2009/12/25:
●壁の高い位置に貼り付けられた商品、実は苦肉の策だった…
●異色のホームセンター・ハンズマン 品揃えがすごくバラ売りに対応
●昔は普通のホームセンターだったハンズマンが変わってしまった理由
●壁の高い位置に貼り付けられた商品、実は苦肉の策だった…
2009/12/25:九州一円にホームセンターを展開しているハンズマン(本社は宮崎)いうホームセンターがあるそうです。全然聞いたことがなかったんですが、
ロングテールをリアルに実践~九州に“すごい”ホームセンターがあった 小売業の生きる道を探せ――ハンズマン、篠原匡、日経ビジネスオンライン、2009/11/19を読むと、かなりおもしろいホームセンターだと感じました。
まずは、店内の光景が違います。「抜群の開放感」とあるように、記事に掲載されていた写真などを見ると、異常に天井が高いのがわかります。屋内でも、そう思わせない奥行きと広がりを感じさせるそうです。
そして、「巨大なアート作品に思えてくる」ディスプレイ。その棚で売っている商品が壁の高い位置にそのまま貼り付けられおり、作業着売り場でヘルメット、作業着、手袋、靴をセットで貼り付けている様も、コミカルなアート的なものを感じさせます。ガーデニング売り場の写真を見ても、統一感のあるお洒落な商店街みたいな感じで、ホームセンターという雰囲気ではありません。
この商品の貼り付けは、どこに何があるのかわからなくなるのを防ぐためでもあり、アイテム数が多いがゆえの苦肉の策だとのこと。狙ってやっていたわけではないんですね。ただ、個人的にすごく好きです。
「赤はパッと目に入るし、大きく見える。赤を最初に置くことで、何がどこにあるのか認知させる」と大薗社長は言っており、メイン通路や入り口から順に、「赤」→「黄」→「緑」→「青」→「紫」と、光の波長の長いものから順に並べていくという一定のルールもあるようです。
●異色のホームセンター・ハンズマン 品揃えがすごくバラ売りに対応
もう1つハンズマンでおもしろいと思ったのは、品揃えのすごさ。エピソードの1つ1つが、その品揃えのすごさを物語っていますが、いくつか紹介します。
・トラクターの点火プラグまで常備しているからだろうか。「その部品はハンズマンに行ってください」。自動車部品を買いに来た客にハンズマンを勧める自動車用品店も近隣にはあるほど。「専門店になくてもハンズマンにはある」という商品は数しれない。
・作業用手袋。普通は右と左のワンセットだが、このホームセンターでは右と左をバラで売っている。散水用のホースノズルもそう。普通はノズルの完成品が置いてあるが、この店は完成品と同様にバラバラの部品も売っている。
・文房具もそう。普通はボールペンやシャープペンシルをそのまま売るが、この店ではボールペンの中身のインクやシャープペンシルの消しゴムを単品で売っている。
・入浴剤もそう。普通は15包なら15包を一袋で売っているが、この店では袋を破いて1包ずつ売っている。
●昔は普通のホームセンターだったハンズマンが変わってしまった理由
その商品点数は、現在18万5000アイテムで、「業界平均は3万5000アイテムぐらい」(大薗誠司社長)なので、実に他店の5~6倍のアイテム数があるということになります。ただ、このアイテム数の多さですが、昔からというわけでなく、現在の社長の入社当時は3万点余りだったそうです。
「客の要望に応え続けた結果」としてここまで増えたそうですが、この姿勢は以前書いた同じ九州の
AZスーパーセンターに通じるものがあります。「お客さんが必要としているものを揃える。それがホームセンターの存在意義」とは、大薗社長の弁ですが、建前でなく本気で取り組んでいるようで、これに関する逸話がまたすごいですね。
・例えば、手袋のばら売り。作業によっては手袋の右と左で痛み方が異なる場合がある。そのたびに、両手ワンセットの手袋を買うのはもったいない――。その声を聞いたハンズマンは客の目の前で袋を破いて左手だけを売った。以来、手袋のばら売りが当たり前になった。
・散水ノズルパーツのばら売りも同様の理由だ。使ったことのある人ならわかるだろうが、散水ノズルはぶつけたりしてたまに壊れる。そのたびに新品を買うのは無駄。壊れたパーツだけを売ってもらえないだろうか――。そんな客の声を聞いたハンズマンはメーカーと交渉してパーツのばら売りを始めた。
・「××のような商品はないか」。店舗の従業員は客の問い合わせを受けることが少なくない。その際、実際に問い合わせを受けた商品名、商品名がわからなければ特徴を「要望商品メモ」にまとめ、本部に提出する仕組みになっている。
・顧客の要望をより多く吸い上げるため、要望商品メモを出した従業員ほど評価が上がるように人事制度まで変えてしまった。その結果だろう。各店舗から上がる「要望商品メモ」はひと月で電話帳5冊分に達している。よほど特殊なものは注文になるが、5冊の電話帳の7割はとりあえず店に並べる、という。
品揃えのすごさを表す逸話の1つに社長の自宅の話があり、置いていなかった商品は取り寄せて常備在庫に加えて、屋根と外装壁以外は店にある商品で建ててしまったとのこと。こういうお店に行ってみたいなぁと思いつつ、今日はここで終わりにします。
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