2020/02/17:
●「ルーシッド」と「ルシード」、表記ブレがあるLucid Motors
●高級車と量産車、ルーシッドモーターズとテスラの違い
●サウジアラビア政府系の他、日本の三井物産も出資…トヨタも?
2020/07/12:
●不可能と思われた1回の充電で400マイル以上、ルーシッドが実現
2021/07/03:
●ルーシッドの評価額はなんと2.5兆円…最大の出資元はあの国だった! 【NEW】
●「ルーシッド」と「ルシード」、表記ブレがあるLucid Motors
2020/02/17:次のテスラだと言われているLucid Motors。日本ではまだ馴染みが薄いようで、マスコミではルーシッドモーターズという名前が多用されている一方で、Wikipediaでは、
ルシード・モータースを採用しているなど、一定の日本語表記すら定着していないようです。
このルーシッドモーターズはテスラから次々と幹部を引き抜いていることでも注目されているのですけど、そもそも最初からテスラ絡み。Wikipediaによると、テスラのモデルSの開発を手がけたピーターローリンソンさんによって2007年に設立されています。
2016年11月末にアリゾナ州に約800億円を投資して2017年前半から工場を建設し始めていまたとも記述がありました。当時の計画では、2022年までに2000人以上の従業員を雇用して2万~13万台を生産する予定でした。また、2018年内にEVの生産を開始して最初の市販車を2019年に投入するとされていたようです。
●高級車と量産車、ルーシッドモーターズとテスラの違い
なお、
テスラから幹部を引き抜くルーシッドモーターズってどんな会社? - M&A Online(2019-07-10 )の説明だと、創業者が異なっていて、バーナード・ツェさんという方。ただし、やはりテスラ絡みなのは同じで、元副社長兼取締役会メンバーだそうです。
また、こちらを読むとと、発足当初の名前はAtieva(アティエヴァ)だったとわかりました。最初は、リチウムイオン電池などの車載用電池開発を手がけている会社だった模様。EV開発をスタートしたのは遅く、2014年から。社名変更はさらに遅く2016年からだそうです。
ルーシッドモーターズの特徴は高級車路線。ただ、テスラも当初は高級車路線であり、普及価格帯の量産車種へシフトしようとしている最中。なので、結局、現段階としては、初期のテスラと似ていると言えるかもしれません。
●サウジアラビア政府系の他、日本の三井物産も出資…トヨタも?
2018年9月にはサウジアラビアの政府系ファンド「パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)」から10億ドル(約1100億円)を超える投資契約を結び、日本からは三井物産が出資しているといいます。どれくらいの規模かは不明ですが、日本企業も関わっているんですね。
興味深いのは、テスラとの関係を解消したイスラエルのモービルアイと、ルーシッドモーターズが自動運転技術で提携しているということ。人材だけでなくパートナー企業もテスラから奪っているように見える形です。
この関係で記事は、2014年にテスラとのEV開発の提携を解消しているトヨタ自動車について注目。「ひょっとしたらトヨタによるルーシッドモーターズとの提携や出資も実現するかもしれない」と書いていました。現段階では憶測に過ぎませんけどね。
●不可能と思われた1回の充電で400マイル以上、ルーシッドが実現
2020/07/12:
テスラキラー・ファラディの末路 フィスカーも失敗、ポルシェなども不人気で書いているように、テスラキラーと言われる自動車会社が鳴かず飛ばずで終わることは珍しくありません。テスラ自体の評価も再び急上昇している感じです。
ただ、ルーシッドモーターズの方も特に今のところ大きな問題になっていないみたいですね。例えば、
航続距離640km以上! Teslaの座を脅かすスタートアップが開発中のEV「Lucid Air」 | SlashGear Japan(林 汰久也2020年4月7日)という記事が出ていました。
記事によると、ルーシッドモーターズは現在「Air(エア)」というEVの開発を進行中。ベータテストは順調で、2020年中の生産は間に合わないものの、同社初の市販EVモデルとなりそうだといいます。難しいと見られていた1回の充電で400マイル以上というセールスポイントも、テストでは成功したとされていました。
ただし、記事では、「誰もが1回の充電で400マイル以上走れる高級EVを必要としているわけではありません」と指摘。そもそもEVは従来とは異なる使い方が多いので、どうかな?と私も思います。一方で、従来型のガソリン車の使い方から頭を切り替えられない人には魅力的なウリ文句なのかもしれないとも感じました。
●ルーシッドの評価額はなんと2.5兆円…すでに多くの日本企業を超える
2021/07/03:まだ上場はしていないようですが、 2021/02/24に
テスラの強敵「ルーシッド」がSPAC上場へ、評価額は最大2.5兆円 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)という記事が出ていました。また、単純な上場ではなく、ニューヨーク市場に上場するSPAC(特別目的買収会社)の「チャーチル・キャピタルIV」との合併により、公開企業になろうとしている…という説明です。
ルーシッドのピーター・ローリンソンCEOは、アリゾナ州カサグランデの工場で製造中の16万9000ドルの高級EV「ルーシッド・エア」の数カ月後の発売に向けて、新たな資金調達を模索していると述べていました。今回の取引でチャーチル・キャピタルから約21億ドルの現金を調達しています。
さらに、25億ドルを私募増資でサウジアラビアの政府系ファンドPIFや、ブラックロック、フィデリティ、フランクリン・テンプルトン、ノイバーガー・バーマン、ウェリントン・マネジメント、ウィンスロー・キャピタル・マネジメントなどから調達する予定だとのこと。かなりの投資を集めているようです。このうちサウジアラビアのPIFが、ルーシッドの最大の出資元だといいます。
両社は今回の取引に際し、合併によって誕生する企業の評価額をプレマネーベースで117.5億ドルと見込んでいました。しかし、前もって行われる資金調達と、PIPE(私募増資)にあたり提示されたルーシッドの株価が当初の予想を50%上回る1株あたり15ドルであることを考慮に入れると、評価額は最大240億ドル(約2.5兆円)まで上昇するとチャーチル・キャピタルは声明で発表。さらに増えたんですね。
ちなみにテスラは時価総額で世界一の自動車企業ですので、もちろんルーシッドより高いです。(
時価総額「トヨタ超え」のテスラ、その今を紐解く | BRIDGE(ブリッジ)テクノロジー&スタートアップ情報によると、2020年6月の時点で、約1900億ドルでした。このときは、テスラがトヨタの約1823億ドルを超えた!と話題になったときです。
記事は、3位以下のランキングも見ることができます。例えば、ベスト10内のもう一つの日本企業ホンダは480億ドルで4位。なので、ルーシッドはすでにホンダの半分程度まで評価を上げているということのようです。このときの順位だと11位に値する感じですね。詳細はよくわからないのですが、すでに多くの日本の自動車企業を上回る評価なのかもしれません。
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