南米にいたヤーガン族の民族衣装が、とがりまくっていてしびれました。衣装というか裸に油塗ってるんです。めちゃくちゃ寒くてたまらないのにも関わらず、裸を貫いており、すごいものがあります。ただ、彼らはもうはぼ絶滅状態に。理由については諸説あるものの、いずれにせよヨーロッパ人のせいというところは確実なようです。
2018/01/22追記:
●あの個性的な模様はフクロウ由来で服を着ないのは雨が多いから
●絶滅理由は服の洗濯?それとも、ヨーロッパ人の病原菌と乱獲?
2020/12/20追記:
●あの個性的な写真、ヤーガン族じゃなかった?セルクナム族と指摘
●南米のフエゴ島にいたヤーガン族
2013/5/11:ヤーガン族というかつていた個性的な先住民を知りました。
Wikipediaによると、ヤーガン族は、かつてフエゴ島の南の島々からホーン岬に存在を広げていた先住民。フエゴ島というのは、南アメリカの南端部に位置するティエラ・デル・フエゴ(フエゴ諸島)の主島です。
彼らはかつてはフエゴ人と言われていましたが、ティエラ・デル・フエゴの先住民のどれにもあてはまるので、この言い方は今はされないようです。ヤーガン族は、孤立言語と考えられるヤーガン語を話していました。また、食物を集めるために島の間をカヌーで渡る遊漁民でもあります。男性はアシカを狩り、女性が甲殻類を集めるために海に潜ったそうです。
ヤーガン族は、フェルディナンド・マゼラン、チャールズ・ダーウィン、フランシス・ドレーク、ジェームズ・クックやジェームズ・ウェッデルら、出会った人々に強い印象を残したといいます。『世界一周単独航海』でヨシュア・スローカムは、彼がある特定の地域で停泊した場合、ヤーガン族に襲われ、あるいは殺されるかもしれないと警告されたので、鋲を彼の舟のデッキにまいたそうです。
ヤーガン族は南アメリカ大陸の南端まで移動したモンゴロイドの族の一つということで、比較的日本人とも近い民族なんでしょうね。モンゴロイドは日本だと一般に黄色人種・蒙古人種とも訳されるもので、日本人などの、東アジア(北アジア及びチベット高原を含む)・東南アジアを中心に、中央アジア・南北アメリカ大陸・太平洋諸島及びアフリカ近辺のマダガスカル島に分布すると分類されたものです。
●ヤーガン族の格好がすごい!まるでウルトラマンの怪獣
さて、ヤーガン族の何がすごいかと言うと、ユニークな装束です。まあ、実際には裸なので「装束」というのはおかしいため、ユニークな格好と言うべきでしょうか。ウルトラマンの怪獣や仮面ライダーの怪人の元ネタだったの?という感じの先鋭的なデザインで衝撃です。写真をどうぞ。(ツイートは2018/01/22追加)
DDN JAPANでは、"パタゴニアに19世紀まで存在していた裸の民族「ヤーガン族 (Yaghan people)」(別名: ヤマナ族)"と説明。この地域は、人間が空を飛ぶといわれる風速40m/sを超える、風速60m/s以上の風が吹く極限・極寒状態にもかかわらず、基本的に裸で生活していたといいます。
彼らは「寒いから服を着る」ではなく「寒いから服を着ない」ということを選択。動物の油で作ったグリースを全身に塗ることで寒さをしのぎました。
その異様な風貌は、19世紀にこの地に降り立ったフェルディナンド・マゼラン、チャールズ・ダーウィン、ジェームズ・クックらを驚嘆させ、ダーウィンは「彼らが同じ世界に住む仲間であるとはほとんど信じられない」と書き残しています。
裸で生活してきた永い年月によって彼らの代謝は現代人からは想像できないほどのレベルに達し、極寒の中でも高い体温を維持することを可能にしていました。体の表面積を少なくするために、彼らの生活の基本的な姿勢は屈んだ状態だったと伝えられています。
(
絶滅した裸族「ヤーガン族」がまるでウルトラマンや仮面ライダーの超センス | DDN JAPANより)
●寒くても絶対服を着ないヤーガン族の裸文化
また、観光サイトによると、フエゴとは、スペイン語で、炎の意味を持っているそうです。この由来は探検家が、近くを船で通りかかったときに、たくさんの焚き火を見ることが出来たからだ といういわれています。
フエゴ島に当時住んでいたヤーガン族は、フエゴ島の寒さに厳しい気候にも関わらず、半裸で生活していましたこともあり、毎日、24時間火を絶やすことなく、生活していました。
ヤーガン族は、主に魚介類を主食としていた ため、海に出ることが多く、焚き火を、カヌーに持ち込んで漁に出ていたともいいます。そのようなわけで、フエゴ島や付近の島々には、数え切れないほどの、焚き火と、登りあがる煙が観察できたとわけです。
(
ウシュアイア 旅行情報・観光案内 -文野旅行社-より)
焚き火しまくっていたということは、やっぱり寒いんですね。でも、絶対には服は着ないというこのこだわり! すてきです。
●ヤーガン族は宣教師のせいで絶滅状態に
そんな個性あふれるヤーガン族ですが、今は絶えてしまったそうです。絶滅と言うと、生物種全体をいう場合が多いです。今回のような特定の民族も絶滅でいいのかは悩みましたが、わからなかったので他に倣って絶滅と書いています。
ヤーガン族が絶滅した理由について先のWikipediaでは、ヨーロッパから持ち込まれた疫病に対し免疫力のなかったヤーガン族はヨーロッパ人との接触以降、その多くが病死し、入植者との武力衝突も加わり、急速に激減してしまった、と説明していました。生き残った僅かなヤーガン族も他の民族との混血が進んだため、純粋なヤーガン族はほとんどいなくなり、その文化の多くが失われてしまったそうです。
2009年時点ではナバリノ島にヤーガン族の最後の一人である女性が住んでおり、ヤーガン語の最後の語り手であるともいわれています。最後のヤーガン族の純粋血統はクリスティーナ・カルデロン(英: Cristina Calderón)という名前だとされていました。
このWikipediaの説明の時点でも、ヤーガン族がほぼ絶滅といって良い状態になったのは、ヨーロッパ人のせいであり、ヤーガン族にとっては非常に迷惑なものでした。ただ、DDN JAPANでは、また少し違った絶滅理由を挙げています。
狩猟生活を営んでいたヤーガン族ですが、19世紀に渡来した宣教師が定住生活さるために服を着せたそうです。布教のためには定住していた方が良かったためではないかと想像されています。しかし、洗濯という発想がなかった彼らは衣服に付着した細菌やウィルスによって次々に死亡、ついには絶滅してしまった…とのこと。何という迷惑な人たちでしょう…。
●あの個性的な模様はフクロウ由来で服を着ないのは雨が多いから
2018/01/22追記:ヤーガン族はテレビに出たみたいですね。早速Wikipediaにも追記されていて、以下のような記載が増えていました。
"2018年1月20日の「世界ふしぎ発見!」で特集され、姉ウルスラ・カルデロンを失って最後の一人となった彼女(引用者注:ツイートを見ると現在89歳)の住居をミステリーハンターが再訪した。そしてこの歴史を貴重な写真を交えて紹介し、ドイツに住んでいる孫の一人であるクリスティーナ・サラガが10年間を祖母と暮らし、絶滅の危機に陥ったヤーガン語を後世に伝えるために辞書を作った話も紹介された"
服を着ないことに関しては、雨の多さによる説明がされていました。以前はなかった説明だと思います。
また、あのすてきなデザインに関しては、ヤーガン族にとって神聖視されてたフクロウのお腹の模様からきてるという説明がありました。これも初耳です。
●絶滅理由は服の洗濯?それとも、ヨーロッパ人の病原菌と乱獲?
世界ふしぎ発見!では、DDN JAPANに近い絶滅理由の説明だったようです。
一方で、英語サイトを見て、Wikipediaに近い説明をされている方もいました。
洗濯説が間違いと断定されていましたが、元ネタを見ると論文などではなさそうでした。Wikipediaの方も見たのですが、こちらの出典もテレビと新聞です。より確度の高いソースがほしいところですが、上記の英語サイトは地元の公式ブログかもしれません。それなら、こっちの説が公式見解ということで、より確度の高い情報が出るまで、ひとまず優先しておいた方が良さそうです。
●あの個性的な写真、ヤーガン族じゃなかった?セルクナム族と指摘
2020/12/20:ヤーガン族で私が感動したのは、個性的な「衣装」というか、個性的な格好だったわけですが、そもそもその写真はヤーガン族ではなく、別の民族のもの…といったツイートを見かけて驚愕しました。フエゴ諸島に住んでいたセルクナム族(オナ族)のもので、普段着(?)ではなくお祭り用だとされています。
最終更新 2020年10月27日の
セルクナム族 - Wikipediaでは、特にヤーガン族との混同に関する話はなし。採用されている写真では前述の個性的な姿のものはなく、また、服を着ている写真でもあります。Wikipediaは常に発展途上の百科事典ですし、ここらへんはもうちょっと調べてみなくちゃいけませんね。
<セルクナム族(セルクナムぞく、Selk'nam)とは、ティエラ・デル・フエゴ諸島を含むチリ及び、アルゼンチン南部のパタゴニア地域において居住していた民族。オナ族、オーナ族 (Ona)とも呼ばれる>
<南米最後の先住民族(インディオ)の一つで、チョン小語族に属するセルクナム語(英語版)を使用した。19世紀末にチリ・アルゼンチン両国政府がティエラ・デル・フエゴの探索と領有を進めた結果、絶滅に追い込まれた。
元々南米大陸を先住の地としていたが、マゼラン海峡をカヌーにより縦横断しティエラ・デル・フエゴ北部に住み着いたと考えられている>
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