当初書いていたのは、熱中症死亡者の大半はクーラーを使っていない人であるという話。節電でも人は死んでしまうので、過度な節電には注意しましょうという話でした。その後、若者による死亡例の話を冒頭に追加して、タイトルも「高齢者・子供以外も熱中症で死亡 クーラー・エアコン未使用のケースが大半」に改めています。(2017/07/11)
2017/07/11:
●高齢者・子供以外も熱中症で死亡 クーラー・エアコン未使用のケースが大半
2013/7/5:
●過度な節電にご用心!節電のしすぎでも人は死ぬ、クーラーは使おう
●やはり熱中症死亡は、クーラー・エアコン未使用のケースが大半
●クーラーがないというわけではない、現在はすでに90%の家庭に普及
●運動しなくても水分補給は必要なの?熱中症予防のポイントとは?
●高齢者・子供以外も熱中症で死亡 クーラー・エアコン未使用のケースが大半
2017/07/11:熱中症で亡くなりやすいのは、やはり体が弱い人。高齢者などの方が亡くなりやすいのは事実です。報道でもそういったものが多く、例えば、
82歳女性、自宅で熱中症死:朝日新聞デジタルがそうでした。
これは、一人暮らしの82歳の女性のところへ家族が行ってみると、ぐったりしていたというニュース。大分県消防保安室も、「発汗機能が落ちる高齢者や汗腺の少ない子どもは体温の調節が難しい。こまめな水分補給とエアコンなどで室温を28度程度に抑え、熱中症を予防してほしい」と呼びかけていました。
ただ、若い人が大丈夫か?となると、それは間違い。2017年初の東京23区で熱中症によるとみられる死者は、30代の男性だったんですよ。そして、このケースでは、"男性が倒れていた部屋にはエアコンが設置されていなかった"という当初書いていたクーラーの有無が影響した可能性がありました。
(
30代男性“熱中症”で死亡23区で今年初|日テレNEWS24 2017年7月10日 18:35より)
●過度な節電にご用心!節電のしすぎでも人は死ぬ、クーラーは使おう
2013/7/5:で、当初書いていたクーラーの話です。私が福島原発事故の夏に懸念したのは過度な節電でした。当時も書いたと思いますが、熱中症による死亡者はクーラーを使っていない人が多いのです。せっかくクーラーがあって体も必要としているのに、過度な呼びかけにより節電に意識が行き過ぎて、命を危険にさらしてしまうというのはたいへん問題であり、私は当時とても心配していました。
ただ、幸い私の懸念は杞憂に終わったようで、熱中症の死者が例年より多いという報道は耳にしませんでしたし、今確認した数字を見てもおそらくあまり影響はなかったのでは?と考えています。
熱中症死亡者数
平成19年(2007年) 84人
平成20年(2008年) 30人
平成21年(2009年) 7人
平成22年(2010年) 210人
平成23年(2011年) 79人(PDF)平成23年夏の熱中症死亡者の状況(PDF:431KB) 東京都福祉保健局●やはり熱中症死亡は、クーラー・エアコン未使用のケースが大半
なお、平成23年のみで他年度との比較はないのですが、クーラーの使用状況について。
熱中症死亡者 69人
クーラー使用有 10人(14.5%)
クーラー使用無 46人(66.7%)
不明 13人(18.8%)
屋内の熱中症死亡者は69人です。79人中69人ですから多いですね。熱中症死亡者は屋外、特に建設作業などの従事者が多いと思っていましたが、屋内の方が多いものなのかもしれません。クーラーに関してですけど、上記を見て明らかなように7割近い人が、クーラーを未使用もしくは持っていなくて亡くなった方です。
他年度との比較がないので節電の呼びかけのせいかはわかりませんし、最初に書いたように原発事故前からクーラー未使用者の死亡が多かったのでそのまま同傾向と捉えて良いと思います。とりあえず、クーラーを使った方が危険性が減るのは間違いありません。
●クーラーがないというわけではない、現在はすでに90%の家庭に普及
クーラーを使わないわけではなく、そもそもクーラーを持っていない人が多いためでは?と思うかもしれません。ただ、
エアコン普及率をグラフ化してみる(2012年分データ反映版):Garbagenews.comlによると、クーラーの普及率は90%ほどで、持っていない人が多いため"クーラー使用無"の死者が多いというわけではなさそうです。
それでもなお普及したと言っても部屋に1つずつついているわけじゃないから…という反論は考えられるでしょう。ところが、1世帯あたりの保有台数も3台とかなり多くなっています。これまた反論としては弱いかもしれません・
ただし、死者が多い高齢者でなおかつ単身住まいに限ると、普及率は男性で75.5%、女性で81.2%まで減ります。熱中症で死亡する確率が高く対策が必要な高齢者ほど、普及率が低めという困った傾向になっていました。ただ、この分類でもクーラー所有者の方がずっと多く、数字は逆転しないので、普及率の高さはわかります。
●運動しなくても水分補給は必要なの?熱中症予防のポイントとは?
節電が流行る年でも、流行らない年でも注意事項は同じでしょうから、最後に
(PDF)平成23年夏の熱中症死亡者の状況(PDF:431KB) 東京都福祉保健局でのまとめを引用しておきます。
<<熱中症を防ぐために>>
・動いていなくても、意識してこまめに水分補給を心がけましょう。
*塩分の補給も忘れずに。
・外出時は、なるべく帽子や日傘で直射日光を避けましょう。
・室内の風通しをよくして、高温多湿にならないように気をつけましょう。
・冷房の過度な自粛はやめましょう。
なお、クーラーの電力消費のほとんどは始動時のもの。一旦設定温度にまで達するとあとは微調整で済むために、テレビより電力消費量が少ないほどだそうです。このため、午前中に我慢してから電力消費のピークである昼にクーラーを使い始めると、ピーク時電力への負担は余計大きくなり、むしろ悪影響。ピークへの負荷を考えた場合、朝から使っていた方が良いと言えます。
身体への影響と電力消費への影響を両方考えて、バランスの良い節電を心掛けてください。
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