★2013/4/20 松原弘明元教授「捏造、改竄は絶対にない。大学のずさんな調査」
★2013/4/24 松原弘明ディオバン論文全て撤回 3000人の大規模臨床試験が無駄に
★2013/5/14 松原弘明元教授ディオバン論文問題、ノバルティスが第三者検証へ
★2013/5/29 松原弘明元教授、ノバルティス社員の隠蔽を指示か バルサルタン問題
★2013/4/20 松原弘明元教授「捏造、改竄は絶対にない。大学のずさんな調査」
既にお伝えした通り、大学の調査委員会は不正だと断定しています。
元教授が14論文で不正 京都府立医大、退職金返還要求へ
2013/4/11 22:10 日経新聞
京都府立医科大は11日、2月末に退職した医学研究科の松原弘明元教授(56)が関与した14の論文で、画像を改ざんするなどの不正が見つかったと発表した。(中略)
大学側によると、11年にインターネット掲示板への書き込みや、大学への匿名による告発を受け、学外の有識者を含む調査委員会を設置。松原元教授が関与した18の論文について、関係者からの聞き取り調査などを進めた結果、14論文の計52カ所で、過去に掲載した画像を使い回したり、改ざんしたりしていたことがわかった。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1103W_R10C13A4CC1000/元教授の14論文に捏造・改ざん…京都府医大
2013年4月12日 読売新聞
論文は、特定の細胞を増やす作用があるとされる幹細胞の注入で、動物の血管が増えるかどうかなどを調べたという内容。この日公表された報告書によると、01~11年の14本で、細胞などの画像の一部を切り取って別の画像としたり、グラフの折れ線を上下反転させて別の論文で使い回したりしていた。松原元教授がデータの基になる実験ノートなどを調査委に提出せず、明確に反証しなかったことから、「捏造や改ざんが行われた」と結論付けた。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20130412-OYT8T00891.htm ただ、大学は松原弘明元教授が捏造したとまでは断定せず、慎重な言い方をしています。
松原元教授が直接捏造に関わったり、指示したりしたのかという点は確認できなかったが、14本すべてに関与しているのは松原元教授だけであり、「松原氏の研究室の指導監督体制に本質的な欠陥があり、責任は極めて重い」と指摘した。(読売新聞)
それを見透かしているのか、松原弘明元教授はまるで他人ごとのようなことを言っています。
いや、普通に考えておかしいでしょ?
"14本すべてに関与しているのは松原元教授だけ"なんですよ?
しかも、上記と矛盾するようなことも言っており、反省のポーズすら十分ではありません。
嫌になってくるのが、毎日新聞にあったこの話です。
松原元教授は、日本循環器学会で理事や医道委員会委員長を歴任。最近は日本高血圧学会の理事だったが、3月6日付で辞任した。
こんな人が責任ある立場にいたというのを聞くと、日本の医療関係者は「終わっている」んじゃないかと感じてしまいます。
★2013/4/24 松原弘明ディオバン論文全て撤回 3000人の大規模臨床試験が無駄に
実を言うと、「6論文すべて撤回」としている報道と、「7論文中6論文撤回」としている報道があり、分かれています。
ただ、これは論文の内容を考慮しての数え方の違いであり、降圧剤「バルサルタン」(商品名:ディオバン)の治療効果について述べた論文としては「全滅」という理解で良いようです。
2013年4月22日17時15分 朝日新聞
論文撤回さらに3本 京都府医大の元教授
京都府立医大の松原弘明・元教授(2月末に退職)が高血圧治療薬の効果を調べた論文3本が国内外の学会誌から撤回された問題で、松原元教授が海外の学会誌に投稿していた別の論文4本のうち3本も撤回されていたことが、同大学への取材でわかった。
同大学によると、元教授らが発表し、問題になっている論文は高血圧治療薬バルサルタン(商品名・ディオバン)の臨床試験に関するもので、計7本あった。 (中略)
撤回されていない論文は研究目的と進め方を説明するものだった。
(中略)治療効果そのものについての内容はすべて撤回されたことになる。
http://www.asahi.com/national/update/0422/OSK201304220020.html 次に引用する毎日新聞には、
松原弘明元教授、既出の3論文以外に14論文で捏造・改竄の不正で大学側が不正だとみなしていた14論文は「バルサルタンとは関係がない」と書かれています。
よって、ディオバンに関する意味のある論文は上記6つで、それがすべて撤回ってことで間違いありません。そうなると、臨床試験そのものがすべて無駄だったということになります。異常事態です。
(これらの記事中で書かれていませんが、この大規模臨床試験は「キョウト・ハート・スタディー」(Kyoto Heart Study)という名前で呼ばれているものです)
新たに撤回されたものは以下のようなものだそうです。
撤回が判明した3本は、米国とアイルランドの心臓病専門誌に発表されていた。冠動脈疾患や慢性腎臓病などのある高血圧患者に対するバルサルタンの効果を検証した内容。掲載誌は撤回の理由を明らかにしておらず、大学も「理由は把握していない」としている。
以前も書いているので重複しますが、最後に「撤回」について補足のために、
"元教授は、今年1月までの大学側の調査に「データ集計のミス」などと説明してきたが、単純ミスなら撤回せずに修正で対応するのが一般的とされる"
という話も付記しておきます。
★2013/5/14 松原弘明元教授ディオバン論文問題、ノバルティスが第三者検証へ
今まで扱った論文捏造問題は数回報道されて終わりってのばかりでしたが、今回の件は製薬会社の利益に関わっているせいか結構続報が来ます。
(前回は
松原弘明ディオバン論文全て撤回 3000人の大規模臨床試験が無駄に)
まず、捏造論文の当人である松原弘明元教授ですが、「懲戒解雇相当」となりそうです。
元教授は「懲戒解雇相当」 府立医大論文捏造 教授会が処分へ
京都府立医科大は2日までに、関わった論文のデータ捏造(ねつぞう)を認定した松原弘明元教授(56)について、懲戒解雇相当であるとの意見を教授会でまとめた。運営者である京都公立大学法人の審査委員会で正式に決定する。(中略)
元教授をめぐっては、血管再生の臨床試験の基礎データとなった論文など2001年~11年の14論文の計52カ所で画像の流用や意図的な加工があったと府立医大の調査委員会が認定した。
【 2013年05月02日 15時10分 】 京都新聞
http://www.kyoto-np.co.jp/education/article/20130502000078 これによって何が変わるか?と言うと、退職金の有無です。
元教授はすでに退職しており、懲戒解雇相当の処分が決まれば、法人は退職金の返納を求める。(中略)
元教授は、自身が責任者を務めた血圧降下剤バルサルタン(商品名・ディオバン)の臨床試験について報告する論文が、日本循環器学会などに「データ解析に多数の重大な誤りがある」として相次いで撤回された問題を受け、「大学に迷惑をかけた」として2月末で依願退職した。
退職金のあるなしというのはでかいですね。
一方のノバルティスの方は好調な業績で、あまり報いを受けていない感じです。
ノバルティス:1~3月、7%増益-ジェネリックと競争回避
4月24日(ブルームバーグ):欧州最大の医薬品メーカー、スイスのノバルティス の1-3月(第1四半期)利益は前年同期比7%増加した。同社の売り上げ2位の製品のジェネリック(後発医薬品)が市場に投入されなかったことが寄与した。
24日の発表資料によると、一部費用を除く利益は32億5000万ドル(約3230億円)。前年同期は30億4000万ドルだった。ブルームバーグがまとめたアナリスト7人の予想平均 31億2000万ドルも上回った。売上高は2%増の140億ドルで予想平均と一致した。
インドの製薬会社ランバクシー・ラボラトリーズは、ノバルティスの高血圧症治療薬「ディオバン」のジェネリックを発売できなかった。ノバルティスの製品では、抗がん剤「グリベック」や「ディオバン」の売り上げが減少する一方で、多発性硬化症の患者に投与される「ジレニア」が伸びている。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MLQV7J6K50XU01.html 問題の薬「ディオバン」の売上は減っているものの、ジェネリックが出なかったので小さい傷で済み、その他の薬がよく売れているようです。
何となく腑に落ちませんね。
とりあえず、日本のノバルティスファーマはやっと「第三者検証を行う」ところまでは追い込まれました。
社員の関与はすでに報道されています。それで無関係を装おうとしていたんですから、腹立たしいですわ。しかも、それでもなお「関与できない」と言い張っているようです。
ノバルティスでは、資金の提供は認めつつも(論文の)データに我々は関与できないとしている。また、一部報道で指摘されている社員の関与などについて、第三者の外部専門家による調査を開始すると発表。その調査結果を元に検証していき適切な措置を講じると発表した。
社員が参加していて関与できないというのはどういう理屈でしょう?理解できません。
あと、最初のところでは「松原教授の論文がバルサルタンを非常に好意的に評価し、同時にバルサルタンも急速にシェアの拡大に成功しノバルティス社も大きな利益をあげていた」とも書いていますね。これは他じゃ書いていなかったような?
やっぱり捏造論文のおかげで、大きく儲けていたんですね。……このままだとズルした会社が逃げ切れるような格好で、嫌だなぁと思います。
★2013/5/29 松原弘明元教授、ノバルティス社員の隠蔽を指示か バルサルタン問題
連日でディオバン(バルサンタン)問題。ノバルティスの話が続いていましたが、もちろん松原弘明元教授も責任を免れません。
5月半ばのもので、私が見逃していた記事。どうもかなり積極的に悪事に加担していたいみたいですね。
降圧剤論文:販売元の社員名外す…京都医大元教授指示か
毎日新聞 2013年05月14日 02時30分
降圧剤「バルサルタン」の臨床試験を巡り、学術誌から論文を撤回された京都府立医大チームの責任者だった松原弘明・元教授(56)が、統計解析に関与した薬の販売元「ノバルティスファーマ」(東京)の社員の名を論文に出さないよう、部下に指示した疑いがあることが、関係者への取材で分かった。ノ社とのつながりを隠蔽(いんぺい)するためだった可能性がある。大学や日本循環器学会も同様の情報を把握しており、調査している。【河内敏康、八田浩輔】
http://mainichi.jp/select/news/20130514k0000m040112000c.html 上記では「部下に指示した疑いがある」と書いていますが、この後出てくる部分を見ると断定している形です。
指示したのは事実だけど、隠そうとしたかどうかは断定できないってことでしょうかね?
とりあえず、以下のような書き方です。
研究チームは、臨床試験の実施要綱をまとめた2008年の論文でノ社は試験の設計やデータ解析などに無関係だと記し、統計解析責任者2人のうち1人の所属を「大阪市立大」としていた。この人物は、同大の非常勤講師を兼務するノ社の社員だったが、社名は明かしていない。チームは09年に試験結果をまとめた論文を発表。これには社員の名は記載しなかった。
関係者によると、この社員は試験の打ち合わせに出席、統計処理にも関わっていた。しかし松原元教授は部下に対し、論文に社員の名前を出さないよう指示し、社員の関与も他言しないことを求めたという。
「指示し」「求めたという」という書き方であり、「指示した疑いがある」「求めた疑いがある」ではないですよね?
うーん、これは伝聞情報で不確かってことかなぁ?と首をひねりましたが、次の部分でわかりました。
これらの点について、松原元教授は弁護士を通じて毎日新聞にコメントした。論文に社員名を出さないように指示したり、社員の関与を口止めしたりしたことは「ない」と否定した。
"松原弘明元教授「捏造、改竄は絶対にない。大学のずさんな調査」"というのもやりましたが、松原弘明元教授は超強気です。
私はたとえそれが本当だったとしても、データ解析結果を疑わずに受け入れて積極的に宣伝したところからして、責任があると思いますけどね。自分の出した論文なんですから、まさか責任なしとは行かないでしょう。
ノバルティスはパトロンみたいなものですから、ご機嫌を損ねないことはもちろん、媚びを売る必要があったと思われます。
何かノバルティスファーマ擁護のメールなんかでは、データ解析の元社員が不正するわけがないという根拠のない推定によって松原弘明元教授に全責任を負わせたい感じでしたが、どちらも重大な責任があるわけで逃れられるような状況ではないでしょう。
(いただいたメールによれば、不正するわけがない根拠というのは「職を失うから」だそうですけど、それを言うなら松原弘明元教授も職を失う(実際失いました)ので不正するわけがないと言えてしまいます。あら不思議、この論理で行くと、世の中に悪事をはたらく人はいない(ただし、無職・学生などは除く)ということになります。素晴らしいですね)
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