岸田政権関連の話をまとめ。<リベラル岸田文雄に左翼喜ばせる危険な匂いと右派から批判的な声>、<岸田文雄で日本終了?「高市早苗以外なら日本は終わる」との主張>、<右派「河野太郎議員も岸田文雄首相も票目当てのミエミエ偽装保守」>、<「知識をひけらかすだけで終わり主張なし」…岸田文雄氏の右派評価>などの話をまとめています。
冒頭に追記
2022/10/05追記:
●支持率低下の中で身内に利益誘導?長男を首相秘書官に引き上げ
2022/10/12追記:
●インフレの中、賃上げ進まず…無策で無責任な首相は民間に丸投げ
2022/11/06追記:
●統一教会問題で批判され辞任の大臣をわずか4日後に重職に抜擢 【NEW】
●事実上の「統一教会は問題視しない」宣言 麻生元首相にも媚び? 【NEW】
●支持率低下の中で身内に利益誘導?長男を首相秘書官に引き上げ
2022/10/05追記:政権発足から1年となる2022年10月4日に岸田政権が発表したのが、岸田首相の長男・翔太郎氏(31)を首相秘書官に抜てきするというサプライズ人事。ただ、良いサプライズではないでしょう。身内への利益誘導と取られかねません。お仲間からも「メリットが全くわからない」と言われてしまっています。
<慶応大学出身で現在31歳。総合商社を経て、2年前から父の元で公設秘書を務めてきた>
<31歳の若さで翔太郎氏が務めることになる首相秘書官室は、いわば“官邸の心臓部”にあたり、岸田首相を朝から晩まで付きっきりで支えるポストだ。福田政権では2008年、息子の達夫氏が起用されたことでも知られている。
岸田首相による今回の大抜てき人事。翔太郎氏の給与はまだ決まっていないということだが、過去には1000万円を超えることもあったという>
<政府関係者からは「支持率が下がっている。この時期にあえてやる必要があるのかな。あえてやるメリットが全くわからない」との声も。野党からも「一歩間違うと、公私混同と言われかねない微妙な人事」と疑問の声が上がっている>
(岸田首相の長男・翔太郎氏(31)を秘書官に抜てき 年収1000万円超?支持率下落の中で身内人事「メリット全くわからない」 10/4(火) 21:03配信 FNNプライムオンラインより)
https://news.yahoo.co.jp/articles/002443a77dfeb8cb106a41f6ecfcbbcdd9f8f26e
右派の多いヤフーニュースのコメント欄では、別の人を支持したという自民党員が苦言を呈していました。ただ、これぞ自民党という感じで、むしろ自民党らしい人事。この人事について松野官房長官は「適材適所で判断した」と説明。「適材適所」は安倍政権で多用された言い訳で、利益誘導も十八番の政権でした。
また、「福田政権では2008年、息子の達夫氏が起用されたことでも知られている」とあるように前例があり、やはり自民党らしいという話。もちろん実力があれば良く、福田達夫議員の場合、自民党のホープと呼ばれています。ところが、この「自民党のホープ」が後述するようにボロっクソですからね。これぞ自民党!という感じでしょう。
福田達夫・総務会長は、多数問題が指摘されている統一教会と自民党議員の結びつきについて、「何が問題か分からない」とバカにした発言をした議員。この言い方自体、判明しているだけで約1237億円もの被害を出している統一教会被害者に配慮がないものです。自民党の人は自分たちさえ良ければ、国民のことはどうでもいいのでしょう。
「わが党が組織的に強い影響を受けて、政治を動かしているのであれば問題かもしれないが、僕の今の理解だと一切ない」
「正直に言います。何が問題か、僕はよく分からない」
(
自民・福田氏、旧統一教会と党の関係否定 「何が問題か分からない」:時事ドットコム 2022年07月29日より)
「(個々の議員との接点を)取り立てて『問題だ』ということが、本当に何か物事を良くするのか。僕は極めて疑問に思っている」と強調。「どんな意図でやっていらっしゃるのだろう」
(<「何が問題かわからない」で炎上の福田達夫議員 焦って出した釈明文書の評判が悪い理由>(22/8/4(木) 11:01配信 デイリー新潮より)
https://news.yahoo.co.jp/articles/5d678fb725174754dcdd3371117b79d755927867
デイリー新潮によると、ある政治担当記者が「福田さんの祖父・赳夫氏は1974年、統一教会の教祖である文鮮明氏(1920~2012)を絶賛するスピーチを行うなど、“密接な関係”にあると目されていました」と指摘。福田達夫議員にとっても他人事ではないのですが、だからこそ強引に擁護していたのかもしれません。
別記事
自民・福田氏がコメント 「何が問題かよくわからない」発言めぐり:朝日新聞デジタルによると、「自民党がそこの団体の影響を受けて政治を動かすというような誤解を招くようなことだけはしてほしくない。相手も迷惑かと思う」と統一教会側を気遣い擁護するようなコメントもしています。
なお、デイリー新潮は、炎上して慌てて出した以下の言い訳の文章が、《釈明すら意味不明》、《国語のテストで「議員は何が言いたいのかその気持ちを推察して書きなさい」って出たら解ける人いる? 》と評判が悪かったことや、国民の視線とズレているといったことも問題視していました。
《わが党が、組織的に、党外の団体から強い影響を受け、それで政治が動くのであれば問題ですが、私の理解では、そのようなことは一切ありません。ただ、党としての問題ではなく、個人として、なにか抜き差しならない関係になっていて、その結果、その方の政治活動に非常に大きい影響を与えているのであれば、それは問題と思います。》
《一部から御質問をいただいているような、そのような団体との付き合いについて「何が問題かわからない」という趣旨の発言ではございません。》
●インフレの中、賃上げ進まず…無策で無責任な首相は民間に丸投げ
2022/10/12追記:自民党政権が望んだインフレが本格化して国民が疲弊する中、岸田文雄首相は2022年10月4日、首相官邸で開いた「新しい資本主義実現会議」で、2023年の春闘に向けて「物価上昇をカバーする賃上げを目標に、企業の実情に応じて労使で議論していただきたい」と他人事な発言。民間に丸投げです。
<厚生労働省によると、22年の民間主要企業の春闘賃上げ率は2・20%で、前年(1・86%)を上回った。だが、資源価格の高騰などで物価が上昇。実質賃金は7月まで4カ月連続でマイナスとなっており、物価の上昇に賃金が追いついていない。
今年8月の全国消費者物価指数は前年同月比2・8%上昇と消費増税の影響を除くと30年11カ月ぶりの大きさとなっており、家計が圧迫される懸念が高まっている>
(
物価上昇率をカバーする賃上げ 首相「労使で議論を」 春闘に向け 毎日新聞 2022/10/4 18:31 松山文音より)
2021年11月の同会議でも「3%を超える賃上げを期待する」としており、「期待している」と言うだけでやはり民間に丸投げでした。一応、今回は以下のような対策もあります。ただ、この後紹介するように一般人の反応だけでなく、専門家コメントでも政府の無策さ、無責任さが指摘されていました。
<対策では他に、中小企業が賃上げしやすい環境の整備などを盛り込んだ。下請け企業がコスト上昇分を取引価格に反映できるよう、理由なく取引価格の引き上げに応じない大企業などの社名を公表する。
非正規雇用者の待遇改善のため、同一労働同一賃金が徹底されているかのチェック体制を強化する>
私は政府が民間に介入するのはどうか?と思っている方ですが、岸田文雄首相の場合は総裁選で所得倍増などをぶち上げてましたからね。無責任すぎます。ヤフーニュースのコメント欄では、<「物価上昇率をカバーする賃上げを目標に労使で議論するよう求めた。」って政府は何もしないって事?これじゃー何のための政府よ。(中略)ほんと何もやらない総理だな>が1番人気に。また、専門家コメントでも以下のように指摘されていました。
白鳥浩 法政大学大学院教授/現代政治分析
<「新しい資本主義実現会議」において岸田首相は物価上昇率をカバーする賃上げをと述べたが、具体的な数字は示さなかった。そして「労使で議論」することに任せる方針という。
もともと政府は2%のインフレを志向していたが、現実には2.8%と目標を上回る物価上昇が起こっており、これは市場が、政府が期待した水準では、コントロールされている状況にはないことを示している。つまり、物価は賃金上昇を上回っており、これでは国民生活が圧迫されていくことは必至である。
しかし、そう簡単に賃上げは出来ないことは労働側も理解している。経営側も円安による原材料の高騰、ウクライナ危機による輸送コストの上昇など、経営を圧迫する要因があるからだ。
しかし、まずは「分配」を行わなければ、国民の消費も伸びない。そして、企業の収益もそがれていく。「成長」もない。政府の強力なリーダーシップが望まれる>
https://news.yahoo.co.jp/articles/fcdbb54b48740779ec6b3d7c4f1fbf52fe353f5a
なお、民間に賃金上昇するように求めるだけで民間丸投げ…というのは、岸田政権だけの話ではなく、安倍政権でもあったもの。ほとんど賃金上昇が起きていないのに、一部の企業の上昇例だけ挙げて「政府の呼びかけで賃金が上がった」と威張っていたこともありました。岸田政権特有ではなく、自民党政権の特徴でしょうね。
●統一教会問題で批判され辞任の大臣をわずか4日後に重職に抜擢
2022/11/06追記:統一教会問題でひどい発言を連発して大臣辞任に追い込まれた山際大志郎さんに、速攻で重職を与えて厚遇して驚き。前々回書いた<支持率低下の中で身内に利益誘導?長男を首相秘書官に引き上げ>と似た方向性ですが、よくもまあこんなひどいことを思いつくものだ…と思いますし、国民を愚弄しています。
・
山際氏、自民党のコロナ対策本部長に就任 更迭された4日後に:朝日新聞デジタル(2022年11月2日)
<世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との接点が次々と明らかになり、国会答弁などをめぐって10月24日に事実上更迭された自民党の山際大志郎前経済再生相が、同28日付で党の新型コロナウイルス対策本部長に就任したことがわかった。党関係者が明らかにした。
(中略) 党のコロナ本部長には28日付で就任。岸田政権で新型コロナ対策の司令塔を担った経験から起用されたとみられるが、党幹部の一人は「本人のためにもじっとさせておくべきなのに懲りていない」と、起用を決めた執行部を批判した>
前田直人・朝日新聞コンテンツ戦略ディレクターが、<一報を聞いて、「えっ?」と思わず声を出してしまいました>とコメントしていたように、ちょっと考えられない人事。当然ながら批判が殺到。<「記憶にない」連発で辞任の山際前経済再生相がコロナ対策本部長に「自民党、コロナ対策やる気ねぇだろ」猛批判>(11/2(水) 15:08配信 SmartFLASH)などの記事が出ています。
<旧統一教会との関係が批判され、大臣を辞任した山際氏が、新型コロナ対策本部の本部長という要職に就任したことに、SNSでは批判が殺到した>
《自民党はどうかしている。よほど人材難?》
《記憶がすぐ消える山際に、コロナ対策なんて任せられるわけないだろう。自民党は国民をなめてるのか?》
《自民党、コロナ対策やる気ねぇだろ》
《記憶が無くて自らの振り返りも出来ない人にコロナ対策を仕切るなんて無理でしょ》
https://news.yahoo.co.jp/articles/732e234a9db537c57878a1a0fa3bc27c5c24ddb6
●事実上の「統一教会は問題視しない」宣言 麻生元首相にも媚び?
ヤフーニュースでは、「岸田総理は山際に対して何かあるのでしょうか」として、以下のように書いているコメントが2番人気になっています。ただ、山際大志郎さんに弱みを握られているというよりは、後述するように山際大志郎さんの後ろにいる「誰か」に媚びているのではないかと私は感じました。
<岸田総理は山際に対して何かあるのでしょうか。あんな体たらくな議員を自民党から外しもしないで役職つけるなんて非常識すぎます。旧統一教会と関係を断つ、その為に過去を清算すると言っていたはずが記憶喪失になる人を重用するなんてのど元過ぎればなんとやらッてことでしょうかね。岸田総理は日本を良くしようとか、現状を良くしたいとか全く考えていないことがよくわかりました。こんな人が総理では政府も終わっているし、これからの日本がますます悪くなる一方です。安倍の時もそうでしたが、自分たちさえお金が入ってくれば良い人たちばかりなのでしょうね>
岸田首相は「聞く力」を強調していましたが、他の例でもわかるように国民の声は全然聞いていません。では、今回、誰の声を聞いたのか?と言うと、ひとつ有力なのが党の実力者・麻生太郎元首相の声というところ。厚遇された山際大志郎議員は麻生派なんですよ。これまでも岸田首相は麻生さんに媚びていると言われてきました。
もう一つ、統一教会の声を聞いた人事では?というのも疑われそうなところ。統一教会の息のかかった議員を厚遇することで、統一教会に媚びているように見えるためです。そもそも統一教会問題で辞任の議員を速攻で厚遇というのは、「統一教会の件は問題視しない」と岸田首相が宣言したに等しいでしょう。
●リベラル岸田文雄に左翼喜ばせる危険な匂いと右派から批判的な声
2021/09/30:自民党系の右派が、総裁選になった途端醜く仲間割れしていたので、自民党内でリベラル派とされている岸田文雄議員についても何か言っていないかと検索。すると、河野太郎候補と比べると、格段に批判が少なかったことが判明。2021年は河野太郎候補、2020年は石破茂候補にヘイトが集まったため、集中砲火は免れたのかもしれません。
ただ、右派からの批判的な声がないということはなく、多少あったので記録しておきます。まず今回は、右派産経新聞社・夕刊フジの<自民党総裁選、不用意な発言でにじむ「危うさ」 河野氏「年金の最低保証」に消費税 岸田氏「新自由主義との決別」主張 高市氏は意外に安定>(9/27(月) 16:56配信)という記事。ここでは先に河野太郎批判があったので、こちらも後述します。
https://news.yahoo.co.jp/articles/4c245943972096528f35c793705fe4ebf5613443
<(引用者注:河野太郎氏の発言は「危うさ感」があるとした上で、)岸田氏の「新自由主義との決別」という主張もそうだ。そもそも、「新自由主義」とは、何を意味するのか。私の知る限り、およそまともな経済学の教科書や国際会議の声明に、そんな言葉は出てこない。
それが喧伝されたのは、もっぱら政治や社会思想の世界である。しかも、多くは左翼だった。彼らは分配を重視するあまり、成長志向の人々を「新自由主義者」などとレッテル貼りした。
私は岸田氏が左翼とは思わないが、こんな言葉を不用意に使うあたりに、やはり「危険な匂い」を感じてしまう。立憲民主党や共産党が喜びそうなセリフなのだ>
●作者は右派論客・長谷川幸洋氏、沖縄基地問題のデマ番組で有名
なお、この記事を書いているのも、バリバリの右派論客・長谷川幸洋さんでした。長谷川幸洋さん自身は賠償を免れました(ただ、この裁判はまだ地裁判決なので、確定までは時間がかかりそうです)が、沖縄県の基地問題に関してデマを流したテレビ番組に出演しているなど、右派の中でも特に右寄りの方です。
<東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)が放送したバラエティー・情報番組「ニュース女子」で名誉を傷つけられたとして、市民団体共同代表の辛淑玉(シンスゴ)さんが制作会社のDHCテレビジョンなどに1100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は1日、同社に550万円の支払いとウェブサイトへの謝罪文の掲載を命じた。大嶋洋志裁判長は「原告に真偽を確認するための裏付け取材をしていない。精神的損害は重大」と指摘した。
判決によると、番組は2017年1月に放送され、沖縄県の米軍ヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)建設反対運動の参加者を「テロリスト」などと表現した。出演者は、市民団体が参加者に日当を払っているという趣旨の発言をした。
(中略)「番組の重要な部分で真実性が証明されていない」と判断した。賠償だけでは名誉回復が不十分とし、謝罪文の掲載も命じた。番組の司会をした長谷川幸洋・元東京新聞論説副主幹への請求は「企画、編集に関与していない」として棄却した>
●河野太郎議員の「消費税で年金」にも批判、でも実を言うと…
最初の引用部は順番を変えたのでわかりづらくなったのですが、長谷川幸洋さんは先に河野太郎批判をしていました。「いまの基礎年金は本当に最低保証になっているのか。最低保証部分は保険料ではなく、税でやるしかない。(財源は)消費税がいいと思っている」という発言について以下のように批判的だったのです。
<そもそも、「年金は保険」だ。給付額を増やすなら、税負担を言う前に、なぜ「保険料引き上げ」を言わないのか。英語で「ペンションタックス」と言うように、納付義務があるので、普通の人にとっては、保険料も税と同じだ。違いは、保険料なら納めた記録が残って、自分の負担と給付の関係がはっきり見える点である。
税で納めて、この関係が分からなくなったら、もはや保険とは言えないだろう。
現在の税負担部分を増やすにしても、私は消費税の負担増に反対だ。社会的公正を保つには、高所得者の負担が重い累進構造を持つ所得税を活用した方がいい。
大問題に果敢に挑戦する姿勢は高く評価したいが、いかにも話が生煮えで、かえって「危うさ感」を出してしまったのではないか>
上記は一部賛同できる部分があるものの、いろいろツッコみたいところも。一番指摘しておきたいのは、「消費税を年金に」を含む概念である「消費税を社会保障に」という主張なら、河野太郎さんのオリジナルではなく、安倍政権・菅政権と同じ方向性だったということ。河野太郎さんを批判するなら、安倍首相や麻生太郎財務大臣なども批判しなくちゃいけません。
<政府は1日(引用者注:2013年10月1日)の閣議で、2014年4月の消費税率8%への引き上げを決定した。(中略)首相(引用者注:安倍首相)は「消費税収は社会保障にしか使わない」と理解を求めた>
(
消費税、14年4月8%を政府決定 経済対策5兆円: 日本経済新聞 2013年10月1日より)
<麻生太郎財務相は18日の衆院財務金融委員会で、消費税は少子高齢化が進む中での全世代型社会保障の実現に必要なため、今引き下げることは考えていないと述べた。清水忠史委員(共産)への答弁。(中略)麻生財務相は消費税が社会保障制度上不可欠との従来見解を繰り返した>
(
今消費税引き下げは考えていない=麻生財務相 | ロイター 2020年11月18日より)
●岸田文雄で日本終了?「高市早苗以外なら日本は終わる」との主張
2021/10/11追記:百田尚樹さんは嘘ばっかり言っています。何度も「~したら筆を折る」と宣言しながら辞めないで続けている「構わってちゃん」な人なので、構わない方が良いのでしょうが、例によって「高市早苗以外なら日本は終わる」的なことを言っていました。菅首相の総裁選でも似たようなことを言っていた記憶です。
<作家の百田尚樹さんは高市議員を押すと宣言し、自身が出演している「虎ノ門ニュース」でも「ガンガン押しまくる」とツイート>
<勝負は何が起こるかわからないが、高市が負けたら、日本は苦難の道を行くことになる。今度の総裁選は、日本の未来がかかっている>
< 高市さんが総裁選に負けたら、今回の衆院選では自民党に投票するのはやめる>
(
百田尚樹さん「高市が負けたら、日本は苦難の道を行くことになる。今度の総裁選は、日本の未来がかかっている」ツイートに反響 ガジェット通信 2021年9月13日 22:15より)
百田尚樹さんは、「今、いろんなメディアが、総裁選では河野が勝つ、みたいな記事を書いてる」とも書いていましたが、これはデマっぽいですね。河野太郎さんは確かに国民人気が高く、党員票では多いものの、決めきれず決選投票へ行くと見られていました。そして、決選投票だと議員人気が低いためにすんなり行かない…という予想だったはずです。(過去記事を探してみると有料記事ばかりで肝心の部分が読めなかったんですけど…)
また、すでに百田尚樹さんがそうなっていたように、安倍首相派の高市早苗候補支持によって、河野太郎候補への猛バッシングが始まっていた時期。当時すでに議員票では支持が見込めない状態でした。あり得るとすれば、党員票で圧倒的な支持を得て選挙で弱い若手議員に翻意を促すパターンでしたが、党員票では1位であったものの圧倒まではできず。事前の予想通り、決選投票で負けています。
●河野太郎議員も岸田文雄首相も票目当てのミエミエ偽装保守
2021/10/20追記:最初の長谷川幸洋さんは同じ夕刊フジで、<本音を隠した? リベラル路線から軌道修正の河野氏と1年でハト派から変身の岸田氏 高市氏は「タカ派姿勢」割り切り前面 野田氏は今後に注目>(2021.9.18)という記事も書いていました。これもやはりまず河野太郎批判からスタート。河野太郎さんは偽装保守だとしていました。
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/210918/pol2109180001-n1.html
<河野氏の発言を追ってみると、従来のリベラル路線から、微妙に軌道修正している様子がうかがえる。
例えば、原発について、従来は「脱原発」を唱えていたが、「明日とか1年後といった話ではなく、当面は原発再稼働を容認する」に変わった。「女系天皇容認」についても、「皇位継承は有識者会議の議論を尊重する」と言い方を変えている。
党内保守派の支持を集めるためには「ウイングを広げざるを得ない」という話なのだろうが、果たして吉と出るかどうか。保守派から見れば、「原発」も「女系天皇」の問題も政策の根幹に関わる問題で、選挙で立場を変えるような軽い話ではないからだ。
票目当ての思惑がミエミエで、むしろ反発を呼ぶかもしれない>
岸田文雄前政調会長の場合、敵基地攻撃能力の保有について「有力な選択肢」、武力攻撃と断定できないグレーゾーン事態について「法整備を検討」などと言っていたのですが、これについても長谷川幸洋さんは「こちらも本心はどうか」と書いていました。つまり、河野太郎さん同様に、票ほしさによる偽装ではないかという見方です。
<敵基地攻撃能力の保有でも、グレーゾーン事態への対応でも、本当に新たな法整備を進めるとなったら、中国の猛反発は避けられない。ところが、岸田氏の本領は、2冊の著書の題名にあるように『岸田ビジョン 分断から協調へ』(講談社)、『核兵器のない世界へ 勇気ある平和国家の志』(日経BP)といった典型的なハト派路線なのだ。
これらの本が出版されたのは、昨年9月と10月だ。わずか1年で、急にタカ派に変身した、とは思えない。こちらも、河野氏と同じく「党内保守派の支持を得たい」という思惑ではないか>
●「知識をひけらかすだけで終わり主張なし」…岸田文雄氏の右派評価
2021/10/25追記:上記までは総裁選前の記事。総裁選終了後にも産経新聞が<岸田新総裁 改憲、皇位継承…保守系との距離感課題 9/30(木) 0:04配信>(永原慎吾)というものを出しています。前回追記の長谷川幸洋さんほどはっきりは書いていませんが、要するに偽装保守のリベラル的なところがあって怪しいという話です。
<岸田氏はリベラル色が強いとされる岸田派(宏池会)の領袖(りょうしゅう)。岸田派内には、こうした安保政策に懸念の声があり、保守勢力が警戒する選択的夫婦別姓への賛成論も根強い>
https://news.yahoo.co.jp/articles/f36392845cf130d7e1df94f162697929f1985918
あと、
右派マスコミ、河野太郎議員を「左翼・リベラル」と猛批判で使った記事で、岸田首相もまとめて批判されているものがあったのでこちらでも紹介。これは、<河野氏、親族企業問題で説明不足 合弁する中国巨大企業「BOE」にウイグル人強制労働疑惑 誠実な姿勢の野田氏と対照的>(9/27(月) 16:56配信)という夕刊フジの記事です。
百田尚樹さんともよくコンビを組んでいて、右派に人気のある有本香さんが、河野氏と野田氏ともに「自民党内左派」だが語り口には大きな違いがあり、男性候補2人に比べ好感度は格段に高い…と評価。男性候補2人となっているので、河野太郎さんだけでなく、岸田首相も語り口が悪いということ。以下のように岸田首相もまとめて批判していました。
<河野氏と岸田氏が万事につけ、知識の披瀝(ひれき)の後、「検討する」「議論する」とお茶を濁すのに対し、野田氏は「自分はどうするか」を語っている>
https://news.yahoo.co.jp/articles/1fe056a31008a978b04fa20990b1203d028eb17f
●岸田政権は撤回政権 水際対策で日本人締め出しを批判され撤回
2021/12/09追記:岸田文雄政権は今のところ「撤回」がキーワード。総裁選で言っていた目玉公約を当選後次々と撤回し公約詐欺状態に。また、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の水際対策でも大混乱。ネットでは擁護意見も見られるものの、右派産経新聞がむしろ以下のように批判的な記事を書いているというのは興味深いです。
<新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の水際対策をめぐり、国土交通省は2日、航空会社に要請した国際線の日本到着便における新規予約の受け付け停止について、一転して要請撤回を各社に通知した。帰国希望の日本人による航空券の予約受け付けが再開される見込みだが、政府が定める1日当たり3500人までとする入国者数制限の範囲内での対応とされ、帰国需要に十分に応えるのは難しいとみられる>
<今回の予約停止要請をめぐり、問い合わせ対応など混乱の収拾に当たった航空会社関係者は「国交省に振り回された」と漏らした。>
(二転三転の国際線予約、停止撤回も需要対応は難しく 21/12/2(木) 18:40配信 産経新聞(福田涼太郎)より)
https://news.yahoo.co.jp/articles/389c2a8a3bd628105e54fd9dcfefe6ec4796654c
安倍政権・菅政権では経済を最優先して水際の対応が後手に回ったと批判されたことから方針を変えたと思われますが、国交省が独断で暴走したという解説が多くなっています。産経新聞記事も斉藤鉄夫国土交通大臣が、方針が二転三転したことで国民生活に影響を与えたとし「航空局が荒っぽい方針を出した。国交省の責任者として大変申し訳ない」と発言していたことを報じていました。
●国交省一部官僚が勝手に暴走…は大嘘?官邸も事前に把握との証言
ただ、こうした重大な決定が本当に下部の官僚だけで独断で行われたのか?と疑う声もあります。これはむしろ安倍政権時代でよく見られたものですが、「手柄は政治家のもので、問題は官僚のせい」という手法ですね。この関係では、<「ぜんぶ国交省のせいにしろ!」岸田官邸が覆い隠す国際線「予約停止」撤回の真相>(12/7(火) 6:02配信 現代ビジネス)という記事も出ていました。
「官邸には11月29日の時点で、国交省から『国際線の新規予約を中止する』との連絡が入っていた。国交省が官邸に報告せずに勝手にやったというのは大嘘ですよ。岸田政権批判を避けるために、国交省航空局に責任を押し付けたというのが真相です」(官邸スタッフ)
「海外在留邦人の安全にかかわる重大事を官邸に一言も相談せず、国交省だけの判断で行うことなど、霞が関官僚の常識からしてあり得ない。29日にの時点で、国交省から官邸に連絡が入っていたのです」
https://news.yahoo.co.jp/articles/f6976851b007399b65bd15d23bf80a7da3ab6be2
国交省からの連絡を官邸は承知していたものの、この措置によって、多くの日本人が帰国できなくなり、大騒ぎになることをまったく予想していなかったといった指摘。本当かいな?という話ですが、別の官邸関係者も以下のように言っていたとのこと。複数の証言があるというので、私が最初思ったよりは信頼性が高い情報のようでした。
「海外在留邦人を日本に帰さないと言っているわけで、邦人保護の観点から許されない。野党に格好の攻撃材料を与えるだけでなく、先の総裁選や組閣・党役員人事で、溝が深まっている菅前首相と安倍元首相に揺さぶりをかけられる恐れもある」
●炎上した無駄経費900億円のクーポンを撤回するも一方で圧力
「撤回政権」の関係で別のところで書いた高校生への10万円バラマキクーポン問題についても転載しておきます。こちらは方針転換以前に、バラマキ政策そのものが大不評というものですね。ただでさえ不評なのに10万円の半分5万円をクーポンにして分割支給する方針のため、事務経費が900億円も高くなってさらに炎上しました。
これにより、 クーポンは無駄であると同時に、新型コロナウイルス問題のときに自民党関連で多数あった、お友達への利益誘導ではないか?と疑う声が登場。また、立憲民主党の後藤祐一議員の場合は「タイミングをずらしてクーポンを給付するのは、来年の参議院選挙に近い時期に行うためだと見ている」と疑っていました。
経費増大の批判に対し、10万円給付を言い出した公明党の山口那津男代表は「問題なし」と強弁。さらに自民党の鈴木俊一財務大臣も「過去の類似事業と比べて過大な水準ではない」として同じ考えを披露していました。ただ、そもそも愚策と指摘されてきた過去のバラマキ政策を繰り返している時点で問題があり、正当化できません。
また、鈴木俊一財務大臣は「クーポンによる給付は子育て目的に限定し、有効期限を設定することで、消費喚起の意味で、よりむだのない給付ができる」としているものの、これもやはり正当化できる説明ではないと言えるでしょう。消費喚起効果が弱いことはそれこそ過去の類似事業でわかっていた話。一番ダメな擁護理由です。
( クーポン給付事務費967億円 鈴木財務相「過大な水準ではない」 NHK 2021年12月3日 12時52分より)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211203/k10013372981000.html
しかも、今回はそもそも子供への支援が目的だったはずなのに、いつの間にか消費喚起に話が変わってしまっています。自民党にとっては子供の支援はどうでもいいんでしょうね。また、クーポンが消費喚起の意味で効果的なら全額クーポンじゃないと話が合わず、逆に5万円が現金であることが謎に。矛盾だらけでどうしようもありませんね。
さらに、国民や野党から批判されて腰砕けになったのか、<10万円相当給付 “全額現金可能もクーポンを基本に” 官房長官>(2021年12月7日 15時16分 NHK)によると、今度は急に自民党の松野官房長官が「現金給付も可能」と言い出しました。クーポンの方が望ましいならやはり矛盾しているという話ですし、さすが撤回政権という感じです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211207/k10013378181000.html
なお、「現金給付も可能」というのは、「地方自治体の判断で」というもので、事実上の丸投げ。クーポンを採用すれば、責められるのは岸田政権ではなく自治体ということで、うまく責任転嫁してきました。一方で、松野官房長官は現金10万円を一括給付する案が一部の地方自治体から出ていることについて、「現金とクーポンはそれぞれ別の給付措置。(現金一括で)同時に支給することは想定していない」として再考を促しています。
(ここの後半だけ<10万円一括給付「想定せず」 松野官房長官 12/8(水) 12:33配信 時事通信より)
https://news.yahoo.co.jp/articles/1ba8b15baaaa88fc58d610af6590c697c5f5c2e7
さらに、松野官房長官はクーポンの方がより直接子どもたちを支援するとして、まずはクーポン給付を基本に検討するようにという趣旨の発言もしていました。自治体に圧力をかける発言内容であり、安倍政権・菅政権時代と同じ悪質さ。財政面で国の顔色をうかがわねばいけない自治体では、クーポンを選ばざるを得ないところも出てくるかもしれません。
●岸田文雄首相が選挙で落選した石原伸晃氏を内閣官房参与にして炎上
2021/12/17追記:岸田政権の人事でまさか!?と唖然としたのが、衆議院選挙で落選した石原伸晃氏(64)を内閣官房参与に起用する人事。<有権者からは批判の声…“落選”石原氏を内閣参与に>(21/12/6(月) 11:13配信 テレビ朝日系(ANN))が「岸田文雄総理大臣への批判が広がっています」としていたようにネットでは炎上。右派の多いヤフーニュースでも燃えていました。
<任命する岸田氏も 受ける石原氏もなあ… 忖度もよくやるな…>
<自民支持した者だけど、これは無いわ。こんなのまかり通るなら選挙やる意味なに?>
<少なくとも選挙区の有権者は彼の政治家としてに能力に否定的であったから投票をしなかったのであり、敢えて側近に登用するのであれば、その理由をあきらかにすべきであり、彼自身は能力ある事を証明しなければならない。
次期選挙までのPR手段であってはならないし、そうであれば二度と政治家を名乗れなくなるだろう>
https://news.yahoo.co.jp/articles/c82c41a28732ae84ab0989f26d2c7db45674db4c
一方、橋下徹さんは今回一生懸命擁護。橋下徹さんはダブルスタンダードだらけなので、民主党系の政権などの人事であれば、嬉々として叩いたでしょう。右派の自民党だから擁護したのかな?とも考えたのですが、今回の場合は仲良しな石原慎太郎元都知事の息子なので擁護したのだと考えられます。どちにらせよクソな理由なんですけど…。
「ちょっと、ネットメディアの世界で言われていることで僕が違和感を覚えるのは、確かに石原さんは選挙で落ちました。でも、内閣官房参与っていうのは、ある意味、有識者なんで選挙で落ちたか、支持されたかは関係ないんですよ。その知識が欲しいと思えば任命するんで」
(橋下徹氏、石原伸晃氏の内閣官房参与就任は「有識者なんで選挙で落ちたか、支持されたかは関係ない」 12/8(水) 15:55配信より)
https://news.yahoo.co.jp/articles/54b8d07c9b4c32ae5577bdb4afc3d718d3326910
●橋下徹氏が必死すす…石原伸晃内閣官房参与就任で的外れな擁護
一応、橋下徹さんのこの主張は正論であり、間違いとは言い切れず。私も選挙で落ちた人を内閣官房参与にしてはいけないとは思いません。知識や能力のある人なら登用しても全然問題なしです。ただ、「能力のある人なら」という話。よりによってなぜ石原伸晃さん?とは思ったので呆れました。岸田首相はあまりにもセンスがなさすぎですね。
今回の人事を能力が理由だと信じている人はあまりいません。岸田首相の支持基盤を固めるため、旧石原派のドンに媚びを売ったなど、別の理由だと思っている人が多数。就任後も「まだ私も、十分に体力、能力ともにあると思っている。皆さま方のために、お役に立てるアドバイスを内閣にしていきたい」という聞いている方が恥ずかしくなる自画自賛コメントをしていて頭の軽さを見せていました。
(石原伸晃参与「体力能力もある」 衆院選落選後の就任に(フジテレビ系(FNN)) - Yahoo!ニュースより)
https://news.yahoo.co.jp/articles/146787764e041d0639afba3f6327d1e9f7eff989
ただし、石原伸晃さんは一応、派閥の長であったように自民党では大物議員で、総裁選でも泡沫候補ではない有力候補だった人物(2012年自由民主党総裁選挙)。経歴的には資格十分ではあるんですね。下手したら首相になっていました。自民党にまともな人材がいないので、これでも自民党の中では最高レベルの頭脳という可能性はあるのかもしれません。
なお、橋下徹さんは「もし、ここで選挙ということを内閣官房参与にまで求めるんだったら、恐らく今、選ばれている内閣官房参与も政府に呼ばれるいろんな学者もほとんど選挙で通る人はいないですよ」とも擁護していましたが、こちらは論点のすり替えで下手な擁護。石原伸晃さんは学者でではないですし、学者のような見識も持ち合わせていない人物だから問題になっている…という話です。
●石原伸晃内閣官房参与がスピード辞任、新型コロナ助成金受け取りで
で、この石原官房参与がスピード辞任することに。これは国民の批判があったからではなく、別の理由でした。自身が代表を務める政治団体が雇用調整助成金を受給していたことが問題視されて、やめざるを得なくなった…という話です。なお、大岡敏孝環境副大臣(自民)も同様の問題が指摘されましたが、こちらは辞めていません。
<石原氏は10月の衆院選で落選したが、観光立国などを担当する内閣官房参与に起用された。首相と個人的に親しく、「お友達人事」「失業対策」などの批判が相次いだ。
その後、石原氏が代表を務める党東京都第8選挙区支部が昨年、新型コロナウイルス禍で打撃を受けた事業者らを対象とした雇調金を計60万円受け取っていたことが発覚。与党からも「適切でない」との声が出た。
大岡氏が代表の党滋賀県第1選挙区支部は昨年、雇調金約30万円を受け取っていた。大岡氏は10日、「国民の誤解を招きかねないと判断し、速やかに返金する」とのコメントを公表した>
(石原官房参与が辞任 雇調金受給で引責、岸田首相陳謝 12/10(金) 18:23配信 時事通信より)
https://news.yahoo.co.jp/articles/5f3ef8725251426f2c0ca3bb8b34739653712e2a
●ワクチン政府方針が二転三転して自治体困惑…と右派新聞すら報道
2021/12/23追記:ワクチンで方針転換で大混乱というのは、菅首相・河野太郎ワクチン担当相時代もありました。河野太郎さん人気で隠蔽された面があったものの、当時も相当ひどかったです。なので、岸田政権特有の問題ではないのですが、他の問題でも撤回が相次ぐ岸田政権らしく、ワクチン対応でも二転三転しています。
ただし、こうした方針転換は、緊急時には致し方ない…という擁護もあるでしょう。河野太郎さん時代にもそうした擁護はありました。ところが、自民党支持の産経ニュースすら<3回目の接種間隔、二転三転 自治体に困惑広がる>(2021年12月13日 20時39分)という記事を出して批判的。河野太郎さん時代も結構右派から批判が出ており、やはり似た状況ではあるんですけどね。
<新型コロナウイルスワクチンの3回目接種をめぐり、接種間隔に関する政府方針が二転三転したことで接種業務を担う自治体に困惑が広がっている。当初2回目接種から「8カ月以上」が原則だったが、新たな変異株「オミクロン株」の世界的な感染拡大を受け、政府が前倒しの意向を表明。ただ、自治体ごとに準備状況が異なる上、ワクチンの供給量などにも課題があり、不安の種は尽きない>
https://news.infoseek.co.jp/article/sankein__life_body_BLPKR6BKEZNIFHUHSH5EYYLBGA/?tpgnr=poli-soci
緊急時には仕方ないという擁護があると書いたものの、上記を読んでわかるように一番困るのは自治体なんですよ。国は指示するだけで支援が弱く、全部自治体の負担になります。そういう意味では、感染者数が多かった河野太郎さん時代の自治体が一番悲惨だったわけですが、現在に関しても以下のように書かれていました。
<前倒しへの不安を漏らす自治体もある。東京都台東区の担当者は「『8カ月』のスケジュールで、すでに各病院に個別接種を頼んでいる。前倒しによって3回目接種のピークが変わってくるので、人員確保が難しい」と話す>
<ある自治体関係者は「1カ月の間に方針が二転三転し、対応しきれない」と打ち明ける>
●ワクチン大臣がポンコツ…能力で選ばない岸田文雄首相の人選ミス?
2022/01/04追記:前回書いた「ワクチン政府方針が二転三転」に関しては、岸田文雄首相の人選ミスも響いている感じ。堀内詔子ワクチン担当大臣がポンコツだ…と評判が悪いのです。前任の河野太郎さんは自分の非を認めずにごまかして人気したタイプですが、堀内詔子ワクチン担当大臣の場合は対応が悪すぎて見繕えないタイプですね。
<(引用者注:2021年12月)13日予算委で野党議員に「3回目接種に際し、国民はワクチンのメーカーを選べるのか」と質問されると、堀内氏は「メッセンジャーRNAのワクチンで」「モデルナかファイザーでお願いしたい……」とトンチンカンな答弁。延々と関係ない話をし続け、委員会が一時ストップしたほどだった>
<(引用者注:2021年12月)14日の予算委では、「ワクチン担当相の役割は何か」と基本中の基本を質問されるありさま。何とか「自治体への供給、ワクチンのさまざまなことの発信を担当していると思う」と答弁できたが、うつろな目でキョロキョロし、いかにも自信なげ。ツイッターでは〈自分が話している内容も把握してないな〉〈ワクチン担当大臣を任せて大丈夫なのでしょうか〉といった声が続出している>
(
【堀内詔子】堀内ワクチン担当相が岸田政権「辞任第1号」へ崖っぷち 国会でポンコツ露呈し野党ロックオン|日刊ゲンダイDIGITAL 2021/12/15 より)
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ヤフーニュースのコメント欄でも不評。「質問に対する回答が無茶苦茶で、政治家をやめた方がよい」「岸田もワクチンの事を軽く考えていたと思いますよ。だから堀内を任命したんでしよ」「素人レベルでしょ」「本人はもとより、こういう人を任命した岸田総理の責任も大きい」などといった声が出ていました。
他に、<大臣になってから「勉強させていただきます」という古典的な大臣。その分野に精通した議員が大臣になるのが国民の為なのですが。これもまた岸田総理の人選ミス>という声も出ていたように、岸田文雄首相はむしろ古いタイプの人事をしますね。安倍政権・菅政権とあまり変わっていないようです。
●国民舐めすぎ…安倍麻生推す銀座クラブ議員の復党、茂木幹事長了承
2022/01/12追記:右派の人が警戒していた岸田文雄首相ですが、悪い意味で安倍政権・菅政権時代とあんまり変わっていないな…という感じ。新型コロナウイルス緊急事態宣言下の東京・銀座のクラブ訪問問題で離党した松本純元国家公安委員長について、党本部が復党了承の手続きをしてしまいました。
これには、自民党内からも異論が出る事態に。<松本純氏の復党「納得できず」 自民県連、宣言下に銀座訪問>(共同通信 / 2021年11月22日 18時18分)地元の自民党神奈川県連は、党本部による復党了承の手続きは納得できないとして、茂木敏充幹事長宛てに抗議文を提出。これにより、復党は一旦白紙になっています。
https://news.infoseek.co.jp/article/kyodo_kd-newspack-2021112201000966/
ただ、結局これも自民党らしくダメだなと感じるのが、抗議文の内容。「あまりにも地方組織を軽んじており、党本部の決定には納得できない」として、地元の意向を考慮せず、党本部が一方的に復党了承を決めた手続きを問題視しているとのこと。飽くまで自民党内の問題、メンツ的な問題であり、国民不在です。
別記事では、党があっさりと復党を認めた背景には、選挙中にも特別に応援(しかし落選)し、松本純・元議員の後ろ盾となっている麻生太郎氏と安倍晋三氏の影響力があるとされており、反安倍・反麻生の気概が見えるなどとしていましたが、これでは自民党内の内紛に過ぎません。
そうじゃなくて、私はてっきりあまりにも国民を舐めた行為だという抗議だと思ったんですよね。復党決定は「自民党議員なら国民と違って新型コロナウイルス問題で自粛に協力しなくても良い特別だ」という、自民党の上級国民宣言に等しいものでした。しかし、実際はそういうった抗議ではなかったので、結局、自民党の人は誰も国民のことは考えていないようです。
●「新しい資本主義」掲げる岸田首相、古い竹中平蔵氏を継続起用
2022/01/31追記:安倍政権の「一億総活躍社会」みたいなセンスもひどかったですが、岸田首相が掲げる「新しい資本主義」などの政策名も寒くて聞いていて痛々しいです。センスが悪いだけでなく、名前だけで中身が全くなく空虚というのも寒いところ。これは以前から書いている岸田首相の目玉政策全部撤回とも関係します。
「新しい資本主義」に関して言うと、「新自由主義からの転換」と言いつつ、新自由主義の象徴とされて、安倍政権や菅政権でもべったりだった竹中平蔵さんを引き続き起用。これも痛い名前なんですが、岸田首相が提唱した「デジタル田園都市国家構想実現会議」のメンバーに彼が入っているんですよ。
このため、立憲民主党の小川淳也政調会長に「『新しい資本主義』とは、何が新しいのか」「政府の重要会議に、まさに民営化、市場原理、競争社会を象徴する、竹中平蔵さんを任命されてますよね?これ、いわゆる新自由主義との決別ではなかったんですか?」とツッコまれてしまっています。
なぜ政府は竹中平蔵氏を起用し続けるのか 立憲・小川氏が指摘、岸田首相の答えは...: J-CAST ニュース(2021年12月13日)によると、岸田首相はこれに対して、基本的な経済の取り組みについては「大きく変えていかなければならない」と言ったそうですが、そうであるのならメンバーを考えて選ばなくてはいけないため矛盾していました。
●「所得倍増」を「資産所得」にすり替え 「古い資本主義」鮮明に
2022/07/02追記:前回の竹中平蔵さん重視の話で書いた「岸田首相って新しい資本主義なんて言っているけど古い資本主義じゃん!」という指摘記事が最近も出ていました。右派にとっては「古い資本主義」は歓迎でいい話なのでしょうが、普通に嘘をついて国民を騙した…という国民にとっては悪い話です。
<ロンドンで5月5日講演した岸田文雄首相の言葉に、がっかりした人も少なくないだろう。格差是正や分配重視の経済成長を軸とする「新しい資本主義」を唱えてきた首相が、具体的な政策目標として唐突に「資産所得倍増」を掲げたのである。
昨年の自民党総裁選で広範な国民レベルの「令和版所得倍増計画」を口にしてかつての自民党主流・宏池会の伝統復活かと思わせた岸田氏の構想のあからさまな後退に、物悲しさすら漂う。>
(
「古い資本主義」へ逆戻り、岸田首相にはがっかりだ - 小此木潔|論座 - 朝日新聞社の言論サイト(小此木潔 ジャーナリスト、元上智大学教授 2022年05月16日)より)
上記だけ読んでもわかりづらいのですが、「所得の倍増」と「資産得の倍増」では大きく意味合いが異なるというのが問題。うちでは、投資関連の話も多数やっています。そちらで書いているように、投資はリスク分散させる必要があるなどの理由で、基本的にお金持ち向きで庶民には向かないのです。
<講演の内容は「新しい資本主義」の説明が大半を占めた。その中で首相は「貯蓄から投資」への転換が重要な課題であるとし、「日本の個人金融資産は2000兆円と言われていますが、その半分以上が預金・現金で保有されています。この結果、この10年間で米国では家計金融資産が3倍、英国では2.3倍になりましたが、日本では1.4倍にしかなっていません」と述べた。そのうえで「貯蓄から投資へのシフトを大胆・抜本的に進め、投資による資産所得倍増を実現いたします」と述べた>
<株式配当などから得られる資産所得を増やすための手段としては、少額投資非課税制度(NISA)の抜本的拡充や、国民の預貯金を資産運用に誘導する新たな仕組みの創設など政策を総動員し、資産所得倍増プランを進めていく考えを示した。
NISAはもともと英国の個人貯蓄制度(ISA)をモデルにしたもので、株式や投資信託の売却益や配当に一定額まで税金がかからない。それを抜本的に拡充すれば、貯蓄や投資に回すお金が十分にある富裕層を優遇する政策になりがちだ>
また、そもそも資産は所得以上に格差が大きくなることがわかっているもの。このため、資産重視政策をとると、格差拡大に繋がりやすい可能性があります。あと、投資は下手すると人生が終わるリスクがあるために、うちではいつも勧めていません。だからこそ金持ち向きなわけですが、なくなっても問題ない金額の投資に留めておきましょう。
●多額の税金使い統一教会問題の安倍元首相の国葬 法的根拠もない
2022/09/02追記:安倍元首相の国葬は、暗殺という特殊な状況から国葬を求める声が出るのは理解できなくもありません。ただ、これは「統一教会問題などがなければ」という話。問題の多さが歴代首相で最悪級である上に、統一教会問題で日本人に多くの被害をもたらした人を国葬にするというのは、全く筋が通りません。統一教会信者も喜ばせる決定でしょう。
また、安倍元首相と全く違い、清廉で功績がある首相であったとしても、問題があるんですよ。税金を多数使う上に、法的根拠がないためです。やるのなら、統一教会問題をまず徹底調査し、その上できちんと説明して法律を作ってからやるべきでしょう。問題を隠したまま反対が多い国民の声を無視して強行するのはめちゃくちゃです。
「国葬を行うには、大きな費用がかかるんです。財政の支出権限は国会にあるんですから、国葬をしたいならまず、国会で議論して決議すべきです。自民党葬に政府が協力するというあいまいな方法はありうるとしても、国葬とするには根拠法令がないから本来できないと思います」(慶応大名誉教授(憲法学)の小林節さん)
<以前あった「国葬令」は、1947年に廃止されている>
「法律がないなら、1回限りのことであっても、国会の決議を取らないと憲法上、筋が通らないと思います」(小林さん)
「(引用者注:政府が法的根拠とする)内閣府設置法4条3項33号は、皇室典範(法律)25条で決まっている国葬などの儀式を内閣が執行する規定であって、内閣が元首相の国葬という新しい儀式類型を創出して良いという規定ではありません。だから、今回の閣議決定は明らかに違憲です」(小林さん)
(
安倍晋三元首相の「国葬」に疑問 法学者「閣議決定は明らかに違憲。国葬の私物化」と指摘〈dot.〉 | AERA dot. (アエラドット) 2022/07/27より)
<成蹊大学(引用者注:ちなみに安倍元首相の出身大学です)の武田真一郎教授(行政法)は「内閣府設置法は国の儀式を所掌事務だとしているだけで、国葬の実施を決定する根拠法とは言えない」と反論する。財務省設置法で国税庁の所掌が「国税に関する事務」と定められているからといって、実際に課税するには別に税法が必要になるのと同じだという。
その上で「国葬が国の税金を使い、国民全体で弔う趣旨なら、閣議決定による政府の一存で決めるのではなく、国会が賛否両論を議論して決定すべきだ」と強調した>
(
安倍元首相の国葬「行政の権限で可能」は本当? 実は法的根拠あいまい「国会で賛否両論議論を」:東京新聞 TOKYO Webより)
政府が法的根拠とする「内閣府設置法4条3項33号は皇室典範25条で決まっている国葬などの儀式を内閣が執行する規定」と聞くと、安倍元首相を皇族と同等とみなしているの?と疑いたくなります。そもそも安倍元首相に近い人たちは、安倍元首相の方が天皇より偉いという認識っぽかったですしね…。
(関連:
八木秀次教授、安倍政権の憲法改正に逆らう天皇陛下を批判していた)
●安倍元首相の国葬で「国民の黙祷」を事実上の強制?検討と回答
2022/09/07追記:安倍元首相が撃たれたと聞いたとき、美化されてカリスマ化されるおそれがあるな…と感じました。統一教会問題で日本人を虐げていたことが判明したため、単純なカリスマ化は免れたものの、依然として安倍信者は多いためこの流れは続行。さらに「国葬」というのも、美化の流れを大きく推進するものです。
加えて、さらなる美化の話も判明。『時事通信』によると、野党の質問主意書への答弁書で、政府は安倍元首相の国葬について「企業や学校などに対し弔旗掲揚や葬儀時間中の黙とうを要請するかどうか、葬儀の在り方は現在検討しているところ」と回答。つまり、黙とう要請を検討していたことが判明します。独裁国家みたいで恥ずかしいですね。
《弔意を強制するものではない、とか最初言ってなかった?》
《普通に弔意を強制しとるやないか》
《まず国葬反対だし、弔旗掲揚や黙とうを要請するかどうかについてなど諸個人の弔意の在り方を政府が国民に強制したり指図するな》
(
安倍元首相の国葬で「国民の黙祷」を検討中の政府に「強制するな」と拒否反応続出 | 女性自身 2022/08/18より)
●「把握限界」岸田首相が安倍元首相と統一教会との関係を隠蔽
2022/09/11追記:岸田首相は安倍元首相の国葬を行うことを決定。歴代首相は国葬になっておらず、特別なもので、税金負担も莫大。統一教会問題などで日本人を苦しめてきた人を、特別に国葬にするという妙なことになってしまいました。統一教会関係者の方も最も応援してきた政治家が国葬になり、お喜びでしょう。
そもそもが無理筋ではありますが、今すぐ国葬を執り行う必要はないため、国葬にするとすればいくつかの手順を踏むのが妥当。まず、安倍元首相を含めた自民党と統一教会との関係や、統一教会の社会的な問題を徹底調査。また、国葬の法的根拠がないため、国会で正々堂々と議論して法制化することも必要です。
ただ、岸田首相はこれらの都合の悪い話を全部すっ飛ばして国葬を強行。丁寧に説明すると言いつつ説明せずに強引に…ってのは、安倍元首相とそっくり。安倍元首相と統一教会との関係についても「亡くなったから実態把握は限界」と逃げる気満々。死亡したから調べないってのは、他の事件ではあり得ないことです。
<9月8日午後、安倍晋三元首相の国葬に関する衆院議院運営委員会の閉会中審査がおこなわれ、岸田文雄首相は安倍氏と旧統一教会(世界平和統一家庭連合)との関係に言及。「本人が亡くなられた時点において、その実態を十分に把握することは限界がある」と答弁した。
「岸田首相は8月31日の記者会見でも、『安倍(元)総理がどのような関係を持っておられたのか、このことについては、ご本人が亡くなられた今、十分に把握するということについては、限界があるのではないかと思っています』と述べています。
岸田首相は旧統一教会についても、国葬についても、『丁寧な説明を』と繰り返しているだけに、今回の『限界がある』という発言は《あまりに逃げ腰すぎる》と大きな批判を呼んでいます」(政治ジャーナリスト)>
(逃げ続ける岸田首相に国民の怒り爆発! 旧統一教会問題の「実態把握に限界」発言に「それでも国葬やるつもり?」22/9/9(金) 19:11配信 SmartFLASHより)
https://news.yahoo.co.jp/articles/4013a0d5d5496fbf3f51f8751604dcc5a5ddc108
●存命なら無理、むしろ今だから可能 五輪賄賂調査もそれで進展?
なるほど…と思ったのは、「安倍元首相が亡くなったから調査できない」ではなく、全く逆に「むしろ安倍元首相が亡くなったから調査できる」のではないか?と言われていたこと。確かに安倍元首相が存命なら、調査は妨害されたり、忖度されたりして今やるより困難なものになったでしょう。
そういえば、ひどすぎる五輪賄賂問題も安倍元首相が亡くなったせいで今調査が進んでいるとの指摘が出ています。そう考えると、安倍元首相は本当に日本に大きな損害を与えてきた方だというのがわかりますね。で、その最も悪い首相を特別扱いして国葬…なのですから、あまりにもめちゃくちゃな話です。
<《岸田さんって死人に口なしで逃げ切れると思ってるんかな?? 人を甘く見過ぎ》《「死人に口なし」を利用するのは卑怯だよ、岸田さん。》といった批判があがる一方、「今だから調査できる」という意見が相次いだ。
安倍氏の事務所には記録が残っているはずだし、スタッフなど生きている「証人」も多いだろう。さらに本人が生前も虚偽答弁を繰り返し、森友学園、加計学園、「桜を見る会」問題などの調査が行われてこなかったからだ。
《逆だろ! ご本人が亡くなられているからこそ、統一教会との関係が把握できる。生きていれば絶対に解明なんて不可能だ。》
《本人が亡くなっているからこそ調査ができるのだ。生きていたら全力で妨害する。そもそも安倍晋三を恐れて調査できないだろう。》
《安倍晋三が死んだから調査ができない、と繰り返す岸田。むしろ生きてた時より調査できるんだよ! 生きてたら必ず隠蔽工作しまくるからね!》
《安倍氏が生きていてもごまかすかウソしか言わないのだから実態把握の難易度に差は無いと思うが。むしろ検察に圧力かけるので生きているほうが難易度が高いか。》>
(岸田首相の「限界ある」答弁に批判殺到! 旧統一教会と安倍氏の関係「今だから調査できる」の声 22/9/9(金) 15:52配信 日刊ゲンダイDIGITALより)
https://news.yahoo.co.jp/articles/894336a494f4a297729197e2c7a1e51ea2238d6e
●時間が経つほど国葬反対が増加 右派世論調査でも過半数評価せず
2022/09/12追記:<読売世論調査でも国葬「評価せず」が56%…説明不足の岸田首相は火だるまに>(22/9/5(月) 16:12配信 SmartFLASH>によると、<8月20・21日に毎日新聞と社会調査研究センターが実施した全国世論調査では「反対」53%、8月27・28日に朝日新聞が実施した全国世論調査での「反対」50%>でした。
ただ、国葬反対の声は時間が経つほど増える傾向が見えています。上記調査の後の9月2~4日、読売新聞社が実施した全国世論調査でも、安倍晋三元首相の国葬を実施することに、「評価しない」が56%(前回調査46%)で、「評価する」の38%(前回49%)と過半数を突破。以前の読売新聞の調査結果から逆転したといいます。
新聞社の世論調査は、読者限定ではない無作為抽出など他の調査よりも信頼性が高いやり方。ただし、右派の産経新聞などの世論調査では不正が判明。同じ右派の読売では内閣支持率を上げやすい質問の仕方もしています。ただ、その読売新聞調査ですら「評価しない」が多数なのですから、逆に反対の強さを感じさせます。
●国葬費用2.5億円のはずが16億円に増加 それでもまだ隠蔽の可能性
国葬の問題点のひとつは多額の費用。当初の説明は2億5000万円だったのですが、その後、16億6000万円に増加し、この時点で少なく見せていたことが確実。賄賂問題の東京五輪で後から費用がどんどん増えていったのと同じで、まだ安く見積もっている可能性があり、前述のSmartFLASHは100億円という数字も出していました。
なお、費用への批判に対して、支持者から「こうやって警備費用に批判が出るから安倍元首相暗殺が起きるんだ」との反論が出ていたもののこれはミスリード。暗殺が起きた根本原因は霊感商法の統一教会と親密だったためですし、費用は国葬ゆえのものが多いのでそもそも国葬をしなければ済む話。論点ずらしに必死なようです。
<安倍元総理大臣の「国葬」にかかる全体の費用の概算について、政府は、今年度予算の予備費から支出を決めているおよそ2億5000万円に、警備費や外国要人の接遇費など14億円余りを加え、総額で16億6000万円程度となる見通しを示しました>
(安倍元首相「国葬」費用 総額16億6000万円程度の概算公表 政府 2022年9月6日 19時31分 NHKより)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220906/k10013805221000.html
<『週刊ポスト』は過去のデータや専門家の検証をもとに、「本当の費用」を試算した。(中略)
昭和天皇の「大喪の礼」も当時の警備費用は約24億円だった。動員されるのは警察官だけではない。前述の『故吉田茂国葬儀記録』には、〈遺骨が正面玄関に到着と同時に、自衛隊員により十九発の弔砲が発砲され、玄関で待機の儀仗隊は、「捧げ銃」の敬礼を行うとともに音楽隊は、奏楽を行うこと〉とある。
「吉田茂氏の国葬には儀仗隊など1400人を超える自衛隊員が参加した。今回も同様で、他に消防からも200人程度の応援があるでしょう」(濱氏)
その費用も加算すると警備だけで約26億円はかかるとみられる>
(安倍晋三・元首相の国葬「費用2.5億円」の嘘 警備だけで約26億円の試算 22/8/30(火) 7:15 マネーポストより)
https://news.yahoo.co.jp/articles/4aeb1e49f834c09956fdc63284fda22f25f01530
<「要した経費については国葬後に精査してお示ししたい」──。安倍元首相の国葬をめぐり、松野官房長官が30日の会見でこう言い放った。岸田政権は実施経費として2.5億円の支出を決定。この中に含まれていない海外要人の「警備費」や日本滞在に伴う「接遇費」などは事後報告で済ませるつもりらしい。案の定、野党からは「すし屋の時価か」との批判が噴出>(引用者注:上記にあるように、こうした批判があったためか、後に16億円という数字を提示。ただ、まだかなり安く提示している可能性があります)
「閣議で支出を決める前、官邸が各省庁から国葬にかかる諸経費を聞いて全体経費を積み上げたところ、数十億円に上ったといいます。ただでさえ、実施反対の声が多い中、『この数字は出せない』と慌てた官邸は、全体経費ではなく、会場設営費や使用料、送迎代などの一部経費を合わせて2.5億円という数字を出した。これ以上、反対世論を大きくしないように、全体の見積もりを公表せずに“隠蔽”しているのです」(官邸事情通)
<「即位の礼」の際、外務省は19年度の当初予算に「接遇等に必要な経費」として約48億円を計上。滞在費だけでも約35億円に上った。安倍国葬も通知した国の規模を踏まえると、来日する海外要人は同レベルの数が見込まれる。
警備費が最大35億円、海外要人の滞在費が「即位の礼」と同規模だとすると、国葬の実施経費は、ざっと見積もって最大70億円に膨れ上がる。実に政府発表の28倍だ>
(安倍元首相の国葬に消える血税は最大70億円! 岸田政権がヒタ隠す“本当の費用”を試算 22/8/31(水) 13:50配信 日刊ゲンダイDIGITALより)
https://news.yahoo.co.jp/articles/e9816c76e3c1b2dd9c5a016da776396c42800372
2022/09/16追記:前回書き忘れたのですが、後から国葬に関する費用の総額が、16憶円程度になると発表したことについて、<国葬費6.6倍に「姑息」批判も 岸田首相「丁寧な説明」強調 総額「16億6000万円」>(2022年9月6日 FNN)という記事も出ていました。安倍元首相との近さも指摘されていたフジテレビの記事です。
<明らかにされた16億6,000万円程度という総額を野党側は疑問視している。
立憲民主党・安住国対委員長「2.5億円と言い張っていたのが、結果、16億5,000万円。つまり6.6倍に跳ね上がりましたが、これで本当にファイナルアンサーとは思いませんので」
33年前、3万人規模の警備態勢が敷かれた昭和天皇の「大喪の礼」では、およそ24億円の警備費がかかった。(中略)
閣僚経験者「別にこの数字がウソってわけではないけど、今考えられる最小限に抑えた数字という感じ」(中略)
立憲民主党・安住国対委員長「はっきり言って、反対が強いから、できるだけ税金はかからないように、(金額を)小さく見せかけようという姑息(こそく)なやり方に見えて仕方ありません」>
https://news.livedoor.com/article/detail/22805385/
●岸田首相の国葬強行、安倍元首相支持者からの支持を得るため?
2022/09/16追記:岸田首相の国葬強行ですが、このページでもともと書いていた「リベラル批判」と関係しているんじゃないかと思っていたんですよね。リベラルと批判され、統一教会系の右翼からの支持が弱いからこそ、彼らが崇拝する安倍元首相を国葬にして点数稼ぎにしようという、国民不在の理由です。
検索してみると、同様のことを考えている人は多数いる模様。例えば、<安倍元首相“国葬”に基準ナシ――岸田首相が決断ナゼ? 4つの理由も…自民議員「保守層取り込み」「真の後継者と印象付ける」>(22/7/21(木) 11:25配信 日テレNEWS)では、タイトルにも「保守層取り込み」が入っていました。
小栗委員
「岸田首相は非常に強い思いを持っていて、最後は首相が決断したようです」
「表向きは、『憲政史上最長の8年8か月にわたって首相の重責を担ったこと』『内政や外交で大きな実績を残した』『国際社会からの高い評価』『蛮行による死去に国内外から哀悼の意』の4つの理由を挙げていますが、別の見方もあります」
「ある自民党議員は『国葬を求める保守層との対立は避け、取り込みを図った方が今後の政策を進めやすいと考えたのだろう』と話すほか、『国葬に合わせて来日する海外の首脳と会談し、岸田首相が真の後継者と印象づけるメリットもある』と指摘する声もあります」
https://news.yahoo.co.jp/articles/2dd4aae2ba1d637df56ff8063615c37674a82eca
一方で、岸田首相の無責任さを表すような
岸田首相「国葬をやるなんて、誰が言いだしたんだ」と嘆く! 国民の批判から逃げた“証拠文書”を入手(2022.09.06 06:00FLASH編集部)という記事も出ています。ここでは、まず本当の発案者は麻生太郎さん(ちなみに彼も統一教会と関係)という話が出ていました。この報道ついては、後に岸田首相が火消ししています。
無派閥の自民党議員「安倍さんが亡くなった直後は、内閣と自民党の合同葬を開く方向で話が進んでいました。それを巻き戻したのが麻生太郎副総裁で、“保守派が騒ぎだすから”と、岸田さんに3回も電話をしたそうです。最後は『これは理屈じゃねんだよ』と、強い口調だったといいます。国葬実施の方針が決まったのは、7月14日の会見の1時間前でした」
一方、タイトルになっていた<岸田首相「国葬をやるなんて、誰が言いだしたんだ」と嘆く!>については、「国葬をやるなんて、誰が言いだしたんだ」と<岸田首相が自身の“決断”を後悔し、そう嘆いたというのは、複数の内閣府関係者が目撃した周知の事実だ>とのこと。こちらも身内からの情報とされています。
●国葬はお仲間への利益誘導もできて一石二鳥?自民党御用達が受注
2022/09/20追記:新型コロナウイルス問題の対策ですら、実際の効果そっちのけで利益誘導して税金の無駄遣いばかりしていた自民党ですので、当然、国葬もお仲間への利益誘導の疑いを持たれます。当初、国葬は五輪賄賂問題の電通がやると噂されており、「巨大イベントは電通以外できない」というこれを肯定した支持者からの擁護が出ていました。
この電通の関わりは結局どうなったのかはわからないんですけど、実際に関連業務の受注が報じられているのは別の会社。企画・演出の業務について、東京都江東区のイベント会社「ムラヤマ」が1億7600万円で落札したとのこと。ところが、この会社がまた自民党系・右派系なんだそうです。
<入札したのはこの1社だけで、ムラヤマは2014年から5回にわたり、「桜を見る会」の会場設営業務を落札している。さらに、2017年から2019年の「桜を見る会」では、同社が入札前に内閣府と打ち合わせしていたことが発覚し、批判を浴びるなどの “いわくつき” だ>
「もうひとつ、“いわく” がありますよ。この会社は2022年3月22日に日本テレビホールディングスに買収されているんです」(経済記者)
安倍元首相の国葬が「24時間テレビ」的 “お涙ちょうだい” 演出の可能性…落札した「ムラヤマ」は日本テレビHD100%子会社と判明 | Smart FLASH/スマフラ[光文社週刊誌](2022.09.02 22:15FLASH編集部)によると、ムラヤマは、中曽根康弘元首相の『内閣・自民党合同葬』などをやっている「まさに自民党の御用達」。自民党合同葬なら勝手にすりゃいいんですが、今回は税金由来ですからね。
親会社の日本テレビは右派読売新聞系。番組はある程度自由にやってはいるものの、政治部に安倍首相のお気に入りでセクハラ問題のあった青山和弘さんがいたなど、近さはあります。以前の氏家斎一郎会長も自民党と近い人でした。ネットでは、《読売グループは電通とも深いつながりだし、ある意味自民党御用達かな?》という感想もあったそうです。
●国葬決定は違憲?憲法審査会が見解 イギリスも国会の議決必須
2022/09/25追記:
憲法審査会 | ねほりはほり聞いて!政治のことば | NHK政治マガジンによると、憲法審査会というのは、国会議員で構成する憲法に関わる議論などを行う組織。現在国会で多いのは自民党の議員なので、当然ながら衆院憲法審査会も自民党議員が多数を占めています。
国葬決定「国会関与求められる」衆院法制局などが見解 直前になって自民党内からも批判の声:東京新聞 TOKYO Webなどによると、この衆院憲法審査会事務局と法律の専門家である衆院法制局が、国葬実施を内閣の一存で閣議決定した岸田政権の判断について、憲法の趣旨を踏まえ「国会関与が求められている」との見解を示しました。
<「(国葬実施の)意思決定過程に国会(与党及び野党)が『関与』することが求められていると言えるのではないか」
衆院法制局と衆院憲法審査会事務局は先月、こうした見解を一つの論点としたメモを共同で作成し、野党の会合で示した。
根拠は憲法だ。メモでは行政権は内閣にあるとしても、国会は①国権の最高機関、②全国民を代表する国会議員で組織—と定め、③内閣は行政権の行使で国会に責任を負うとしている、などと指摘。国葬実施の判断が恣意的にならないためにも、国民の合意を得る手続きとして国会関与の必要があるとした>
最近エリザベス女王の国葬を行ったばかりのイギリスの場合、国王以外の国葬では国会の議決を必須としています。日本大の松本佐保教授(国際政治)は「英国では理解を得ぬまま国葬を行えば国民が反発し、国の不安定化につながるとの考えが強いため、基本的に議会の決定を求めている」と説明していました。
岸田政権のやり方は憲法が定めた三権分立の趣旨にも反して、独裁的だと言えるでしょう。なお、岸田首相は国葬の思惑のひとつとして「安倍元首相の正統後継者」のアピールもあったとされています。こうした独裁的な政治は安倍政権の十八番だったので、安倍元首相の正統後継者らしさはよく伝わる決定でした。
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