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屈折計のアタゴ 日本人が得意な製品の小型化、実は難しい理由


2013/7/25:
●154カ国以上で使用され、屈折計の世界シェア約30%のアタゴ
●日本人が得意な製品の小型化、実は非常に難しいとされる理由
●みんな「モノづくり」を強調するけど、大事なことを忘れてない?
2021/09/29追記:
●アタゴの海外売上が増えたのは「中途採用の外国人」のおかげ 【NEW】


●154カ国以上で使用され、屈折計の世界シェア約30%のアタゴ

2013/7/25:三鷹光器はなぜ太陽光ではなく、太陽熱を選んだのか?で使った「モノづくり、ものがたり。」というサイト。時間があったら他も見ようと思っていて、だいぶ間が開いたものの、今回株式会社アタゴ:成功企業紹介 | モノづくり、ものがたり。というのを読んでみました

 こちらにによると、アタゴは屈折計の国内シェアで約80%、世界でも154カ国以上で使用され、世界シェア約30%を誇るトップ企業。屈折計というのは、例えば、果物の“甘さ”(=糖度)を測るのに使われています。スーパーマーケットの果物売場で、りんごの脇に「糖度13度以上」といった説明がありますが、これを測るのに使う計器だそうです。

 アタゴの創設は1940年。設立当初から屈折計を手掛けていたみたいですね。1953年には持ち運びできる「手持屈折計」を世界で初めて開発。数年後には海外向けの販売も開始しています。この手持屈折計は看板商品となり、デジタル対応の製品が登場するなど、その後、約60年にわたって改良を続けてきました。

 機能性だけでなく、デザイン性でも高い評価。2006年の日本グッドデザイン賞「特別賞」、2009年の「文部科学省 文部科学大臣賞」など、数々の賞を受賞しているといいます。グッドデザイン賞は「誰でも取れる」って悪口言う人がいますけど、こちらのサイトでは<日本グッドデザイン賞「特別賞」を獲得>が売りになっていました。

 手持屈折計以外にも、「ポケット糖度計・濃度計PAL」というのも、日本グッドデザイン賞「特別賞」を2003年に受賞。さらに、土壌や培養液のpHや導電率を測定するのに使える「デジタルpH・ECメーター」、精糖、製薬業界では欠かせない旋光計など、さまざまな計測機器を開発・製造・販売しているとのことでした。


●日本人が得意な製品の小型化、実は非常に難しいとされる理由

 アタゴがこの手持屈折計やポケット糖度計・濃度計PALを開発できたことは、実はかなりすごいことだとされていました。製品の小型化は、単に個々の部品を小さくすることではできないためです。小さくするために、今までキーだった部品をなくしたり、特性の違う部品を活用したり、新しい部品を加えたりと、今までと全く違う物を開発することと同様なのです。

 ここでは、<老舗として受け継がれてきた既存製品を元に、破壊と創造を行い、知恵を出し合い、他のプロジェクトのメンバーに遅れまいと各自の担当を遂行し、エネルギーを結集している>としていました。難しいとされる製品の小型化ですけど、日本企業はなぜかこういうのが得意ですよね。

 私はアタゴという会社を知りませんでしたけど、検索すると楽天でも取り扱っていました。わりと買いやすそうです。ポケット糖度計PALシリーズを販売していた楽天のページ(現在は削除)では、果汁・飲料・スープからソース・ケチャップ・トマトソース及び低糖のジャム・マーマレードなどが測定できるという説明でした。

 こんなの何に使うんかな?と思ってレビューを見ると、ジャム作りに活用しているなどのコメントが…。。「いちご農家に嫁にきて、旦那が糖度計がほしい。っとつぶやいていたので、サプライズプレゼントしました。(笑)」という人もいましたけど、一般人でも使う人が結構いそうな感じでした。


●みんな「モノづくり」を強調するけど、大事なことを忘れてない?

 以上のように、販売サイトでは用途がいろいろ書かれていて、一般の人でも糖度計をジャム作りに使用している例があり、使い道はありそうでした。ただ、これは昔からそうだったわけではないようです。最初のサイトによると、屈折計は昔から果物の糖度計測に使われてきた一方で、用途は限られていたといいます。

 そこでアタゴは、ジュースなどの飲料/ジャム/あんこなどの糖度の計測、調味料/そばつゆ/ラーメンスープなどの濃度計測、各種食品の塩分測定など、ほかの用途にも使えないかと検討。新たな用途で市場を作るため、用途ごとのニーズや利用場面を考えて屈折計を改良したとされていました。

 例えば、温度補正・防水などの機能の追加、計測できる糖度・濃度の範囲を調整。「職人の舌や勘で味を決める」ことが当たり前だった分野にも「味を科学的に計測する」機器を売り込むことで売上を伸ばしてきたといいます。私は「職人の技」より「科学的な再現性」が好きなので、歓迎するような話です。

 さらに食品以外では、例えば、メガネレンズの色収差の具合の数値化にも使用されるとのこと。アタゴはガラスやプラスチックの屈折率測定に用いる機も取り扱い。ほかにも自動車の冷却水などに用いられる不凍液、切削・研削加工の時に使う油、金属部品を洗浄するための溶液などの濃度を計測することも可能。工業用の品質管理に用いられるなど、幅広い分野で利用されているとされていました。

 前述の通り、ここのサイト名は「モノづくり、ものがたり。」というタイトル。ただ、上記の部分からはモノを単に作るのではなく、「市場を作る」という無視されがちである非常に大事な点が見えています。普段「ものづくり、ものづくり」とお題目のように唱えている方や未だに「良い製品を作れば売れる」と思っている方には、是非よく読んで欲しいと思った話でした。


●アタゴの海外売上が増えたのは「中途採用の外国人」のおかげだった…

2021/09/29追記:アタゴの他の話を…と検索したのですが、実績の割に記事になっておらず、探すのに苦労しました。やっと見つけた留学生育て世界市場開拓 ものづくり企業、幹部に積極起用: 日本経済新聞(2013年11月25日 0:48)という記事もアタゴ単独の話ではありません。中堅・中小のものづくり企業の間で、外国人を活用し海外事業の拡大に成功するケースが出てきたという話でした。

 アタゴの場合は、海外で強い企業なので外国人重視というのはわかりやすいですね。この記事では、食品の糖度などを計測する「屈折計」で3割の世界シェアを持ち、150カ国・地域で製品を販売と説明されていました。2005年から日本で留学などの経験がある外国人の中途採用を開始、現在は5カ国語を話すエジプト人ら5人が活躍しているそうです。

 2012年12月期の売上高は約22億円で、海外比率が6割まで増えたのは、こうした外国人採用のおかげとされていました。なお、この説明を見てわかるように、アタゴの場合は元記事タイトルにあった「外国人留学生」ではなく留学などの経験のある「中途採用の外国人」。アタゴの雨宮秀行社長は「中途採用の外国人は即戦力として期待できる」と語っていました。


【本文中でリンクした投稿】
  ■三鷹光器はなぜ太陽光ではなく、太陽熱を選んだのか?

【関連投稿】
  ■日本の世界一の会社 ~西工業、東北電子産業、ダイソー、エルム、アクアパス、クリスタルシステム、旭ダイヤモンド工業~
  ■マネーの虎出演・堀之内九一郎の生活創庫(創庫生活館)が倒産(取引停止処分)
  ■ワタミはブラック企業じゃない 他はもっと酷い・残業30時間は甘え
  ■倒産危機のシャープ 自己都合退職でも辞める・液晶傾倒に危機感
  ■その他の企業などについて書いた記事

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