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セイコーマートの100円惣菜がすごい ボリュームたっぷりでなぜこの値段?


●セイコーマートの100円惣菜がすごい ボリュームたっぷりでなぜこの値段?

2013/5/5:セイコーマートが顧客満足度ナンバーワンなのはマーケティングのせいの続き。前回のところでも使ったのですが、<大手もかなわない「北海道No.1コンビニ」の秘密 セイコーマート、「顧客と向き合う」本質とは?>(安藤 元博 2013年4月8日(月)日経ビジネスオンライン)から、100円惣菜のところをまず再び引用します。

<店を奥に進めば、惣菜コーナーが待っている。(中略)数が極めて多い。常時60種類以上を販売しているという。コンビニでよく見かける縦型のチルド棚だけでなく、広々としたストッカーに所狭しと並べられている。立ち止まって一見しただけでは、すべてのメニューを見渡すことができないから、どれがいいかと歩き回りながら選ぶことになる。
(中略)その値段のほとんどが100円だ。(中略)主食として十分と思えるほどの量が入っているから、パスタに加えてサイドメニューを3種類選んでも500円でお釣りがくる>
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20130326/245646/

 "主食として十分と思えるほどの量"とのことで、安いだけでなくボリュームがあるようです。では、なぜこんなことが可能になったのか?というのが不思議。安すぎて心配という人も多いかもしれません。当然、惣菜の価格を100円にするのは困難であり、まず容器や包材のコストが大きな壁になったそうです。

<通常、惣菜にはトレーの上にプラスチックの固いフタがあり、さらに密封のためにその上からシーリングを施してある。この方法では、どんな工夫をしても100円で売ることはできない。そこで発想を飛躍させ、フタをやめて直接トップシールにするという大胆な変更に踏み切った。結果、コストは大幅に下がり、100円惣菜の実現に大きく近づいた>


●食べられない容器にお金をかけることを消費者は望んでいるのか?

 「フタをやめて直接トップシール」というのは、要するにプラスチックでフタをつけるのではなく、シールだけで閉じるというやり方です。<フタをやめてシーリングにするという発想は、それが結局は生活者にとって価値になるという見極めがなければ実行できない。製造部門のコストカット、という個別の努力からは生まれにくい発想だ>と記事では書いていました。

 先入観がありますし、フタなしでシール包装だけ…というのは結構抵抗があるんじゃないかと思います。安い惣菜であればなおさら「安っぽく見えてはいけない。消費者に安かろう悪かろうと思われる」という思いが、作る側にはあるんじゃないでしょうか。しかし、セイコーマートは消費者が何を求めているか知っているのでやれたのでしょう。

<取材の途上で同社の社員の方から、「容器は食べられませんから」という言葉を耳にした。食べられもしないものにコストをかけるくらいなら、その費用を顧客にとって価値あるものに使いたい。あるいは、売価を下げたいという意味だと思われる。生活者と正面から接し、生活者に届く価値を見切っている自信がなければ言えない言葉だろう>
(<100円にこだわった「トマトとキュウリのシンプルサラダ」誕生秘話 現場直結の“とれたて情報”を活用するセイコーマート>(安藤 元博 2013年4月11日)より) 
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20130327/245724

 前回セイコーマートが顧客満足度ナンバーワンなのはマーケティングのせいで出てきた「マーケティング」「徹底した顧客志向、生活者志向」の成果ですね。「マーケティング」という言葉を顧客重視ではないというネガティブな印象を受ける人もいるでしょうが、客が何を求めているかを見極めた結果こうなったのです。むしろ食べられない容器にお金をかけ見てくれを良くして買わせる方が顧客軽視でしょう。


●自社生産が多いセイコーマート…単純なコスト削減ではないメリット

 一つ目の記事によると、セイコーマートの特徴である自社生産あるいは原料の直接仕入れは、コストコントロールという面でも有利に働きます。セイコーマートは自社グループで農業生産法人を抱えているのに加え、北海道内の6つの漁港にセリ権を持って海産物を直接調達。中間流通を省くことでコストが削れるというのが、まずはよくある効用です。

 ただ、もう一つ興味深い発想とされていたのが、調達価格をほぼ一定にできるという点。生鮮食料品は一般に、相場によって価格が乱高下します。常に一定の値段で買い続けるのは難しいのです。自社系で供給できることで、市況に左右されにくくなり、品質と価格を両立して、売価を100円に固定するという経営判断が成り立つとされていました。

 これはなるほどと思ったところ。原料を売ることだけで儲けているところはどうしても相場に合わせた価格で売らざるを得ませんけど、セイコーマートの場合は小売まで含めた中で儲けを出せばいいので、長いスパンで馴らした一定の価格で売ることができそうです。


●いろいろ手を加える商品は本当に顧客志向?工夫を却下してシンプルに

 2つ目の記事では、この自社生産の強みが強烈に出た例が出ていました。記事の前年夏に発売された「トマトとキュウリのシンプルサラダ」。そのボリューム感から「これで100円なの?」という新鮮な驚きがあるもので、実際に売れ行きは上々だったといいます。これは自社生産ならではのものでした。

<セイコーマートが自社で農業法人を経営し、畑とつながっていることの強みがここに生かされる。惣菜のメニューを開発するのは、札幌にある本社の商品部。産地とつながっている彼らの元には、「今年の夏は気候が良くて、ぐんぐんキュウリが育っています」といった情報がリアルタイムに入ってくる。豊作になって、結果として価格が下がったというような事後情報とは、情報の質が格段に異なるのだ>

 コスト削減や安定調達だけでなく、自社生産には「情報」という強さもあるんですね。これは全然思いつきませんでした。なお、この「トマトとキュウリのシンプルサラダ」は当初シンプルではなく、ベーコンチップなどもあしらう案があったのが、丸谷社長の判断でボツになっています。これがまた顧客志向のためでした。

<商品企画の立場からすると、いい素材が入ったなら、ついそこに付加価値を盛り込みたくなる。もちろん、そのこと自体が悪いとは限らない。ただ、その分売価が高くなれば、必ずしも顧客のためにならないこともある。
 気候のおかげでトマトとキュウリが安く手に入った。味もいい。それなら余計な手を加えず、そのまま提供することで100円という値段を維持する。そうした戦略が、ヒットにつながったと言えるだろう>


●年中欠かさず同じ品揃え…本当に消費者はそれを望んでいるのか?

 上記は、なかなか他のコンビニなどのお店だと決断しづらい判断でしょう。やはり「トマトとキュウリだけ」となると不安になって、自信を持って「売れる!」とは思わないと考えられます。また、以下も他店(コンビニというよりはスーパー)にない発想で、普通は上がストップするやり方だと思います。

<農業など生産の拠点を自社で押さえることは、単にコスト面のみならず臨機応変に質の高い商品を提供するといった形で、価値の創造につながっている。セイコーマートの惣菜コーナーには、キュウリが多く取れる時はキュウリを使った惣菜がたくさん並ぶ。いわば「キュウリだらけ」の棚というわけだ。
 だが新鮮でおいしくて安い素材が、豊富なバリエーションで届けられることは、極めて自然で、顧客にとってはそれもまた価値となろう。農作物だけではない。例えば北海道で豊富に取れる鮭やサンマといった水産物も、水揚げ具合に応じて、鮮やかに様々な商品に形を変える。机上だけで商品開発をしていないからこそ可能になることだ>

 普通のスーパーは年中同じ品揃えになることに心血を注いでいますけど、そうじゃなくても良いものなら売れるんですね。同じ北海道の安売り競争しないスーパーの秘訣 札幌市のフーズバラエティすぎはらの以下の話をちょっと思い出しました。とはいえ、やはり他ではあまり耳にしないやり方であり、意外な話ばかり出てくると感じます。

<一般の食品スーパーは欠品を恐れ、商品を全国から揃える。しかし地元の生産者の野菜を積極的に扱うようになると、欠品が大きな問題とならないことに気づいた。天候などきちんとした理由があれば。消費者は欠品していても納得してくれる>


【本文中でリンクした投稿】
  ■セイコーマートが顧客満足度ナンバーワンなのはマーケティングのせい

【関連投稿】
  ■セイコーマート、500円ワインの秘密とホットシェフの良さ
  ■コンビニ日本一セイコーマートの人気のポイント ~ワイン、惣菜など、スーパーより安いコンビニ~
  ■ミニストップの挑戦 手作りおにぎり、コンビニコーヒーの開拓者
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