2013/7/19:
●繊維片鑑定で繊維片は検出されなかった三鷹バス痴漢事件
●「証拠がなく不可能に近いけど、有罪」と裁判官は判決
●弁護士「手が3本無ければできない」「論理の破綻」
●痴漢などの犯罪の立証責任は容疑者側にはないはずなのに…
●バスが工事現場で揺れた一瞬で触った!と決めつけ
2021/11/27追記:
●現役警察官らが参加した強姦パーティーは有罪どころか全員不起訴 【NEW】
●繊維片鑑定で繊維片は検出されなかった三鷹バス痴漢事件
2013/7/19:痴漢冤罪については、過去にも
痴漢冤罪と悪魔の証明、裁判で推定無罪のはずが推定有罪 家族も犠牲に…という話をやっています。この関係でまたひどい話。
ソースがJanJanと週刊金曜日ってのはちょっと大丈夫かな?と思いますが、おそらく引用部まではでっち上げていないでしょう。多少割り引いて見てもこれ以上ないくらい最低の判決があったそうです。
(1) 中学校教諭津山正義さん(当時27歳)は、2011年12月22日、バス車内で前に立つ女子高校生の臀部(でんぶ)をさわったとして、迷惑防止条例違反(痴漢行為)で逮捕される。
(2) バスの車載カメラによれば、津山さんは左手でつり革を持ち、右手では携帯電話のメールを打っていた。体の前には、左肩からかけていたリュックサックがあった。
(3) 逮捕当日に警察でおこなった手のひらの微物鑑定(スカートの繊維片などの鑑定)では、一切繊維片は検出されなかった。
(
〈司法過誤〉が若者の未来を奪う!―三鷹バス痴漢冤罪事件― - JanJanBlog 2013年 7月 1日 21:10 三上英次より)
この事件はまた教師の話でもありました。何かと教師の不祥事は多いのも事実なのですけど、同じく冤罪疑惑の
教師が痴漢で懲戒免職は重すぎ…での逆転勝訴は、冤罪が理由?も教師の話でした。
そちらの件では、いい加減な有罪判決がむしろ本物の痴漢犯罪者をはびこらせるという構図になりかねないといったことを書きました。今回の三鷹バス痴漢冤罪事件も同様の危険性がありそうです。
●「証拠がなく不可能に近いけど、有罪」と判決
とりあえず、三鷹バス痴漢事件は、前述のように証拠なし、物理的と言って良い状態でした。しかし、裁判官はミラクルな判決を言い渡します。東京地裁立川支部の倉澤千巖裁判官は次のように判決で書き、津山さんに「罰金40万円」の有罪を言い渡したののこと。
「しかしながら、着衣の上から触るという痴漢行為の態様であっても、その手指に、後に検出されるほどの着衣が付着しないこともあり得るのであって、そのような事実は(中略)、
被害者供述の信用性を左右するまでの事情とは言えない」
「(前略)そうすると、被告人が、被害者が移動を開始する直前ころに右手で痴漢行為をすることができたのは、3秒程度しかなく、
それは不可能と言うに近い。しかし、被告の左手の状況を見ると、33分52秒ころから34分12秒ころまでの間、被告人の左手が吊り革を掴んでいることは車載カメラの映像によって確認できるものの、それ以外の時間帯の被告人の左手の状況は不明である。この点、被告人はバスが揺れていたので、右手で携帯電話を操作している間、左手で吊り革を掴んでいた旨を供述する。確かに、
バスが揺れている状況下で、右手で携帯電話を操作しながら、左手で痴漢行為をすることは容易ではないけれども、それが不可能とか著しく困難とまでは言えない」
この裁判官は本当馬鹿です。自分でも「不可能と言うに近い」と認めているにも関わらず、アクロバットな芸を披露すれば不可能とまでは言い切れないので有罪などと言うのは、知性の放棄です。小学生の屁理屈じゃないんですよ。
●弁護士「手が3本無ければできない」「論理の破綻」
関係者の話を聞いてもひどいことばかりだとわかります。今村核弁護士は、以下のように指摘していました。
「本件は、右手に携帯を持ち、左手はつり革につかまり、津山さんの腹の部分にリュックがあり、そのリュックがぶつかったに過ぎないのです。ところが、判決の言うことは、手が3本無ければできないようなことです。判決は、小学生でもわかるような論理の破綻をきたしています」
「判決は、おしりの感覚はにぶいと言います。だから指2本でさわったか4本でさわったかは正確にはわからないが、手がふれたのかリュックがふれたのかは『接触が1回に限りとどまる場合には、両者を誤解することがありうるとしても、接触が複数回繰り返された場合には、いかに臀部の皮膚感覚が鈍いとしても、両者を勘違いすることはやはり常識的に考え難い』と書いています。では、
本当にリュックと手との識別ができるのか、私たちは鑑定書を提出しましたが、裁判所はそれを採用せず却下しています」
●痴漢などの犯罪の立証責任は容疑者側にはないはずなのに…
同じように痴漢事件で争っている別の男性は、警察での取り調べで〈あなたがやっていないと言うなら、その証拠を出してくれ!〉と言われたそうです。
これは、立証責任をすり替えであり、詭弁です。世の中の殺人事件でも何でも、疑われる側に立証責任を押しつけたら、誰もが簡単に“真犯人”になってしまいます。犯罪の立証責任は、警察側にあります。
また、三鷹バス痴漢冤罪事件はこれよりさらにひどいもの。この男性は、「やっていないなら、その証拠を出してくれと言われて、証拠を出しているにもかかわらず、〈痴漢をした〉とされてしまったのが津山さんではないでしょうか!」と指摘していました。
●バスが工事現場で揺れた一瞬で触った!と決めつけ
重なるところが多いですけど、週刊金曜日の
三鷹バス痴漢冤罪事件――奇妙な“新説”で有罪判決(三宅勝久・ジャーナリスト、5月17日号)からも。バスの揺れの書き方はこちらの方がわかりやすく、より不可能に近いというのがわかります。
一一年一二月二二日の夜、三鷹市内の小田急バス車内に乗っていた津山さんは、同乗していた女子高校生の尻のあたりを触った疑いで逮捕された。学校に忘れた財布を取りに行く途中で、その後、交際相手の女性と会う予定だった。
物証は皆無だった。三鷹警察署は両手の微物鑑定を行なったが、女子高校生の衣服の繊維は検出されなかった。バス車載のカメラ映像にも痴漢行為は映っていない。
「痴漢」の根拠は女子高校生の供述だけ。それも腕をつかんで津山さんが犯人だと確かめたわけではない。当時津山さんはリュックサックを腹側にかけていた。リュックが尻に触れたのを勘違いした可能性が高いと弁護側は主張した。
車載カメラの映像には、津山さんが左手でつり革を持ち、残りの右手で携帯電話を操作している様子も映っている。両手がふさがっていれば触れることはできない。無実を裏づける決定的証拠である。ところが倉澤判決は、バスが工事現場を通過する際に激しく揺れ、つり革を握る津山さんの左手がカメラの画角から外れた瞬間を指して、このときに左手で触ったのだと決めつけた。検察も思いつかなかった“新説”だった。
JanJanではこういうひどい裁判官がはびこっている現状を問題視していましたが、この問題に対策を立てているといった話はこれといって聞いたことがありません。自浄作用が働いていない以上、法改正を訴えるべきかもしれません。
●現役警察官らが参加した強姦パーティーは有罪どころか全員不起訴
2021/11/25追記:有罪だと不自然に決めつけられる冤罪事件は問題なのですけど、一方で、有罪になるどころか不可解な形で起訴すらされない…というケースもあります。今回紹介するのは、よりによって現役の警察官が参加した集団強姦パーティー事件というケース。警察官絡みの事件ということもあり、身内のために捻じ曲げたのでは?と疑われてしまいかねないものでした。
まず、
大阪府警・警察官ら「集団強姦」ホテルに連れ込み代わる代わる!参加費1万円: J-CAST テレビウォッチ(2015年09月09日13時27分)は、逮捕された時点のニュース。女性に集団で性的暴行を加えたとして大阪府警は、大阪府警箕面署の巡査部長と元大阪府警警察官を監禁と集団強姦容疑で逮捕していました。
強姦時点で現役だったのかは不明ですが、元警察官の方が強姦事件の主犯。彼がまずネットのアダルトサイトの掲示板に「レイプ仲間をネット募集 パーティー開催 おお阪」と呼びかけ。「目隠しをして、急に知らない男性に襲われる驚きの表情を楽しんでもらいます」と宣伝。これに98件もの書き込みがあり、実際に数人が参加。参加費は1万円だったそうです。
元大阪府警警察官が元交際相手の女性を連れて天王寺区のホテルに連れていき、男たちが乱暴。巡査部長は「女性に複数の男が乱暴していました。私も順番になったので乱暴しました」と証言。 女性は目隠しをされ、両手をひもで縛られたまま約7時間監禁され、6人くらいに乱暴されました。男たちが寝ているスキに脱出し、半年後に被害届を出しました。
逮捕された2人が06年に大阪府警に採用された同期。ただ、2人に面識はなく、結びつけたのは前述のネット掲示板でした。たぶん逮捕されて初めて同期だと知ったんじゃないかと思われます。また、巡査部長は容疑を認めているのですが、元警察官は
「寝ているときは脱出可能で、監禁は納得がいかない」とクソな供述をしています。
この供述からすれば、強姦自体は認めたように見えたのですが、前述の通り、全員不起訴。あまりにも不自然なものであったためなのか、
集団強姦事件で元警察官ら不起訴は「不当」 大阪検審 - 産経ニュース(2017.1.21)によると、大阪第2検察審査会は、元警察官を不起訴とした大阪地検の処分を不当と議決しています。
ただし、この検審でも、企画者以外の集団強姦パーティー参加者の4人(おそらく現役だった警察官を含む)については、元警察官がインターネット掲示板で募った参加者で、検審は「同意があったと考えたとしても不合理ではない」とし、不起訴を支持したっような書き方ですね。「レイプ仲間をネット募集」という前述の文面からすると無理あると思うんですが…。
また、別記事では「女性の抵抗が弱まり合意と判断したから全員不起訴」といった趣旨の説明が見えたのですが、これはアメリカでも指摘されている間違った「合意」の考え方。強靭な肉体と精神力を持って終始抵抗し続ける女性じゃないと強姦の被害者ではなく同意アリとする…って異常な考え方でしょう。
【本文中でリンクした投稿】
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