2013/6/3:
●俺のフレンチ・俺のイタリアンは前代未聞な立ち食いメイン
●利益を低くして高原価率、格安でミシュラン級料理を味わえる
●立ち食いメインで回転率高く…門外漢の発想が革命を生んだ
●原材料費と人件費は湯水のごとく使って!シェフにも高水準の報酬
2019/05/24:
●一流シェフを引き抜いた「俺のフレンチ」の誘い文句とはなにか?
●俺のシリーズが増加、「俺の揚子江」「おでん 俺のだし」など
●俺のフレンチ・俺のイタリアンは前代未聞な立ち食いメイン
2013/6/3:ビジネスの革新者というのは、往々にして門外漢であることがあります。ブックオフ創業者が作ったという「俺のフレンチ」「俺のイタリアン」というのも、そういった素人の発想によって成功したようでした。
銀座・新橋を拠点に、「俺のフレンチ」や「俺のイタリアン」など15店舗を展開する、その名も「俺の株式会社」。名前がまずユニークですね。
「俺のフレンチ」「俺のイタリアン」は、2012年末の日経MJヒット商品番付(前頭十一枚目)にもランクインするほどの話題を呼んだそうです。予約は1ヵ月前から受付け開始となるが、電話が繋がらないことでつとに知られているとのこと。
ただ、ユニークなのは店名だけではなく、むしろ注目すべきなのは、「立ち飲みがメイン」というスタイルだということです。そもそも立ち食いが珍しいのに、フレンチやイタリアンで立ち食いってのは、本当に前代未聞じゃないでしょうか。
(
ブックオフ創業者がミシュラン料理を格安で提供!?「俺のフレンチ」「俺のイタリアン」は外食の革命児 2013年4月18日 田島 薫より)
●利益を低くして高原価率、格安でミシュラン級料理を味わえる
さらに、一方で料理はものすごい高級だというのが特徴。
<オープンキッチンで腕をふるうのは、星付きのグランメゾンから集まった超一級のシェフたちだ。イタリア・ミラノにあるミシュランの三つ星レストラン「アンティカ・オステリア・デル・ポンテ」で修業を積んだ山浦シェフや、「ラトリエ・ドゥ・ジョエル・ロブション」の大渕・元シェフ、「シェ松尾」の能勢・元料理長らが華やかに競演する>
ただし、高級店の3分の1程度の価格帯で、客単価も3000円台と破格。ミシュラン級なのに安くなっています。食材費のうち原価率は25~30%とされるが、「俺の」の場合は驚くべきことに40~60%という高水準。利益を低く設定して安くしているんですね。
●立ち食いメインで回転率高く…門外漢の発想が革命を生んだ
ただ、立ち食いというのももちろん安さの理由でしょう。立ち食いメインであることが、ある程度設備面でコストカットできているかもしれませんが、この安さで提供できる一番の理由は回転率のようです。1日2回転でほぼ収支は合う計算なのに、4回転に達する店もあるといいます。立ち食いだと長居しづらいってのもありそうですね。
安いお店は悪いものを提供しているという思い込みが人間にはあるのですけど、このように1回のサービスの利益率を低くすることで、逆に全体の利益率を高くすることが可能になります。
最初に言ったようにこういった異色のレストランを作ったのは、門外漢でした。仕掛け人であり、「俺の株式会社」の指揮を執るのは、ブックオフの創業者・坂本孝さん。人気店100店以上を徹底リサーチし、ようやく「立ち飲み屋」と「ミシュラン」のコラボという業態に辿り着いたとされていました。
記事では、"いわば「素人」「よそ者」ならではの、常識に囚われない考え方が奏功し、支持を集めたのだ"としていました。
●原材料費と人件費は湯水のごとく使って!シェフにも高水準の報酬
おもしろいのは、シェフが薄給じゃないということ。これも同じく最終的な利益を出しているからでしょう。人材の確保については、引き抜きではなく、人材紹介会社を通じて人選を行い、高水準の報酬を設定しています。
また、支配人とシェフには食材選びからメニュー、値段、サービス、オペレーションの全てを委ねているともありました。系列店でも結構違うってことがあるんですかね。これは、士気を高め、店舗間を競わせることで、より競争力のある店舗運営へと高めていくという効果だそうです。
坂本孝さんは、「いい食材を惜しみなく使い、原材料費と人件費は湯水のごとく使ってほしい」と常にシェフたちに指示していると書かれていました。
●一流シェフを引き抜いた「俺のフレンチ」の誘い文句とはなにか?
2019/05/24:立ち食いとしては、最近、いきなり!ステーキが話題です。
売上11カ月連続のマイナス いきなり!ステーキはなぜ不人気に?で書いているように、ちょっとブームは去った可能性がありますけどね。
俺のフレンチについては、その後話題がなく、今記事を探しても新しいものはあまり出てきません。最初の記事の頃と変わらず、店舗を銀座地区に集中させているがために話題になりづらいのかもしれません。
とりあえず、新しい記事としては、
俺のフレンチ 回転で支える高級品質 :日本経済新聞(2018/8/29付)を見つけました。中身にほとんど新しい話はありませんが、一流のシェフを引き抜くための誘い文句が「好きな食材を好きなだけ使っていい」との説明でした。(最初の記事によると、引き抜きはやっていないとのことでしたから、引き抜きじゃなくて採用面接の際の誘い文句かもしれません)
●俺のシリーズが増加、「俺の揚子江」「おでん 俺のだし」など
あと、"「俺の〇〇」は様々な展開を見せている"、"現在は立ち食いスタイルだけでなく、着席の店舗も展開している"といった話もあったので、Wikipedia見るといろいろと増えていましたわ。
・俺のイタリアン
・俺のフレンチ
・俺のスパニッシュ
・俺の焼肉屋
・俺の焼き鳥
・俺の割烹
・俺のそば
・おでん 俺のだし
・俺の揚子江
・俺のBakery&Cafe
「俺の揚子江」って異色ですね。検索してみると、やはり中華料理でした。ひねってきましたね。ただ、ひねりすぎたせいかは知りませんがすでに閉店。一方で、
オフィシャルのラインナップ見てみると、「俺のGrill」「俺のうなぎ」というのが増えていました。
あと、サイトの見出しで「店舗情報」などと並んで「俺のこだわり」というところがあって笑いました。先程名前を出したいきなりステーキのサイトを見てみると、単に「こだわり」といった項目名。俺の株式会社だからこそですね。
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