Appendix

広告

Entries

論文・臨床研究の捏造大国日本 ノバルティスのディオバンだけじゃない


 サイト名はJBPRESSでいいのかな?ディオバン論文問題に関して、かなり長い気合の入った記事がありました。
起こるべくして起きた高血圧治療薬バルサルタン事件 徒然薬(第3回)~地に堕ちた日本発臨床研究への信頼
2013.06.10(月)  谷本 哲也 JBPRESS

 近年、日本の臨床研究に関する不祥事が相次いで明るみに出ている。2012年10月、東京大学の研究者によるiPS細胞の世界初の臨床応用詐称を、読売新聞が朝刊1面で大誤報した事件は記憶に新しいだろう。

 この事件は、英国のネイチャー(Nature)誌や米国のサイエンス(Science)誌といった海外の一流科学誌でも写真入りで度々大きく取り上げられ、ネイチャー誌の巻頭論説で「Bad Press」と題して、日本メディアの報道姿勢そのものまで、名指しで批判されるという不名誉な事態を引き起こした。

 この事件の直前の2012年6月には、もう1つ日本発の研究不正の金字塔が打ち立てられている。元東邦大学の麻酔科医が、吐き気止めに関する臨床研究の捏造を長年にわたり繰り返していたことが発覚し、少なく見積もっても172本という膨大な医学論文が撤回されたというもので、その数の多さにおいては世界的な新記録と考えられている。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/37961

 この世界的な新記録は東邦大藤井善隆元准教授の全論文193本に不正・捏造の疑い、世界新記録か?の件です。
 これ以外にも、日本の医学研究者による著名医学誌での論文撤回事件は数々あり、2009年には世界最高峰の医学誌の1つ、ランセット(the Lancet)で昭和大学の研究者が、2010年にもがん臨床研究分野での一流誌JCO(米国の臨床腫瘍学雑誌)で埼玉医科大学の研究者が、不正行為で論文撤回事件を起こしている。

 これだけ連続して発覚していたとしても氷山の一角に過ぎないのだろう。2013年の上半期でメディアを最も賑わしている大型事件は、産学連携での臨床研究データ捏造が疑われている高血圧治療薬バルサルタンの問題だ。

 日本が特にひどい……という批判は私も本当はしたくないんですけど、今までのシリーズでもちょこちょことそういう話が出ていました。

 そして、今回の記事はこれを前面に出しています。

 どうやら日本の悪さは実際に数値でも出ているようなのです。
国別のランキングでは、捏造またはその疑いに関しては米国、ドイツに続き、日本は第3位とされた。上述の昭和大学の論文は、最も引用された撤回論文ランキングの世界第4位(臨床医学分野では第1位)で、日本は臨床研究の捏造大国として立派に一角を占めていると海外から評されても不思議ではない状況となっている。

 これがより深刻なのは日本の論文数が少ない……つまり、捏造の確率が高いということです。

 以前、日本の論文数 数十カ国の調査で他国がすべて増える中、唯一減少の中でも日本の論文数の低下を紹介しましたが、単純な論文数で見ても、ダントツの米中の後、英独と続いて日本は5位です。
(中国の捏造が少ないというのは意外です。見つかっていないだけかもしれませんが)

 記事でも論文数の少なさは指摘されていました。(こちらは5位ではなく4位)
2013年3月に発表された文部科学省科学技術政策研究所の集計によれば、日本の臨床医学論文シェアは「低下の一途を辿っている」と報告されている。

 逆に躍進著しいのが中国と韓国だ。日本の臨床医学論文数国際ランキングでは、全論文数こそ米国(27.9%)、英国(6.8%)、ドイツ(6.0%)に次ぎ第4位(5.6%)に付けている(略)

 しかも、頭が痛いのが上記に続く部分です。
論文の質の高さを示すTop10%補正論文数では第8位、Top1%補正論文数では第10位に順位を下げている。

 論文は他の国と違って増えない、しかもレベルが低い、さらに捏造の確率まで高いということですから、これを嘆かずにいったい何を嘆いたらいいのかわからないといった状態になっています。

 悲しい話が次々出てきますけど、"実は承認当時の国内臨床試験(治験)もかなり杜撰なもの"だったそうです。
 海外に比べ新薬販売が大幅に遅れるドラッグラグ問題が薬事行政のくびきになっているため、治験の質に問題があったとしても規制当局から文句を言われる程度で許され、最終的には承認取得が認められてしまう場合が多々ある。

 このことは、製薬企業や臨床試験を実施する医療関係者にとって、「いいかげんなデータを出しても日本では見逃してもらえる」というメッセージになっている可能性がある。

 日本ダメだ論は本当嫌いなんですよ?でも、ダメだと認めなくちゃならなそうな話が次々出てきます。
 なお、医薬品の承認審査の過程において、米国FDA(食品医薬品局)では、製薬企業は治験の生データそのものを規制当局に提出し、FDA自らがその解析を行っているが、日本では性善説に基づいて製薬企業の統計担当者による解析済みの治験データを受け取って、規制当局がその評価を行う仕組みになっている。

 今回、製薬企業の統計担当者によるデータ不正疑惑が生じたことは、日本の医薬品の承認審査体制に禍根を残す可能性もある。


 ノバルティスはディオバン問題のノバルティス、米でも医師への報酬で訴訟にで書いたように、上記で捏造世界一だったアメリカでも今問題を起こしている真っ最中です。

 記事ではそのアメリカの制度についての話がいくつか出てきました。中でもすごいなぁと思ったのが以下の制度。
 米国では製薬企業による不正行為に対する訴訟が常態化しており、適応外での販売や医師へのリベートなど不適切なマーケティング行為への罰則として、巨額の賠償金が政府に支払われる事例が多発している。

 医療業界は専門性が高いため、不正行為が露見するのは内部告発による場合が多い。この不正に関する公益通報を促進しているのが、キイタム(Qui Tam)訴訟制度だ。キイタムはラテン語の “qui tam pro domino rege quam pro se ipso in hac parte sequitur (統治者のために、また自分自身のためにも、この事件について訴える者)”というフレーズに由来する。

 キイタム訴訟制度では、政府と契約している企業等の不正が見つかった場合、その告発者自身が民事訴訟を起こすことが可能で、さらに勝訴した場合、和解・賠償額の最大30%まで米国司法省から報償として受け取ることができるという、いかにも米国らしいダイナミックな仕組みが取られている。

 この仕組みは金銭的インセンティブを強力に裏づけていると想像されるが、2001年から2012年9月まで米国政府は23件もの不正事件に対して和解金を受け取っている。驚異的なのは製薬企業の支払額で、1000万ドルから30億ドル(中央値で4億3000万ドル)と報告されている。

 史上最高額の30億ドルは、2012年7月のグラクソスミスクライン(GlaxoSmithKline=GSK)による支払いだ。また、訴訟の対象となった製薬企業は、GSKのみならずメガファーマの有名どころがずらりと並んでいる。

 これらの結果は制度の成功を示しているものの、逆に言うと以下のようなことになります。
 医薬品業界では少々際どい売り方をしたとしても、売り抜けてしまえば巨額の利潤を得ることができるため、この程度の和解・賠償額の支払いはリスクとして既に織り込み済みなのかもしれない。

 つくづく医薬品業界は製薬企業のマネーゲームの場と化していると思う。

 やったもん勝ちのようです。

 多額の賠償金を支払っているアメリカですら上記のような現状ですので、お咎めなしの日本ではさらに不正を犯すことによる利益は大きくなると言えるでしょう。

 以前書いた後も、また新しいノバルティス擁護(私への批判?)のメールが来ていますが、作者の谷本哲也さんは以下のように締めていました。
 翻ってバルサルタン事件では年間1000億円以上の売り上げに対し、ノバルティスの対応は関係役員の月額報酬2カ月10%の減額にとどまっている。果たしてこれで釣り合いが取れるものなのか、今後の展開からまだまだ目が離せない。


 追加
  ■ディオバン問題 ノバルティスも教授も大学も関係者は皆自己保身

 関連
  ■東邦大藤井善隆元准教授の全論文193本に不正・捏造の疑い、世界新記録か?
  ■日本の論文数 数十カ国の調査で他国がすべて増える中、唯一減少
  ■ディオバン問題のノバルティス、米でも医師への報酬で訴訟に
  ■臨床研究はそもそも宣伝活動が目的?ノバルティス・ディオバン問題
  ■松原弘明元教授、ノバルティス社員の隠蔽を指示か バルサルタン問題
  ■その他の社会・時事問題について書いた記事

Appendix

広告

ブログ内 ウェブ全体
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示









Appendix

最新投稿

広告

定番記事

宝くじ高額当選者3000人のその後……10年後の彼らの生活は?
歴代首相の身長ランキング 背の高い、低い意外な総理大臣 野田佳彦・麻生太郎・鳩山由紀夫・小泉純一郎・安倍晋三など
日本で馴染みのある韓国系企業一覧
国別ノーベル賞受賞者数ランキング 日本は8位、上位はどこの国?
橋下徹大阪市長の出自 同和地区(被差別部落)と父・叔父と暴力団
意外に有名企業があるファブレス企業・メーカー 任天堂・ダイドードリンコ・やおきんなど
飛び降り自殺は意識を失うから痛みはない…は嘘 失敗した人の話
白元・鎌田真の経歴と派手な交友関係 神田うの,松本志のぶ,妻も美魔女など
楽天Edyはコンビニの公共料金の支払い(収納代行)に使える?
楽天Edyの使えるコンビニ・使えないコンビニ
主な緑黄色野菜一覧 と 実は緑黄色野菜じゃない淡色野菜の種類
のれん代とのれん代の償却のわかりやすい説明
消滅可能性都市ランキングと一覧 1800市区町村中896自治体が危機
カルシウムの多い食材ランキングベスト20 牛乳以外に取れる食品
堀越二郎の妻は死んでないし菜穂子でもない モデルは堀辰雄の婚約者矢野綾子
創価学会、会長候補の正木正明氏左遷で谷川佳樹氏重用の理由は?
インチキで効果なし、活性水素水詐欺 誇大広告であるとして排除命令が出た商品も
高カロリー食品ランキングベスト20(100グラムあたり)
EPA、DHA(オメガ3脂肪酸)の魚油サプリ 効果なしどころか危険という説
リチウムイオン電池の寿命を長持ちさせるのは、使い切って満充電?継ぎ足し充電?

ランダムリンク
厳選200記事からランダムで









アーカイブ

説明

書いた人:千柿キロ(管理人)
サイト説明
ハンドルネームの由来

FC2カウンター

2010年3月から
それ以前が不明の理由