海賊版と似ているものの、少し違うブートレグに関する話をまとめ。<古着のブート品で初の逮捕、鑑定団にも出演の古着の専門家ら>、<ブートレグが人気の理由とは?日本は世界一ブートレグが多い国?>、<日本では著作権料を払わないCDを「合法」で大量に売っていた!>などの話をやっています。
冒頭に追記
2022/07/15追記:
●日本では著作権料を払わないCDを「合法」で大量に売っていた! 【NEW】
●日本では著作権料を払わないCDを「合法」で大量に売っていた!
2022/07/15追記:ブートレグのウィキペディアページではまだまだおもしろい話があり、紹介しようと思っていたら海賊版のウィキペディアページとまとめられ、ブートレグのページは消滅。海賊版のウィキペディアページでは、以前のブートレグページの説明と異なり、ブートレグは海賊版と同じものだとも説明されています。
とりあえず、私が紹介しようと思っていたのは、海賊版とは厳密には異なるという解釈で書かれていた古いブートレグのウィキペディアのページ。以下のように、日本では著作権保護期間が欧米より短かったため、合法的にアーティストに利益を与えない商品を出して稼ぐ…といったことができたそうです。
<かつて日本では著作隣接権の保護期間が20年だったため、CDが普及した1980年代半ばから1990年前半にかけて、海外ミュージシャンの日本独自の編集盤CDが直接ミュージシャン側と契約締結をしない複数のレコード会社から合法的に多量に出回った。中には正式CDがリリースされていたにもかかわらず、「別ミックス盤」などと銘打って既発売の正式レコード盤からCD化されたものもあった>
最後のものはわかりづらいかもしれないので補足。古いレコードをCD化した正式な海外アーティストの商品が販売されている中で、国内で発売済みで日本特有の短い保護期間で著作権の切れた古いレコードを音源にCD化したものを日本の会社が売っていた…という話でしょう。悪徳ですけど、「合法だから問題なし!」というスタンスです。
●古着のブート品で初の逮捕、鑑定団にも出演の古着の専門家ら
2018/07/05:「開運!なんでも鑑定団」に鑑定士として出演したこともあったという古着の専門家が逮捕されていました。高級ブランドのロゴを無断であしらった「ブート品」と呼ばれる古着を販売目的で所持したとして、商標法違反容疑で逮捕されたというものです。ブート品が偽ブランド品として立件されるのは全国で初めてだといいます。
(
「ブート品」古着屋の2人逮捕 商標法違反容疑で 毎日新聞2018年7月5日 06時00分より)
捜査関係者によると、東京の古着店で、高級ブランドのグッチやシャネルのロゴをあしらった古着のTシャツなど300点以上を販売目的で所持し、商標権を侵害した疑いが持たれているとのこと。
本物に酷似させたコピー品とは異なり、独自デザインのブート品はファッションアイテムの一つとして人気が高まっています。特に1980~90年代に米国で流通した古着に価値があるとされ、容疑者らは米国にまで買い付けに行っていたそうです。
●ブート品とコピー品、ブートレグと海賊版はそれぞれ異なる?
前述の通り、ブート品は近年、古着好きの間で人気が高まっているとされていました。これに対し、意味がわからないという反応があったのですけど、好む人がいることを想像できないことはないでしょう。単なるパクリ品とは違っていて、オリジナルにないデザインなので、それをむしろ好むということはありそうです。
また、ブートレッグ、ブート版、ブート盤などと呼ばれるレコード・CD・ビデオなどの非合法商品である「ブートレグ」に関して知ることも、この古着のブート品にファンがつくことがある現象を理解するための参考になりそうな感じ。ブートレグというのもファンがいるものなのです。
ブートレグは日本だと海賊版、海賊盤とも呼ばれます、ただ、先のコピー品とブート品が違っていたように、ブートレグと海賊版も厳密には同じではありません。海賊版(パイレート盤)がコピー品を主に指すのに対し、ブートレグは公式ではそもそも未発売である商品を指します。
Wikipediaでは、以下のように区別していました。
(1) 「ブートレグ」 アーティストの未発表音源やライブ音源などを権利者側の未承諾のまま違法にプレス(製作)した物。古い放送用音源や、日本では放送されなかった海外でのTVやラジオ音源の無断製品化も含む。
(2)「パイレート盤」 正規に発表されたアルバムの内容をそのまま、あるいは主に曲単位で独自に編集するなどの形で、コピー(製作)した物。ジャケット写真はほとんどの単曲全集において単にシングルジャケットを並べてあるだけと言うのが特徴である。
(3)「カウンターフィット盤」 正規盤の内容、装丁をそのままコピーして、正規盤に似せて製造した複製品。廃盤で正規盤が入手困難になったものの複製品などがある。日本では、レコード、CDの他、正式発売されたビデオテープや写真集に対する海賊版などは、この範疇がほとんど。
●ブートレグが人気の理由とは?日本は世界一ブートレグが多い国?
さて、ブートレグがなぜ人気なのか?といった話。前述の通り、これは未発表音源やライブ音源などであり、激レアで貴重です。このため、音楽マニアほど熱心に集めているようです。音楽マニアほど集める…というのは、通常の海賊版のイメージとは異なるでしょう。ブート品全般というのも、正式版とは異なる価値があるのがわかると思われます。
ただし、繰り返すように違法なものではあるのは事実。製品版の代わりに買っているのではなく、製品版を持っている熱心なファンがそれ以外の音源まで欲しがっているというケースが多く、あまり金銭的な被害は出ていないのではないかと考えられますけど、違法は違法です。
また、当然正式版ではありませんので、著作権使用料が著作権者に支払われず、アーティストの印税もそれを受け取るべき演奏者や歌手に支払われることがないというのも問題。アーティストらに被害がないものとも言いづらいでしょう。
なお、日本はこういう違法なブートレグが多い国として、世界的に有名だと聞いたことがあります。例えば、
西新宿は日本に来日した海外アーチストが一番多く訪れる場所? | Players-DB - バンドメンバー募集もそういった話を伝えるページでは、「今はだいぶ少なくなったと思うのだが、西新宿には、世界で一番ブートレッグ(海賊版)が集まっているというのを音楽マニアの友人に聞いたことがある」としていました。
日本のレーベルが出しているブートレグでも有名なものがあるそうで、海外で買い付けしているだけでなく、日本のレーベルが国内でブートレグを自作している場合もあるみたいですね。これらも本当は違法ではないかと思われます。
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