2013/3/29:
●心配される早生まれ…海外では子供の入学を遅らせる親もいる
●早生まれは不利って本当?イギリスでも誕生月と成績の関係を調査
2019/11/17:
●日本では入学を遅らせることは不可能?実は特殊な場合にはできた!
2020/09/05:
●早生まれの不利、偏差値と年収に響く?>東大院教授が研究した結果
●いっぱい勉強して塾にも通っている子どもたちの方がむしろ成績が悪い!
●心配される早生まれ…海外では子供の入学を遅らせる親もいる
2013/3/29:
遅生まれなのに早生まれと呼ぶ理由は?語源・由来には異説も!から一部の話を分割して新規にこちらに。向こうでも引用した
同学年では遅い生まれなのに 「早生まれ」の理由(日経新聞 2013/3/26 6:30 武類祥子)という記事では、早生まれは不利?っての話もありました。
あちらでやったように、早生まれの人は実際にはみんなより遅く生まれていて、みんなよりも幼い、つまり、成長していないので不利な可能性が考えられます。これも「遅生まれなのに早生まれと呼ぶ」という話とともに、よく言われるものですね。
記事では、子どもの間、特に小学校入学の頃は、体格や体力、発達などの面で同学年の子どもと差があるのではないか、と親の心配は尽きないだとうそていました。これは今に始まったことではなく、昔の親も同じように悩んでいたとのことで、以下のような話がありました。
<35年(昭和10年)3月16日の読売新聞「婦人」欄では、「今春就学期の私の子供! 入学させようか それとも延ばそうか? 軽率に就学を急いだらそれこそ一生涯浮かばれぬ!」という記事を載せている。早生まれの子どもが他の子どもに比べて物覚えや数を数えることが遅れているようなら、就学を遅らせるような措置が望ましい、とアドバイスしている>
入学を遅らせるというのは問題な気がするものの、実は、親の判断で入学時期を遅らせることができる国では、この昭和10年の読売新聞記事が提唱しているようなことも実際に行われているといいます。びっくりですね。
<9月入学が一般的な米国では、州や地区によって、入学する年齢の区切りの日(カット・オフ・デート)が異なる。(中略)ただ、親の判断で入学時期を遅らせることも可能なため、スポーツや学力の面で不利になっては困るという理由から、1年入学を先延ばしにするケースもあるという>
●早生まれは不利って本当?イギリスでも誕生月と成績の関係を調査
おもしろい話だなぁと思いながら私は記事を読んでいました。ただ、実際、不利ってデータもありますので、親としては深刻な話かもしれませんね。
イギリスでは、民間の研究機関が2011年、子どもの誕生月と成績の関係を調査。通常、入学時期が9月の同国では、誕生月が8月の「早生まれ」の子どもに不利な点が目立つという結果を発表。記事では、<留年や学年の飛び級などが珍しくなく、日本に比べれば年齢や学年による横並び意識が強くないとされる海外だが、子どもの成長を気にする親心は、どうやら世界共通のようだ>と書いていました。
ただ、たぶん現在の日本では心配しても対処のしようがありませんので、気を病むだけ損でじゃないかと。「生まれた月が違うから当たり前なんだよ」と納得して、子どもにもそう説明するという方がポジティブでしょう。
●日本では入学を遅らせることは不可能?実は特殊な場合にはできた!
2019/11/17:日本では無理と書いていたのですけど、本当だっただろうか?と思ったので検索。すると、「早生まれだから」は無理ですけど、特殊な場合は可能という話が出てきてびっくりしました。
就学猶予・就学免除とは?小学校入学を1年遅らせられる就学猶予制度の目的と利用条件、体験談まとめ【LITALICO発達ナビ】によると、発育不全や病気等を理由に、教育委員会の許可を得て主に小学校に上がる年を1年遅らせることのできる就学猶予という制度があるといいます。
例えば、お子さんが未熟児や低体重で生まれた場合、就学猶予・免除を利用できる場合もあるとのこと。ただ、グラフを見ると、1979年生まれ以降はこの就学猶予・免除を受けている人は激減していました。特別支援教育の充実とともに、就学猶予の取得は以前より難しくなっていると言われているそうです。
●早生まれの不利、偏差値と年収に響く?>東大院教授が研究した結果
2020/09/05:早生まれの研究では、日本での研究も報じられていました。これを伝えた記事では、<差があるのはせいぜい小学校までの間だけで、年齢を重ねると差はなくなると誰しも考えている>としていたものの、疑問。一般人では、むしろ早生まれ・遅生まれで差があると考えている人はかなりいると思われます。
で、今回の研究もこの「差がある」という考えを肯定するもの。研究を紹介した記事も、
東大院教授「早生まれの不利は大人まで続く」研究結果発表|NEWSポストセブン(2020.08.18 07:00)というタイトルでした。労働経済学を専門とする東京大学大学院経済学研究科の山口慎太郎教授が、2020年7月11日に公表した論文(Month-of-Birth Effects on Skills and Skill Formation)に関する記事です。
「早生まれの不利は、高校入試にもあらわれています。3月生まれと4月生まれで入学した高校の偏差値を比べると4.5も違います。大学の進学率も早生まれのほうが低く、これは日本に限らず、アメリカやカナダでも同じ傾向があります。さらに早生まれの不利は大人になっても消えず、早生まれの人は30〜34歳の所得が4%低くなるという研究報告が出ています」(明記ないが、山口慎太郎教授の発言?)
●いっぱい勉強して塾にも通っている子どもたちの方がむしろ成績が悪い!
山口慎太郎教授の調査によると、中学3年生の早生まれの生徒は、遅生まれの生徒に比べて週に0.3時間多く学校外で勉強し、読書時間も0.25時間多く、塾に通っている率が3.9%高かったとのこと。早生まれの子供の方がむしろ学校外で多く勉強しているにも関わらず、偏差値が低くなっているという逆転現象が起きています。
その一方で、早生まれの生徒は、スポーツや外遊びに費やす時間が最大で週に0.52時間少なく、学校以外の美術、音楽、スポーツ活動に費やす時間が最大で0.19時間少なかったとのこと。早生まれの不利を考えてやった親の行動が逆に悪くしているという見方を山口慎太郎教授はしていました。
<認知能力とは、IQや学力テストなど頭の良さを指し、一方の非認知能力とは、「最後までやり抜く力」や「感情をコントロールする自制心」「ルールや約束を守ろうとする心」「他人と良い関係を築く力」など、社会性・情緒・内面の能力を指す。
「近年の研究で、社会的に成功する人は非認知能力が高いことがわかってきています。非認知能力の低い人は犯罪で逮捕される率が高く、収入も少ないという統計もあります。今まで認知能力に比べて軽視されてきましたが、実は非認知能力は非常に重要です。
早生まれの子供は、同じ学年の遅生まれの子供に比べて認知能力と非認知能力がともに低い傾向が強いのですが、親御さんは、目につきやすく対策のしやすい認知能力の向上に偏重した投資をしてしまうケースが多いのです」(山口教授)>
東大に入った学生の小学生時代の習い事を見ると、意外に勉強関係の習い事は多くなく、プールみたいなのが予想外に人気。上記の話と合致します。実は小学生の宿題に効果はなく、他のことをする時間を奪うなどでむしろ逆効果という研究があり、今回の説明と合致する感じ。ただし、宿題の研究では、非認知能力が重要だからという説明はありませんでした。
また、非認知能力が重要という主張については、就職試験で最も就職後の仕事の出来不出来と相関するのは、認知能力を見ると今回説明されたIQ系のテストだったために、納得できず。ただ、就職試験で非認知能力を見るテストがないだけ…という可能性もありますし、もっといろいろな研究について知りたいですね。
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