生態系・自然に関する話をまとめ。<鳥がいっぱいいると自然豊か…ではない むしろ植物は貧弱に…>、<アクセス不能のジャングルは、鳥がいなくて虫のパラダイスになった>などをまとめています。
2023/07/29:
一部見直し
●鳥がいっぱいいると自然豊か…ではない むしろ植物は貧弱に…
2018/10/31:森林総合研究所の鳥類学者、川上和人さんによると、人が住んで、ネズミが入って、ミズナギドリの仲間がいなくなった北硫黄島の森林と南硫黄島の森林は、見た目からして全然違うとのこと。こう聞くと、人が住んでいる北硫黄島の森林は貧弱で、南硫黄島の森林は栄養豊かなように思えます。
この話を聞いた作者の川端裕人さんもそう予想しました。しかし、真実は逆。森林総合研究所の鳥類学者、川上和人さんは、「海鳥がいて島中で繁殖すると、あたりを踏み荒らして、地面は荒れた状態になるんです。森の中も林床の植物がまばらになります」とした上で、さらに以下のような説明をしていました。
「一方で、海鳥がいなくなると、栄養分は十分に蓄積されている状況で踏み荒らすやつらがいなくなって、植物がすごく育ちます。見た目としても、そっちのほうが豊かな森というふうに見えます。つまり、海鳥がいない方が豊かに見えちゃうってことなんです」
(
外来種の駆除を保全の目的にしてはならない理由:日経ビジネスオンライン 2018年4月7日 森林総合研究所 鳥類学 川上和人(3) 川端 裕人より)
●野鳥による生態系破壊もある理由 生態系はバランスが難しい
上記は、「うっそうとした森」の方が豊かであり、かつ、オリジナルだというふうに想定しがちだが、そうではないという話。なので、鳥いっぱいで豊かに見えない生態系が悪いという意味ではありません。ただ、鳥が少ないところで鳥を増やしすぎてしまうと、問題が起きることが予想されます。
また、一度鳥が減ってしまったところで増やす…といった場合であっても、細心の注意が必要かもしれません。記事では、何も考えずに外来種を駆除してしまうと、外来種がいる状態で保たれていた生態系が壊れて思わぬ問題が起きるといった話もありました。
外来種なら殺して良いと思いがちですけど、その外来種がすでにバランスの中に組み込まれている場合、さらなる乱れを誘発する可能性があるのでしょう。この考え方を応用すると、一度鳥が減ってしまったところで保たれていた生態系が、鳥が増えることによりバランスが取れなくなるということもありそう。生態系の復元というのは、かなり難しい仕事のようでした。
●アクセス不能のジャングルは、鳥がいなくて虫のパラダイスになった
外来種を駆除しようぜ!が悪い理由については、
外来種の駆除で在来種と生態系を守るどころかさらに問題に… 池の水ぜんぶ抜くでは魚「大量死」の方でもっと詳しく紹介しているので、こちらでは、別の話を。「鳥がいっぱいいると自然豊か…ではない」という話を読んで、前にやった
絶壁を登ったドイツの植民地部隊、住民にロープ切られて帰還不可能に アフリカ・モザンビークでの話を思い出したのです。
ここでは、まだ人類が足を踏み入れたことのないと思われる未開のジャングルを、アフリカ・モザンビークで発見したという話が出てきていました。124mの岩石隆起でできたリコ山と呼ばれる山の上にあり、山の頂上へ続く道もなく、そりたつ壁のような崖によってアクセス不能に見えるジャングルがあったのです。
そして、リコ山のジャングルの特徴というのが、鳥に関係するものでした。探検隊が行ってみると、普通のジャングルと違い、鳥がほとんどいないという変わった特徴がわかったのです。鳥がいないせいで、虫が多く、特にさまざまな種類のクモが生息していたとのこと。生態系に対する鳥の影響ってのは、このように大きなものなんですね。
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