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山口大教授に捏造・改ざん不正疑惑 画像データに加工の痕跡


 山口大の不正の話をまとめ。<山口大教授に捏造・改ざん不正疑惑 画像データに加工の痕跡>、<教授が「大学院生レベル」と講師にアカハラ、うつ病で労災認定>、<新聞で報じられた教授の論文はいずれも「不正なし」との調査結果>などをまとめています。

2024/01/31追記:
●山口大学大学院医学系研究科講師が不正 アルツハイマー病の研究で
2024/02/14追記:
●新聞で報じられた教授の論文はいずれも「不正なし」との調査結果 【NEW】


●山口大教授に捏造・改ざん不正疑惑 画像データに加工の痕跡

2023/05/24:「また」という言うべきなのか、最近少しなかったので「久しぶり」と言うべきなのか、分子生物学分野の不正のニュースです。分子生物学分野では、何度も大量の不正が見つかって学会を揺るがす大問題になるなど、不正が多い分野という印象。小保方晴子さんのSTAP細胞問題もたぶんここらへんの分野じゃないかと思います。

<山口大大学院医学系研究科の男性教授が2001~22年に共同研究者と連名で執筆した論文6本に、実験結果の画像データを加工したような痕跡が見つかり、捏造(ねつぞう)や改ざんなどの研究不正の疑いがあることが大学関係者への取材で判明した>

 分子生物学分野ではおなじみの画像不正疑惑。ただし、山口大教授、論文6本で研究不正の疑い 実験の画像データ加工か(毎日新聞 2023/5/24 05:30 鳥井真平)によると、山口大は現在、調査会を設置して調べている最中です。このため、まだ不正を認定したわけではありません。

<特定のたんぱく質が存在すれば、撮影した画像から確認できる。ところが関係者によると、画像データを不自然に切り張りしたり、一部消去したりしたような痕跡が見つかったという。うち1本では、画像の切り張りなど不正と疑われる行為が最多の33カ所あった>


●大規模不正のパターンに類似…不正疑惑は本当に6本だけ?

 研究不正の疑いがある6本は、いずれも男性教授が論文の責任著者だというのは気になるところ。小保方晴子さんの場合は確か全部彼女が筆頭著者であり、こういう場合は1人が不正を行った可能性が濃厚。一方、筆頭著者が異なり(記事では明記されませんが)、責任著者が共通点という場合は、組織ぐるみの不正や上の立場の人が主導した疑いが濃厚です。

<研究不正の疑いがある6本は、欧州分子生物学機構や米国微生物学会などが出版する分子生物学分野の国際学術誌に掲載された。いずれもこの男性教授が論文の責任著者を務めた。生物の持つたんぱく質が別のたんぱく質に及ぼす影響を調べ、腫瘍の形成や細胞の増殖メカニズムなどに関する研究成果をまとめている。>

 先程書いた分子生物学分野で起きた過去の大量不正のときは筆頭著者が異なり、研究室ぐるみと認定されています。研究室ぐるみの不正の場合は、当然ながら大規模になり、だからこそ当時は大きな問題になりました。ひょっとしたら今回ももう少し不正疑惑の論文数が増えるかもしれません。


●東大分子細胞生物学研究所・加藤研では11人関与33本不正

2023/06/09追記:山口大学の件、正式発表がまだないようで、続報が来ません。たぶんまだ報道も毎日新聞しかしていないんじゃないですかね? 毎日新聞は研究不正報道に強いイメージがあり、他は情報をつかんでいないのかもしれません。まだ投稿が短いので何か書くつもりでいたのですが、これでは書くことがないです。

 じゃあ…ということで、過去の分子生物学分野での不正について復習がてら転載しておくことに。世間で盛り上がったのはSTAP細胞問題でしたが、学会で衝撃的だったのは東大分生研での大量研究不正でしょう。しかも、二度目の大量不正が起きて、ついには組織廃止まで行きました。以下は、一度目のときの投稿です。

<また東大分子細胞生物学研究所・加藤茂明研究室の報告が来ました。(中略)東大論文不正:33本データ捏造、11人関与 最終報告書(毎日新聞 2014年12月26日 12時02分(最終更新 12月26日 13時55分)河内敏康)によると、東大科学研究行動規範委員会が本日出した「最終調査報告書」だそうですから、今度こそ最後ですかね?>

 この「最終調査報告書」によると、不正に関わった人がそれまで判明していたより大きく増えて総勢11人に。そして、不正論文も33本と膨大になっています。教授や准教授といった大物から、学生や研究員などの末端の人まで多数不正に関与。そして、このうちの学生や研究員らというのは論文の筆頭著者だったというのが特徴です。

 山口大学のときに書いた、不正論文の筆頭著者が異なっている場合大量不正になりやすい…というのは、この例を踏まえてのもの。組織の上の人の場合、当然、彼らが関わる論文も多数あります。調査を進めると筆頭著者が異なる他の論文での不正が判明して…と、どんどん不正論文数が増えていくことがあるのです。


●教授が「大学院生レベル」と講師にアカハラ、うつ病で労災認定

2023/10/01追記:不正の調査というのは時間がかかり、分子生物学の不正疑惑の調査結果はまだ先。今回は別件での追記で、<「研究費を無駄に」責められ山口大講師がうつ病、労災認定…教授と大学をアカハラ提訴>(23/9/30(土) 11:30配信 読売新聞オンライン)という記事の件です。

<山口大大学院医学系研究科(山口県宇部市)の女性講師が、上司にあたる男性教授から学内での立場を利用した嫌がらせ「アカデミック・ハラスメント(アカハラ)」を受けてうつ病を発症し、労働基準監督署から労災認定を受けていたことがわかった。
 女性は大学と教授に慰謝料など計500万円の損害賠償を求める訴訟を山口地裁に起こした。訴状などによると、女性は2017年頃から、同僚の前で教授に「大学院生レベルの研究だ」「研究費を無駄にしている」などと責められたという。
 女性の相談を受けた大学側は調査を行ったが、22年に「指導の範囲内」などとして「ハラスメントに該当する事案はなかった」と結論づけた。これに対し、労基署は「女性に対する攻撃的な発言があった」とした上で、大学と教授双方による対応が不適切だったと指摘した>
https://news.yahoo.co.jp/articles/e478f7bdd08c869840d27cc7796988962c02942a

 ヤフーニュースでは、以下のような被害者へのネガティブコメントが1番人気に。ただ、昔と違って今は「大学院生レベルの研究だ」を言った時点で、かなりの確率でアウト。時代の変化についてこれていない感じがあります。日本人のここらへんの感覚は特異なため、海外では怒った部下に殺されてしまう人もいると大使館が以前注意喚起していました。

<慎重に考えた方が良い場合もある。自己愛性人格の人が「被害者」を名乗ることは多いが、自分は正しい、周囲は自分を貶める敵とみなす場合も聞く。つまり、証拠を切り取り集め、繋ぎ編集して、自分が正しいというストーリーを作り上げるのが上手い。難しいのが、「被害者」を名乗るものが疑うことなく自分は正しいという所与の条件から思考し、悪気がない場合もある。その場合に、自分が逆パワハラしている時でも自覚がなく、適応障害やうつの診断書をとってくる場合がある。(中略)労基署がちゃんと大学の他の教職員、学生等に聞き取り調査したうえで判断したのならばそうなのかもしれないが。違った場合・・・。裁判まで行った時に、双方どこまでエビデンスが出てくるか。>

 うつ病の診断や労基署の認定がある状態でなんでこんなこと書くの?というコメント。もしかしたらまぐれ当たりするかもしれませんが、現時点ではほぼ全部想像だけ。この人こそ何もないところから勝手にストーリーを作り上げている感じですね。ヤフーニュースは女性蔑視とも親和性のある右派系コメントが多い印象なので、ヤフーらしいんですけど…。


●山口大学大学院医学系研究科講師が不正 アルツハイマー病の研究で

2024/01/31追記:研究不正について検索していて、国立大学法人山口大学における不正行為に対する措置の決定 | 国立研究開発法人日本医療研究開発機構というのがヒット。ただ、不正行為に関与したと認定した者は「講師」だけで最初の件とは別件かもしれません。アルツハイマー病に関する研究だそうです。

(1)認定された不正行為
故意によるデータ改ざん
(2)不正行為に関与したと認定した者
国立大学法人山口大学大学院医学系研究科講師(1名)

 日本医療研究開発機構(AMED)は、不正行為に関与したと認定された山口大学講師に対し、当機構が配分する競争的研究費等の申請・参加資格を制限することを決定。「日本の不正処罰は範囲が広すぎる!」という主張もあるのですけど、講師以外への処分はなかったようです(そもそも単著だった可能性もあります)。


●新聞で報じられた教授の論文はいずれも「不正なし」との調査結果

2024/02/14追記:前回、山口大学講師の不正について、「最初の件とは別件かも」と書いたのですけど、最初の件についてもついでのような形で発表が出ていました。前回の講師の不正について書いた研究活動上の不正行為に関する教員の処分について - 山口大学(2024.01.16)に付け加えるような形で、新聞報道の件については不正がなかったと書かれています。

<調査の結果、研究活動上の不正行為があったと認定し、本日、関与した講師を懲戒解雇処分とすることを決定しました。>
<なお、本学大学院医学系研究科・教授が発表した論文に関し、令和5年5月24日に新聞報道されました事案については、調査の結果、不正行為は認められませんでした。>

 一方、講師の方の調査結果(PDF)によると、調査対象となったのは講師が関わる3論文。3論文すべてで捏造もしくは改ざんが認定されています。このうち論文①は「単著」と明記されていました。

<論文①については,特異バンドの消去及び加工,別バンドの貼付けを捏造,改ざんと認定し,故意による不正行為とした。また論文②・③掲載データが実験ノートと著しく異なっており,研究データの捏
造,改ざんと認定し故意による不正行為とした>

 前回研究費制限が下されていたのは、2017年の<健康寿命の延伸を目的とした次世代医療橋渡し研究支援拠点(平成29年度) 支援課題(シーズA):アルツハイマー病の完治を目指した治療法の開発>という事業・研究課題。研究代表者名も講師となっています。

 ただ、これは論文名そのものとは違ってるので、論文との関係がよくわからないんですよね。とりあえず、2017年の事業なので、論文発表は2017年以降だと予想。これに該当するのは2022年の論文③のみで、こちらを確認すると単著ではなく、3人の共著。講師のお名前は最後だったので、責任著者だったパターンじゃないかと思われます。


【関連投稿】
  ■日本初の査読不正?友田明美・福井大教授の論文に千葉大教授協力
  ■架空の実験で113カ所の捏造改ざん、神谷厚範岡山大学教授
  ■常葉大教員が論文数水増しの「サラミ出版」など24件の不正行為
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  ■研究不正疑惑についての投稿まとめ

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