特殊詐欺の話をまとめ。<ポケモン?オレオレ詐欺→振り込め詐欺→母さん助けて詐欺と進化>、<振り込め詐欺・オレオレ詐欺は日本の伝統?大正時代には既に電報で類似の事件>などをまとめています。
2023/01/30追記:
●海外の犯罪拠点にいるボスが日本の部下へ特殊詐欺や強盗の指示 【NEW】
●ポケモン?オレオレ詐欺→振り込め詐欺→母さん助けて詐欺と進化
2013/5/13:最初は<母さん助けて詐欺に決定 オレオレ詐欺、振り込め詐欺から進化>というタイトルで書いていた話から。振り込め詐欺の新名称が「母さん助けて詐欺」に決定したそうです。ポケモンのピカチュウはピチューが進化したもので、その後さらにライチュウに進化します。振り込め詐欺ももともとはオレオレ詐欺だったのが、実態が合わなくなって進化したものです。ですから、ポケモン的にはこんな感じですね。
進化 ピチュー → ピカチュウ → ライチュウ
進化 オレオレ詐欺 → 振り込め詐欺 →
母さん助けて詐欺 Wikipediaによると、振り込め詐欺は、電話やはがきなどの文書などで相手をだまし、金銭の振り込みを要求する犯罪行為を言います。詐欺事件の総称として警察庁が命名しました。“オレオレ詐欺”と呼ばれていたものの、実態に合わなくなり改名されたと説明されています。
<2004年11月までは、“オレオレ詐欺”と呼ばれていたが、手口の多様化で名称と実態が合わなくなったため、架空請求詐欺や融資保証金詐欺などと合わせる形で、2004年12月9日に、警察庁によって統一名称として「振り込め詐欺」と呼ぶことが決定された。
当初から長年、“振り込み詐欺”と言われたが、「振り込み」では納得して自ら振り込みをする意味合いとなるため、あくまで「振り込め」と人から言われている、騙されていないかとなど、どの時点でも注意や再考を喚起するようにと「振り込め詐欺」へと統一を図った経緯がある>
ところが、「振り込め詐欺」というのもまた実態に合わなくなってしまいました。そこで、2013年3月21日、同年4月10日までの予定で新たな名称案を募集。4月9日時点で1万件以上の案が寄せられて決まったのが、今回の「母さん助けて詐欺」なのです。
朝日新聞デジタル:「母さん助けて」に注意! 振り込め詐欺の新名称発表 - 社会
2013年5月12日11時52分
「振り込め詐欺」にかわる新たな名称を一般から公募していた警視庁は12日、最優秀賞の「母さん助けて詐欺」など3作品を発表した。優秀賞の「ニセ電話詐欺」「親心利用詐欺」とともに被害防止を呼びかけるポスターなどで使って周知していくという。
警視庁は今春、「振り込め詐欺」の名称が犯罪の実態に合わなくなったとして、新名称の公募を実施。1万4104通の応募作から62候補に絞り込んだうえで街頭アンケートなどを通じて3作品を選んだ。
http://www.asahi.com/national/update/0512/TKY201305120014.html
でも、長いわ、これ。いっそのこと「母さん詐欺」でいいんじゃないですかね?これじゃあ母さんが詐欺みたい? と言うか、対象が母親とは限らないんですし、後半を取った「助けて詐欺」の方がより良いかもしれません。
●振り込め詐欺・オレオレ詐欺は日本の伝統?大正時代には既に電報で類似の事件
2018/03/26追記:実態に合わなくなったから変更…だったのですけど、そもそも「母さん助けて詐欺」というのも最初に書いていたようにかなり状況が限定されたものでよくありませんでした。
振り込め詐欺 - Wikipediaによると、"被害者が父親であるケースもあるなど実態にそぐわず、また本来の詐欺行為の定義を狭めてしまうことが発表当初より指摘され、選出の理由が疑問視されていた"そうです。
実際、全然定着せず。そもそも静岡県警のように、実態とそぐわないなどの理由から、利用していない県警があります。福岡県警と茨城県警は「ニセ電話詐欺」を、山口県警と鹿児島県警では「うそ電話詐欺」を、千葉県警では「電話de詐欺」をそれぞれ採用でバラバラになっていました。
ところで、このWikipediaを見ていておもしろかったのが、なんと1915年(大正4年)にはもう既に存在していたということ。日本で現在「伝統」とされるものの中には明治時代からというものがかなりあり、これくらいの長さでも大げさに「伝統」と言ってしまいたくなります。この1915年にあったのは、島田三郎宛の電報で為替送金を指示する詐欺未遂事件。なんで実名で出ているのかと言うと、島田三郎さんというのは有名人のため。政治家、ジャーナリスト、官僚という経歴の方でした。
また、だいぶあとになってですけど、1986年にも「高校生の孫」と「孫の担任」を騙る42歳の男が「もしもし僕だよ」と電話を架けて電話相手に直接会って現金を受け取る詐欺事件があったとのこと。これはマジで「オレオレ詐欺」そのまんまですね。
●海外の犯罪拠点にいるボスが日本の部下へ特殊詐欺や強盗の指示
2023/01/30追記:関東など各地で相次いでいる強盗事件を巡り、指示役の可能性が浮上した男らが過去に主導したとされる特殊詐欺の被害額が約35億円に上ることが捜査関係者への取材でわかったそうです。強盗事件だけでなく、以下のような典型的な特殊詐欺をやっていたみたいですね。
<特殊詐欺グループは遅くとも2017年からフィリピンに拠点を置き、日本から呼び寄せた電話役の「かけ子」に指示し、日本の高齢者宅に詐欺の電話をかけさせていた。
警察官や財務局職員などを装い、「あなたの口座が悪用された」などとうそを言う手口。電話で被害者をだますことに成功すると、日本国内にいる「受け子」が被害者宅を訪れ、封筒に入れさせたキャッシュカードを封筒ごとすり替えて盗み、現金自動預け払い機(ATM)で不正に現金を引き出していた。
フィリピン当局が19年11月、当時の拠点だったマニラ近郊の廃ホテルを摘発し、かけ子36人を逮捕した。この際、(引用者注:「ルフィ」と名乗っていたことがあり、最も上位で「ボス」と呼ばれていた)渡辺容疑者ら4人は逮捕されていなかった。
警視庁などは日本国内で受け子らの捜査を進め、逮捕者は昨年6月までに約70人(かけ子36人を含む)に達した。全国の約2300人が被害に遭い、被害額は約35億円に上ったという>
https://news.infoseek.co.jp/article/20230129_yol_oyt1t50259/
この記事は、<「ルフィ」ら主導の特殊詐欺、かつては廃ホテルに拠点…フィリピン側は身柄引き渡しに応じず>(読売新聞 / 2023年1月30日 6時40分)というタイトルでした。これだとまるでフィリピン政府が、特殊詐欺の犯人たちをかくまっているかのような印象を受けますが、本文を読むと違うかもしれません。
警視庁は容疑者4人が指示役と断定し、窃盗容疑などで逮捕状を取得。そして、入管施設に拘束されていた4人の身柄引き渡しを求めたのですが、フィリピン側は同国内の別事件に関与した疑いがあるなどとして応じていなかったとのこと。強盗事件の件で、警察当局は改めて4人の身柄引き渡しを求めるそうです。
フィリピン国内の別事件に関与した疑いがある…ということですから、どうも日本人が海外で迷惑をかけていた感じ。犯罪拠点をフィリピンに設ける…という時点で迷惑でもありますね。このような事件で外国と日本の役割が逆だった場合、「日本で悪さするな!外国人は国に帰れ!」と批判されたような事件になったでしょう。
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