうだったのか…と思って、「テントウムシダマシ」で検索してみると怪しい感じ。作物の駆除の話ばかりで、個人サイトも目立ちます。キーワードが単純に生物名のみの検索で、生物系のサイトや信頼性の高いサイトが上位に出ないのは不自然。俗称である可能性を感じました。
Wikipediaすら一切出てこなかったので不思議に思って、Wikipedia内で検索。すると、やはり正式な呼称ではないようですね。また、ややこしいことに、「テントウダマシ」という似た名前で、本当に全然テントウムシとは分類が異なる生物もいるとのこと。俗称であるから仕方がないものの、混乱を招く良くない名称かもしれません。
<草食>
<テントウムシ科のうちマダラテントウ亜科のみが草食である。草食のテントウムシは肉食の種類に比べて鞘翅に毛が多いため、つやがないのが特徴である。
ニジュウヤホシテントウ Henosepilachna vigintioctopunctata
オオニジュウヤホシテントウ Henosepilachna vigintioctomaculata
この2種は体長7mmほどで、淡い褐色の地に名のとおり28個の黒い点がある。和名のとおりオオニジュウヤホシテントウのほうが少し体が大きく、黒点も大きい。集団でナスやジャガイモの葉を食べるため、害虫として扱われる。オオニジュウヤホシテントウはマダラテントウの中でもっとも寒冷地に進出しており、沿海州周辺まで分布している。一方、ニジュウヤホシテントウは北海道以南から東南アジアまで分布している。この2種は益虫である肉食性のテントウムシと違って、ナスやジャガイモなどの葉を食害するため、別名「テントウムシダマシ」ともいわれる。しかし、テントウダマシ科というテントウムシ科とは別の分類群が存在するので注意が必要である>(
テントウムシ - Wikipediaより)
●専門家ですらやらかしていた「テントウムシダマシのデマ拡散」
個人サイト以外でもテントウムシダマシは使われていますが、私が見たサイトでは、さすがに「テントウムシと別種」という間違った説明まではしておらず、草食性のテントウムシの総称がテントウムシダマシ…という説明でした。ところが、
ニジュウヤホシテントウ - Wikipediaによると、専門家でもガチで間違っている人がいるそうです。相当混乱しているみたいですね。
<オオニジュウヤホシテントウと共にテントウムシダマシの名で呼ばれたこともあり、現在もネット上でも数多く確認出来るし、専門的分野でさえ見る例がある[4]。この名はテントウムシと言えば益虫と決まっているのにこの2種が害虫であるのでこう呼んだと言われ、それを地で行く実例もあったりする。ただし主として菌食性を示すテントウダマシ科 Endomychidae という分類群が全く別に存在する。しかもこれがテントウムシダマシと表記される例もあり、注意を要する>(
ニジュウヤホシテントウ - Wikipediaより)
研究によると、Wikipediaの信頼性はたいへん高いそうですが、「Wikipediaなんて嘘ばっかりだ!」と思っている人もいるので補足。本当にテントウムシとは別種である「テントウムシダマシ」についての
日本大百科全書(ニッポニカ)の解説でも、俗称のテントウムシダマシとの混同を注意喚起していました。ちなみに別種の「テントウムシダマシ」は言うほど似ていない、ほんのりした(?)ダマシ具合です。
<(引用者注:テントウムシとは別種の「テントウムシダマシ」は、)昆虫綱甲虫目テントウムシダマシ科Endomychidaeに属する昆虫の総称。テントウダマシ科ということもある。(中略)
なお、テントウムシ科のニジュウヤホシテントウ、オオニジュウヤホシテントウは、農業関係でテントウムシダマシとよばれることがあるので注意が必要である>
●テントウムシっぽい配色のカメムシ系の虫が大量発生!君の名は?
2022/09/23追記:うちの畑では毎年テントウムシは少ししか出ません。一方で害虫の顔ぶれが毎年同じということもなく、その年によってガラッと違います。2021年に多かったのはレタスの葉につく黄色と黒の毛虫でしたが、不思議なことに今年は全く出ませんでした。代わりに多かったのが、大根の葉についたカメムシ系の虫です。
ここに追記したのは、テントウムシっぽい配色であったため。「テントウムシ カメムシ」で検索してみると、すぐにヒット。
ガーデニングQ&A|アースガーデン ~園芸用品~|アース製薬株式会社で出ていた「ナガメ」によく似ています。別サイトによると、私の住む北海道にもいるそうなのでたぶんこの虫でしょうね。
<よく菜の花につくカメムシで、ナガメと呼ばれます。(中略)ちなみに近縁のヒメナガメはもう少しオレンジが多く、前胸背の黒い模様の数が多いです。
数が少なければガムテープなどで捕獲して、そのままくるんで捨てるという手法がおすすめです。ナガメは、カメムシ目カメムシ科で、カメムシ類になりますので、数が多くて困る場合には、育てている作物のカメムシ類に登録のある薬剤を検討されてもいいかもしれません>
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