中長期にわたり企業価値を高め株価を上昇させた一部の企業の特徴がいくつか挙げられていて、その一つに「政府依存ではなく自立志向が強いこと」が挙げられていておもしろかったです。逆に低迷した企業としては、東芝や銀行・電力などのように国が強く関わっている企業が目立っています。国の関与の強さは、日本が社会主義的と言われる一因でもあり、企業価値をむしろ下げる政策なのかもしれません。
2021/10/11追記:
●就職サイトが選ぶ「伸びる5業界」と「衰退する5業界」が意外すぎる 【NEW】
●ニトリ・日本電産・ユニチャーム…政府依存なしが伸びる企業の共通
2018/02/01:
市場が示唆する経営改革のヒント(大機小機) :日本経済新聞(2018/1/31 17:00)では、株式市場が二極化していると見ていました。二極化というのは、中長期にわたり企業価値を高め株価を上昇させた一部の企業と、企業価値を毀損し株価を低迷させた多くの企業です。
こうした企業価値を持続的に高めた価値創造企業の代表格はニトリホールディングスや日本電産、ユニ・チャームなどだとしていました。そして、こうした企業に共通するのは、政府依存ではなく自立志向が強いこと、他社にはない独自性のある商品・サービスにこだわりを持つこと、オーナー経営色が強いこと、といった特性だと指摘しています。
これらは横並びとは無縁な企業で、創業の原点を軸に据え、継続してイノベーションを起こし価値ある独自性に磨きをかけ、それを企業文化にまで昇華させる地道な取り組みが見て取れると説明されていました。
●横並びの銀行や電力業界…親自民党学者もかつての自民党政策を全否定
一方、ダメだった業界の代表格が銀行と電力。いずれも横並び意識が強く、地域ごとに独占的な体制に守られてきた業界という特徴があります。東証1部の3分の1がPBR(株価純資産倍率)1倍を割り込むという低迷ぶりを示したのですが、その底辺には銀行と電力が目立つようです。
こうした横並びは自民党がやってきたことなのですけど、今は自民党を応援することばかり言っている高橋洋一教授もかつては批判していました。例えば、「ビジネスに疎い役人が支援すべき成長産業を選別するというところに原理的な矛盾がある」として、完全否定することを言っています。
また、「日本の戦後成長の歴史を見ても、通産省がターゲットにした産業は、石油産業、航空機、宇宙産業などことごとく失敗している。逆に、通産省の産業政策に従わなかった自動車などは、日本のリーディング産業に成長している」とも指摘。これらは
経済学者もやりまくりな比較優位の誤解と産業育成政策が失敗しやすい理由で紹介している話です。
どの投稿で書いたか忘れたのですけど、政府は自動車企業が多すぎると言って、政府主導で統合しようとしていた時期もあったんですよね。政府のこの構想が実現して多くの自動車メーカーを潰していたら、自動車産業は今のような日本を代表する産業になっていなかったかもしれません。
●自民党一党支配と結びついて、政官産が癒着 国策企業の代表例東芝は失速
社会主義化した日本を正せ もっと右傾化することで「美しい国」になどで書いているように、自民党のやり方は社会主義国に近いです。
経済学者もやりまくりな比較優位の誤解と産業育成政策が失敗しやすい理由では、共産主義国が失敗したのも国が中心となって特定産業の育成をはかったためだろうという意見が出ていました。
また、既得権益や癒着の問題も指摘されています。特定の産業が一度保護されてしまうと、それが既得権益化して、産業保護が経済的に不要もしくは有害となっても、それを取り除くのはとても難しくなってしまうというもの。どの産業を保護するかという決定は当然、癒着・汚職の余地が生まれやすくなります。自民党一党支配と結びついて、政官産の癒着を生んできたともされていました。
国策企業東芝の倒産危機は国に責任 原発推進でWH買収に圧力かけて高値買いでやったように、国策企業としては東芝も有名です。どの投稿で書いたか忘れたものの、東芝の苦境の原因となった原発企業の買収には、政府の圧力があったことが明らかになっています。そして、これはやはり癒着の問題にもなっています。
東芝「うちとシャープは違う」 東芝が倒産しないと自信満々な理由でやったように、東芝幹部は国のために働いている企業だから、絶対国が助けてくれると豪語していました。
実際、
東芝、やっぱり国が救済 実質的に韓国SKハイニックスが買収か?でやったように、国が東芝救済のために活発に動きました。アメリカ投資ファンドの幹部は「日本では、民間企業のディール(引用者注:取引)に役人が出てくるのか」と呆れていました。社会主義国みたいですね。
●就職サイトが選ぶ「伸びる5業界」と「衰退する5業界」が意外すぎる
2021/10/11追記:他の「伸びる企業」の話もやっておこうと検索。ただ、正直言うと、こういうのは当たらないんじゃないかと思っているんですよね。例えば、当初書いていた話で伸びた企業であるニトリや日本電産、ユニ・チャームなんかは以前からマスコミで「伸びる企業」ともてはやされていた企業ではないでしょう。
ということで、私は当たらないと思っている予想なのですが一応紹介。検索で出てきた
これから伸びる5つの業界!就活の業界選びに役立つ【2020年度版】 | dodaキャンパスでは、IT業界、インターネット広告業界、エンタメ業界、医療・介護業界、農業業界という5つを挙げていました。ありきたり…と思いながら見ていたら、最後に登場の「農業」でびっくりです。
記事では、ひと昔前まで、日本の農業は衰退すると言われていましたものの、ITテクノロジーの進化によって活路が見いだされようとしていると指摘。食料問題は日本の社会課題の一つであり、この問題を解決するため、農業とITテクノロジーをかけ合わせた「アグリテック(AgriTech)」の取り組みが盛んになっており、成長が期待されるとしていました。
ただし、農業がテクノロジーで発展する!というのは、何十年も前から言われてきて実現してこなかったこと。そういう意味で言うと、目新しくはないですね。うちでもよくこの手のやっているように、農業に進出した企業の成功例とも少しずつ増えてきてはいますが、劇的に伸びるかどうかは怪しいところ。私はこういう取り組みが大好きなのですが、一方で期待しすぎないようにもしています。
なお、記事では逆にこれから衰退する5つの業界もピックアップ。出版業界、テレビ業界、金融業界、士業業界(税理士や公認会計士、司法書士や社会保険労務士など)、製造業界を挙げていました。最後の製造業界は今でも日本を最も代表する業界だと思われている中心の産業。実はすでにかなり衰退しているのですが、日本のものづくりが衰退するという予想はショッキングな話かもしれませんね。
【本文中でリンクした投稿】
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