2018/05/10:
救急搬送でO型患者の死亡率が2倍以上という研究
血液型あるあるはデマだけど…これは本当?
血の固まりやすさなどの違いで、非O型の人は静脈血栓などのリスクが高い
●救急搬送でO型患者の死亡率が2倍以上という研究
2018/05/10:タイトル見て、血液型性格診断のような疑似科学ではないかと疑った
けがで死亡「O型多い」 出血リスク大か - 共同通信(2018/5/2 09:37)というニュース。
これは、東京医科歯科大の高山渉特任助教らが、救急医学の専門誌に発表した研究を報じたもの。2013~15年度に入院が必要となる重いけがで東京医科歯科大病院など2病院に運ばれた患者901人のデータを分析しました。
その結果、重いけがで救急搬送されたO型の患者は、それ以外の血液型の人に比べ、死亡率が2倍以上高いとの研究結果を得たんだそうです。
●血液型あるあるはデマだけど…これは本当?
血液型性格診断で私が不思議なのは、なぜ血液なんぞに人間の性格が決められると信じているのか?ということ。途上国の呪術となんら変わらないレベルです。
ただ、血液が関わる病気などであれば、血液型によってリスクが異なってくることは説明がつき、あり得るだろう思います。記事では、O型は他の型に比べて血が固まりにくく、大量出血する人が多い可能性があるという仮説が出ていました。あり得そうな話です。
それでも、念のために関連情報を探してみると、
O型の血液型は血栓症のリスクが低い - 医療あれこれ(2016年5月29日 )というサイトが出てきました。
こちらによると、O型の人とO型以外の人で血管閉塞がおこる血栓症発症頻度が違うというものが、以前より知られていました。この場合は、O型の人に比べてO型以外(非O型)の人は静脈血栓症や動脈疾患の発症リスクが高いというもの。
つまり、O型じゃない方が危険という話で、最初のものとは逆ですけど、静脈血栓の場合の理由はやはり血液の凝固しやすさの違いみたいです。
(動脈血栓は血小板が活性化されて発症し、静脈血栓は血液の液体成分中にある凝固因子と呼ばれるタンパクが活性化して発症するとのこと)
●血の固まりやすさなどの違いで、非O型の人は静脈血栓などのリスクが高い
この違いについては、既に多くの論文も公表されているそうです。ただし、これらの多くの論文は、大規模とは言えない限られた人数を対象とした臨床研究でした。研究があれば決まり…と誤解している人がいますけど、そうではありません。研究によって確からしさのレベルが違いますし、異なる結果になることもよくあることです。
しかし、2016年にやっと大物の研究が出ます。スウェーデンとデンマークでの共同研究で、111万人という非常に大規模な対象を用いた臨床研究(Vasan SK et al. Circulation 2016, 133: 1449-1457)の結果が報告されたのです。
そして、その結果はやはり血液型O型の群に比べて、非O型の群では静脈および動脈の血栓症発症リスクが高いという結果でした。例えば、妊娠時の静脈血栓の場合は、今回と同じく2倍程度の差であったとのこと。
O型だと良い、O型だと悪いといった単純な話ではなかったのですけど、とりあえず、特定の症状において血液型によりリスクに違いがあるようでした。
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