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議員が共同親権問題で祭り上げた元プロ棋士、殺人未遂で逮捕


 離婚後共同親権に関する話をまとめ。<議員が共同親権問題で祭り上げた元プロ棋士、殺人未遂で逮捕>、<一方的な主張の裏を取らず、正義のように扱ったことで暴走か?>、<共同親権がないから事件が起きた…はデマ!そもそも順番が逆>などをまとめています。

2023/07/31追記:
●過激な右翼雑誌や自民党議員が共同親権と元プロ棋士支援
2023/08/11追記:
●一方的な主張の裏を取らず、正義のように扱ったことで暴走か?
2023/08/23追記:
●共同親権がないから事件が起きた…はデマ!そもそも順番が逆 【NEW】


●共同親権とはそもそも何?日本には存在しない離婚後共同親権

2023/07/22:元プロ棋士の殺人未遂逮捕でびっくりしたのですけど、これに対して共同親権うんぬんという反応も多くてびっくり。なんじゃそりゃ?と慌てて調べました。どうも日本で共同親権と言うと通常結婚中のものを言うので、厳密には「離婚後共同親権」と言うみたいですね。ウィキペディアでは、以下のような説明です。

<離婚後共同親権(りこんごきょうどうしんけん)とは、父母の離婚後も、父母が共同して子に対し親権を行うことを言う。「共同して親権を行う」とは、父母の意見の一致を要することを意味し、個別具体的な親権の行使の際に父母の意見が一致しない場合は、意見が一致するまで話し合う必要があり、どちらも一方的に親権を行うことはできない。
 日本の民法では夫婦は離婚時に父母のどちらかを親権者に指定する必要があることから(離婚後の単独親権、民法第819条)、離婚後も子の親権について父母双方が共同して権利と義務を有するものと改めるべきという議論について記する。
 国際的には共同の親権や共同の子育てをベースに結婚しているときと同様に離婚後も原則として父母が共同で親権を行使する制度が主流であるのに対し、日本では「親の子どもに対する責任」が極めて曖昧[1]な事から議論に発展する様相を呈する。 >


●議員が共同親権問題で祭り上げた元プロ棋士、殺人未遂で逮捕

 「共同親権」旗振り役の元棋士は「実子連れ去りの被害者」か? 国会議員やHanadaが擁護…そして事件は起こった:東京新聞 TOKYO Web(2023年7月22日)によると、この離婚後共同親権の日本での制定に向けて、推進派から祭り上げられるようにしていた元プロ棋士が元妻らへの殺人未遂容疑で逮捕されてしまう…といったことが起きました。

・容疑者は、元妻(33)が暮らす大津市内の住宅に1階の窓から侵入。持っていたくわを振り上げて、元妻の父親(68)を殴り、父親の叫び声に気づき、2階から下りてきた元妻も殴ったとされる。
・2階に逃げ戻った元妻を追いかけようとした容疑者を父親が止め、くわを取り上げて押さえつけた。その間、元妻は息子(4つ)と外に避難し「元夫がハンマーのようなものを所持して押しかけてきた」と110番。駆けつけた滋賀県警の警察官に殺人未遂や住居侵入の容疑で逮捕された。

 ツイッターで多かったのは、「共同親権問題で祭り上げた議員はこれどう責任とるの?」といった反応でした。こうしたものの導入に積極的なのは、リベラルや左派なのかなと私は思いましたが、全く逆に右派・保守派の中でも特に右よりの政治家たちが出てきてびっくり。ここらへん含めて、今後いろいろ追記していく予定です。


●過激な右翼雑誌や自民党議員が共同親権と元プロ棋士支援

2023/07/31追記:前回書いた「離婚後共同親権」を推進しているのが、私が予想したリベラルや左派ではなく、右派・保守派であったという話を。最もわかりやすいのは、安倍首相系の思想に近い過激な右派雑誌「Hanada」がこの問題を取り上げ、殺人未遂容疑の元プロ棋士の主張も載せていたことでしょう。

<月刊誌「Hanada」に「『実子誘拐』『子どもの連れ去り』の被害者になった」「何としても法制度を変えなければならない」などと手記を公表していた>
<「Hanada」は手記を載せたほか、21年7月号でいずれも自民の三谷英弘衆院議員と鈴木貴子衆院議員の対談を掲載した。2人は、同容疑者のケースを引き合いに「私も三谷先生もいわゆる『連れ去り勝ち』などの問題解決に向けて一緒に行動している」(鈴木氏)、「諸悪の根源は単独親権」(三谷氏)などと述べていた。 >(前述の東京新聞より)

 上記にあるように、「Hanada」にはいずれも自民党所属である三谷英弘衆院議員と鈴木貴子衆院議員が登場して、「離婚後共同親権」を推進。完全に右派でわかりやすいです。東京新聞では、他にも野党の議員が出ていましたが、こちらも結局、今はやはり右派系の政党所属で、リベラル系ではありません。

<2021年4月の参院法務委員会で、無所属の嘉田由紀子議員(現国民)はユーチューブで同容疑者の主張を視聴したとし「事実として、ある日突然子どもがいなくなってしまったことは重く受け止めるべきだ」などと指摘していた。>

 なお、今回の事件を受け、東京新聞は3議員に取材。しかし、嘉田議員の事務所は「地元日程が入り対応が難しい。電話でコメントできる案件、内容ではない」と回答。鈴木、三谷両議員の事務所もそれぞれ、地元での活動を理由に、コメントをもらえなかったそうです。

 マスコミにコメントしない選択はあって良く、何が何でも回答しなくちゃいけないというものではありません。ただ、今回の事件は重大なものであり、その重要性を理解していれば、優先順位はこちらじゃないか?とは疑問。離婚後共同親権問題および殺人未遂事件より自分の活動優先といった感じで、理由がちょっとな…とは思います。


●一方的な主張の裏を取らず、正義のように扱ったことで暴走か?

2023/08/11追記:元プロ棋士は21年8月に元妻やその父母の実名、顔写真などをツイッター上で公開し、「まさに誘拐一家」などと投稿。22年11月には「息子を誘拐し、法外な金銭を要求」「僕を地獄の底に落とした殺人鬼」などとツイッターに投稿し、23年年1月に滋賀県警が名誉毀損容疑で逮捕されていました。

 時系列を見ると、右派の人たちが彼を支援したのは、さすがにこうした問題行動を起こした後ではありません。ただ、そもそもこういうときは、双方の言い分を聞くもの。右派の人たちはなぜか「被害者や告発者も問題があるはず」と叩きがちなのですけど、まさにそのときのように別の可能性も考えるべきでした。

 ここまで私の考え方を書いていませんでしたが、「離婚後共同親権」の考え方はアリだと思います。場合によっては意義があるかもしれません。ただ、この「場合によっては」というのが重要。問題が起きるケースを全く考慮せずに推進派が元プロ棋士を一方的に正義のようにしたことが、殺人未遂の遠因となったのかもしれません。

<共同親権に反対・慎重な人々は、今回の事件に推進派の運動が影響したとの見方を示す。
東京都立大の木村草太教授(憲法学)は、事実関係は報道の範囲で把握しているにとどまると断った上で、「一部の議員や共同親権推進運動を展開する人々は、橋本氏の件について元妻側の言い分を何ら調査せず、連れ去りの問題事案として取り上げた」と問題視。橋本容疑者はこうした運動に担ぎ出された形で、「自らを省みる機会を持てないまま『元妻と日本の法制度が悪い』との言動をエスカレートさせた面も否定できない」と述べる。 >


●共同親権がないから事件が起きた…はデマ!そもそも順番が逆

2023/08/23追記:この殺人未遂事件の発生後、「彼を追い詰めたのも共同親権がないからだ」として、むしろ殺人未遂を離婚後共同親権の実現につなげようとする声もあったようですが、ドメスティックバイオレンス(DV)が原因の離婚などを多く手がける太田啓子弁護士は実態を理解していないデマだと否定的です。

<「そもそも親権がないと子どもに会えないわけではない。裁判所に面会交流を申し立てるなどし認められるケースも多い。子どもに会えない人がいるから共同親権を認めるべきだという議論は根拠がない」と指摘。
 「共同親権は、子に関する重要事項を共同で意思決定することだ。離婚するほど関係悪化した父母が共同で決めるのは大変で、専門的知見に基づくサポートが必須。そうした社会的インフラや公的資金もないまま導入するのは非現実的で、しわ寄せは当事者にいく」 >

 まず、離婚後共同親権は両親が不仲だとそもそも機能しないとの指摘。また、離婚後共同親権がないからトラブルが起きるのではなく、トラブルがあるケースで離婚後共同親権を悪用しようとする…といった感じで順番が逆にも見えます。以下もたぶん似たような理解での説明じゃないと…。

<元裁判官で明治大の瀬木比呂志教授(民事訴訟法)は「共同親権は、両親と子、両親同士の関係が問題ない場合に認めるなら望ましい制度と言える。ただ、両親双方に客観的かつ冷静に話し合える関係がないとうまく機能しない」とし、こう強調する。
 「共同親権を認めるならとりあえず要件を厳しく限定し、当事者の申し立てに基づいて家裁が審理して許可するような仕組みが必要だ。父母の協議だけで認めれば、弱い立場の方が圧迫される恐れがある(引用者注:これが離婚後共同親権を悪用するケース)。慎重な議論が求められる。もしも、裁判所のチェックが担保されないなら、単独親権を維持する方が無難だろう」 >

 まとめると、離婚後共同親権は良好な関係のときのみ円滑に働き、問題があるケースではそもそも解決策にはなり得ないとのこと。これが事実なら、妻への不満を抱えていた元プロ棋士のケースはそもそも最初から明らかに不適切で、これを持ち上げた政治家らは根本的に間違っていました。その罪は大きいですね。


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