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パクリ大国中国より日本の方が著作権問題がひどい?作家を搾取する日本


 パクリ関係の話をまとめ。<30年以上著作権侵害を放置した政府、外国曲差し止められて慌てる>、<パクリ大国中国より日本の方が著作権問題がひどい?その根拠は?>、<楽曲の無断使用の報道に日本人「宣伝になったからいいだろ」>、<日本は世界一海賊版(ブートレグ)が豊富な国として有名だった?>などをまとめています。

2022/09/30追記:
●日本は世界一海賊版(ブートレグ)が豊富な国として有名だった?
2023/06/21追記:
●日本政府、著作権リスク説明せずに法改正 先進国で最低に 【NEW】


●パクリやりたい放題というイメージの中国 アップルすら苦戦!

2019/09/26:日本では中国の著作権意識がひどいというイメージがあると思うので、最初にそういう記事をひとつと思って検索。ただ、意外なことに検索上位にそういった記事は少なくなっていました。見つけた記事も2012年3月23日というちょっと古いものです。

 とりあえず、その記事である知財暴君国家・中国はなぜ「やりたい放題」なのか?報道だけではわからない“海外商標権”の落とし穴 ダイヤモンド・オンライン(岡 徳之)から少し紹介。この記事は私が想定した音楽や漫画・アニメの著作権問題ではなく、「iPad」などの商標問題がメインでした。

 当時は、中国で自らが有する「iPad」の商標権を米アップル社が侵害していると主張し、アップルに対して中国各地で「販売差し止め」を求める訴訟を起こしていた時期。あべこべです。

 ただ、これは中国特有の問題とは言えませんけどね。ちょっとケースが異なりますが、日本でもアップルは日本最大手のインターホン会社アイホンから難癖つけられて、カタカナ表記が「アイフォン」ではなく「アイフォーン」になってしまった…ということがありました。

 より近いケースですと、民進党ピンチ?ベストライセンス株式会社が先に商標登録出願などで書いているベストライセンスでしょうか。ここはありとあらゆるものを商標登録出願し、一儲けしようと狙っているところ。ということで、どうもこのダイヤモンド・オンライン記事も中国バッシング記事としては適当ではなかったようです。


●30年以上著作権侵害を放置した政府、外国曲差し止められて慌てる

 中国はひどい!という話から次の話へ行きたかったので微妙になってしまいましたが、もともと紹介したかったのは、「漫画村」はなくならない 中国よりひどい著作権事情:日経ビジネス電子版(大西 綾 日経ビジネス記者 2019年8月2日)という記事。なんと日本人のイメージとは全く逆に、中国より日本の方が著作権問題が大きいというのです。さすがに大げさだと思うのですけど、本当でしょうか。

 記事ではまず、海賊版が多いだけでなく、日本では著作者から搾取するような不平等な契約が多く、権利利用料を安く買い叩かれているとしていました。その上で、これは日本の著作権保護意識の低さだとしています。そして、さらにこうした著作権意識は、自ら著作権を守るのではなく、外圧で著作権保護をするようになった経緯があるからではないかとしていました。

 日本で著作権法が制定されたのは明治時代の1899年。こういうと歴史が長いように見えるのですけど、明治政府は法律をつくっただけで権利を管理する体制は整えなかったとのこと。そして、なんと野放しの状態のまま、30年以上放っておいたといいます。全然ダメでした。

 この日本の問題がやっと改善されるようになったきっかけは、1931年。欧州の主要な著作権管理団体の代理人であるドイツ人のウィルヘルム・プラーゲさんが来日し、外国曲が勝手に流されているとして外国曲を放送できなくなる事態に発展。これでやっと危機感を持って、39年に音楽著作権に関わる仲介業務を担う団体として発足したのが今の日本音楽著作権協会(JASRAC)だとのことです。


●好きなことをしているのだから安くやって…作家を搾取する日本

 また、著作権は本来、著作物の価値を認め、その対価を著作者に支払うことで著作者の創作意欲を引き出すものだとしていました。前述の著作権者の搾取はもってのほかであり、著作権者を儲けさせてあげなきゃいけないってことですね。海外で本当にそうなっているのか不明なのですけど、日本はそこが弱いとされていました。

 海外はともかく日本のクリエーターは低年収であることは、よく言われています。「好きなことをしているのだから、給料は安くて良いでしょ」という考え方は、世間でも当人らでも結構あるでしょう。最近でもアニメーターはサービス残業当たり前?サマーウォーズやアカデミー候補のアニメ会社でもという話を書いています。

 海外と絡む話だと、香港のイラストレーター、料金請求してクズ呼ばわりされて謝罪日本のブラックなアニメ業界で中国企業が人集めというのもやっていますね。

 記事では、NPO法人NEWVERYトキワ荘プロジェクトの調査によると、読み切りの作品しか手掛けない漫画家の平均年収は200万円台、連載を抱えても同600万円台だという数字を出して、サラリーマンから見て過小評価されているのではないかとしていました。なお、平均年収は高年収の人が数字を大きく押し上げてしまうことで知られており、人気作家との格差が大きいマンガ業界での実態はもっと悪いのではないか?とも予想します。


●パクリ大国中国より日本の方が著作権問題がひどい?その根拠は?

 ここまでは日本がひどいという話です。ただ、この日経ビジネス電子版記事のタイトルは<「漫画村」はなくならない 中国よりひどい著作権事情>でしたからね。日本は中国よりひどいという理由説明が出てこないとおかしいです。不思議に思っていると、その話はこの後で出てきました。

 中国政府は、世界で戦えるコンテンツ産業を作ろうと、数年前から創作意欲のあるクリエーターの育成に力を注いでいる最中だとのこと。まずは自国内で著作権保護への意識を高め、その上でクリエーターが経済的に自立できる環境を整える方針。企業側が漫画家に対して最低賃金を保障するサービスも出しているそうです。

 ただし、政治家がお題目を掲げても変わらないというのは日本でもよくある話。しかし、実際、「日本企業と著作権に関わる契約を結び、正規のコンテンツとして購入した上で、中国のユーザー向けに提供する事業者が増えている」と、アニメなどのコンテンツの日中間での取引を支援するJCフォワードの分部悠介CEOも言っていました。

 ということで、中国政府や一部の中国企業は、確かに日本政府や日本企業より意識が高そうなところが見えます。ただ、日本の漫画村問題にあたるユーザーの意識などの話はなかったんですよね。<「漫画村」はなくならない 中国よりひどい著作権事情>という元記事のタイトルには問題を感じました。


●楽曲の無断使用の報道に日本人「宣伝になったからいいだろ」

2020/11/07:トランプ氏集会での「Y.M.C.A.」使用、著作権者が米仏で提訴の構え 国際ニュース:AFPBB News(2020年11月6日 15:03)という記事が出ていました。中国は関係ないのですが、追記する投稿に迷って、著作権関係ということでここに追記することにします。

<ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が選挙集会で米ディスコバンド「ヴィレッジ・ピープル(Village People)」のヒット曲「Y.M.C.A.」を流したのは楽曲の無断使用だとして、著作権所有者が「数日以内に」関係者を提訴する予定だと、フランスの弁護士が5日、明らかにした。
 トランプ氏は、1978年発売の「Y.M.C.A.」を大統領選の選挙集会で流したほか、選挙広告動画の背景音楽(BGM)にも使用していた>

 アメリカの法律がどうなっているか不明ですが、著作権所有者本人ではなくても、著作権管理団体などに許可を得ていれば普通はOKでしょう。団体ではなく著作者が保有している、著作者人格権という不愉快な使い方をされるのを止める権利もあり、こちらの方が可能性を感じますが、記事ではそういった話もなく違う感じでした。

 ということで、ここらへんの法律問題の話で異議がであるというのならわかります。ただ、驚いたのが、日本のツイッターの検索上位の反応で、無断使用は否定せず、「宣伝になったからいいだろ」「金目的だ」といった批判が出ていたことでした。

 こうした主張をしている人のしている他のツイート内容を見ると、やはり右派思想の人でしたので、今回はトランプ大統領に不利な話なので、著作者側を叩いていたのでしょう。たぶん中国人や韓国人が同じ主張したら「宣伝になったからいいだろ」と擁護せず、中国人や韓国人の方を叩くと思うんですけど…。


●日本は世界一海賊版(ブートレグ)が豊富な国として有名だった?

2022/09/30追記:中国よりひどいかどうかはともかく、日本の著作権関係で悪いところがあるのは確かでしょうね。日本の著作権意識の低さに関連する話としては、古着のブート品で初の逮捕 日本は世界一ブートレグが多い国?というのもうちでやっています。

 このブートレグというのはそもそも聞き慣れない言葉かもしれません。ブートレグの説明も場所によって異なっている状態です。とりあえず、わかりやすい説明は、「要するに海賊版」という説明。ただ、ブート品とコピー品、ブートレグと海賊版はそれぞれ異なる…といった説明もあり、よくわかりません。

 とりあえず、私は「日本は違法なブートレグが多い国として世界的に有名だ」と聞いたことがあったんですよね。ネットでも「今はだいぶ少なくなったと思うのだが、西新宿には、世界で一番ブートレッグ(海賊版)が集まっているというのを音楽マニアの友人に聞いたことがある」という感想が見られました。


●日本政府、著作権リスク説明せずに法改正 先進国で最低に

2023/06/21追記:<政府、法改正議論時にAIの著作権リスク説明せず…先進国で最も緩い法規制の枠組みに>(2023/05/16 05:00)という記事が出ていました。自民党政権の政府に問題あり…という記事で「また左翼がー!」と思う人もいるでしょうが、今回は右派読売新聞の記事なんです。

<AI(人工知能)が文章や画像などの著作物をほぼ無条件で「学習」できる著作権法の規定を巡り、政府が法改正当時、AIによる著作権侵害の可能性を権利者側に十分説明していなかったことがわかった。
 政府の審議会では、現在の生成AIのような高性能技術の開発を前提に議論されていたが、権利者側がリスクの存在を把握できないまま、先進諸国で最も緩い法規制の枠組みが作られていた形だ。>

 法改正が大昔であるのなら仕方ないですが、これは2018年成立のもの。上記にあるように、政府の審議会ではすでに話が出ていました。にも関わらず、「政府が説明しなかった」というのが記事の書き方。当時の委員は「想定外」としており、私もやむを得ないと感じましたが、読売新聞は政府の落ち度といったニュアンスでした。

<AIの学習に対する著作権法の規制が緩く、「機械学習パラダイス」とも呼ばれる日本。09年以降、数度に及ぶ法改正の経過からは、国内のIT技術の興隆を優先させ、著作権の保護が弱められていった実態が浮かび上がる。>


【本文中でリンクした投稿】
  ■アニメーターはサービス残業当たり前?サマーウォーズやアカデミー候補のアニメ会社でも
  ■香港のイラストレーター、料金請求してクズ呼ばわりされて謝罪
  ■日本のブラックなアニメ業界で中国企業が人集め でも絵梦は撤退?
  ■古着のブート品で初の逮捕 日本は世界一ブートレグが多い国?
  ■民進党ピンチ?ベストライセンス株式会社が先に商標登録出願

【関連投稿】
  ■ルパン三世は著作権侵害だった?フランスなど海外では別名で上映
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