2018/12/26:
●ブラック企業大賞に日立製作所・パナソニック・財務省など
2017/11/28:
●パナソニックでも過労死 ワタミ同様ブラック企業大賞にノミネート
●2017年は新国立競技場問題でもノミネート
2013/7/3:
●ワタミが2年連続でブラック企業大賞にノミネート
●2013年の他のノミネート企業はベネッセなど
●中西宏明経団連会長の日立製作所もブラック企業大賞にノミネート!
2018/12/26:第7回となる2018年の『ブラック企業大賞』が発表されていました。大賞以外にノミネートとされて何らかの賞をもらった企業も紹介しておきます。
「大賞」三菱電機
長時間労働を原因として社員5人が精神障害や脳疾患を発症し、2014年から17年にかけて相次いで労災認定され、うち2人は過労自死。
「特別賞」日立製作所と日立プラントサービス
20代の労働者が長時間労働とパワハラにより精神疾患を発して労災認定された。数百人のフィリピン人技能実習生を不正に働かせていたとして、法務省から調査も受けている。日立は経団連会長を輩出している会社。
「市民投票賞」財務省
女性記者でのセクハラ問題があった。
「有給ちゃんと取らせろ賞」自動販売機運営会社のジャパンビバレッジ東京
違法な長時間残業があったとして労働基準監督署から是正勧告を受けた。ある支店の支店長が従業員に「有給チャンスクイズ」というメールを出し、正解しないと有給休暇取得を認めないというパワハラを行っていたことも発覚。
(
『ブラック企業大賞2018』今年の大賞は三菱電機に決定! - まいじつ | This kiji isより)
●パナソニックでも過労死 ワタミ同様ブラック企業大賞にノミネート
2017/11/28:全然知らなかった!と驚いてしまったのが、パナソニックの過労死報道でした。最近、書きたいことが多すぎるので、ニュースなどはなるべく見ないようにしているのですが、最近ではなく今年の春に報じられていたもの。あまりマスコミでは大きく扱われなかったのかもしれません。
問題となったのは、富山県砺波(となみ)市のパナソニックの工場。まず、40代の男性社員が昨年6月に死亡。遺族の申請を受けた砺波労働基準監督署が今年2月、長時間労働による過労死だったと労災認定していました。
また、この件を受けた調査で、死亡した社員を含む3人に違法な残業をさせた疑いがあることがわかりました。3人は2015年12月から昨年6月までに、それぞれ最大月97~138時間残業していたそうです。労基署はパナソニックとと労務管理担当の2人を労働基準法違反の疑いで富山地検高岡支部に書類送検しています。
(
パナソニック、違法な残業容疑で書類送検 1人は過労死:朝日新聞デジタルより)
このパナソニックの話はどこに追記するか迷っていたのですが、2017年の第6回ブラック企業大賞にもノミネートされましたので、ここに追加することに。
ブラック企業大賞: 第6回ブラック企業大賞 ノミネート企業決定!(2017年11月27日月曜日)を要約したものが以下です。上記の件以外でも、パナソニック絡みの過労死があるとのことで、わりと濃いブラック企業でした。そして、そんな企業が例によって、国の認定受けていました…。
3.パナソニック株式会社
同社では2016年6月、パナソニックデバイスソリューション事業部の富山工場(富山県砺波市(となみし))に勤務する40代の男性社員が亡くなった。これが2017年2月に砺波労働基準監督署により過労が原因と認定された。同労基署によれば、男性の残業時間は16年5月には100時間を超えていたという。
同社は従前、仕事と育児の両立支援でトップクラスの実績を上げている企業として厚生労働省から「プラチナくるみん」の認定を受け税制優遇措置も受けていたが、この書類送検を受けて厚労省から認定を外されている。
なおパナソニック側は「雇用関係がない」としているが、同社の福井市の工場に勤務していた2次下請け会社の社員も2015年10月にクモ膜下出血により死亡しており、2017年1月に福井労基署により過労死と認定されている。
●2017年は新国立競技場問題でもノミネート
2017年の第6回ブラック企業大賞の他のノミネート企業の要約は以下。7番の「大成建設株式会社・三信建設工業株式会社」というのはわかりづらくて地味に見えるのですが、要するに新国立競技場問題なので、よく報道されたものでした。
1.ゼリア新薬工業株式会社
当時22歳の男性社員が、新人研修受講中に亡くなった。同社の新人研修は人材コンサルタント企業ビジネスグランドワークス(以下、BGW)に一部委託されており、亡くなった男性はこのBGWの講師によって、かつて吃音だったことやいじめを受けていたことを大勢の同期の前で告白させられるなどした結果、「強い心理的負荷」を受け精神疾患を発症し、言動に異常が見られるようになっていた。
2.株式会社いなげや
同社では2014年5月25日、スーパーの「いなげや」志木柏町店(埼玉県志木市)のチーフだった男性社員(当時42歳)が勤務中に突然呂律が回らなくなり救急搬送され入院。同年6月2日には仕事に復帰したが、同5日の夜に店の駐車場で倒れているところを客に発見され、意識が戻らないまま同月21日に脳血栓により亡くなった。男性の死は2016年6月にさいたま労働基準監督署によって労災と認定された。
代理人によると、亡くなった男性の発症前4か月前の時間外労働は96時間35分、発症前の4カ月平均で75時間53分に到達。ただこの店ではタイムカード打刻前・後のサービス残業が行われていたことが確認されており、上記以外にも「日・時間が特定できない労働時間」があったと推定されている。
4.新潟市民病院
2016年1月、37歳女性研修医が亡くなった。女性の月平均残業時間は187時間、もっとも長い月で251時間だった。報道によると、女性が時間外労働を48時間として申告していたことから、病院側は電子カルテの操作記録をもとに算出した残業時間を「…多くは医師としての学習が目的で、労働時間に当たらない」と弁明したという。
5.日本放送協会(NHK)
NHKでは、2013年7月、当時、31歳だった女性記者がうっ血性心不全で死亡した。2014年、女性の死因は長時間労働による過労が原因であるとして労災認定された。渋谷労基署によると、亡くなる直前の2013年6月下旬から7月下旬まで1カ月間の時間外労働(残業)は159時間37分。5月下旬からの1カ月間も146時間57分にものぼった。なお、遺族側の調査では、亡くなる直前の残業時間は209時間とされている。
6.株式会社引越社・株式会社引越社関東・株式会社引越社関西
引越社グループは、「アリさんマークの引越社」として全国で営業展開する引越による荷物の運搬等を業とする企業。
引越社関東所属の男性営業社員をシュレッダー係に配転したり、懲戒解雇したしりした。懲戒解雇においては、その理由を「罪状」などと記載して男性の顔写真を入れた書類(罪状ペーパー)を、引越社グループの店舗に掲示するなどした。また、引越社グループでは、今年3月、「組合への勧誘は悪徳マルチ商法への勧誘が本当の目的」との張り紙をした行為は不法行為であるとして、名古屋地裁により、50万円の支払を命じられている。
7.大成建設株式会社・三信建設工業株式会社
大和ハウス工業株式会社は、東京オリンピック・パラリンピックで使用するメインスタジアム「新国立競技場」の建設工事の元請け企業。三信建設工業株式会社は、「新国立競技場」建設において、大成建設から地盤改良工事を請け負った一次下請け企業。
今年3月、三信建設工業の新人男性社員(当時23歳)が亡くなり、10月に新宿労働基準監督署は、長時間労働による過労が原因の労災であると認定。報道によると、亡くなる前の1カ月の残業は約190時間。この事件を機に、東京労働局は、「新国立競技場」の建設工事に関わる約760社を調査した結果、37社で違法な時間外労働が確認され、新宿労基署が是正勧告をした。
8.大和ハウス工業株式会社
2017年9月、同社が埼玉西支社に営業職として勤務していた20代男性に違法な時間外労働をさせ、川越労働基準監督署から同年6月29日付で是正勧告を受けていた。同社は2011年にも労働時間の管理に関して是正勧告を受けており、それ以降は一定の時間になると消灯して社員を帰宅させるなどの長時間労働対策を実施していた。
9.ヤマト運輸株式会社
2016年12月には、神奈川平川町支店のセールスドライバー(SD)に対して残業代の未払いなどがあったとして横浜北労働基準監督署から是正勧告を受けたほか、2017年5月にはパート従業員の勤務時間改ざんと賃金の未払いがあったとして、同社西宮支店に西宮労働基準監督署から是正勧告を受けている。
以降は、もともと書いていた2013年の第2回ブラック企業大賞ノミネート企業の話。パナソニックなどの先輩企業で、ワタミという大物がいます。もう懐かしい話になっちゃってますね。
●ワタミが2年連続でブラック企業大賞にノミネート
2013/7/3:昨年の2012年から始まったブラック企業大賞の件。記念すべき第1回に続き、ワタミが2013年の今年も無事ノミネートされました。
ブラック企業大賞によると、ワタミフードサービス株式会社がノミネートされた理由は、当然過労死の件。"厚生労働省が定める過労死ライン(月80 時間の残業)をはるかに上回る月141 時間の残業を強いられ、わずか入社2 カ月で精神疾患と過労自殺に追い込まれ"ています。
"連続7 日間の深夜労働、午後3 時から午前3 時半の閉店まで12 時間働かされ"ました。"閉店後も遠く離れた社宅には始発電車まで帰ることもできず、休憩室のない店舗で待つしかなかった"といいます。他にも、"休憩時間が取れない、休日出勤、強制的なボランティア活動、早朝研修、給料から天引きで買わされた渡辺会長らの著書の感想文提出など"の問題がありました。
ただ、ワタミが他の企業と違うのは、"
昨年2 月に労災認定されたあとも、同社は責任を認めることなく、創業者である渡辺美樹会長は遺族からの求めに応じず、いまだに面談も謝罪も拒否している"という点。また、残業に関する労使協定(36 協定)も店長が指名したアルバイトに署名させるという違法行為が労働基準監督署から是正指導を受けています。
それにしても、これだけブラック確定が明らかな人なのに、なぜ自民党は公認したでしょうね…。
(関連:
ワタミ渡邉美樹自民党比例・朝日新聞捏造説は結局デマで正式決定)
●2013年の他のノミネート企業はベネッセなど
他のノミネート企業についても、要約して紹介しておきます。
2.株式会社クロスカンパニー
全員が正社員として雇用されているとして一部で「女性社員の働きやすい企業」として宣伝されている企業だが、2011年2月9日、立川労働基準監督署は、入社1年目の女性正社員(2009年10月死亡)が極度の過労・ストレスにより死亡したとして労働災害として認定された。
3.株式会社ベネッセコーポレーション
2009年、人事を担当する人財部のなかに「人財部付」という部署が新設された。ここに配属された女性社員は、「あなたたちには問題があります。受け入れ先を獲得する活動をしなさい」と上司から指示された。電話に出ないように指示され、名刺も持たされなかった。社内ネットにもアクセスさせなかった。
4.株式会社サン・チャレンジ(ステーキのくいしんぼ)
2010年11月8日午前1時ごろ、株式会社サン・チャレンジが運営するレストランチェーン「ステーキのくいしんぼ」渋谷センター街店の店長だった男性(当時24歳)が、店舗が入居するビルの非常階段の踊り場で亡くなっているのが見つかる。男性の自殺は、2012年3月に渋谷労基署が過労によるものと認定。
5.株式会社 王将フードサービス(餃子の王将)
2013 年2 月5 日、「餃子の王将」で働いている25 歳の男性が、王将フードサービスを相手取り損害賠償を求める裁判を起こした。うつ病を発症する直前の6 ヶ月の時間外労働は平均して月に約135 時間だった。男性のうつ病は、労災として認定されている。
6.西濃運輸株式会社
神奈川県内の支店で事務職をしていた23 歳の男性が、2010 年12 月31 日に亡くなる。男性は生前に「毎日12 時間以上働かせ、サービス残業を強要した」などといった文章を残していた。
7.株式会社東急ハンズ
バレンタインデー商戦の際に、30 歳の男性が亡くなった。亡くなる直前の2 ヶ月間はバレンタイン商戦などの繁忙期で、時間外労働は平均して月に約90 時間を数えた。そして、2004 年3 月、帰宅後に「しんどい、もう限界や」と話した後、心臓に異常をきたして就寝中に突然死した。
8.国立大学法人東北大学
2007年12月、東北大学薬学部助手の男性(当時24歳)が大学構内で亡くなる。同大大学院薬学研究科博士課程に在籍していた男性は07年6月、「人手不足」との理由で指導教授から請われ退学し、助手に就任。当初の話では学位取得のための研究を優先できるはずが、実験機材の修理や実習指導に忙殺され、自殺直前2ヶ月の時間外労働は104時間、97時間だった。
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