"「頭の良くなる薬」は本当にある!? ~アメリカでは大学生の間で流行~"(2009/12/23)という話に、"頭の良くなる薬スマートドラッグ 日本の中高生でも流行し副作用で本末転倒に"(2017/05/22)を追加しました。
●「頭の良くなる薬」は本当にある!? ~アメリカでは大学生の間で流行~
2009/12/23:「頭の良くなる薬」って言うと、夢の薬、魔法の薬といった印象の一方、胡散臭さも満点ですが、
米大学生の間で「頭の良くなる薬」が流行、将来は試験前にドーピング検査?(AFPBB News、2009/10/3)という題の記事がありましたので、読んでみました。
記事中では「脳の認知力を高める薬」というワードはあったものの、以下のような書き方であり、直接「頭の良くなる薬」とは書いていませんでした。わかりづらいのですが、おそらくこれらを「頭の良くなる薬」と呼んでいるのでしょう。
"全米の大学を対象に調査したところ、全学生の4分の1が中枢神経を刺激するアンフェタミン(商品名「デキセドリン」)やメチルフェニデート(商品名「リタリン」)を学業成績の向上を目的に使用していた大学もあった"
アメリカで全学生の4分の1が既にこのような薬を使っているというのであれば、かなりの驚きです。
これらの薬は本来、認知症や注意欠陥多動性障害(ADHD)患者が服用するものだとのこと。、「徹夜で勉強しやすくなり、記憶力が高まり、覚えたことを試験の本番で思い出しやすくなる」、「適度に脳の認知力を高める」といった作用があるようです。これは「頭の良くなる薬」ではなく、意味合いとしては「記憶力を高める薬」といったところでしょうか。
いずれにしろ、これを「アカデミック・ドーピング」と呼んで問題視されているようで、「将来の試験会場では、監督官が紙コップを片手に持った学生たちに尿のサンプルを提出するよう求めるといった光景が見られるかもしれない」なんて話も紹介されています。
でも、実際のところ、どうなのでしょう?劇的な差があるんでしょうかね? そんなに差がないのであれば、あんまり神経質にならなくても良いような気もしますが、スポーツでのドーピングの例を考えれば、厳密に禁止というのもまたわかる気もします。
それよりも、記事で指摘されている「身体的にも精神的にも副作用があり依存症を起こす可能性」の方が、より重要ではないでしょうか。体壊して学校に通えなくなったら、元も子もないですからね。
●アメリカの「頭の良くなる薬」、日本では覚醒剤扱い
2014/6/24追記:「馬鹿げた話」と思っていたので実際に使う人がいるかもしれないことを想像できませんでしたが、"日本ではアンフェタミンは覚せい剤取締法において禁止薬物"なので、"記載しておいたほうがよろしいのでは"というメールをいただきました。なるほど、そのとおりです。
一応Wikipediaだけ覗いてみたところ、"強い中枢興奮作用および精神依存、薬剤耐性により、反社会的行動や犯罪につながりやすいため、覚醒剤に指定されている"とありますので、間違いないと思われます。
もう一つメチルフェニデートの方も本文にあるとおりに副作用や依存症があります。こちらもWikipediaに記載があるのを確認しました。
●頭の良くなる薬スマートドラッグ 日本の中高生でも流行し副作用で本末転倒に
2017/05/22:アホくさい話だと思っていたものの、日本でも「頭が良くなる薬」問題が出てきました。都心のとある進学塾の講師が、以下のような話をしています。
「中学3年生向けの授業の休み時間のことです。1人の男子生徒が見慣れない容器から錠剤をのんでいたので、声をかけたんです。風邪ひいてるのか? と。そうしたら、“いや、これ『スマートドラッグ』っていって、頭がよくなる薬なんです。親からのむよう言われていて”と平然と答えるわけです。驚きましたね」
(
集中力高まると中高生に蔓延のスマートドラッグ、怖い副作用 NEWSポストセブン / 2017年5月21日 16時0分より)
生徒たちに聞き取り調査をしたところ、同じ類いの薬をのんだことがある、もしくは存在は知っている生徒が複数いたというので、かなり広まっていたようです。
ここで出ていた具体名としては、「ピラセタム」「コリン」「チロシン」「アーカリオン」「ストラテラ」などです。タイトルだけ見て書き始めたものの、医療問題に詳しいジャーナリストの説明を見ると、前述のアメリカのと同じものを言っているのかもしれません。以下のような解説をしていました。
「もともとは1990年代後半にアメリカの大学生の間で流行したものなんです。ADHD(注意欠陥・多動性障害)やナルコレプシー(過眠病)などの患者に処方される薬を勉強用に使い出した学生がいましてね。脳の中枢神経に作用して、“集中力を1箇所に集める”という効能に彼らは着目したわけです。その過程で、脳神経系の薬の中で勉強効率の向上に使えそうなものが『スマートドラッグ』と呼ばれて拡散していった。一時はハーバード大学の学生の2割がスマートドラッグを使用しているというアンケート結果が出たほどで、これが今、日本に輸入されて劇的に広がっているんです」
ただ、最初の話と同様、副作用の問題に触れられています。「まきメンタルクリニック」院長で精神科医の西崎真紀先生は、「イライラしたり吐き気がしたり、覚せい剤と同じ症状が出るものさえある。そもそも本来は別の病気の薬なのです。健常な人間が服用して、リスクがないわけがありません」と言っていました。
さらに、薬のせいで生活リズムがメチャクチャになり心身に変調をきたす、頭痛もひどくなり仕事にも支障が出始めるなど、本末転倒な事例が載っていました。
世界で2番目にIQ(知能指数)が高い人の行動が、とても頭が悪いがそういう話であったように、頭が良いように見えない行動です。
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