縫製工場などの入るビル崩壊で今話題になっているバングラデシュ。
この件で何か一つと思いましたが、うまくまとまらずに断念していたところ、バングラデシュのビジネス記事がタイミング良くありましたので、そちらを紹介します。
2013年5月1日 姫田小夏 [ジャーナリスト]
“チャイナプラスワン”の新たなる選択 バングラデシュのビジネス環境の現状
「こんな世界で仕事できるのか?」と不安になる日本人を、悪名高い“バングラデシュ三大名物”の「停電・渋滞・慢性的なゼネスト」が洗礼する。そして赴任当日から始まる「指折り数えて帰国を待つ日々」……。日本人駐在員にとって、過酷な闘いの始まりである。
http://diamond.jp/articles/-/35316 停電・電力不足はやはり企業にとっては大きいです。
「電力不足ではちょっとムリ」――日本企業にとって常識だ。パナソニックも、電力供給の不安定さを理由にバングラデシュ進出には消極的だったと聞く。
続いて、物流。
物流も問題だ。ダッカから港のあるチッタゴンまでは陸路で5時間以上、そこからシンガポール港まで5日間かかる。シンガポールから先はさらに積み替えが必要で、輸出先までトータルでざっくり2週間はかかると言われている。
これは先のものとの対応で言うと、「渋滞」に当たるものでしょうか?
だとすると、次が最後の一つ「ゼネスト」です。
万事がスローである理由は、政治が足を引っ張るためといえる。
筆者も現地滞在中、バングラデシュ名物のハルタル(ホルタル)を経験した。日本でいうゼネラル・ストライキのことで、この国の大きなカントリーリスクだ。当日はすべての交通機関がマヒし、企業も店舗も原則として休みになる。もちろん日本企業も影響を被る。ハルタルが宣言されたその日は経済活動を行うのは御法度、基本的に社員は自宅待機。「納期に間に合わない!」と悲鳴が上がろうが、諦めるしかない。
どうもこのゼネスト(国全体など大きい規模で団結して行われるストライキ)は政治抗争・政治活動の一種であるようです。また、自動車への放火も行われるというのですから、物騒ですね。
ただし、「経済活動を行うのは御法度」と矛盾する以下のような記述も。
経済活動を阻害するといわれるハルタルも、地元企業はあまり深刻に受け止めていない。「またやってる」程度の感覚で、いつも通り操業する工場も、実は少なくない。店舗も「ハルタルでも開店する」ところはいくらでもある。政治を優先すると自分たちの首が絞まることは、誰もが理解しているのだ。
冒頭で話題にした縫製工場ですが、これは逆に言うとそれ以外の産業の弱さとも関係あるようです。
ラーマン(引用者注:バングラデシュ鉄鋼エンジニアリング協会)会長は「過去10年、私は重化学工業が必要だと唱えてきましたが、国の産業政策はコンシューマー・インダストリーを重視し、製鉄など重化学工業は顧みられませんでした」と失望の色を見せた。
バングラデシュの国内産業の発展は、緒に就いたばかりだ。縫製産業が伸びているとはいえ、布や縫製資材の大半は輸入に頼っている。政府は国内産業育成と輸出振興の旗印のもと、輸入代替型や輸出志向型の産業を奨励しているが、その発展の歩みは遅い。
しかし、それでも進出する魅力を感じている日本企業はあるようです。
水面下ではしたたかに、バングラデシュに打って出る企業が現れ始めている。
高級婦人衣料の縫製を行う小島衣料(本社:岐阜県)もそのひとつだ。同社は2010年にダッカに工場を開設したが、こうしたカントリーリスクを意に介す様子もない。オーナーの小島正憲さんは言う。
「物流に時間がかかるならそれでもいい、1日で運べなければ1週間かければいい。停電が問題なら発電機を据えつければいい。バングラデシュには若くて豊富な労働力が、これだけの密度で存在するのです」
縫製業にとって何よりも重視すべきは「労働力」だ。バングラデシュは月収8000円程度で肉体労働を担う若者たちが、蟻集するように目の前に存在する。中国ではその4倍の賃金を出しても働き手は見つからないし、カンボジアでも人口密度の低さから「シャトルバスでも出してかき集めて来ないことには、生産体制が組めない」(小島さん)ともいわれている。
バングラデシュは実は世界7位、1億5000万人という人口の多い国です。以下なんかはそういった人口の多さも関係有りそうです。
バングラデシュは従来、縫製加工の拠点として注目されたが、ここ2~3年は内需に関心が高まってきている。日本からは金融、保険、サービス、小売などで動きがあり、NTT、KDDIは地元のNGOと組んで通信事業に乗り出し、また味の素やロート製薬、ニプロ(医療機器)は小売市場を狙って展開している。また富士写真フイルムは化粧品「アスタリフト」の高級ショールームをオープンした。
一つ前の部分の書き方だと、しかも、人口密度が高いためになお良いということみたいですね。
しかし、バングラデシュの魅力はこれだけではないとのことです。作者の書き方を見ていると、むしろ最大の魅力は別のもの……ということです。
この魅力は元記事のタイトルにある「チャイナプラスワン」の中国との対比でも語られているのですが、長くなるので分けます。
追加
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