2013/5/15:
●Facebookなど実名SNSの危険性 サイバーストーカー増殖
●逗子ストーカー殺人事件はフェイスブック利用の形跡
●「予定を把握されている」警察に相談していた被害者
●SNSでできるストーカー対策とは?
2013/7/30:
●LINE、ユーザー拡大優先で未成年対策後手か?
●LINEじゃなくてMobageやGREEなら殺人は防げた?
●問題を放置してきたLINE、殺人事件が起きてやっと対策か?
●Facebookなど実名SNSの危険性 サイバーストーカー増殖
2013/5/15:物騒なタイトルですけど、実際物騒な話。フェイスブックに関しては過去にも書いていますが、「実名利用に危険性などない」といったスタンスの人がいてちょっと「ん?」と思いました。
実名・匿名に関しては尽きることのない議論が続いており、あまり追っかけると深みにハマるのですけど、少なくとも危険性がまるっきりないってことはないでしょう。
ネットの匿名のメリットは実名のデメリット…主な理由は3つで書いています。
今回は非常に極端なケースですけど、危険性がないと思い込むのはヤバイんじゃないの?って話です。
SNSの「友達」急変 サイバーストーカー増殖 2013/4/2 11:29 日経新聞
「今考えてもぞっとする」。東京都内に住む30代女性は声を震わせた。女性はビジネス関係の会合で30代男性と名刺を交換。軽い気持ちでフェイスブックの「友達」となったが、男性の態度が急変した。
「結婚しよう」。一方的に好意を伝えるコメントを書き込んでくるようになり、女性が以前に書き込んだ近況や写真までにも「いいね!」ボタンを連発。交流する意思がないことを伝えたが止まらず、男性がページを閲覧できないように設定すると、約4カ月続いた被害は収まった。〔共同〕
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG02002_S3A400C1CR0000/
●逗子ストーカー殺人事件はフェイスブック利用の形跡
上記のケースは「ページを閲覧できないように」という対策で収まっています。「フェイスブックの実名利用に危険性などない」という方は、こういう設定を根拠にしているようです。ただ、こっそり情報を盗み見ていた場合は、上記のような対策も取れません。
記事では、"現実世界の事件につながる例も少なくない"として、神奈川県逗子市で、女性が元交際相手の男に刺殺された事件を、典型的なケースとしていました。県警によると、事件後に自殺した男はフェイスブックの写真や書き込みから住まいを特定しようとしたほか、女性の生活ぶりを探っていた、といいます。
このケースの場合、実際に住まいの特定に至ったのは、別の手段だった模様で、SNSではなさそうな例ではありました。ただし、SNSを利用しようとしていたという例としては適切です。
逗子ストーカー殺人―被害者住所割り出しに悪用された「質問掲示板」
2012/11/ 9 10:12 J-CAST
三好さんは結婚してもメールアドレスは変えなかったが、小堤に住所は知られていなかった。それをどうやって探り当てたか。小堤が使ったのはインターネットの「質問掲示板」だった。ここに小堤は「昔、お世話になっている人を捜しています。逗子市○○に住んでいるらしいのですが、詳しい住所がわかりません。もしご存知の方がいらっしゃったら連絡してください」と書き込んだ。
笠井信輔キャスター「これに善意で答えた人がいて、情報が集まった可能性が高いです」
http://www.j-cast.com/tv/2012/11/09153273.html
●「予定を把握されている」警察に相談していた被害者
逗子ストーカー殺人事件でのフェイスブックの使い方ですが、住所の特定はできなかったものの、以下のように結構行動は把握していた模様。やはり危険性のわかる話です。
逗子ストーカー殺人事件、被害者の交流サイト探る 2012年11月13日 (火) インターネット犯罪事件簿
2012年11月13日付新聞報道によると、神奈川県逗子市の自宅でM(33)が元交際相手のK容疑者(40)=東京都世田谷区=に刺殺された事件で、K容疑者が交流サイト「フェイスブック」や「ツイッター」などを駆使してMさんの動向を探っていたとみられることが、捜査関係者などへの取材でわかった。
捜査関係者によると、Mさんは昨年4月6日、自分のフェイスブックに、逗子市に隣接する同県葉山町で同月9日に開かれるイベントの受け付けをすると投稿した。その翌日、K容疑者から「2日後のイベントに行けばいいですか」というメールが届いた。
(中略)Mさんは昨年4月に同署に相談。「(K容疑者に)予定を把握されている」と話していたという。
また、K容疑者は11年6月にMさんへの脅迫容疑で逮捕されたが、その前後には、フェイスブックに掲載された写真や、ツイッターの投稿に含まれる位置情報から、撮影場所や投稿場所を割り出すアプリやソフトの有無や使い方について、質問サイトで頻繁に尋ねていた。
http://niftysakura.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-b8f1.html
●SNSでできるストーカー対策とは?
脅かすだけだとあれですので、最初の記事から対策に関する話も載せておきます。
「フェイスブックが危ない」の著者で、SNSのリスクに詳しい日本IBMの守屋英一さんは、被害を避けるために以下のようなアドバイスをしていました。
(1)プロフィールは最低限の入力にとどめる
(2)公開設定を確認する
(3)自宅を特定されるような地名や習慣的に行くような場所は載せない
(4)過去の投稿は一定期間で非公開にする
●LINE、ユーザー拡大優先で未成年対策後手か?
2013/7/30:広島でLINEが関わる殺人事件が起きてしまいました。LINEは飽くまでも道具であり、安易なLINE叩きには賛同しかねます。ただ、過去にLINEについての記事をいくつも読んでいたときに思ったのは、ユーザー拡大を優先していてセキュリティ対策や未成年者への対策が後手に回っている、もっと言えばやる気がないなということです。
後発であるのなら、先発の対策に学べるはずですが、他がしていることすらLINEはしていなかったというのが私は気になっていて、LINEの運営会社に批判的でした。
これは対策をすると使い勝手が減って、ユーザー増加に影響があるからと考えられます。さらにツッコんで言うならば、対策が緩い方へ悪用したい人たちはどんどんと集まってくるという利点があり、問題を放置することには規模拡大のためには大きなメリットがあります。
そういう意味では、LINEが殺人を助長したという批判は、当たらずといえども遠からずな面もありそうです。
●LINEじゃなくてMobageやGREEなら殺人は防げた?
LINEが決定的な問題ではないというのは、「ID掲示板」がポイントとなっていると見られること。出会い系サイト規制法では、18歳以下の少年少女を相手に異性交際を求める書き込みは禁止されています。
ところが、竹内和雄准教授によると、ID掲示板はIDを知らせ合う役割しかしていないため、出会い系サイト規制法の規制対象ではなく、“野放し”になっている可能性があるそうです。
被害少女を呼び出したのも、加害者たちが集まったのも、連絡にはLINEを使用。ただ連絡手段がLINEだっただけであり、一部で使われている「LINE殺人事件」という表現は行き過ぎだろう、と竹内和雄准教授はしていました。
ただし、竹内和雄准教授もLINEにも対策すべきことがあることは指摘していました。というのも、過去にも同じような問題があり、その対策がすでになされているサービスが存在するためです。
以前は、MobageやGREEなどゲームサイトが提供するミニメールを使って頻繁に情報を交換して、やはりトラブルが起きていました。社会的な責任を認識した運営会社は、400人規模の体制で24時間サイトを監視するシステムを構築するなどして、フィルタリングを設定した携帯電話からアクセスできるサービスとしてモバイルコンテンツ審査・運用監視機構(EMA)からの認定を受けるに至ったそうです。
今回の事件でメッセージのやり取りが、MobageやGREEのミニメールを使っていたとすれば、「殺す」「死ね」といった言葉はシステムで瞬時にNGワードと判断され、ブロックできていただろうといいます。また、事件性を早い段階で見つけられたかもしれないともいいます。
竹内和雄准教授は、LINEだけでなく青少年が多く使うコミュニケーションサービスでは、問題なく子供たちがアクセスできる程度の監視体制を構築する必要があると指摘。MobageやGREEの先例があって実際に稼働しているので、できなくはないでしょう。
(
スマホ少女の憂鬱、スマホ少年の暴走~今、10代が危ない - 第8回 広島の事件にLINEはどうかかわったのか、...:ITpro 2013/07/23 竹内和雄=兵庫県立大学環境人間学部准教授より)
●問題を放置してきたLINE、殺人事件が起きてやっと対策か?
関連して、LINEは18歳未満の「ID検索」利用制限拡大に動き出しというニュースもあります。これは対策をやれるのに殺人事件が起こるまで実施してこなかった…という一つの証拠かもしれませんね。
>LINE、18歳未満の「ID検索」利用制限を全キャリアに拡大~9月めど - ケータイ Watch
LINE株式会社は23日、無料通話・メッセージアプリ「LINE」のAndroidアプリにおいて、9月をめどに18歳未満のユーザーが「ID検索」を利用できなくする制限を導入する方針を示した。18歳未満のユーザーのIDを検索しても検索結果は非表示となる。青少年保護が狙い。
LINEは2012年12月、青少年ユーザーが見知らぬ異性との出会いをきっかけに犯罪などのトラブルに巻き込まれないようにする対策として、au向けのAndroidアプリでは18歳未満のユーザーにID検索を利用できなくしていた。
今後はNTTドコモとソフトバンクモバイルのAndroidアプリでも、9月をめどに18歳未満のユーザーがID検索を利用できなくすることを検討する。iPhone端末についても同様のID検索制限の導入を拡大することを視野に入れている。
http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20130724_608928.html
LINEの消極姿勢が実際に殺人に結びついたかどうかはともかく、会社の安全に対する姿勢は責められても仕方ないものでしょう。
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