ルパン三世の話をまとめ。<「カリオストロの城」フランス上映まで40年かかった理由>、<ルパン三世は著作権侵害だった?フランスなど海外では別名で上映>、<「ルパン三世」のキャラたち、わずか10分で作られていた>、<「峰不二子」「次元大介」などの名前の由来が適当すぎてびっくり!>などをまとめています。
2022/11/17追記:
●フランスの原作ルパンもホームズを勝手に出した著作権侵害作品? 【NEW】
●シャーロック・ホームズの作者コナン・ドイルが激怒と思いきや… 【NEW】
●「カリオストロの城」フランス上映まで40年かかった理由
2019/02/14:名作劇場版アニメとして名高い「ルパン三世 カリオストロの城」(宮崎駿監督)は、日本での公開から40年して「フランスでついに上映が実現」した、とのこと。えらい時間がかかったため、今頃?とネットで話題になりました。
ルパン三世は、フランスの作家モーリス・ルブランの作品に登場する怪盗アルセーヌ・ルパンの孫という設定で、フランスとは縁が深いです。ただ、これが逆にネックになったのかもしれません。
フランスメディア(Le Point)のウェブ版記事などによると、大画面での上映までに40年かかった事情としては、「ルパン」の呼称問題も影響とのこと。「ルパン」部分を別の名前にして編集したビデオなどなら出回っていたといいます。全然考えたことありませんでしたけど、よく考えたらブランドをパクって関連商品を出すようなものですからね。
今回のフランス語ポスターをみると、タイトルは「(フランス語で)カリオストロの城」とあり、オリジナル版の「ルパン三世」部分は見当たらず。タイトル脇には、宮崎駿監督作品であることが、比較的目立つ大きさで明記されていて、こっちの方が売りのようです。
(
カリオストロの城、フランスで「ついに上映」 公開から40周年、「単純に驚いた」と話題 2/8(金) 18:56配信 J-CASTより)
記事では、ルパンの名前を変更したかどうかは明記ないものの、やはり今回もルパンの名前を使わなかったのかな?と思わせる書き方。ヤフーにあったコメントでは、以下のようなものがありました。
"結局は「ルパン三世」の名は出さないのか? 今までは、仏国内ではルパンじゃなく、話の中だけに架空に存在させた「伝説の怪盗紳士 ガスパール・ド・ラ・カンブリオールの孫」の「エドガール・ド・ラ・カンブリオール」という設定だったらしい。仲間も五右衛門はまんまだけど、他は別の名前に代ってるそうだ。
日本では、原作者の遺族の許可なく「ルパン」の名を使ってたから、フランスでは著作権問題でダメだったらしい。その著作権も2011年に消えてるから、今なら名乗れるはずなんだけど。まだまずいのかな"
●ルパン三世は著作権侵害だった?フランスなど海外では別名で上映
著作権問題があったというのはコメント情報であり、記事では匂わす程度の書き方。はっきりしなかったので記事を検索。
エドガーにマルゴー、ポップスといえば? 海外の『ルパン三世』の実態 | マイナビニュース(2012/06/06 10:00:00)というのが出てきました。
こちらではフランス固有の問題ではなかったという書き方。そして、"名前をそのまま使用してしまうと著作権に引っかかる"ため、名前が「ルパン」ではなかったと書いていました。とりあえず、著作権問題があったことは断言されています。
この時代はキャラ名を自国風にアレンジするのが珍しくなかったこともあり、北米版の『カリオストロの城』でルパンは「Wolf(ウルフ)」と呼ばれていたとのこと。ちなみに相棒の次元は"ルパンの弟子"という設定になったようで、ルパンを「ボス」と呼んでいます。だいぶ違いますね。
ここでは、現在はアルセーヌ・ルパンの名前の著作権が切れたこともあって、北米だとオリジナルに忠実なバージョンの『カリオストロの城』も発売されているとしていました。どのキャラクターも日本版と同じ名前ではあるものの、銭形警部の愛称「とっつぁん」は、おじさんという意味の「Pops(ポップス)」で、彼が登場するとルパンたちが「ポーップス!」と叫んでるそうな。雰囲気がだいぶ違いますね。
フランス版についてもこちらでもちろん網羅。以下のように違いだらけでした。
・『ルパン三世』ではなく、『Edgar detective cambrioleur(エドガー・ディテクティブ・カンブリオロー)』
・直訳すると『探偵泥棒エドガー』でく「ルパン」=「エドガー」で"探偵泥棒"という設定。
・銭形警部は「Inspecteur Gaston Lacogne(インスペクタール・ガストン・ラコーニャ)」。
・不二子は「Magali(マガリー)」。でも名字は「ミネ」のまま。
・次元は「Isidor(イジドール)」、五ェ門は「Goemon Yokitori(ゴエモン・ヨキトリ)」。
●なぜかイタリアではそのまま「ルパン」を使用できていた謎
一方、TV版の『ルパン三世』が大人気だったイタリアでは、ルパンや次元、銭形警部はそのままの日本語呼び。こっちの著作権侵害はどうしたんでしょうね? イタリアでは権利が確立されていなかったのか。不思議です。国によって法律が異なるせいかもしれませんね。
ただ、日本とそのまま同じではなく、銭形警部の愛称は「Zazà(ザザ)」。ゼニガタという発音を短縮したニックネームのようだとのこと。
また、全く違うのが、「Margot(またはMargo、読みはマルゴー)」。これは「峰不二子」のこと。なぜマルゴーという名前になったのかはまったくの謎だそうです。幼い頃マルゴーに憧れたというアニメファンも少なくないとのことで、イタリア人にセクシーな小悪魔・マルゴーは大人気でした。
●「ルパン三世」のキャラたち、わずか10分で作られていた
2019/04/18追記:「大泥棒の手口のように、一瞬の早業だった」として、モンキー・パンチさんが「ルパン三世」のキャラクターを生み出したときの話が記事になっていました。記事に明記はなかったものの、この記事の頃に亡くなったモンキー・パンチさんを偲んでのものと思われます。
1967年、編集者である清水文人さんから新作の構想を聞かれたモンキー・パンチさんは、思わず「ルパン」と答えました。実際に構想があったわけではなく、「アルセーヌ・ルパン」シリーズを小学生の頃から読んでいたから何か描けるのではないか程度。清水さんの反応もイマイチだったので、ボツになったと落ち込んでいました。
ところが、数か月後、清水さんからの電話が鳴り「ルパンの原稿はどうした! 1週間で描け!」とまさかの怒号。突然の締切設定に困り果てたモンキーさんは、たった10分間でキャラクターの骨格を仕上げ。なんかブラックなエピソードっぽさもありますけど、10分間の早業であの個性あるキャラクターが作られたってのはすごいですね。
●「峰不二子」「次元大介」などの名前の由来が適当すぎてびっくり!
これらの話があった
まさに早業…10分でキャラクターの骨格作り52年 「ルパン三世」モンキー・パンチさん評伝 スポーツ報知 / 2019年4月17日 10時57分では、キャラクターをどのようにして作ったかという話もあり、おもしろいです。名前の由来なんかは、当初の投稿で海外の名前ネタをやっていたので、多少繋がりがあります。
「ルパン」 当初、長髪にするつもりだったが、描く時間がもったいなくて短髪に。「せめてモミアゲぐらいは長くしようか」という思いつきがトレードマークに。
「峰不二子」 理想の女性像を全て投影したヒロイン。目に入った「霊峰富士カレンダー」から命名。
「次元大介」 「事件大好き」をもじった。
「銭形警部」 もともとは銭形平次…ではなく、故郷・北海道浜中町の岩場に生息するゼニガタアザラシから。ルパンと銭形警部の追いかけっこは、小さい頃から好きだった『トムとジェリー』がモデル。
「石川五右衛門」 全体的に洋風キャラだったのでバランスを取るため。
モンキー・パンチさんの尊敬する先輩・手塚治虫さんには、「ルパン三世だけではダメですよ。もっといろいろ描きなさい」と言われたそう。しかし、前述の編集者・清水文人さんに「お前はルパンを描き続けろ。こんなキャラクターはもう生まれない」と諭され、ルパン三世一筋で書き続けました。
ルパン三世一筋であったことについて、記事では、<主人公のように盗むのではなく、自らの手で生み出し、育て上げた「ルパン三世」は生涯の宝物になった>としていました。ただ、「ルパン」や「石川五右衛門」を借りていることを考えると、ちょっと複雑な気分になるまとめ方ですけどね。
●フランスの原作ルパンもホームズを勝手に出した著作権侵害作品?
2022/11/17追記:最初に書いたときから書きたいな…と思いつつ、やっていなかった話を今頃。書きたかった話というのは、当時の法律でどうだったかは不明なんですが、ルパン三世の元ネタであるモーリス・ルブランの『ルパン』も著作権侵害的なところがあったという話です。『ルパン対ホームズ』という話があるんですよ。
シャーロック・ホームズを勝手に出していたというだけでなく、原作へのリスペクトがない内容。アルセーヌ・ルパンがシャーロック・ホームズをけちょんけちょんにやっつけるというひどい話でした。シャーロック・ホームズが好きだった私はこの作品を子供の頃に読んでショックを受けたんですよね。
これによってルパン三世の罪を正当化できるわけではありませんが、たいへんひどい話。ただ、今、
ルパン対ホームズ - Wikipediaを読んでみたら、元ネタではシャーロック・ホームズそのものは出さずにぼかしていました。どうも日本語訳で改変した模様。結局、悪いのは日本かよ!
<イギリスの名探偵・シャーロック・ホームズを基にしたパロディキャラ「エルロック・ショルメ」と、フランスの大怪盗ルパンとの世紀の対決を描く。エルロック・ショルメ(Herlock Sholmès)はシャーロック・ホームズ(Sherlock Holmes)のアナグラム。
日本語訳ではショルメの名前は揺らぎが多く、「ショルメス、ショルムス、ショルムズ」や、そのまま英語読みにした「ハーロック・ショームズ」等の表記が見られる。後述のようにパロディ元である「シャーロック・ホームズ」に置き換えている訳書もある>
●シャーロック・ホームズの作者コナン・ドイルが激怒と思いきや…
もう少し読んでみると、本当に「シャーロック・ホームズ」本人を出していた原作の作品もあったようです。やっぱりアウトくさい感じ。これに対して、シャーロック・ホームズの作者コナン・ドイルさんが怒った…と言われているものの、証拠はないとのこと。怒っても全然構わないんですけどね。
<ショルメはルパンシリーズにおいて、「遅かりしシャーロック・ホームズ」で初登場する。この作品では、『ジュ・セ・トゥ』誌での発表時、「シャーロック・ホームズ」本人として登場した。
この際、すぐさまホームズシリーズの原作者アーサー・コナン・ドイルから厳重な抗議を受けた、という話が流布しているが、実際にそのような抗議が行われたという証言はルブランもドイルも残していない。ただし、ルブランの研究家ジャック・ドゥルアールの「ルブラン伝」(Maurice Leblanc: Arsène Lupin malgré lui)によれば、『ジュ・セ・トゥ』誌の出版元であるラフィット社は、ドイルから自分のヒーローの名前の使用を拒否する手紙を受け取ったと記している(第6章「ルパン初登場 1905−1907」)。『シャーロック・ホームズ百科事典』の著者マシュー・バンソンは「ルブラン側からホームズの登場許可を得ようという働きかけがあったが失敗した」という説を唱え、フランス・ミステリ研究家の松村喜雄は「ドイルはルブランの作品を知りつつ、あえて黙殺した」と解釈している[1]>
ルパンの作者モーリス・ルブランさんもこれはさすがにまずいと気づいたのか、その後、<このキャラクターを「ショルメ」と改名し、これ以降キャラクター付けや外見も明確にホームズとは違った別キャラクターとして構築し直した>そうです。うーん、結局、極悪なのは日本人だけ…みたいな感じになってしまいました。
<「遅かりし - 」は単行本『怪盗紳士ルパン』収録時にはショルメと直され、キャラクター付けも修正され、その次の作品となる本作では元祖ホームズに遠慮しない、思い切った「ショルメ」というキャラクターとしての対決が描かれている。ホームズの盟友であるワトスンにあたるキャラクターも、ウィルソンという別キャラクターである>
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