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日本でもスマートドラッグでアカデミックドーピング、副作用で本末転倒に


 もともと書いていたのは、<「頭の良くなる薬」は本当にある!? ~アメリカでは大学生の間で流行~>というアメリカの事例。その後、<アメリカの「頭の良くなる薬」、日本では覚醒剤扱いなので普通にやばい>、<頭の良くなる薬スマートドラッグ 日本の中高生でも流行し副作用で本末転倒に>などをまとています。

2022/07/26追記:
●頭を良くする手術?人間の脳にインプラント埋め込み記憶力向上
●海馬の短期記憶・長期記憶スイッチを電流で操作するというしくみ


●「頭の良くなる薬」は本当にある!? ~アメリカでは大学生の間で流行~

2009/12/23:「頭の良くなる薬」って言うと、夢の薬、魔法の薬といった印象の一方、胡散臭さも満点ですが、米大学生の間で「頭の良くなる薬」が流行、将来は試験前にドーピング検査?(AFPBB News、2009/10/3)という題の記事がありましたので、読んでみました。

 記事中では「脳の認知力を高める薬」というワードはあったものの、以下のような書き方であり、直接「頭の良くなる薬」とは書いていません。このため、わかりづらくなっているのですが、おそらく以下で出ているような薬を「頭の良くなる薬」と呼んでいるのでしょう。

<全米の大学を対象に調査したところ、全学生の4分の1が中枢神経を刺激するアンフェタミン(商品名「デキセドリン」)やメチルフェニデート(商品名「リタリン」)を学業成績の向上を目的に使用していた大学もあった>

 アメリカで全学生の4分の1が既にこのような薬を使っているというのは驚き。これらの薬は本来、認知症や注意欠陥多動性障害(ADHD)患者が服用するものだとのこと。「徹夜で勉強しやすくなり、記憶力が高まり、覚えたことを試験の本番で思い出しやすくなる」、「適度に脳の認知力を高める」といった作用があるようです。これは「頭の良くなる薬」ではなく、意味合いとしては「記憶力を高める薬」といったところでしょうか。


●広がるアカデミックドーピング、将来的には試験会場で尿検査も?

 いずれにしろ、これを「アカデミック・ドーピング」と呼んで問題視されているようで、「将来の試験会場では、監督官が紙コップを片手に持った学生たちに尿のサンプルを提出するよう求めるといった光景が見られるかもしれない」なんて話も紹介されています。

 でも、実際のところ、どうなのでしょう。劇的な差があるんでしょうかね。そんなに差がないのであれば、あんまり神経質にならなくても良いような気もしますが、スポーツでのドーピングの例を考えれば、厳密に禁止してしまおう…というのもまたわかる気もします。

 それよりも、記事で指摘されている「身体的にも精神的にも副作用があり依存症を起こす可能性」の方が、より重要ではないでしょうか。体壊して学校に通えなくなったら、元も子もないですからね。身体的リスク・精神的リスク…という方向性からも禁止が望ましいかもしれません。


●アメリカの「頭の良くなる薬」、日本では覚醒剤扱いなので普通にやばい

2014/6/24:「馬鹿げた話」と思っていたので実際に使う人がいるかもしれないことを想像できませんでしたが、"日本ではアンフェタミンは覚せい剤取締法において禁止薬物"なので、"記載しておいたほうがよろしいのでは"というメールをいただきました。なるほど、そのとおりですね。

 一応Wikipediaだけ覗いてみたところ、"強い中枢興奮作用および精神依存、薬剤耐性により、反社会的行動や犯罪につながりやすいため、覚醒剤に指定されている"とありますので、アンフェタミンが覚醒剤であることは間違いないと思われます。

 もう一つメチルフェニデートの方は先程の記事ですでに、副作用や依存症があると書かれていました。また、こちらもWikipediaにリスクについての記載があるのを確認しています。メチルフェニデート - Wikipediaでは、以下のように書かれていました。

<メチルフェニデートは、アンフェタミン等と比較し依存形成しにくいものの、精神的依存の報告がある。一般的な副作用は、眠気、不眠、頭痛・頭重、注意集中困難、神経過敏、性欲減退、発汗、抗コリン作用(口渇、排尿障害、便秘、食欲不振、胃部不快感、心悸亢進、不整脈、筋緊張など)などである>


●頭の良くなる薬スマートドラッグ 日本の中高生でも流行し副作用で本末転倒に

2017/05/22:上記までで書いていたように、頭の良くなる薬を使うなんてのはアホくさい話だと思っていたものの、日本でも「頭が良くなる薬」問題が出てきました。よく考えてみると、どうしても一定数そういう人はいますよね。都心のとある進学塾の講師が、以下のような話をしていたのです。

「中学3年生向けの授業の休み時間のことです。1人の男子生徒が見慣れない容器から錠剤をのんでいたので、声をかけたんです。風邪ひいてるのか? と。そうしたら、“いや、これ『スマートドラッグ』っていって、頭がよくなる薬なんです。親からのむよう言われていて”と平然と答えるわけです。驚きましたね」
(集中力高まると中高生に蔓延のスマートドラッグ、怖い副作用 NEWSポストセブン / 2017年5月21日 16時0分より)

 生徒たちに聞き取り調査をしたところ、同じ類いの薬をのんだことがある、もしくは存在は知っている生徒が複数いたというので、かなり広まっていたようです。ここで出ていた具体名としては、「ピラセタム」「コリン」「チロシン」「アーカリオン」「ストラテラ」など。医療問題に詳しいジャーナリストの説明を見ると、ひょっとしたら前述のアメリカのと同じものを言っているのかもしれませんね。以下のような解説をしていました。

「もともとは1990年代後半にアメリカの大学生の間で流行したものなんです。ADHD(注意欠陥・多動性障害)やナルコレプシー(過眠病)などの患者に処方される薬を勉強用に使い出した学生がいましてね。脳の中枢神経に作用して、“集中力を1箇所に集める”という効能に彼らは着目したわけです。その過程で、脳神経系の薬の中で勉強効率の向上に使えそうなものが『スマートドラッグ』と呼ばれて拡散していった。一時はハーバード大学の学生の2割がスマートドラッグを使用しているというアンケート結果が出たほどで、これが今、日本に輸入されて劇的に広がっているんです」

 ただ、最初の話と同様、副作用の問題に触れられています。「まきメンタルクリニック」院長で精神科医の西崎真紀先生は、「イライラしたり吐き気がしたり、覚せい剤と同じ症状が出るものさえある。そもそも本来は別の病気の薬なのです。健常な人間が服用して、リスクがないわけがありません」と言っていました。

 さらに、薬のせいで生活リズムがメチャクチャになり心身に変調をきたす、頭痛もひどくなり仕事にも支障が出始めるなど、本末転倒な事例が載っていました。世界で2番目にIQ(知能指数)が高い人の行動が、とても頭が悪いがそういう話であったように、とても頭が良いようには見えない行動ですね…。


●頭を良くする手術?人間の脳にインプラント埋め込み記憶力向上

2018/01/02追記:ドラック系ではないため、「頭の良くなる薬」ではなく「頭を良くする手術」といった感じなのですが、別投稿で紹介していた「人間の脳にインプラント埋め込み記憶力向上」という話をこちらでも紹介しておきます。未来ではテスト不正に使われてしまうかもしれない…という話です。

 体内に埋め込む器具である脳へ埋め込むインプラントの研究、開発を行っているというのは、米国南カリフォルニア大学の神経工学の専門家であるセオドア・バーガー博士ら。これまでも研究チームはマウスやサルにインプラントを埋め込む実験を行い、記憶力を向上させる効果を確認してきました。

 そして、今回はいよいよ人間にインプラントを埋め込む実験を行おう…という実験ですね。そんなことが許されるのか?と思いますが、おそらく倫理的な問題はクリアできたからこそ実行できたのでしょう。20人の被験者の脳にインプラントを埋め込み、以下のような二つのテストを行ったそうです。

1回目 被験者にイメージを見せた後、75秒後にイメージを覚えているかどうか記憶テストを実施
2回目 インプラントに電流を流し、上記と同様の記憶テストを実施
(「マトリックス」が現実になりつつある! ヒトの脳にインプラントを埋め込んで記憶力を向上させる実験がついに成功 | GetNavi web ゲットナビ 森本 進也 2017/12/30 10:00より)

 単純に2回繰り返すだけでテスト結果は良くなるのでは?とちょっと疑問。なので、本来なら順番を逆にしたグループでも実験を行うべきだったでしょう。ただ、インプラントに電流を流した2回目のセッションの記憶テストにおいて被験者の記憶力が30%ほど向上ということで、かなりの上がり方はしています。


●海馬の短期記憶・長期記憶スイッチを電流で操作するというしくみ

 そういえば、脳に電流を流すという話は、うちでも過去に2回投稿をしていました。サヴァン症候群を人工的に再現を!学者が脳に電気ショックを与える研究現在でも現役なうつ病などの電気ショック療法・電気けいれん療法 重いうつ病・躁病・統合失調症の緊張病で使用です。

 今回の研究の場合ですが、まず、脳の海馬は短期記憶から重要度の高い記憶だけを振るい分けて「長期記憶」として保存する役割を果たしているということが、予備知識として必要となります。そして、このとき海馬において特定のパターンの電流が発生していることが確認されているということも大事。この電流が短期記憶を長期記憶に変換するスイッチとなっているのです。

 今回のインプラントはその「短期記憶を長期記憶に変換するスイッチ」という特定のパターンの電流を模倣した電流を脳に流しています。そして、このスイッチのパターンを真似た電流に騙された海馬が、短期記憶を長期記憶に変換するよう促し記憶が定着する…というしくみでした。

 何か怖い研究ではありますが、すげぇなぁ!というもの。まずはてんかん患者やアルツハイマー病患者などの記憶障害を持つ人への活用が想定されているそうですが、病気ではない人がそれを使うケースも出てくると思われますし、社会問題となることもありそうです。


【本文中でリンクした投稿】
   ■世界で2番目にIQ(知能指数)が高い人の行動が、とても頭が悪い
  ■サヴァン症候群を人工的に再現を!学者が脳に電気ショックを与える研究
  ■現在でも現役なうつ病などの電気ショック療法・電気けいれん療法 重いうつ病・躁病・統合失調症の緊張病で使用

【その他関連投稿】
  ■子供に勉強させる方法の助言「偶然を装ってゲーム機を踏んで壊す」
  ■言わない方がいい「勉強しなさい」 逆効果でやる気下がる
  ■テスト前に嫌なことを書き出すと成績アップ
  ■ネットの普及が将棋とポーカーにもたらした変化とeラーニング
  ■集中型学習は間違いだった!効率の良い勉強法は集中させないこと
  ■学校・教育・子どもについての投稿まとめ

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