お茶の話をまとめ。<20年で10倍になった緑茶輸出…しかし輸出最大は明治時代?>、<健康ブームで緑茶の輸出量が急増 日本茶が世界を獲る?>などをまとめています。
2023/10/16:
一部見直し
●20年で10倍になった緑茶輸出…しかし輸出最大は明治時代?
2013/6/10:
日本茶が世界を攻略 健康ブーム追い風(編集委員 田中陽 2013/6/2 7:00 日経新聞)によると、緑茶の輸出量の急増しているとのこと。1990年に283トンだったものが2012年には2351トンに10倍近くにまで増加。非常に増えています。
ただ、衝撃的な事実も発覚。そもそも明治時代の1891年の輸出量は2万1000トンもあったのだそうです。当時、日本の輸出産品の中でお茶は生糸に次いで2番目でした。明治時代の方が多かったんですね。記事では、これを「お茶の潜在力の高さがわかる」としていました。
2019/07/19:以上のように書いていたのですけど、
日本茶輸出促進協議会 日本茶輸出動向によると、「当時は、政府による生産統計情報事業がなく、茶の生産量を上回るような輸出量が計上された時期もあります」とのこと。つまり、統計が不正確だった模様です。
ただし、「国内の茶を総浚えして輸出に回していたことは確かなようです」ともありました。輸出が今よりずっと多かったことは間違いないであろうというのが、第二次大戦で激減した後の戦後でも最盛期には15,000トンを超える輸出がされたということ。昔の方がすごかったのです。
ところが、中国茶の進出、円高により、日本茶は、国内の需要増もあって、急速に輸出量を減少していったといいます。この円高というのは、最近の円高ではなく、日米貿易摩擦の頃の猛烈な円高のことですかね。このページでは、時期については明記されていませんでした。
●健康ブームで緑茶の輸出量が急増 日本茶が世界を獲る?
2013/6/10:日本茶の輸出有望性についてですが、先の日経新聞記事では、現代において、お茶に有利と思われるデータもあるとしていました。ザ コカ・コーラ カンパニーによる、コーラなどの炭酸系飲料とお茶やコーヒーなどの非炭酸系飲料の消費動向のデータです。
2013年第1四半期の全世界の炭酸系の売上高の前年同期比伸び率は3%だったのに対して非炭酸系は6%。平均年齢が若い新興国では炭酸系を好む傾向にある一方で、成熟した国や地域では非炭酸系が好まれるといいます。
新興国ではなくて、市場規模の大きいアメリカもそういった傾向かと思いきや、雨以下の場合は、非炭酸飲料の約9割が加糖だとのこと。しかし、アメリカでも今後、健康志向を背景に無糖の飲料の割合が高まることが予想されているとのこと。非炭酸飲料で無糖のお茶も有望であろうという予測です。
こうした健康ブームは日本の食べ物に追い風だと考えられます。科学的根拠のない思い込みですが、日本のものは何でもヘルシーに見えるらしく、
日本ラーメン、イギリスはロンドンでブーム 健康的(?)と人気でやったようにラーメンですら健康的だと言いだす人も。普段何食ってるんだよ?という話ですね。
ドイツでは、お茶をたてて、静かな時間を過ごす人たちも。飲むだけではなくて、もはや茶道の領域であり、「日本人以上にお茶を知ろうとする人たちに驚かされた」と記事では書きます。
●お茶の生産農家が苦言「日本人ももっとお茶を飲んで」
その日本人についての話も少し。霧島市のお茶の生産農家の蔵園和寛さんは、鹿児島のお茶が世界に羽ばたくことについて率直に「うれしいこと」と語っていた一方で、「日本でももっとお茶を飲んでもらわないと」と付け加えていました。
記事では、確かに、ペットボトルのお茶を飲むことが増えた一方、日常生活の中で湯飲み茶わんで飲むことは本当に少なくなったと指摘。昔のテレビドラマで多かった朝、職場の机に座って熱いお茶を飲むシーンはほとんどなくなったと嘆いています。
ただ、冷たいお茶は画期的な発明で、むしろ日本茶市場を広げたものだと考えるべきでしょう。あれが無ければ、日本茶はかなり衰退していたと考えられるためです。昔ながら…も良いですが、そういったものはほとんどが消えていくもの。長く続いていくには変化が必要なことがほとんどです。
もっと熱いお茶を飲んでもらうためにも一工夫、できれば画期的な発明か何かがないと、そうそう今の流れは変えられないものと思います。
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