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ディオバン問題 ノバルティスも教授も大学も関係者は皆自己保身


★2013/6/21 ディオバン問題 ノバルティスも教授も大学も関係者は皆自己保身
★2013/7/12 ディオバン論文にデータ操作・脳卒中への効果なし 京都府立医科大結論
★2013/7/13 ディオバン問題 非協力的なノバルティスと改竄と言わない京都府立医大
★2013/8/28 ノバルティス元社員、肩書の件で「ノ社は黙認していたと思う」 ディオバン問題


★2013/6/21 ディオバン問題 ノバルティスも教授も大学も関係者は皆自己保身

 ノバルティスのディオバン(バルサルタン)に関する問題では、最初は「松原弘明・京都府立医科大学元教授は不正などしていない。不正を訴えている側がおかしい」という抗議メールをいただきました。

 この時点では製薬会社のことは焦点でなかったものの、その後ノバルティスの問題が大きく報道され始めると、今度は「ノバルティスは悪くない。教授が全部悪い」という抗議のメールが来ました。

 そして、その次に来たメールでは「他の会社だって資金提供している。ノバルティスは悪くないし、他がもっと悪い」と私を叱るような内容で、閉口しました。

 どのメールも一連の報道をよく読んでいればそのような主張をするのは無理だという内容でしたし、ノバルティスも少しずつ小出しに認めてきてやっと以下の段階にまで来ましたので、今後「ノバルティスは悪くない」はご遠慮願いたいです。
ノバルティスファーマ、バルサルタン問題で謝罪と対応策を発表 - QLifePro医療ニュース
2013年06月05日 AM09:57

ノバルティスファーマは3日、バルサルタンの医師主導臨床研究問題で、「日本の医師主導臨床研究の信頼性を揺るがしかねない事態を生じさせたことを深く反省し、心よりお詫びする」とのコメントを発した。

同社調査によると、元社員に意図的なデータ操作や改ざんはなかったが、同社に所属していることを論文に表記しておらず、「利益相反の観点から不適切だった」と認め、問題の論文をプロモーションに引用したことにも謝罪した。
http://www.qlifepro.com/news/20130605/announcing-the-apology-and-corrective-valsartan-problem.html

 上記の内容ですので次は「謝罪したんだから問題ない、責めるな」というメールが来るんじゃないかなと想像していますけど、論文・臨床研究の捏造大国日本 ノバルティスのディオバンだけじゃないで示唆されていたように、不正によって得る利益から比べれば、謝罪(さんざん粘りましたが)と給与カットくらいなら屁みたいなものだと思われます。

 抗議メールの方々は報道を熱心に読んでいるようには見えなかったもののいずれも医療業界の方っぽく、ノバルティスや松原弘明元教授らを含めて、この業界の方の倫理観の低さには驚かされます。

 以下の記事はタイトルに「バカを見るのは患者?」とあるのですけど、おそらく薬を使う人のことなんてこれっぽっちも考えたこともないんでしょうね。
ノバルティス論文疑惑、バカを見るのは患者?臨床試験に社員が身分を隠して関与。データ捏造の可能性も
岡田 広行 :東洋経済 記者 2013年06月09日

スイス大手製薬会社のノバルティスファーマが販売する降圧薬バルサルタン(商品名ディオバン)について、五つの大学で行われた臨床試験に同社の社員(現在は退職)が身分を伏せて加わっていたのだ。その社員は統計解析を担当していた。

ノバルティスはこれまで「五つの臨床試験はいずれも医師主導の試験であり、当社はデータ解析を含めていっさい関与していない」と説明していたが、5月22日にそれを撤回し、一転して関与を認めた。(中略)

もっともここまでであれば、コンプライアンスにかかわる問題として幕引きを図ることも可能かもしれない。だが、さらに大きな問題が持ち上がっている。データの捏造や改ざんの疑惑がくすぶっているからだ。
http://toyokeizai.net/articles/-/14212

 上記もこれ以降も以前と重なる話がありますが、ある程度そのまま行きます。
疑惑の火付け役となったのが、2012年4月に英『ランセット』誌に掲載された由井芳樹・京都大学医学部附属病院医師による論文だった。この論文で由井氏はランセット誌に07年4月に掲載された東京慈恵会医科大学を中心とした「ジケイハート試験」およびキョウトハート試験の結果について「ストレンジ」(奇妙)と指摘。バルサルタンを用いた患者の血圧の平均値および標準偏差と比較対照群のそれが試験終了時にぴたりと一致していることについて疑問視した。

 その後、"キョウトハート試験に関する論文"二つが撤回され、メイン論文も専門誌での掲載が取りやめになります。

 さらに……。 
4月11日には、キョウトハート試験の統括責任者だった松原弘明・京都府立医科大学元教授(2月28日に退職)の発表論文14本52カ所でデータの捏造や改ざんがあったことが大学の調査で判明。キョウトハート試験は調査対象に含まれていなかったものの、同試験の信頼性は大きく揺らいでいる。


 私が医療業界の人の倫理観に問題を感じるのは、そもそも最初からおかしいと言われていた論文であったというのもあります。
ノバルティスにとって、バルサルタンは日本での売上高が1000億円を超える看板商品だ。同社は五つの臨床試験に対する組織ぐるみでの関与を否定するが、これまで臨床試験に関する論文が学会で発表されると同時に「複合心血管イベント発症の危険率が45%減少」などと大々的にアピールしていた。

業界誌には「ディオバン発売10周年記念特別座談会」などとうたい、11~12年には8回に上る企画広告を掲載した。そこでは、キョウトハート試験など医師主導試験の責任者や学会の「キーオピニオンリーダー」が登場し、「(バルサルタンの投与群で)脳卒中の相対リスクは45%、狭心症の相対リスクは49%、おのおの有意に減少した」(前出の松原氏)などと宣伝していた。

そもそも降圧治療間の比較で、血圧に差がないのに心血管イベントのリスクが大幅に異なることは考えにくい

こう指摘するのは、臨床試験のデータ解析におけるわが国での第一人者として知られる大橋靖雄・東京大学大学院医学系研究科教授だ。(中略)

「キョウトハート試験など今回問題になっている試験では、プライマリーエンドポイント(主要評価項目)に医師の裁量が入る主観的な項目が多く、信頼性に難がある。そのうえ一連の試験の論文からは、データのモニタリングや監査をしっかりやっているようには見えない。それゆえ、試験結果を額面どおり受け止めることは難しい」

疑惑が深まる中で、一連の試験を主導した各大学は、データの信頼性に関する調査を開始した。しかし、カルテ保存義務の5年が過ぎていることや統計解析を元社員に任せきりにしていた疑いがあることから、真相究明は難航が必至だ。そもそも大学側に、自らの非を認める自浄作用があるのかも定かでない。結局、患者がバカを見るのかもしれない。

 今のところ、皆さん自己保身ばかりで、患者さんのことは全く眼中にないように見えます。

 でも、これは日本の医療業界における歴史的な汚点であると同時に、変革するチャンスでもあると思います。

 素人に問題を指摘されるのが嫌なのでしたら、このノバルティス・ディオバン問題を機に健全な業界を目指していただければと思います。


★2013/7/12 ディオバン論文にデータ操作・脳卒中への効果なし 京都府立医科大結論

 京都府立医科大も大概なんですけどね。とりあえず、彼らは「明らかなデータ操作」という結論を出しました。
降圧剤不正:京都府立医大会見「意図的操作」明言避け- 毎日jp(毎日新聞)
毎日新聞 2013年07月11日 21時22分(最終更新 07月12日 00時57分)

 日本で最も売れている医療用医薬品である降圧剤「バルサルタン」を巡る臨床試験疑惑は11日、京都府立医大が初めて不正を認めたことで新たな局面に入った。【八田浩輔、野田武、五十嵐和大】
http://mainichi.jp/select/news/20130712k0000m040064000c.html

 ああ、降圧剤の中だけじゃなくって、「日本で最も売れている医療用医薬品」なんですね。薬を出したノバルティスは本当荒稼ぎしてくれました。


 一応、不正を認めた京都府立医大ですが、相変わらず態度が煮えきりません。
 報告書では、統計解析を担当した元社員や、研究を主導した松原弘明元教授(56)を含む複数の人物がデータ操作に関わることが可能だったとした。しかし、調査委員長の伏木信次副学長は「意図的な操作かどうかも含めて特定することはできなかった」と、明言を避け続けた。

 後で見ていきますけど、この「データ操作」はひどいものです。「意図的な操作かどうかも含めて特定することはできなかった」としていますが、そんな精神論の問題じゃありません。意図した証拠がないから不正じゃないなんて、馬鹿げています。
 大学の問題点として「研究室には統計解析に通じた人材がおらず、製薬企業従業員の力を期待した点に問題があった」と指摘した。再発防止策として、統計の専門家を学内に配置するほか、製薬企業からの研究費の寄付や研究者の講演料の受け取り状況についてもホームページで公開するとした。

 京都府立医大は飽くまで「データ操作」という言い方をしているようですが、傍(はた)から見れば捏造・改ざんであり、以下のような声が出ています。
 厚生労働省研究開発振興課は「調査結果は、捏造(ねつぞう)や改ざんを強く示唆していると理解している。極めて遺憾な事態だ。具体的な責任は誰にあるのか、大学には引き続き調査を求める」(一瀬篤課長)とし、文部科学省と再発防止対策を協議する方針を示した。文科省ライフサイエンス課は「まだ詳しい情報が手元にない。事実関係がすべて出そろった段階で、文科省としてどんな対応ができるかを検討、判断する」(彦惣(ひこそう)俊吾専門官)と話した。

 医学系118学会が加盟する日本医学会の利益相反委員長、曽根三郎・徳島大名誉教授は「操作によって効果があったというのは捏造と言われても仕方がない。操作された結果を基に販売促進に利用したことは極めて悪質であり、再発防止のためにも企業は大学の調査に協力し、説明責任を果たすべきだ」と指摘する。

 京都府立医大の消極姿勢は別投稿でもやりたい(この後の"ディオバン問題 非協力的なノバルティスと改竄と言わない京都府立医大")ですが、次は読売新聞から実際の「データ操作」の中身を見ていきます。
「薬論文で明らかなデータ操作」京都府立医科大
(2013年7月12日01時52分 読売新聞)

 論文は、高血圧患者約3000人を2グループに分け、一方にディオバン、他方に別の降圧剤を投与した2003~07年の臨床試験の結果を分析したもの。「ディオバンは、血圧を下げる効果は他の薬と大差なかったが、脳卒中や狭心症のリスクが大幅に減った」などと結論づけていた。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130711-OYT1T01063.htm

 もともとこの解釈は無茶があると言われていましたが、実際にはデータすら嘘っぱちでした。
 調査結果によると、論文にデータが使われた患者のうち、カルテが確認できた223人のデータを調べたところ、論文に用いた解析データとカルテの記載事項が異なる例が34件あった

 脳卒中などを発症したとカルテに記載されているのに、論文のデータ解析では「発症していない」とされた例がディオバン投与グループで9件、他の薬の投与グループで1件あったほか、脳卒中などを発症していないのに、データ解析では「発症した」とされた例が、ディオバンで4件、他の薬で20件だった。

 ディオバン(バルサルタン)に不利になるデータ操作もあるため、ノバルティスを擁護する方は意図したものじゃないなどと言いそうですけど、明らかに数字に偏りがあります。これは不自然すぎて、意図せずに起こる確率は相当なものでしょう。

 それこそ統計知識のある方ならどれだけ不自然な結果なのか、確率で示していただけるはずです。


●脳卒中などを発症したのに論文のデータ解析では「発症していない」としたもの

ディオバン投与グループ 9件
他の薬の投与グループ 1件

(結果)ディオバンに有利

●脳卒中などを発症していないのに論文のデータ解析では「発症した」としたもの

ディオバン投与グループ 4件
他の薬の投与グループ 20件

(結果)ディオバンに有利


 まあ、それ以前に純粋な間違いだとしても間違いすぎで、ノバルティス元社員は全く使いものにならないってことですけどね。

 223件のデータで34件間違うって、到底「統計解析に通じた人材」とは言えず、問題外です。「不正な統計解析に通じた人材」の間違いじゃないでしょうか?


 この「データ操作」を無くした状態で見ると、ディオバン(バルサルタン)の効果は以下のような結論に。
 全体として、解析データはカルテの記載と比べて、ディオバンの効果が上がるようになっていた。この223人について、カルテの記載通りに解析すると、ディオバンには、脳卒中や狭心症のリスクを減らす効果は特に認められなかった。

 この事実は重いですよ。


★2013/7/13 ディオバン問題 非協力的なノバルティスと改竄と言わない京都府立医大

 1投稿に4記事入れると長いかな?ということで、ディオバン論文にデータ操作・脳卒中への効果なし 京都府立医科大結論と分けました。

 残り2記事はまず朝日新聞から。
朝日新聞デジタル:京都府立医大「調査に限界」と釈明 高血圧薬論文めぐり 2013年7月12日1時41分

 【野中良祐、小宮山亮磨】「たいへんな迷惑、心配をかけたことをおわび申し上げる」。京都府立医大の調査委員会が、高血圧治療薬の効果を調べた論文に「データの不正操作があった」と認めたことを受け、吉川敏一学長は記者会見で深々と頭を下げた。自身の給与を返納する考えを明らかにし、「再発の防止と信頼の回復に努めていきたい」と語ったが、返納の期間や金額は未定とした。

 会見には、吉川学長のほか、調査委員長の伏木信次副学長らが出席した。
http://www.asahi.com/national/update/0712/TKY201307110528.html

 前回のディオバン論文にデータ操作・脳卒中への効果なし 京都府立医科大結論で書いた京都府立医大の消極姿勢というのは、こちらです。
 「データ操作があった」との表現にとどまった報告書の内容に対し、報道陣から「改ざんではないのか」などと質問が集中した。

 この文章からすると、どうも京都府立医大は「データ操作」という言葉にこだわり、「改ざん」といった言い方を避けているようです。

 別記事からも京都府立医大が及び腰なのはわかります。
チェック機能、倫理欠如 府立医大臨床試験問題 : 京都新聞

会見では、調査委員長の伏木信次副学長が説明した。人為的なデータ改ざんの可能性について尋ねる記者の質問に伏木副学長は「意図的かどうかは認定できなかった」と繰り返した。【 2013年07月11日 23時20分 】
http://kyoto-np.co.jp/top/article/20130711000173

 ただし、前回他の医療関係者の言葉を見てわかるように、事実上の改ざん・捏造と受け止められています。そりゃ、当然でしょう。

 また、前回も書いた通り、意図があったかなかったかといった精神的なところは問題ではありません。そういう精神論の逃げ道作ったら何でも可能になってしまいます。

 1つ2つのミスならまだしも、結果としてディオバンに有利になるような誤りが何十件もあったのですから、客観的に見て改ざんだと言わざるを得ません。


 一方で、相変わらずディオバン(バルサルタン)販売元のノバルティスも非協力的で、反省の様子が見られません。
 研究では販売元のノバルティス日本法人の元社員が統計解析を担当していたことが判明している。調査委はこの元社員に話を聴こうとノバルティスに協力を求めたが、すでに退職しているとして断られたという。 (朝日新聞)

 これを踏まえているのか、前回では「操作された結果を基に販売促進に利用したことは極めて悪質であり、再発防止のためにも企業は大学の調査に協力し、説明責任を果たすべきだ」という声が挙がっていました。

 また同じく前回で「大学には引き続き調査を求める」という意見が出ていましたが、京都府立医大はやる気ありません。
 伏木副学長は「データ不正はあったと考えている」としながらも、だれがやったのか、故意にやったのか調べようがないとし、「大学の調査では限界があるので、この報告を最後にする」と語った。 (朝日新聞)

 京都府立医大は"データ操作した関係者について、大学側が刑事告訴を視野に弁護士と協議していることを明らかにした"(京都新聞)そうで、それは大いにやって良いと思います。

 ただし、それで京都府立医大が責任回避できると思ったら大間違いです。京都府立医大は一度このディオバン論文を調査して「問題なし」と結論付けるなど、罪は深いものがあります。
 今回の調査は、論文のデータに疑義があると外部から指摘され、今年3月に始まった。しかし、大学側は1月にいったん「捏造(ねつぞう)はなかった」と結論づけていた。

 今回の調査結果との違いについて問われ、伏木副学長は「1月は不正とは関係ないデータ入力に誤りがあったということ。今回は臨床研究自体の本質に関わる操作があったということだ」と釈明した。 (朝日新聞)

 本当、このディオバン論文問題は、医療関係者の倫理観の欠如が目立ちます。


★2013/8/28 ノバルティス元社員、肩書の件で「ノ社は黙認していたと思う」 ディオバン問題

 古い未処理の記事も残っているのですが、新しめの話題を追加。
時事ドットコム:「非常勤講師」無断で論文に=元社員、高血圧薬臨床不正-大阪市立大

 製薬会社ノバルティスファーマの高血圧治療薬「ディオバン(一般名バルサルタン)」の臨床研究データが不正に操作されていた問題で、研究に関わった同社の元社員が非常勤講師を務めていた大阪市立大は22日、調査報告書を公表した。大学として臨床研究への関与を否定し、元社員が非常勤講師の肩書を無断で論文に使ったとしている。

 報告書によると、元社員は2002年4月から今年3月まで、非常勤講師として無報酬で勤務。産業医学教室に所属していたが、同教室はディオバンの研究を行っていなかった。元社員が実際に講義をしたのは1回だけだった。

 元社員が関わった5大学の臨床研究論文では、ノ社ではなく大阪市立大非常勤講師の肩書が使われ、一部には同大でデータ解析が実施されたと書かれていたという。同大は「一切関わっていない」とし、大学側の承認を得ないまま肩書が使われたとしている。(2013/08/22-16:47)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201308/2013082200663

 今回論文を出している大学に関しては被害者ではなく共犯者的な側面があると思っていますので弁解を素直には受け止められないのですが、この大阪市立大はさすがに完全な被害者かもしれません。そんなの知りませんわね、普通。

 ただし、別記事を見ると、そもそも非常勤講師として実態を把握していない人がいるってのが無防備すぎて、大阪市立大にも責任があるんじゃないかと報告書で言っていたみたいです。
降圧剤データ改竄 大学調査委「大阪市大にも責任」 無給講師の活動放置 - MSN産経ニュース
2013.8.23 12:28

 高血圧治療の降圧剤「ディオバン(一般名・バルサルタン)」の臨床研究の論文データ不正操作問題をめぐり、販売元の製薬会社ノバルティスファーマ(東京)の元社員が大阪市立大学の非常勤講師の肩書で研究に参加していた問題で、同大の調査委員会は22日、勤務実態を把握しないまま放置した大学側に責任の一端があるとする調査報告をまとめた。

 (中略)有給の非常勤講師の場合は、講義実績などで活動を把握できるが、無給の場合は放置状態で、調査委は「勤務実態がほとんどないにもかかわらず、長期間非常勤講師としていた大学側にも原因がある」と指摘した。同大によると、約430人の無給の非常勤講師のうち23人の勤務実態が把握できておらず、今後、勤務実態が確認できる人のみを採用するよう制度を見直すとしている。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130823/crm13082312290005-n1.htm

 大阪市立大学の場合、430人もの非常勤講師がいるそうです。肩書きの大安売り!

 そういや、横浜国立大学の場合も1度でも講義をすることになれば「非常勤講師」という肩書をつけるシステムになっており、権威批判をしておきながら肩書き大好きの上杉隆さんが講義が決まった時点で速攻プロフィールに載せていたという事件を思い出しました。
(みんなにツッコまれたので、プロフィールから消したのも早かったですけど)

 こういう肩書きを悪用する人がいるわけですから、やはり大学の方もやり方を変えたり、管理していく方向性にすべきです。


 最初の記事の最後のところでも書いていたのですが、今回の報道で最も特筆性があったのは、次の部分です。

 今回の問題は「重要参考人」であるこの元社員へ突っ込めていないというのが事態を難解にしているのですが、珍しくちょっと進んだ発言がありました。
 元社員も調査委の聞き取りに対し、「市立大の所属を使うことは論文の著者にもノ社にも都合がよかった。ノ社は黙認していたと思う」と話したといい、大学側は近く、正式にノ社などに抗議するとしている。

 「ノ社も黙認していたと思う」ですって。ノバルティス・ファーマは彼を厄介払いして難を逃れたつもりでいたようでしたけど、こんなこと言っちゃいました。今頃はらわたが煮えくり返っているかと思います。


 あと、大阪市立大学の調査委員会は責任の度合いが軽いせいか、上のように「自分たちにも責任が」と認めている他、大学内に舞台を絞らずに自由に調査したようで、もう一つ重要なことを報告しています。
ディオバンに関する論文の著者らに聞き取りを行った結果、元社員はノ社のグループマネージャーと同大非常勤講師の肩書を併記した名刺を持参して面会していたことが判明。5大学の研究者8人中6人が、元社員がノ社の関係者と感じていたと回答した。

 まだ正直に答えていない人もいるかもしれませんけど、現在の時点で既に8人中6人、ほとんどの人が知りながらやっていることを認めました。

 元社員、ノバルティス社、大学教授らと関係者はみなさん罪がある、だからどこかに責任を押し付けるわけには行きませんよ……という珍しく真っ当な内容の報告書でした。


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  ■論文・臨床研究の捏造大国日本 ノバルティスのディオバンだけじゃない
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  ■サイトサポート・インスティテュートと千本病院 小林製薬治験問題
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