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的外れすぎてズッコケる政府のベンチャー企業支援政策はゴミ同然


 ちょっと大丈夫かな?ってほどに、えらくタイトルを過激にしてしまいましたが、記事を読むと政府のベンチャー施策がことごとく切られていましたので、内容も大体こんなもんです。
ちょっと待ってよ、安倍総理!これじゃ的外れ バラバラ出てくるベンチャー施策の“なぜ!?”|インキュベーションの虚と実|ダイヤモンド・オンライン
2013年7月22日 本荘修二 [新事業コンサルタント]

■「総務省、米VCにIT研究者派遣 技術の事業化後押し」(2013/6/15 日本経済新聞)

 大学や企業のIT分野の研究者をシリコンバレーのベンチャーキャピタル(VC)に派遣するそうだ。資金調達などを学んで、研究開発が事業に結びつかない現状を打破するとのこと。

 これには大勢がひっくり返った。ベンチャーのことを大して知らないド素人を受け入れるVCなど、シリコンバレーにはない。あっても机を借すだけで、実際の仕事にはタッチさせないだろう。そもそも、研究者をVCに送るということの意味がわからない。
http://diamond.jp/articles/-/39052

 「ひっくり返った」としていますが、お次はもっとすごいです。
■「第三者機関がITベンチャーに技術「お墨付き」 総務省」(2013/6/26 日本経済新聞)

 総務省が7月にITベンチャー企業の技術を評価するために、大学教授ら約370人で構成する第三者機関を設けるという。専門家が“お墨付き”を与えることで、VCによる投資を促進するらしい。

「即刻、ゴミ箱行きだ」と、これを聞いたVC関係者はあきれ顔だった。さらに「そんな“お墨付き”、意味ありませんよ」と吐き捨てていた。

 記事には「(その技術が)どれだけ収益を生むのかVCには判断がつかず」とある。では、第三者機関の教授らがVC以上に的確な判断ができるか、はなはだ疑問だ。

 もしかしたら、ベンチャー企業が短時間で第三者機関の何人かの専門家の評価を得られれば、事業パートナーや顧客を獲得する際の説得材料に使えるかもしれない。その点では多少はベンチャー企業にとってプラスになるかもしれないが、まともなベンチャーはそのくらい自分でやっているだろう。

 「即刻、ゴミ箱行きだ」だそうです。
■「若者の起業支援へサイト整備 政府、7月立ち上げ」(2013/6/30 日本経済新聞)(この記事は日経電子版から消去されている)

 内閣府、中小企業庁、文部科学省が若者の起業を後押しするポータルサイト「起業・創業支援サービス」を立ち上げるそうだ。会社設立や資金調達の方法など情報提供し、ビジネスコンテストも紹介。優秀なアイデアはVCらが審査し、出資を働き掛けるとのこと。

 民間ですでにこの種のサイトはあり、またネットで調べれば誰でもわかることだ。それを高いコスト(税金)を使って、政府が自前でやるのか。また、過去に多額の予算を使ってつくったサイトはどうなったのか。

 記事ではフリーター問題を挙げ、「若者の起業を促して新産業を育てることで、新たな雇用の場を生み出したい考えだ」とある。実際、あるインキュベーション組織には、「給料は国が持つから失業者の若者を引き受けてほしい」との打診が政府から来たという。目的と手段をはき違えた例だ。

 「インキュベーション」とは以下のような意味。
インキュベーター(英語: incubator)は、起業に関する支援を行う事業者。広義には既存事業者の新規事業を含む起業支援のための制度、仕組み、施設等を含める場合もある。起業支援の概念を指す場合にはインキュベーション(Incubation)という。孵化器の意。
Wikipedia

 説明の長いものは、最後。
■「成長企業の資金調達支援など議論 金融審、年内めどに報告書」(サンケイビズ 2013.6.27)

 金融審議会でベンチャー企業の資金調達やIPOの負担を軽くすることなどの議論を始め、クラウドファンディングを広めるための方策を中心に話し合うそうだ。また、個人の出資の上限を設ける方針だという。その他の支援策は、新規株式公開時の最低株主数基準の緩和、上場時の提出書類を減らすなどのコスト削減策などがある。

 上場時のコンプライアンスなどの要求が過大という見方がベンチャー関係者のなかで多く、こうした点の改善は良い。しかし、なぜクラウドファンディングを資金調達の中心施策とするのか理解に苦しむ。

 長期的には可能性があるかもしれないが、短中期的にはさしたるプラスにはならないだろう。やってもいいのだが、運用上いろいろと課題がある手法だ。寄付や前売りには使えても一般の資金調達には使い難いこともあり、米国のVC界は静観の構えだ。

 個人の出資の上限を設けるのは、「未公開株の詐欺に会わないように」と記事にあるが、規制を設けるとせっかくの個人からのリスクマネーが減じる危険性がある。規制で詐欺を減らすという、安易な方策だ。

 上記のように数は結構あるようです。しかし、各省庁がバラバラかつ的外れなことをやっているために、実際の効果は甚だ疑問視されているようです。

 同様に「官民ファンド」も数と予算はあるものの、やはり中身が足りないようです。
◆産業革新機構
 平成24年補正で1,040億円が政府から追加された(計2660億円)。

◆文部科学省高等教育局の官民イノベーションプログラム
 今年1月に4大学に1000億円を出資が閣議決定されている。

◆経済産業省のクールジャパン推進機構(仮称)
 海外需要の獲得をねらい500億円を計画している。

◆農林漁業成長産業化ファンド(A-FIVE)
 当初予算300億円でJAやみずほ銀行などがサブファンドで出資の模様。

 自民党は官民ファンド好きですよね。国家資本主義だとか、共産主義だとかって批判が出るのはこういう部分です。

 でも、こういった批判は全く受け付けてもらえません。
ある官民ファンドについて懸念を言ったベンチャーキャピタリストに対し、当該省庁の役人は「あなたたちができないから、我々がやるんです」と言ったそうだ。

 キャー、かっこいい!いいセリフですね。
 この発言には、二つの問題がある。まず自信過剰、無知の知(何を知らないかも知らない素人)の問題。そして、役割分担と協調・連携がエコシステム発展の鍵なのに、つながりを軽んじているという問題だ。


 この繋がりに関しては、政府だけでなく、一応ベンチャー企業側にも問題ありと作者は言っています。政府がひどすぎるのなら、仕方ないような気もしますけどね。
 日本でビジネスしている以上、政府とベンチャー企業は切っても切れない。政府もエコシステムの重要なメンバーであり、つながっている。いわば、同じ船に乗っているのだ。

 両者は心理的にも遠い。起業家の中には「政府は何もしないでくれ」と言う人もいるくらいだ。しかし、制度や会計・上場基準ほか、体制側が役割を果たしてこそ、ベンチャー企業は活躍できることを忘れてはならない。ヒドイと言うだけでは「狼の遠吠え」に終わる。意見表明や議論、対話をしてこそ、前に進むことができるのだが、これらが足りない。

 政府側も、ベンチャー関係者とはつながりが薄い。各省庁はすでに出来上がっている業界とつながりが強い。しかし、ベンチャーは成長企業で、既存の業界の枠に嵌らないことが多く、関係する省庁は多岐に渡ってしまう。したがって、どうしても特定の省庁の、特定の課と強いつながりは持ちにくい。しかも、米国のようにベンチャー関係者のなかでロビイングなどもしていないから、なおさらだ。

 政治家って新興企業の邪魔するときは、ハツラツとして動きますね。そういうときだけは優秀です。


 あと、政策の中には一応見るべきところも見つけられるようです。
 政府の行なっている施策が、すべてダメかというとそうではない。成果を上げそうな施策や取り組みもある。

 実験的な27件のベンチャー企業支援プログラムが行われている。(個人版エンジェル税制は年数億円しか利用されておらず効果薄だが)法人版のエンジェル税制が前向きに検討されているとも聞く。前出の様に、過剰な上場への要請事項の緩和もプラスだ。人材開発もコツコツ継続させたい。

 また、自民党の中間提言(P.21-26がベンチャー関係)もパーフェクトではないが色々と意味あることが記されている。

 この提言では、各省バラバラの単発施策、中小企業政策とベンチャー政策の混在、官・民の曖昧な役割分担などの課題を指摘し、ベンチャー支援を経済再生の中軸に据える政治の強力なメッセージと、共通ビジョンを掲げるオール霞が関による政策パッケージの策定が唱えられている。

 「各省バラバラの単発施策」ってのは、いかにも「問題を発見しました!」みたいな雰囲気ですが、先述のように自分たちでやっていることです。


 記事でおもしろかったのは、"エコシステム(引用者注:たぶん将来のベンチャーのためとなる生態系といった意味)の育成には、法制度の改革など面倒なことも多いが、他の施策に比べて巨額な金が必要なわけではない"としているところでした。お金をそれほど使わなくていいというのだから、実に結構な話です。

 ただ、これがまた政治家好みじゃないんですよね。バーンと予算を出す政策の方が好きですし、そっちの方が目立つので「仕事やった感」が大きいです。政治家らの自己満足の世界というだけでなく、もしかしたら国民受けも良いかもしれません。

 また、
 さらに単年度の予算主義、制度や法をつくることへの偏重などもあらためる必要がある。ベンチャー企業の育成は、計画通りには決して進まない。規制緩和・撤廃や税制改編など、他の分野との調整も必要な事柄が多々あり、場当たり的な対応ではこれを突破するのは難しいだろう。長期的な取り組みが不可欠だ。

 というのも、規制緩和とか、長期的視野とか、政治家の嫌いなことばかり。規制緩和なんかは官僚も特に嫌がるでしょう。

 ……なんかやっぱり政府には、期待するだけ無駄かなぁという話でした。


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