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ワタミ渡邉美樹、29年考えてできた理念「365日24時間死ぬまで働け」


2013/6/12:
●渡邉美樹会長事務所「理念集は渡邉が29年考えて書いたもの」
●渡邉美樹氏が29年考えてできた理念「365日24時間死ぬまで働け」
●過労死や長時間労働などの是正勧告多数でも「死ぬまで働け」
●新入社員には「勤務時間は関係ない。仕事が終わるまでやれ」
2013/6/14:
●「365日24時間死ぬまで働け」、今では使われていない可能性は?
●愛があれば「365日24時間死ぬまで働け」は許される?体罰殺人との共通点
2020/11/29:
●渡邉美樹氏復活のワタミ、また残業代未払いや長時間労働で問題に
●「365日24時間働こう」「死ぬまで働け」、最近まで残っていた
●何かあるたびに思想教育 感想文も定期的に提出させられる
●演じているうちに洗脳されてしまう…ワタミの巧みな思想教育


●渡邉美樹会長事務所「理念集は渡邉が29年考えて書いたもの」

(読まれないワタミ関係の過去投稿が多すぎるのでまとめたいのですけど、とりあえずまず一度見直しています)

2013/6/12:ワタミの『理念集』には、どのようなことを書いているのか?というのを、週刊文春が紹介していました。理念を紹介されて問題があるというのことはあまりないと思うのですけど、これに関しては、渡邉美樹・ワタミ会長事務所は残念とした上で、この理念への思いを語っていました。

「渡辺が29年前に和民を創業して毎日社員のことを思いながら書いたものが、なぜ出てしまうのか、残念でなりません。本件に限らず、個別の社内規定や、社内発言、社内活動に対しては個別企業情報となるため、基本的にお応えは差し控えさせて頂いております」(後述の週刊文春ウェブ記事より)

 この29年前うんぬんってのは、たぶん「29年も一生懸命考えて作ったんだぞ」って意味でしょうね。週刊文春によれば、ワタミグループ全社員に配布される『理念集』という冊子の言葉だそうです。


●渡邉美樹氏が29年考えてできた理念「365日24時間死ぬまで働け」

 では、その渡邉美樹会長が29年間考えに考えてたどり着いたという、"社員のことを思いながら書いた"理念というものを見てみましょう。

<自民党公認で参院選に出馬する予定の渡辺美樹・ワタミ会長が、「365日24時間死ぬまで働け」、「出来ないと言わない」などと社員に呼びかけていることが週刊文春が入手したワタミの社内冊子からわかった。『理念集』と名付けられた冊子は、ワタミグループ全社員に配布され、渡辺氏が著書で「ワタミの仕事すべてに直結し、根底で支えている思想の原点」、「この理念集を否定したときは、君たちにこの会社を去ってもらう」としている重要文書だ>
(ワタミ社内文書入手渡辺美樹会長が「365日24時間死ぬまで働け」 | スクープ速報 - 週刊文春WEB 2013.06.05 18:00 文「週刊文春」編集部より)


 29年間"社員のことを思いながら書いた"理念が、「365日24時間死ぬまで働け」、「出来ないと言わない」ですって。この方はいったい29年間何を考えてきたのか?という内容です。ある意味すごいですね。


●過労死や長時間労働などの是正勧告多数でも「死ぬまで働け」

 特にワタミは過去に過労死事件を過去に起こしているという問題があります。

<ワタミでは2008年に入社3カ月の女性社員が1カ月141時間の時間外労働で抑うつ症状となり、飛び降り自殺。昨年2月に、過労による自殺として労災認定されている。
 また、自殺の翌年から昨年にかけて、時間外労働の上限時間を超えて従業員を働かせていたとして、労働基準監督署から10件の是正勧告を受けていることも明らかになっている>

 これらの問題によってワタミが反省したのであれば、理念集に「365日24時間死ぬまで働け」、「出来ないと言わない」といった言葉は載せないでしょう。細心の注意を払わねば、また同じような悲劇を起こすおそれがあるためです。


●新入社員には「勤務時間は関係ない。仕事が終わるまでやれ」

 さらに新人教育資料もすごいみたいですね。入社内定者に配布される人材開発部作成の『質疑応答』では、勤務時間について、以下のようにと記載されているそうです。

『「仕事は、成し遂げるもの」と思うならば、「勤務時間そのもの」に捉われることなく仕事をします。なぜなら、「成し遂げる」ことが「仕事の終わり」であり「所定時間働く」ことが「仕事の終わり」ではないから』

 渡邉美樹会長、自民党のブラック企業公表に賛成「ワタミは違う」で書いたように、ワタミには今でもサービス残業がある可能性は十分ありそうでした。

 上記の"「勤務時間そのもの」に捉われることなく仕事をします"なんかは、サービス残業を暗に推奨するもののようにも見えます。人の命を奪ってしまってもなお、まるで反省の様子が見られません。

 「週刊文春」では、「Mr.ブラック企業の渡辺氏に出馬要請した安倍(晋三)首相、公認した自民党の責任はあまりに重い」と書いているそうですけど、こうやって騒ぎになってしまうともうさすがに安倍晋三首相も折れるしかないんじゃないでしょうか。
(2020/03/20追記:と書いていましたが、ご存知の通り、そのまま出馬して無事当選されました)


●「365日24時間死ぬまで働け」、今では使われていない可能性は?

2013/6/14:その後、ワタミに死亡事故で賠償命令 渡辺美樹会長は遺族に「1億欲しいのか」(2013.06.12 18:01 「週刊文春」編集部)という記事が出ています。これについては、高齢者死亡でワタミ渡邉美樹会長、遺族に「1億欲しいのか」と暴言で書きました。

 ただ、この記事については、「365日24時間死ぬまで働け」につていの補足的な情報もありました。上記で、私が「ワタミは死者を出したときに変わらなければいけなかった」と書いたことについても絡む話です。

 私が週刊文春報道に否がある場合として、一番可能性が高いと思っていたのが、既に改定済みの古い理念集の文言を今でも使っているように書いた…というパターンです。もしそうであれば卑劣と言って良い報道の仕方でしょう。その点について、今回の記事では"社員の過労自殺が労災認定された後も理念集は改訂されず"と明記されていました。文言としては以下のようなものだそうです。

<365日24時間死ぬまで働け。これは本当の愛が背景にある時にのみ使える言葉である。
時代とはマッチしない言葉だが、10年後も20年後もこの言葉が飛び交う「ワタミ」でありたい>


●愛があれば「365日24時間死ぬまで働け」は許される?体罰殺人との共通点

 上記の内容なら「セーフ」と判断する人もいるかもしれません。しかし、私は以前の体罰問題で、体罰と企業のいじめ・パワハラには共通点が多いと書いたり、日本企業のブラック企業体質は体育科系文化の名残では?と書いたりしていますので、ワタミ理論にも体罰肯定論と似た危うさを感じています。

 体罰自殺事件は、愛があるから体罰は許されると言って体罰を許容した末に、人を殺してしまった事件です。そして、愛があるから「365日24時間死ぬまで働け」と言って良いとして、過労自殺を引き起こしてしまったのがワタミ。やはり同じ構図になっています。また、以前読んだ記事では、こういった過重労働は日本の「社員は家族」思想に問題の一端があると指摘していました。

 このようなことを続けていては、やがて第二の過労自殺という不幸な結果を招きかねませんので、通常ならこういった姿勢を見直すものです。でも、ワタミは見直さなかったんですね。やはり「ワタミには反省の色は見られない」と言って構わないと思います。

 そもそも高齢者死亡でワタミ渡邉美樹会長、遺族に「1億欲しいのか」と暴言な人に「愛」があるのか?って気もしますけどね…。


●渡邉美樹氏復活のワタミ、また残業代未払いや長時間労働で問題に

2020/11/29:渡邉美樹さんが自民党から戻ってきて復帰したワタミでは、2020年10月2日、「ワタミの宅食」営業所の所長が、労働基準監督署からの残業代未払いの是正勧告、月175時間を超える長時間労働、上司によるタイムカードの改ざんなどをしていたと判明しています。

 被害にあった方は、昼夜の感覚がなくなり、「このまま寝たら、もう目が覚めないのではないか」と恐怖を抱きながら生活するほどで、現在は、精神疾患を発症して休業することに。しかし、命の危険を感じていながら、過酷な仕事を続けてしまったのはなぜかというと、労働者の意識に働きかけ、過酷な労働を受け入れさせてしまう、ワタミによる「思想教育」のシステムがあった…とする記事がありました。

 なんと被害者は、ワタミの宅食の仕事に「誇り」を感じていたとのこと。「こんなにいい仕事をしているんだから、苦しくても頑張ろう」「苦しいことも、苦しくない。むしろ自分の力になる」と言い聞かせていたといいます。宗教的な感じですが、やりがい搾取型とも言えるでしょう。


●「365日24時間働こう」「死ぬまで働け」、最近まで残っていた

 仕事のやりがいと過酷な労働とは別の話であり、被害者も最初はそう思っていたとのこと。ただ、劣悪な労働条件は、冷静な考えを失わせるようになりました。これはブラック企業問題の他、貧困問題でも言われること。余裕がないと頭が十分に働かないんですね。加えて、ワタミの場合は「思想教育」があったとされていたのです。

 これを書いた記事は、ズバリ「365日24時間働こう」……ワタミの“思想教育”はいまも続いていた | 文春オンライン(今野 晴貴 2020/10/14)というタイトルでした。現在は批判を受けて、「死ぬまで働け」などの極端な表現は削除されているのですが、被害者が手渡されて、肌身離さず持っているよう言われた「理念集」(2016年度版)に削除されずに残っていたそうです。

〈私は、仕事はお金を得る為だけの手段とは考えていません。仕事とはその人の「生き方」そのものであり、「自己実現の唯一の手段」であると信じています。だから新卒のセミナーでも、時代遅れはなはだしいと言われつつ、「365日24時間働こう」と言うのです〉


●何かあるたびに思想教育 感想文も定期的に提出させられる

 さらに、客からの「ありがとう」という感謝のために働くことを奨励して、賃金のために働くことを批判し、ワタミの利益のために自分を犠牲にすることを正当化する内容が、随所に記されていました。これがワタミによるやりがい搾取的な思想教育であり、洗脳であり…なのでしょう。

〈私も会社説明会で、「仕事とは生きることそのものなんだ。仕事を、お金を得るための手段なんかにしてはいけないんだ。仕事を通して人間性を高めよう」と訴えています〉
〈ワタミタクショクの最大の商品は「人」と知れ。まごころさん(注:宅食の配達員)とは、お弁当に「心」を乗せて運び、「ありがとう」をいただく仕事をする人のこと。考え違いをして「お弁当」を運び「お金」をいただく仕事と思う人が出てこないことを祈る〉

 また、上司が注意する際には、「理念集の第×章をちゃんと読んだ?」と問われ、渡邉美樹氏の「思想」を十分に理解していないせいだと批判。毎月のカウンセリングがあり、理念集の元ネタでもある「社内報」の感想と、理念集の任意の箇所の感想を書かされていました。これに加えてレポートもあったといいます。


●演じているうちに洗脳されてしまう…ワタミの巧みな思想教育

 さらにこれで終わりでないというのが、すごいですね。人気テレビ番組「情熱大陸」のナレーターが起用されていて、渡邉美樹さんが毎回出演し、ワタミの事業の素晴らしさを説く「ビデオレター」の存在も重要。個人事業主であるはずの配達員までも、毎月ビデオレターを視聴して感想を書くことが契約に盛り込まれています。この感想提出には報酬もなくタダ働きです。

 ここで巧妙だったのは、配達員の感想にワタミに対する批判や仕事への不満などがある場合は、被害者である社員がその箇所に印をして、コメントを書き加えるようにと指示されていたということ。また、お手本として、配達員に見せるワタミ称賛コメントも書いていました。こうした場合、ワタミの思想を代弁しなくてはいけないため、次第にその思想に毒されていった…というしくみ。恐ろしい洗脳企業ですね。

 洗脳時に書かれていたコメントを本人があとで見ると、「気持ち悪いですね、いま読むと」というほど。スペースをはみ出るほどの分量と、異様なほどに高揚した表現で、ワタミの事業に対する絶賛と、ワタミで働かせてもらっていることの感謝が述べられています。当時はむしろワタミを熱烈に支持するような社員であったようです。


【関連投稿】
  ■渡邉美樹会長、ワタミ=ブラック企業を自ら証明 残業限度を超過
  ■ワタミはブラック企業じゃない 他はもっと酷い・残業30時間は甘え
  ■渡邉美樹を讃える(?)ワタミ感謝祭 社長へ感謝の手紙を読み上げるコーナーも
  ■ワタミの労働は本当にブラックなのか?日経新聞記者が企業に突撃
  ■ワタミ渡邉美樹自民党比例・朝日新聞捏造説は結局デマで正式決定
  ■企業・会社・組織についての投稿まとめ

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