●山口大教授に捏造・改ざん不正疑惑 画像データに加工の痕跡
2023/05/24:「また」という言うべきなのか、最近少しなかったので「久しぶり」と言うべきなのか、分子生物学分野の不正のニュースです。分子生物学分野では、何度も大量の不正が見つかって学会を揺るがす大問題になるなど、不正が多い分野という印象。小保方晴子さんのSTAP細胞問題もたぶんここらへんの分野じゃないかと思います。
<山口大大学院医学系研究科の男性教授が2001~22年に共同研究者と連名で執筆した論文6本に、実験結果の画像データを加工したような痕跡が見つかり、捏造(ねつぞう)や改ざんなどの研究不正の疑いがあることが大学関係者への取材で判明した>
分子生物学分野ではおなじみの画像不正疑惑。ただし、
山口大教授、論文6本で研究不正の疑い 実験の画像データ加工か(毎日新聞 2023/5/24 05:30 鳥井真平)によると、山口大は現在、調査会を設置して調べている最中です。このため、まだ不正を認定したわけではありません。
<特定のたんぱく質が存在すれば、撮影した画像から確認できる。ところが関係者によると、画像データを不自然に切り張りしたり、一部消去したりしたような痕跡が見つかったという。うち1本では、画像の切り張りなど不正と疑われる行為が最多の33カ所あった>
●大規模不正のパターンに類似…不正疑惑は本当に6本だけ?
研究不正の疑いがある6本は、いずれも男性教授が論文の責任著者だというのは気になるところ。小保方晴子さんの場合は確か全部彼女が筆頭著者であり、こういう場合は1人が不正を行った可能性が濃厚。一方、筆頭著者が異なり(記事では明記されませんが)、責任著者が共通点という場合は、組織ぐるみの不正や上の立場の人が主導した疑いが濃厚です。
<研究不正の疑いがある6本は、欧州分子生物学機構や米国微生物学会などが出版する分子生物学分野の国際学術誌に掲載された。いずれもこの男性教授が論文の責任著者を務めた。生物の持つたんぱく質が別のたんぱく質に及ぼす影響を調べ、腫瘍の形成や細胞の増殖メカニズムなどに関する研究成果をまとめている。>
先程書いた分子生物学分野で起きた過去の大量不正のときは筆頭著者が異なり、研究室ぐるみと認定されています。研究室ぐるみの不正の場合は、当然ながら大規模になり、だからこそ当時は大きな問題になりました。ひょっとしたら今回ももう少し不正疑惑の論文数が増えるかもしれません。
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