Appendix

広告

Entries

安倍首相のロシア外交 北方領土棚上げで経済協力、スパイに機密情報提供


 ロシア外交関連の話をまとめ。<安倍首相のロシア外交 北方領土棚上げで経済協力、スパイに機密情報提供>、<北方領土をロシアに取られた日本、ロシアのウクライナ侵攻も許す>、<日本はなぜ侵略国家と仲良くするのか?侵略を認めると領土を放棄することに>などといった話をまとめています。

2022/07/04中程にまとめ:
●日本はなぜ侵略国家と仲良くするのか?侵略を認めると領土を放棄することに
●ロシアの侵略はまだ終わっていない?ウクライナ再侵攻はあり得る


●安倍首相のロシア外交 北方領土棚上げで経済協力、スパイに機密情報提供

2020/01/26:保守派・ネトウヨは北方領土二島返還を批判せず?櫻井よしこは過去に国益損なうと主張で書いたように、安倍首相は以前右派の批判していた二島先行返還どころか、二島だけ返還というかつてないほど後退した条件でロシアに経済協力しましたが、その二島だけ返還すら無視されて、安倍政権内部は他人事のように諦めムードになっていました。

 で、ここまで一方的にロシアに貢いでいたのに、今度はロシアにスパイ行為をされていたという疑いが出てくる始末。ソフトバンクの社員(当時)が会社のサーバーにアクセスし、機密情報を不正に取得したとして、不正競争防止法違反の疑いで警視庁に逮捕されたのです。社員は容疑を認めたうえで、在日ロシア通商代表部の職員と元職員にそそのかされたと供述しています。
(通信関連会社元社員 機密情報不正取得で逮捕 ロシアに提供か 2020年1月25日 23時54分 NHKより)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200125/k10012259031000.html?utm_int=all_side_ranking-social_002

 ネトウヨさんたちって中国や韓国は叩きますけど、ロシアにはあまり。今回の件はどうなんでしょうね。あと、日本はアメリカの属国? 「普通の国」とは程遠い抗議できない国で書いたように、アメリカに盗聴されていたと報じられた際には、「情報を収集しようとするのは常識」となぜか安倍政権からはアメリカを擁護する声が出ていました。ロシアも似たような感じなんでしょうか…。


●北方領土をロシアに取られた日本、ロシアのウクライナ侵攻も許す

2022/03/07追記:プーチン大統領のロシアが二度目のウクライナ侵攻。一度目より大規模な侵略行為で多くの犠牲者を出しています。日本の対応でまずかったな…と思うのは、一度目のウクライナ侵攻の後、安倍政権が毅然とした態度を維持できず、北方領土問題を棚上げまでしてロシアにすり寄ってしまったことです。

 この日本の対応はいくつかの意味で、悪いものでした。まず、ロシアのウクライナ侵攻を許してしまった形になったこと。一度目のウクライナ侵攻で日本からも相手にされなかった場合、ロシアが二度目を躊躇する材料になったでしょう。この成功もあって、プーチン大統領は二度目をやりやすくなりました。

 また、一度目のウクライナ侵攻で先進国から総スカンを食らっていたロシアは、日本を利用して国際的に孤立していないことをアピールしたとも当時指摘されています。日本の安倍政権のロシアへのすり寄りが、ロシアのウクライナ侵攻を許す重要なきっかけの一つになったと言えるかもしれません。

 日本の場合、「北方領土問題棚上げ」は、特に重要なポイントでしょう。ウクライナと同じく、領土をロシアに不当に取られている立場である日本は本来、他の国以上にウクライナ侵攻を許すべきではなかったのですが、その日本が許したことで、「北方領土占領もウクライナ侵攻も問題なし」という強いメッセージになってしまいました。
(2022/07/04追記:中程にまとめた<日本はなぜ侵略国家と仲良くするのか?侵略を認めると領土を放棄することに>がこの関連でした。これは2013/5/8に書いたもので、このときには<ロシアの侵略はまだ終わっていない?ウクライナ再侵攻はあり得る>という話も書いていました)

 私は日本の右派が主張する「中国の台湾侵攻」は、デメリットが大きくあり得ないと最初考えていたのですが、このロシアの例を思い出して考え直したんですよね。ロシアのウクライナ侵攻を許した日本を見た中国が「意外に甘い」と思って、台湾侵攻をしたとしても許されると考えてしまう可能性が出てきてしまいました。

 なお、私はそもそもロシアを許すべきではなかったと考えますが、安倍政権が交渉下手だったことも指摘しておきます。当時ロシアはウクライナ問題とアメリカのシェールガス革命によるガス余りでピンチだったため、本来なら日本が交渉で大きく有利だったのにも関わらず、北方領土棚上げでむしろ日本の方が大きく譲歩してしまいました。

 また、安倍首相の場合、第一次安倍政権時代に外資を乗っ取ったロシアのサハリン2事件 三井物産・三菱商事が損失を経験。にも関わらず、北方領土棚上げまでして経済協力というのは、ロシアのスパイで日本を切り売りしているのでは?と思ってしまううほど売国的で不思議です。(ちなみに、自民党の大物議員にマジでアメリカのスパイがいたことは、アメリカ側の資料でわかっています)


●スパイ?「買収されたような言動の言論人や政治家にがかなりいる」

2022/04/16追記:他で使っていない話も書きますが、先に他の投稿で使った話をこちらにも紹介。上で日本政府はまるでロシアのスパイのような動きをしている…の関係で、ウクライナ人の政治学者も似たような疑いを抱いていたいたようなので、こちらにも追記しておきます。

 ウクライナ侵攻に関しては、日本では橋下徹さんの擁護が目立っていました。橋下徹さんは安倍首相とも近いのですが、最も関係が深いのはもちろん日本維新の会。この日本維新の会の鈴木宗男議員がウクライナ侵攻正当化、プーチン大統領擁護の親露派の代表的な存在です。

 以前も橋下徹さんと対立していたウクライナ出身の国際政治学者、グレンコ・アンドリーさんは著書『プーチン幻想 「ロシアの正体」と日本の危機 (PHP新書) 新書 』で以下のようにロシアスパイ疑惑を指摘。これは2019年の書籍なので以前から言われてたみたいですね。

「日本には、親露派言論人や政治家がかなりいる。彼らのうち何割の人間が自分の意思で親露的言動を行っているのか、何割がロシアの餌に釣られて取り込まれているのか…」
<ロシアの餌とは、スパイ工作の罠を意味する。典型的なやり方としては、ロシア大使館が主催するイベントの無料招待状を送り、様々な形の接待をして懐柔するのだという>

 この話があったのは、鈴木宗男氏は“プーチンの弁明者”か?度を越した「ロシア寄り発言」の理由 - まぐまぐニュース!(2022.04.08 元全国紙社会部記者の新 恭)という記事。グレンコ・アンドリーさん自身はゴリゴリの偏向右翼のようなのですが、今回は一部の右派と対立している状態で、3月29日の参院外交防衛委員会でも維新の会でやり合っています。

<日本維新の会の音喜多駿氏は、テレビ番組でアンドリー氏と意見が対立した維新の創設者、橋下徹氏について「今は党とは無関係」と断ったあと、こう質問した。
「ロシアのスパイの存在と要人買収の問題がある。わが国は諜報活動に弱い。ロシアの諜報活動をどのように把握されているか」
これに対するアンドリー氏の発言が波乱を呼んだ。
「さっき仰った人(橋下氏)は法律上は関係ないんですが、残念ながら、あなたがたの党にロシアの侵略を明らかに弁明している人もいるので、その人についても、そろそろ考えたほうがいいのでは、というのが私の個人的な意見です」
「ロシアの侵略を弁明している人」が誰なのかを明言していないにもかかわらず、音喜多氏の隣に座っていた同党の鈴木宗男議員が激しく反応した。委員会終了後、音喜多氏とともに委員長にねじ込んだのだろう、この部分が不穏当だとして、議事録から削除されることになった>

 なお、鈴木宗男議員のことを指したであろう「あなたがたの党にロシアの侵略を明らかに弁明している人もいる」は解釈に異論はないでしょうが、私は「「さっき仰った人(橋下氏)は法律上は関係ない」という微妙な言い方をしたのが気になったところ。ひょっとしたら橋下徹さんの買収も疑っているのかもしれません。


●日本はスパイだらけ?「侵略された方に問題がある」と戦争正当化

 記事では鈴木宗男さんのロシア擁護発言を指摘。ウクライナ側に全く問題がないわけではないと可能性は確かにあるものの、侵略・民間人虐殺という罪と全く釣り合わないため、ロシア側をセットで猛批判しないと事実上のロシア擁護となります。あからさますぎて、そういうレベルの発言ですらないんですけどね。

<3月24日の現代ビジネスに掲載された田原総一朗氏との対談記事。
鈴木 「2021年10月23日、ゼレンスキーはウクライナ東部に自爆ドローン(無人攻撃機)を飛ばしました。プーチンさんはビックリして、ただちに10万人の兵をウクライナ国境に配備したわけです。ゼレンスキーがドローンなんか飛ばしてロシアを挑発していなければ、そもそもこんな騒ぎにはなりませんでしたよ」
 プーチン氏は「プーチンさん」、ゼレンスキー大統領のことは「ゼレンスキー」と呼び捨てなのが、自分の感情に素直な鈴木氏らしく、わかりやすい>

 戦争せざるを得ない状況になったから仕方ない…は太平洋戦争正当化と同じ論法。中国にも利用されかねません。また、欧米の報道が全部正しいとは限らないものの、戦前の日本と同じように言論統制されているロシアのメディアとは比較にならないだろうとも記事では指摘していました。

 あと、グレンコ・アンドリーさんは2019年の書籍の時点で、安倍首相(当時)自身にプーチン幻想・実績欲しさがあり、金儲けのために政権が接近したことや、安倍首相に影響を与えた人(鈴木宗男議員の他、自民党の森喜朗・元首相も想定)がいることを指摘。記事では、安倍元首相について、以下のようにも書いていました。

<安倍元首相は、「ウラジーミル、君と僕は同じ未来を見ている。ゴールまで駆け抜けよう」と世界に向かって固い男の約束をしたにもかかわらず、プーチン大統領に向けて心情のこもったメッセージを送ろうとはせず、評論家のようなコメントを繰り返している。(中略)
 プーチン・ロシアに一途な鈴木氏と、逃げ足の速い安倍氏。言動は正反対に見えるが、損得勘定で政治的な立場を守ろうとする姿勢は変わるところがない。彼らの視界に欠けているのは、独裁者の一存で無辜の市民の命と生活が破壊されていくウクライナの現実ではないだろうか>



プーチン幻想 「ロシアの正体」と日本の危機 (PHP新書) 新書



●「安倍首相がプーチン大統領に褒められた!」とアピールしてた

 安倍政権のロシアへの接近は、現在の岸田政権でも欧米と違ってロシアへの経済制裁が消極的なエネルギー問題でも見えていました。2018-05-31に経済産業省・資源エネルギー庁が石油から再エネまで、あまり知らないロシアと日本のエネルギー協力|スペシャルコンテンツで、ロシアに接近する安倍首相の実績などをアピールしていたんですよ。

<ロシアとのエネルギー協力は、豊富なエネルギー資源や地理的な近接性などの観点から、日本のエネルギー供給源の多角化および安定供給の確保にとって重要となっています。2018年5月24日~27日には安倍首相がロシアを訪問し、エネルギーを含むさまざまな協力関係を今後も深めていくことを確認しました>

 サイトでは、安倍首相の提案がプーチン大統領に褒められた!ともアピール。<LNGについては、今後もサハリン2の拡張が計画されているほか、北極LNG(ヤマル2)やバルティックLNGが検討されるなど、さまざまな開発プロジェクトが動き始めています>としており、侵略国ロシア(1度目のウクライナ侵攻はこの4年前)と接近しまくっていたようです。

<8項目の「協力プラン」に基づいてさまざまな取り組みが進められています。「協力プラン」とは、2016年5月、ロシア連邦・ソチで安倍首相がプーチン大統領との会談をおこなった際、日本側から提示し、ロシア側から高い評価と賛意を示されたものです>
<ロシアと日本が昔から協力してきたエネルギー分野が、石油とガスです。日本は、輸入原油のうち約6%を、輸入天然ガスのうち約9%をロシアから輸入しています。それだけではなく、日本はロシアにおける石油・天然ガスの開発プロジェクト(引用者注:サハリン2など)にも参画しています>
<今後も、ロシアと緊密に連携し、エネルギー分野の官民協力を進めていきます>


●わりとよくある領空侵犯 日本への領空侵犯はほぼ全部ソ連ロシア

 一方、新しく書こうと思っていたのは、ロシアの領空侵犯の話。ウクライナ侵攻に絡んでロシアの領空侵犯で大騒ぎしている人がいたのですが、ロシアの領空侵犯は実はわりとよくある話なんです。よくある話だから「問題ない」ってことじゃないですよ。それだけひどい国に安倍政権が媚びてたとも言えるかもしれません。

<領空は沿岸から約22キロの領海上空で、内側を許可なく飛ぶことは国際法上認められていない。同省によると、ロシア機による領空侵犯は2020年10月に北海道の知床岬沖でヘリコプターが領空侵犯して以来、約11カ月ぶり。同省が公表した領空侵犯はこれまで44件で、うち41件がソ連やロシアによるものだった>
(ロシア機が2度の領空侵犯 外務省が外交ルートで抗議:朝日新聞デジタル(成沢解語 2021年9月12日)より)

 領空侵犯44件41件がロシアなのでほぼ全部ロシア。ロシアの話題ではロシアをダシにして「中国もロシアもおかしい」と事実上の中国叩きをする人が多いのですけど、ロシアと中国ではひどさのレベルが全然違います。これは領空侵犯問題に限らず、他の問題でも言える話です。

 むしろ中国と並列化することで、ロシアは助けられてきたでしょう。安倍政権のロシア接近を国民が気にしなかったのも、ロシアのひどさがちゃんと伝わっていなかったためだと言えそうです。なお、ロシアは今回、北朝鮮みたいな感じでミサイル発射も行いました。こちらの場合はよくある話ではなさそうですね。

<ロシア国防省は、日本海での演習に参加していた海軍の潜水艦2隻が巡航ミサイルの発射実験に成功したと発表しました。日本海で共同訓練を行っている日米の動きをけん制するねらいもあると見られます>
(ロシア国防省 “日本海で巡航ミサイル発射実験に成功”2022年4月14日 20時34分 NHKより)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220414/k10013582691000.html



●日本はなぜ侵略国家と仲良くするのか?侵略を認めると領土を放棄することに

2013/5/8:日本は中国ばかり目の敵にしています、しかし、中国すら近年はやっていない領土侵略(1度目のウクライナ侵攻)を、最近やったばかりのロシアとは友好を深め、仲良くしようとしています。ちょっと不思議じゃありません? 数十年前の話ならわかるのですけど、わずか数年前の話ですからね。

ロシアのクリミア侵攻 - Wikipedia
<ロシアのクリミア侵攻(ロシアのクリミアしんこう)は、2014年ウクライナ騒乱が発生して以来、ロシアがウクライナ南部のクリミア自治共和国に対して行なっている軍事行動である>
<2014年2月27日、武装勢力が地方政府庁舎と議会を占拠。翌日には首都シンフェロポリの空港が占拠される。ロシアは否定しているが、この武装勢力はロシア軍である可能性が高いとみられた。
 ロシア系武装勢力が占拠する中でクリミア議会はウクライナの暫定政権を承認したアナトリー・モギリョフ(英語版)自治共和国首相を解任し、親露派のセルゲイ・アクショーノフ(英語版)を新首相に任命した。クリミア議会による自治共和国首相の解任・任命は自治共和国憲法で規定されているウクライナ大統領の同意を得ていないことや、首相解任・新首相選出はロシア系の武装集団が議会を封鎖する中で非公開で行われ、出席議員の数は定数の半数以下だったとの批判が出ているため、正当性が問題視されている>

 ロシア政治に詳しい新潟県立大学の袴田茂樹教授は、これを日本が批判しなければ北方領土も問題視できないということを指摘していました。

「私は、クリミア問題はウクライナの主権の侵害だと見なしており、北方領土問題も日本の主権の侵害だと思っています。もし日本がロシアによるクリミア併合を批判しなかったとしたら、日本は北方領土問題で自国の立場を主張したり、南シナ海を自国の領海のように主張する中国に反対したりする権利も失うでしょう。クリミア併合は、住民投票こそありましたが、ロシア軍の管理下で行われたことであり、ウクライナ政府も議会も認めていない住民投票は公正なものとは言えません。日本は、ロシアによって主権が侵害されているという風に北方領土問題を捉えているわけですから、G7の中で、ウクライナの立場を一番理解できるのは日本ではないかと思っています。」 
(プーチン氏は急に日本に冷たくなったのか?日本メディアが伝えない大統領の真意 2016年12月14日 14:26(アップデート 2016年12月14日 14:38) 徳山 あすか)

 最近の行動でダントツにロシアが一番悪い国であり、そこと率先して仲良くしようとする日本は変です。ただ、まあ、ここらへんは疑問を感じない人が多いようです。

 なぜか袴この田茂樹教授も"、日本にとって脅威となるのはむしろロシアよりも中国であり、核実験を繰り返す北朝鮮や、韓国も含めた周辺国との関係を考慮すれば、長期的・戦略的にロシアとの関係を改善させることは日本にとってプラスになる"としていました。いや、その理屈はおかしくないです?


●ロシアの侵略はまだ終わっていない?ウクライナ再侵攻はあり得る

 なお、また新たなロシアの侵略が起きるかもしれません。複数の国がロシアの侵略を懸念。まず、クリミアを奪われたウクライナがさらになる侵略を心配しています。(2022/07/04追記:御存知の通り、その後、実際に2度目のウクライナ侵攻が発生。ロシアの侵略を認めた日本政府にも責任ありますよ、これ…)

ウクライナ大統領、ロシアの侵略可能性を警告-クリミアで緊張高まる - Bloomberg Daryna Krasnolutska、Aliaksandr Kudrytski 2016年8月19日 02:59 JST
<ウクライナのポロシェンコ大統領は18日、ロシアによる侵略があり得ると警告した。ロシアのプーチン大統領が先週、2014年に併合したクリミア半島でウクライナが「テロ」戦術に関わっていると非難して以来、両国の関係は緊張が続いており、さらに悪化する様相を見せている。
 ポロシェンコ大統領は西部の都市ブロディで、国内東部の状況は悪化の一途をたどっていると指摘。緊張がさらに高まれば、軍の動員を検討する考えを示した。ウクライナ軍はこの日、ロシアが支持する分離主義勢力から過去1年間で最も大規模な砲撃を受け、兵士3人が死亡したと発表した>

 そして、ウクライナ以外にもリトアニアがロシアの侵略に備えています。CNN.co.jp : ロシア侵略に備え抵抗手段の「国民手引書」 リトアニア - (1/2)(2016.10.29 Sat posted at 16:43 JST)では、以下のように書かれていました。中国と比較するのが不適切なほど、ロシアはヤバイ国なのです。

<バルト海に面するリトアニアは28日、同国がロシアに侵攻された場合、国民約300万人に促す自衛や抵抗手段などを網羅した手引書を公表した。2年前にウクライナ・クリミア半島を併合するなどの強硬路線をためらわないロシアの脅威に備えたものとなっている>


●中国にももちろん問題はある ただし、ロシアと悪質さが全く違う

 あと、中国だって侵略国家だという人もいると思うので、それについても。それを言い出すと、じゃあロシアと仲良くするのもおかしいと認めるの?という話なのですが、とりあえず、最近の大きな話題である南シナ問題はかなり複雑で中国だけが悪いとは言えませんし、住民がいるところに軍事侵略した形でもなく、ロシアとはかなり異なります。

 台湾は親日国?沖ノ鳥島は岩と広告 南シナ海判決で中国より激怒し軍艦まで派遣で書いたように、南シナ海の仲裁判決で、中国以上と思えるほど台湾が激怒していたというのも、この南シナ問題の複雑さを物語っています。他に台湾も南沙諸島に滑走路建設 太平島をベトナム・フィリピン・中国と係争も関連する投稿です。

 ただ、私は中国が問題ないと考えているわけではなく、例えば、チベット侵攻は明らかに侵略だろうと考えています。ただし、これはかなり古い話ですからね。右派はロシアを叩きながら並列で中国を叩いたり、ロシア以上に中国がヤバイと言いたがりますが、実際には圧倒的にロシアの方がヤバイです。

チベット侵攻 - Wikipedia
<チベット侵攻(チベットしんこう)とは、中国人民解放軍(中国共産党の軍隊)によるチベットへの侵攻をいう。侵攻は、1.チベットの東北部・東部に対して(1948 - 1949)  2.中央チベットに対して(1950 - 1951)の2段階にわかれる。(中略)
チベットおよび西側諸国では、この侵攻を侵略としているが[1]、中国共産党は「西蔵人民」の「帝国主義侵略勢力および国民党反動勢力」からの「解放」と位置づけている>

 あと、ロシアの悪さについて検索して見ていたら、むしろアメリカの方が中国やロシアより問題だと主張している人もいました。私はこの意見には賛同しないのですが、イラク戦争あたりは突かれるとかなり痛いところだとは正直思います。ここらへんを深く考えていくと、かなり難しいことになるかもしれません。


●ロシアのプーチン大統領「北方領土問題の交渉停止は日本のせい」

2015/04/17:ロシアのプーチン大統領は、北方領土問題について「日本と交渉する用意があるが、日本側のイニシアチブで事実上停止している」と述べました。大統領は一方で、ロシアが強行したウクライナ南部クリミア半島編入に関して「平和条約でも、領土問題でも、ロシアの対日関係のアプローチに何ら変更はない」と述べ、北方領土交渉には影響しないとの認識を示したそうです。
(日本側の動きで領土交渉停止=クリミア編入は影響せず―ロシア大統領- 時事通信(2015年4月17日00時33分)より)

 この後の話で書いたように、ロシアは信用できません。これは交渉が巧みだとも言えます。日本は北朝鮮にも手玉に取られている感じがありますが、やはり当時心配したようにロシアにもやられています。

 時事通信は上記の大統領発言について、関係停滞の原因が日本側にあるとして批判するだけではないと、その狙いを解説していました。クリミア編入によってロシア国民の愛国心が高まり、北方領土交渉への悪影響があるとの見方を打ち消し、硬軟両様で日本に揺さぶりをかけているのだろうとのことです。


●本来ならロシアは日本に助けてもらいたい立場

2013/5/8:ゴールデンウィークの関係でできていなかったダイヤモンド・オンラインの日ロ関係の記事を。
2013年5月7日 真壁昭夫 [信州大学教授] ダイヤモンド・オンライン
安倍外交で日ロ関係が急速に進展したのはなぜか?共同宣言に隠された“約束を守らぬ国”のしたたかさ

 今回の日ロ共同宣言は、今後の本格交渉のスタートに過ぎないとはいうものの、交渉の足がかりをつくったことは評価されるべきだろう。ただ、共同宣言の発表に浮かれることはできない。ロシアがわが国との交渉を積極的に推進する背景には、それなりの下心があるからだ。

 米国を中心とした“シェールガス革命”によって、ロシアの主要輸出品である天然ガスの価格が下落することが懸念される。ロシア経済は、天然ガスや原油など天然資源の輸出依存度が極めて高い。虎の子であるそれらエネルギー資源の価格が下落することは、ロシア経済に重大な影響を与えることが考えられる。経済の低迷が明確になると、国際社会での発言力が低下することも懸念される。

 そうした状況を回避するためにも、ロシアとしては、現在欧州地域に偏っている天然ガスの輸出先を、わが国やアジア諸国に拡張することを狙っている。ロシアはわが国にすり寄る姿勢を示すことで、極東地域の開発のための資金や技術力を引き出すことを考えている。ロシアが、一筋縄で行くような相手でないことは間違いない。
http://diamond.jp/articles/-/35314

 ロシア経済は“天然資源依存型”であり、"天然ガスや原油などのエネルギー関連製品が全輸出の7割以上"、一方で"自動車などの基幹産業やIT関連などの先進分野の発展は相対的に遅れて"いるようです。

 これらを円滑に進めるためには"ロシア極東地域の本格的な開発が必要"とのことですが、当該地域の人口や開発のための資金・技術などを考えると、ロシア一国で広大な極東地域を本格的に開発することは容易ではありません。

 そこで登場してくるのが日本です。日本はエネルギー資源の買い手となるだけでなく、先進分野の投資をしてくれる理想的な相手です。これ以上ありません。


●約束を守らない国ロシア、プーチン大統領は日本と中国の両睨み

 しかし、真壁昭夫さんはロシアは日本だけを見ているわけでないと指摘しています。中国があります。中国は、重要な資源需要者=顧客であると同時に、近年成長著しく、これからロシアにとって“目の上のたんこぶ”にもなり得る国。ロシアの戦略とすれば、中国と日本を上手く争わせて、できるだけよい条件で極東地域の開発に対する協力を得たいだろう、と推測。

 そして、これらの要因を考えると、今回、プーチン大統領が安倍首相との長時間の会議に応じ、共同宣言という一歩踏み出した“手土産”を渡した経緯はよくわかる気がする、としていました。

 ロシアは基本的に信用できません。ニュースでなぜ言っていないのか不思議で堪りませんでしたが、記事ではサハリンの過去のプロジェクトについても触れています。
 今までわが国は、ロシアとの交渉で幾度となく期待を裏切られてきた。長年の懸案事項である北方領土問題や、サハリンの天然資源開発に係る契約などに関して、ロシアは我々日本人の常識では予想できないような行動をとることがあった。

 それによる学習効果もあり、「ロシアは自分勝手で、約束を守らない国」との印象が強い。海千山千の商社の担当者と話をしても、ロシアとの交渉が一筋縄では行かないことはよく聞かされてきた。

 おそらく、そうしたロシアの交渉スタンスは、これからも大きく改善することは期待できない。今回の共同宣言についても、状況が変わるとロシアが一挙に態度を変えることもあり得る。

 サハリンの件は別途外資を乗っ取ったロシアのサハリン2事件 三井物産・三菱商事が損失で補足しましたが、ほぼ安倍晋三首相の在任時での事件。安倍首相は手玉に取られた経験があるんですけど、学習していない気がします。


●これまでになく有利なのに生かせない日本

 真壁昭夫さんも指摘していた通り、シェールガス革命の影響は大きく、今は日本がこれまでにない有利な状況にあります。

 そういう意味では今回の首脳会談では、もう少し日本が主張して良かったのではないかと感じました。

 テレビニュースで見たのでうろ覚えですが、たとえそれが事実であっても「領土問題は一朝一夕には進まない」みたいなことを安倍晋三首相から言ってしまったのは、ロシア側に助け舟を出すようなもので残念でした。ひょっとすると、安倍首相による事実上の北方領土問題棚上げ支持宣言なのかもしれませんけど…。


●安倍首相だからこそ!プーチン大統領、北方領土棚上げで日ロ平和条約締結を提案

2018/09/13:日経新聞は安倍政権に好意的にされているものの、 プーチン氏、日本の利用価値低下 突然の平和条約提案(2018/9/13 7:22 日本経済新聞 電子版 古川英治)は厳しい記事でした。

 ロシアのプーチン大統領が、訪ロ中の安倍晋三首相に対し、突然、年内に無条件で日ロ平和条約を締結することを提案しました。首脳会談ではなく、極東ウラジオストクで開催中の東方経済フォーラムの壇上のこと。中国の習近平国家主席ら各国首脳の面前で「事前条件を付けずに年末にまでに平和条約を結びましょう」と発言したそうです。

 最初の投稿時に疑ったように、私には安倍首相が北方領土問題を解決する気があるように見えませんでした。しかし、日経新聞では「領土問題に注力してきた」と評価した他、北方四島の帰属問題の解決を平和条約の前提とする日本政府の立場だとしていました。つまり、完全に日本の方針を無視してロシアだけに都合の良い提案。「安倍氏には寝耳に水だった」と日経新聞は書いています。

 理由について日経新聞は、プーチン大統領との個人的な関係を強調し、ロシア接近を図ってきた安倍首相が対ロ関係を悪化させるリスクは低いと踏んだ面もあるだろう、としていました。つまり、安倍首相なら、無理な提案をしても怒らないと見られた、という見方のようです。


●便利な駒だった安倍首相ももう用済み?トランプ暴走や親中国で方針変換

 もう一つ「プーチン氏、日本の利用価値低下 突然の平和条約提案」というタイトルにあったように、日本の利用価値が低下してしまったという見方がありました。

 2014年にウクライナ領クリミア半島を武力により併合し、欧米と対立を深めるなかで、ロシアは主要7カ国(G7)の結束を乱すために日本を利用。首相や閣僚の度重なる訪ロはロシアが孤立していないことを世界に示し、中国をけん制する手段ともなっていました。安倍首相は便利な駒だったようです。

 ただし、今は「米国第一」を掲げるトランプ米大統領が同盟国の利害も顧みない独断行動に走り、ロシアよりアメリカが問題児となっています。G7は勝手に分裂し、ヨーロッパもロシアとの融和をはかる勢力が台頭。要するに、便利な駒だった安倍首相も用済みになったのではないか?ということみたいでした。

 また、経済力で中国に大幅に劣るロシアは「ジュニア(格下)パートナー」となることを警戒し、日本への接近でバランスを取る思惑があったものの、今はなりふり構わずに中国に近づく作戦の模様。プーチン大統領に次ぐ実力者である国営石油会社ロスネフチのセチン社長も中国派だそうな。中国に対しては余裕がなさそうです。


●安倍首相の「プーチン大統領に反論した」との主張、ロシアに否定される

2018/09/18:安倍首相なら手玉に取りやすい…といったエピソードが、追記した後に出てきました。安倍首相はプーチン大統領の提案があった後に2人でやりとりを交わし、北方領土問題を解決して平和条約を締結するのが日本の原則だと直接反論したと説明していました。

 ところが、ロシアのペスコフ大統領報道官は「実際に安倍氏本人から反応はなかった。東京と外交官から反応があった」と説明し、その場での反論はなかったとのこと。
(平和条約締結、首相の説明と相違 ロ報道官「本人からの反応なし」 - 共同通信より)

 過去の北方領土問題への関心の低さと合いますし、プーチン大統領に従順な安倍首相らしい話ですし、安倍政権ではこういった嘘をついてきたというのもあるので、やはりそれらしい話。安倍首相ならやりかねない…といった反応がほとんどでした。

inaba_tetsuo だっせ。てかこういうチマチマした嘘をいちいち指摘していくべきだとは思うけど、嘘の生産があまりに早すぎて周りの処理が追いついておらず「えーとアレも嘘だった…んだっけ?」となってる印象。
azumi_s ハハハ、そりゃ忖度してくれないよね。
coper 安倍政権の外交では、会談内容についての国内向けの説明を会談相手に否定されることがありがち。「バレないだろう」とたかを括ってウソをついていると見るのが適当。
mechpencil 安倍晋三が聴衆の前で即座に言い返せなかった時点でロシア側の得点は確定しているので、いまさら何を言い出しても無意味。頭の悪い人間を総理大臣にしていることが招いた実害
hosyu_ha 安倍晋三、嘘バレる
(はてなブックマークより)


●プーチン大統領の提案を「意欲の表れ」と評価していた安倍首相

 嘘であった場合、この嘘はかなり身勝手で、国益にならないもの。やはり安倍首相らしい話なんですけど…。

invalid_touhu 外交なんだからリスクと利益に見合ってれば嘘吐こうが出し抜こうが良いんだけど、これに関してはロシアと食い違ってグダグダな上に嘘のメリットも安倍が自分のメンツを守れるくらいしか無さそうなのが味わい深い。

 また、実際に反論したのであっても、それはそれで妙な話です。安倍晋三首相は2018年9月13日、ロシアのプーチン大統領が前提条件なしで平和条約を結ぼうと提案してきたことについて、「プーチン大統領のこの日ロ関係のなかで、平和条約締結に対する意欲の表れだと捉えてます」などと述べていました。安倍首相の中で整合性が取れていません。
(「条約締結への意欲表れ」プーチン氏発言に安倍総理[2018/09/13 19:42] テレ朝より)

hyoutenka20 ロシアの言い分を一方的に信用する気はないし、外交では原則として自国を信用したいと思うけど、仮に反論したのなら、当初プーチン氏の発言は意欲の表れとか首相も外相も問題視しない態度だったのには強い疑問がある

 また、本当に反論していたのであれば、「安倍氏本人から反応はなかった」とわざわざそれを否定してみせたということで、ロシアに舐められていることには変わりなさそうだという話でもあります。

momyami291 安倍総理が伝えていたのであれば、プーチンはその一切を無視したわけで、とんでもなく舐められているわけです。それともいつものようにその場しのぎの嘘だったんですかね。

 とりあえず、一連の流れからすると、いつも通り安倍首相の嘘…というのが、最も筋の通る話です。


【本文中でリンクした投稿】
  ■外資を乗っ取ったロシアのサハリン2事件 三井物産・三菱商事が損失
  ■米が認めた自民党のCIA工作員 安倍首相の祖父岸信介と正力松太郎
  ■保守派・ネトウヨは北方領土二島返還を批判せず?櫻井よしこは過去に国益損なうと主張
  ■日本はアメリカの属国? 「普通の国」とは程遠い抗議できない国
  ■台湾は親日国?沖ノ鳥島は岩と広告 南シナ海判決で中国より激怒し軍艦まで派遣
  ■台湾も南沙諸島に滑走路建設 太平島をベトナム・フィリピン・中国と係争

【関連投稿】
  ■北方領土問題は棚上げ支持?TBS記者のプーチン大統領への質問に反発
  ■北方領土なんかいらない ~あるロシア人の本音~
  ■宇宙人は存在するとロシアの首相発言 「大統領交代時、核のボタンと一緒に『極秘』ファイルが渡される」とも
  ■薪が燃えてるだけのノルウェーのテレビ番組視聴率20% アメリカでも長寿番組
  ■海外・世界・国際についての投稿まとめ

Appendix

広告

ブログ内 ウェブ全体
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示









Appendix

最新投稿

広告

定番記事

世界一スポーツ選手の平均年収が高いのはサッカーでも野球でもない
チャッカマンは商標・商品名 じゃあ正式名称・一般名称は何?
ジャムおじさんの本名は?若い頃の名前は?バタコさんとの関係は?
ワタミの宅食はブラックじゃなくて超ホワイト?週5月収10万円
朝日あげの播磨屋、右翼疑惑を否定 むしろ右翼に睨まれている?
レーシック難民は嘘くさいしデマ?アメリカの調査では驚きの結果に
赤ピーマンと赤黄色オレンジのパプリカの緑黄色野菜・淡色野菜の分類
アマゾンロッカーってそんなにすごい?日本のコンビニ受け取りは?
就職率100%国際教養大(AIU)の悪い評判 企業は「使いにくい」
ミント・ハッカでゴキブリ対策のはずがシバンムシ大発生 名前の由来はかっこいい「死番虫」
移動スーパーの何がすごいのかわからない 「とくし丸」は全国で約100台
ビジネスの棲み分け・差別化の具体例 異業種対策には棲み分けがおすすめ
主な緑黄色野菜一覧 と 実は緑黄色野菜じゃない淡色野菜の種類
タコイカはタコ?イカ?イカの足の数10本・タコの足8本は本当か?
トンネルのシールドマシンは使い捨て…自らの墓穴を掘っている?
ユリゲラーのポケモンユンゲラー裁判、任天堂が勝てた意外な理由
好待遇・高待遇・厚待遇…正しいのはどれ?間違っているのはどれ?
コメダ珈琲は外資系(韓国系)ファンドが買収したって本当? MBKパートナーズとは?
大塚家具がやばい 転職社員を通報、「匠大塚はすぐ倒産」とネガキャン
不人気予想を覆したアメリカのドラえもん、人気の意外な理由は?

ランダムリンク
厳選200記事からランダムで









アーカイブ

説明

書いた人:千柿キロ(管理人)
サイト説明
ハンドルネームの由来

FC2カウンター

2010年3月から
それ以前が不明の理由