2013/7/4:
●ブラック企業との指摘にワタミ社長「ブラック企業の定義がない」
●「ありがとうツアー」を実施したからブラック企業ではないと反論
●まるで新興宗教!社員にはありがとうと感謝されていると主張
●離職率が高くないからブラック企業ではない…には注意が必要
●努力のおかげで離職率は減ったと主張 事実なら良いのだけど…
●未だに過労死で死んだ社員は一人もいないと思っているワタミ
●ブラック企業との指摘にワタミ社長「ブラック企業の定義がない」
(読まれないワタミ関係の過去投稿が多すぎるのでまとめたいのですけど、とりあえずまず一度見直して再投稿しています)
2013/7/4:これを書いている2013年7月時点では、どうもワタミは過労死した社員についての責任をまだ認めていないみたいです。そんな彼らの言い訳を聞いていても不愉快なだけなのですが、そういった記事が何度も出ています。不快なのでなるべく1回で処理したいです…と書き始めましたが、結局長くなりましたので使ったのは1記事のみです。
今回は日経ビジネスオンラインのブラック企業特集のもの。
「我々の離職率は高くない」:日経ビジネスオンライン(日野 なおみ 2013年4月16日)というタイトルです。やや古いもので今のように毎週ワタミのブラック企業に関する新ネタが届いていなかった頃のものでした。
私は当時いつでもいいやと後回しにしたのですが、その後続々記事が来るので今日まで使えていませんでした。珍しく渡邉美樹さん(記事当時はワタミ会長、2013年7月時点時点では自民党で選挙に出るためか辞任)ではなく、桑原豊ワタミ社長が語っている話です。
桑原豊ワタミ社長は、まず、「ブラック企業」という言葉が急速に浸透しているものの、現段階で「ブラック企業」の定義が明確ではないと主張。その上で、「我々としては、定義が明確でないものに対する見解を述べる立場にはないと判断しています」としていました。
●「ありがとうツアー」を実施したからブラック企業ではないと反論
ただ、完全に何も述べないというわけではなく、この後、ブラック企業と言われることについて反論したいというニュアンスで、「そこで今回は、改めて我々が実施している、社員教育について、きっちりと説明したいと思いました」と言っていました。以下のような内容です。
<かねてから、ワタミグループでは年4回の理念研修と、年2回の幹部理念研修、月1回の階層別研修を実施しています。これ以外にも毎月、ビデオレターなどを通じて、経営トップや本部スタッフと、店舗や施設の現場スタッフがコミュニケーションを取るように努めています>
<研修会場でスタッフと話すと、「自分たちの頑張っている姿を、現場でしっかり見て欲しい」という声を多くもらっていたのも事実です。そこで、社員みんなが頑張り、輝いている瞬間を、我々経営トップが現場で直接見ることが必要だと思いました。現場に訪れて、スタッフに対して直接「ありがとう」という言葉を伝えたい。その一心で、今年1月からは遠隔地の拠点を中心に訪れる「ありがとうツアー」を実施しました>
「ありがとう」はワタミの合言葉なんですかね? <ワタミグループは、地球上で一番たくさんの“ありがとう”を集めるグループをめざします>なんて、空々しい売り文句も使っているようです。
とりあえず上記の場面では、お客さんからワタミへの「ありがとう」ではなく、役員から社員に対しての「ありがとう」であり、計2300枚の「ありがとう名刺」を配ったとのこと。でも、これと「ブラック企業」の話と何の関係が…?という話です。ブラック企業ではない証拠にはなり得ないでしょう。
●まるで新興宗教!社員にはありがとうと感謝されていると主張
また、実にワタミらしい話になるのが、この後でした。上記は役員から社員に対しての「ありがとう」だったのでマシだったのですけど、結局、社員が役員に感謝している「ありがとう」があると言っているんですよ。たぶんこれブラック企業批判への反論のつもりなんだと思われます。
<「ありがとうツアー」の目的は、社員やアルバイトメンバーさんたち全員に、「ありがとう」と伝えることが目的でした。ですが各地を巡り、会長の渡邊や私の方が、
逆にスタッフから「ワタミをつくってくれて本当にありがとう」という感謝の言葉をもらいました。>
「ワタミをつくってくれて本当にありがとう」て。…ワタミが渡邉美樹さんを教祖とした宗教っぽいと言われるのは、ここらへんの部分です。そういえば、
渡邉美樹を讃える(?)ワタミ感謝祭 社長へ感謝の手紙を読み上げるコーナーもで出たワタミ感謝祭という名前も、株主がワタミに「ありがとう」と感謝しているんだという主張を感じるネーミングでした。
さらにこのワタミ感謝祭では、「ワタミの従業員から社長への感謝の手紙を読み上げるコーナー」というのもありました。比喩でなく本当に死ぬほど働かされて、なお感謝…。これは普通は胸張れるところじゃないと考えるんですけど、ワタミの方はいつも得意げにこういったことを話します。
●離職率が高くないからブラック企業ではない…には注意が必要
その他、桑原豊社長は渡邉美樹さんと同じく離職率を強調しています。
<ブラック企業か否かを判断する基準の1つに、離職率の高さがあるようです。ただワタミの外食事業の離職率は、ほかの外食産業の離職率と比較しても、決して突出して高いわけではありません。平均的な推移です>
ブラック企業の離職率は素直に高い企業と、辞めさせずにギリギリまで働かせる離職率の高くない企業があります。ということで、私はワタミが後者に当たると思っていました。これは会社を辞めることができずに亡くなってしまった方がいる…という事実とも、合致します。
ただ、
ワタミ現役店長、サービス残業を告白 出勤日数も嘘で休みは月2日では、現役店長が「どんどん辞めていく」とおっしゃっていました。ここらへんの話はよくわかりませんね。
●努力のおかげで離職率は減ったと主張 事実なら良いのだけど…
この話は置いておき、「そうなんだ」と思ったのが、離職率の変化についての話です。ワタミの桑原豊社長が言うには、様々なしくみの改善を行ったおかげで、昨年度の入社1年目社員の離職率は、一昨年と比べても半減しました」と言っていたのです。
具体的な数字は書いていませんけど、変化があるんですね。まあ、この数字もごまかしがないとも限らないんですけど…。例えば、
ワタミ現役店長、サービス残業を告白 出勤日数も嘘で休みは月2日は、残業時間は大嘘という現役店長の主張でしたからね。
本来、ワタミは過労死の件で責任を認め、上記で主張されているような努力を行い、変わろうとしている…という姿を見せなくてはいけませんでした。
ワタミの場合は間違って死なせてしまった不幸な事故というよりは、死なせるべくして死なせたという異常な労働環境でしたので、変わろうとしている最中であっても「ワタミ叩きは良くない」とは決して言いません。
ただ、本気で反省したところが見せた上で、「労働環境の改善を行っている」と主張したのであれば、もう少しワタミバッシングの火は弱かったかもしれません。全く反省していないということが、すべてを台無しにしていますね。
●未だに過労死で死んだ社員は一人もいないと思っているワタミ
全く反省していないというのは、例えば、現実のワタミは過労死事故後も「24時間死ぬまで働け」という教育資料を変えていないこと。また、渡邉美樹さんにも全く悪びれる様子がないということもあります。ほとんど反省する様姿が見られませんでした。
そして、実際、渡邉美樹さんもワタミも過労死の責任を未だに認めていないという話を、
ワタミが2年連続でブラック企業大賞に 途中経過では大差、今年こそ大賞?のときに知り、驚愕しました。
ワタミにとっては未だに過労死で死んだ社員は一人もおらず、「ありがとう」と感謝を述べるスタッフしかいないのですから、前述のような姿勢なんでしょう。恐ろしい思考ですね。
とにかくこういった態度を続けていては、高くないと言う離職率も健康面や心身面のサポート強化も信じてもらうことは不可能です。ワタミの方たちはいろいろな意味で、他人の心を理解できないんだと思われます。
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